簿記2級・3級のネット試験に落ちた!主な原因と合格するための対策

日商簿記試験は2級・3級をネットで受験できます。

もし落ちてしまっても大丈夫、効率よく試験対策を行えば十分合格を目指せます。

この記事では簿記のネット試験に落ちてしまう主な原因、合格するために必要な勉強法について解説しています。

簿記のネット試験に落ちる主な原因

ここでは簿記のネット試験で不合格となってしまう原因を紹介します。

初心者でも合格を目指しやすい難易度とされる日商簿記3級でも、十分な対策をしなければ不合格となるケースは少なくありません。

余裕をもって試験に臨むことが、合格への一番の近道です。

ネット試験が可能な2級・3級で落ちてしまう原因として、主に以下の2点が考えられます。

  • 学習時間を確保できなかった
  • ネット試験に慣れていない状態で受験した

学習時間を確保できなかった

日商簿記試験の合格基準は、2級・3級ともに正答率70%となっています。

たとえ、100点中69点でも不合格となってしまいます。

簿記特有の勘定科目や仕訳のルールなど、基礎をマスターして、繰り返し問題を解いておく必要があります。

特に3級は合格率が40%程度とされ、初心者でも十分合格を目指せるレベルとされています。

ただ、全く知識のない状態から合格できるわけではありません。

計画的に学習を進め、知識を定着させることが大切です。

ネット試験に慣れていない状態で受験した

2級・3級はネット試験が全国の会場で定期的に実施されています。

しかし、会場での慣れないパソコンの操作が不合格の原因となる場合もあります。

試験は会場内の端末で受験するため、パソコンの操作に慣れていないと苦戦することとなります。

きちんと計算できていても、入力ミスをしてしまうと点数につながりません。

また、問題が画面上に表示されているため、問題用紙への書き込みができないことも難点です。

紙の問題に慣れている場合は、複雑な問題を解きにくく感じられるでしょう。

実は難しい簿記試験

簿記の合格率は3級で40%程度、2級では20〜30%前後と、独学で合格できる難易度といっても実は難しいです。

初心者の場合、簿記特有の用語や仕組みを覚える必要があります。

十分に学習時間を設け、多くの問題を繰り返し演習しなければなりません。

ではどれくらい勉強すればよいのでしょう。

ここでは合格率や勉強時間など3つのポイントを紹介します。

  • 簿記試験の合格率
  • 簿記試験に必要な学習時間目安
  • 簿記試験に落ちても恥ずかしくない

簿記試験の合格率

日商簿記の最新の合格率を見てみましょう。

3級が2025年2月実施の統一試験で28.7%、24年4月〜25年3月のネット試験で38.6%と、30〜40%程度となっています。

つまり、半数以上が不合格となっているようです。

一方2級は、統一試験が20.9%、ネット試験では35.7%です。

3級に比べて、難易度が高くなっていることがうかがえます。

なお、1級の統一試験の合格率は15.1%となっており、より専門性が高いことが分かります。

【参考】商工会議所の検定試験・簿記 受験者データ

簿記試験に必要な学習時間目安

日商簿記2級・3級に合格するためには、それぞれ以下の学習時間が必要とされています。

資格学習時間の目安学習期間の例
日商簿記2級100~200時間1~2時間×3~6カ月
日商簿記3級50~100時間1~1.5時間×2~4カ月

2級は3級レベルの知識があることを前提としています。

また上記の目安は、通信講座やオンライン講座などを活用して効率よく学習する場合です。

市販のテキストを使った独学の場合、より多くの時間を確保しなければなりません。

3級で100〜150時間、2級で150〜250時間が必要といわれています。

知識や経験によっても必要な学習時間は異なりますので、あくまでも目安と考えてください。

自分に合った学習計画を立てて臨みましょう。

簿記試験に落ちても恥ずかしくない

「簿記3級に落ちてしまって恥ずかしい」と思う方もいるでしょう。

簿記試験は、合格率が4〜5%の司法書士や、4〜7%の中小企業診断士に比べると易しいです。

ただ、勉強しなくても合格できるというわけではありません。

簿記には基礎知識だけでなく、仕訳のルールの習得も必要です。

勉強を始めてみると、専門用語が分からず難しく感じたり、仕訳の方法などで頭を悩ませたりする場面も出てくるでしょう。

テキストでしっかり基礎を押さえ、繰り返し問題を解くことで徐々に理解できるようになるはずです。

たとえ不合格になったとしても「恥ずかしい」と思わなくて大丈夫です。

上記の学習時間を目安に、効率よく学習しましょう。

簿記のネット試験に合格するための勉強法

ここではネット試験に合格するための勉強方法を紹介します。

統一試験に比べて、定期的に実施されるネット試験でより早く合格をつかみましょう。

ネット試験の場合、まずはパソコンでの操作に慣れておくことが必要です。

また、十分な時間を確保し、効率よく学習することも求められます。

ネット試験に合格するためには、以下の3つのポイントを参考にしましょう。

  • ネット試験の対策を行う
  • スキマ時間を使って学習する
  • インプットとアウトプットを繰り返す

ネット試験の対策を行う

ネット試験は用意されたパソコンで受験するので、まずは普段の学習と異なる環境に慣れましょう。

対策としては、主に以下2つが挙げられます。

1つは、普段から問題用紙には書き込まないで解くこと。

手元に計算用紙を用意して、問題用紙には何も書かずに計算用紙だけで解く練習が大切です。

ここで気を付けて欲しいのは、問題用紙の資料を計算用紙に転記しようとしないことです。転記をすれば、問題用紙に書き込むのと同じように解くことができるでしょう。

ただ、簿記3級試験は試験時間が足りない試験なので、転記しているとあっという間に時間が無くなってしまいます。資料を転記せず、計算過程を書いたり、簡単に手元で整理する程度に計算用紙を活用するのが良いでしょう。

2つ目は、CBT試験と同じような形式で対策ができるオンライン講座を受講することです。机に座って、パソコンと計算用紙を用意し、CBT試験本番と同じような練習をすることができるので、試験本番に焦りにくくなるでしょう。なおスタディングは、CBT試験対策用のオンライン問題を用意しています。

日本商工会議所では、実際の試験の操作体験版も公開しています。

事前にチェックしておくことをおすすめします。

【参考】商工会議所の検定試験・簿記 ネット試験(操作体験版)

スキマ時間を使って学習する

忙しい方は、スキマ時間を使って勉強時間を確保しましょう。

前述の通り、3級で50〜100時間、2級で100〜200時間程度の学習時間が必要です。

なかなか机に向かう時間が取れないという方は、通勤時間や休み時間などスキマ時間を有効活用してください。

通勤時間や昼休み、寝るまでの空き時間など、日々の細切れ時間は意外とあるはずです。

仕訳の理解や暗記などの基礎学習、簡単な計算の解答ならば、スキマ時間でどこにいても学習することができます。

スキマ時間での学習にはオンライン講座の活用がおすすめです。

スマートフォンで講座を視聴したり、一問一答形式の問題演習をしたりすることが可能となります。

生活の中に無理なく学習を組み込むことができます。

インプットとアウトプットを繰り返す

簿記の試験は用語を暗記するだけでは合格できません。

知識のインプットと問題演習によるアウトプットを繰り返すことが、学習の効率を上げることにつながります。

まずはテキストを読み込み、基礎知識をインプットします。

そして必ずすぐ問題を解いて理解を深めましょう。テキストを読み込むだけではイメージしにくかったことも、問題を実際に解くことで理解しやすくなります。

テキストでのインプットと問題演習によるアウトプットを繰り返すことで、計算方法や経理・会計の仕組みを頭にたたき込み、応用問題も解けるようになります。

まとめ

今回は、日商簿記のネット試験で不合格になってしまう原因と、合格するための勉強方法を紹介しました。

  • ネット試験を受験する際には、パソコンを操作することに慣れておくことが重要
  • 通信講座を活用する場合でも、3級で50~100時間、2級で100~200時間の学習が必要
  • ネット試験の対策にサンプル問題を活用しよう
  • スキマ時間を活用し、効率よく学習することが重要
  • 知識を定着させるには、インプットだけでなく問題演習によるアウトプットが必須

一度不合格になったという方も、効率よく学習して合格を手にしましょう。

ネット試験に対応した学習をするなら「スタディング 簿記試験講座」がおすすめです。

講座は無料で体験できるので、ぜひお試しください。