大学生のうちに資格を取るメリットとは
これから資格を取得すべきかどうか、悩んでいる大学生の方も多いかと思います。
大学生のうちに資格を取得することについて、どのようなメリットがあるか解説します。
- 勉強時間の確保がしやすい
- 自己分析につながる
- 就活で役立つ場合も
1. 勉強時間の確保がしやすい
大学生は、社会人に比べて資格取得の勉強に使える時間が多くあります。
例えば、夏休みなどの長期休暇、授業の合間や授業後の空き時間、通学時間などのスキマ時間を使えば、効率的に勉強を進められます。
また、図書館や教室などを使えば、勉強するための場所にも困らないでしょう。
2. 自己分析につながる
どの資格を目指すか調べたり、選んだりすることは、自己分析にもつながります。
例えば、興味を惹かれる資格を見つけたときに、「どこに興味を持ったのか」「資格を通してどんなスキルを身につけたいのか」を考えてみましょう。
それが、将来的に目指したい業界や職種、自分の適性などを知る手がかりになるはずです。
資格選びを通して自分を見つめ直した経験は、就活を始める際の自己分析にも役立つでしょう。
3. 就活で役立つ場合も
もちろん、資格自体が就活で役立つケースもあります。
選考時の自己PRにおいて、資格取得を目指して前向きに努力した経験は、よいアピールになるでしょう。
また、応募求人の業務と直結した分野の資格を取得していれば、選考で評価されるかもしれません。
入社後に仕事をするときも、資格取得を通して身につけたスキルや知識が大いに役立つでしょう。
文系・理系問わず。大学生におすすめの資格6選【難易度別】
大学生におすすめの資格を、難易度別に6つ紹介します。
興味のある資格があれば、ぜひ受験を検討してみてください。
- 【難易度低め】マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)、日商簿記
- 【難易度は中程度】ファイナンシャルプランナー(FP)、ITパスポート
- 【難易度高め】TOEIC、宅地建物取引士(宅建)
【難易度低め】マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)、日商簿記
1. マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
正式名称 | マイクロソフトオフィススペシャリスト |
概要 | ExcelやWordなどのマイクロソフトオフィス製品の利用スキルを証明する。パソコン上で問題を解く実技試験(50分) |
試験日 | 全国一斉試験:月1〜2回 随時試験:随時(会場による) |
平均点 | 非公開 |
合格点 | 非公開だが700点程度とされる |
必要な勉強時間の目安 | 初心者がスペシャリスト合格を目指す場合で80時間程度 |
MOSは、ExcelやWordなどのスキルを証明する資格です。
取得を目指して勉強する中で、パソコンの基礎的なスキルを習得できます。
近年は多くの企業や職種で、パソコンの利用スキルが必須となっているため、幅広い業界の実務で役立つ資格と言えるでしょう。
MOSは、随時試験であれば好きな日時や会場を選んで受験できます。
結果も試験終了後にその場でわかるため、すぐに履歴書やエントリーシートに記入できるメリットがあります。
試験はソフトごとにスペシャリスト・エキスパートでレベルが分かれています。
初心者の場合、まずはスペシャリストの取得を目指すとよいでしょう。
2. 日商簿記
正式名称 | 日商簿記検定 |
概要 | 簿記(企業の経済活動を帳簿に記録する作業)の技能を証明する。ペーパー方式の統一試験かネット試験(3・2級のみ)で問題を解く試験(3級60分、2級90分、1級180分) |
試験日 | 統一試験:3・2級は年3回(6・11・2月)、1級は年2回(6・11月)
ネット試験:随時(会場による) |
合格率 | 3級:30.2%、2級:20.9%(統一試験2022年11月20日実施分) |
合格基準 | 70%以上 |
必要な勉強時間の目安 | 3級:50~100時間程度、2級:100~200時間程度 |
簿記とは、企業の営業取引や経営活動などの流れを、帳簿に正確に記録する作業です。
一般企業の経理・財務・会計部門はもちろん、金融業界や商社、コンサルティング企業などで歓迎されるスキルです。
日商簿記検定は、3級から1級までの3段階に分かれていますが、就活に生かしたい場合は、企業からの評価が高くなる2級以上の取得をおすすめします。
「上記の職種や業界を目指している人以外には必要ない資格では?」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。
2級以上を取得すると、企業の財務諸表を読んだり、経営状況を分析したりできるようになるため、簿記のスキルは幅広い業界や職種で役に立つでしょう。
2・3級の場合、ネット試験であれば好きな日時や会場を選んで受験できます。
受験結果も、試験終了後にその場で知ることができます。
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【難易度は中程度】ファイナンシャルプランナー(FP)、ITパスポート
3. ファイナンシャルプランナー(FP)
正式名称 | ファイナンシャル・プランニング技能検定 |
概要 | 資金計画やライフプランニングに関する知識を認定する。学科(120分)と実技(3級60分、2級90分)の筆記テスト |
試験日 | 3・2級は5・9・1月 |
合格率 | FP協会
3級:学科85.25%、実技88.34%、2級:学科56.12%、実技59.53% きんざい 3級:学科56.00%、実技50.95%、2級:学科29.07%、実技35.14% (2023年1月22日実施分) |
合格点 | 60%以上 |
必要な勉強時間の目安 | 3級:80~150時間程度、2級:150~300時間程度 |
FP技能検定は、預貯金、年金、相続、不動産、教育資金などの知識をもとにマネープランを作成したり、依頼者にアドバイスを行ったりするための知識を認定する国家資格です。
FP協会と金融財政政策研究会(きんざい)がそれぞれ実施していて、どちらで取得しても同じ資格を取得できます。
3級から1級までの3段階に分かれていますが、就活に生かしたい場合は、企業からの評価が高くなる2級以上の取得をおすすめします。
銀行・証券・保険といった金融業界や不動産業界などでは、取得が推奨されていたり、昇格の条件になっていたりする企業も少なくありません。
ただ、FPの知識は自分自身のマネープランや将来設計を考える際にも役立つため、どんな職業の人にも人気の資格となっています。
FP技能検定は、国家資格としては合格率が高く、取得を目指す人も多い資格です。
ただ、初心者が少しの勉強で合格できるほど簡単な検定ではないため、受験の際は計画的な試験勉強が必要です。
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4. ITパスポート
正式名称 | ITパスポート試験 |
概要 | ITに関する総合的な基礎知識を認定する資格。
パソコン上で問題を解く選択式(CBT方式)のテスト(120分) |
試験日 | 全国47都道府県ごとに試験日程・試験会場を設定 |
合格率 | 51.2%(2023年2月度実施分) |
合格点 | 各分野300点以上かつ総合評価点600点以上 |
必要な勉強時間の目安 | 情報処理の基礎知識がある場合は100時間~150時間程度。
基礎知識から学ぶ場合は180時間程度。 |
ITパスポート試験は、ITの基礎知識を証明できる資格です。
国家資格としては合格率が高く、比較的取得しやすいため、IT系資格の入門として人気も高まっています。
試験では、セキュリティ、ネットワーク等のIT知識はもちろん、経営戦略、マーケティング、財務・法務等の経営全般に関する知識なども問われます。
IT化が進む現代社会において、IT活用なしにはビジネスも成り立ちません。
そのためIT業界はもちろん、それ以外の多くの企業でもITパスポートの取得が推奨されています。
理系の学生には特におすすめの資格で、情報系の授業を受けた経験があれば、取り組みやすい内容となっています。
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【難易度高め】TOEIC、宅地建物取引士(宅建)
5. TOEIC
正式名称 | TOEIC® Listening & Reading Test |
概要 | ビジネスや日常の場面で使われる英語の理解力を測る。リスニング(約45分)とリーディング(75分)の約2時間に及ぶテスト |
試験日 | 受験地による(東京で月1〜2回) |
平均スコア | 618.2(2023年1月29日実施分) |
目指したい点数 | 600点 |
必要な勉強時間の目安 | 100点アップさせるのに200~300時間が必要(スコアが高くなるほど費やす時間はさらに多くなる) |
TOEICは、ビジネスや日常生活で使う英語の理解力を測るテストで、主に読解力とリスニング力を問われる問題が出題されます。
結果は、合格・不合格の判定ではなく、スコアが出る形式です。試験は月1〜2回実施されており、挑戦しやすい資格の1つです。
スコアが高ければ高いほど、就活時に英語力をアピールできます。
人気の企業や業界への就職を狙っているのであれば、600点を目標にするとよいでしょう。外資系企業であれば700点以上を求められる場合も多いようです。
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6. 宅地建物取引士(宅建)
正式名称 | 宅地建物取引士資格試験 |
概要 | 宅地・建物の売買や、賃貸を仲介する業務(宅地建物取引業)の知識を認定する資格。50問・四肢択一式による2時間(※)の筆記試験
※登録講習修了者は1時間50分 |
試験日 | 10月の第3日曜日 |
合格率 | 17.0%(2022年10月16日実施分) |
合格点 | 毎回変動(近年は31点〜38点程度) |
必要な勉強時間の目安 | 200~300時間程度 |
宅建は、不動産業界はもちろん金融業界、建設業界を目指す人にもおすすめの資格です。
不動産会社が宅地建物取引業を行うには、「事務所ごとに、従業者の5人に1人以上の割合で、専任の宅地建物取引士を設置しなければならない」という条件があります。
そのため不動産を扱う業種では、入社後の取得を必須にしたり、昇格の条件にしたりする企業も少なくありません。
また、独立開業をする際にも活かせる資格のため、将来的に独立を目指したい人にもおすすめです。
難易度は高いですが、国家資格の中では合格率が15〜17%程度と比較的高く、学生のうちに短期間での合格も目指せる資格です。
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就活におすすめ? 大学生が資格を取る前に考えたいこと
どんな資格でも、必ず就活の役に立つというわけではありません。
資格を取得する前には、以下のポイントを意識して、自分にとってどんなメリットがあるかを考えてみるとよいでしょう。
▼目指している業界や仕事の役に立つか
目指している業界や職業が決まっている人は、その仕事で必要な資格や役に立つ資格がないかを調べてみましょう。
職種によっては、資格が必須な場合もあれば、必須ではないが資格があったほうが有利になる場合もあります。
将来的に資格が必須な職種を目指すのであれば、当然ながらいずれは取得をしなければなりません。
また、必須ではない場合も、業務に関連する知識やスキルを得られる資格があれば、将来的に役に立つ可能性は高いでしょう。
▼興味を感じる分野か
趣味に関連する内容の資格や、興味を感じる分野の資格などもおすすめです。
もともと好きで触れていたり、興味があったりした分野であれば、勉強も楽しくできるでしょう。
資格の取得によって知識やスキルが身につけば、それが将来の仕事につながる可能性もあります。
資格取得のための勉強のコツは?
資格を取得するためには、ただやみくもに勉強をするのではなく、コツをつかんだ効率的な勉強が必要です。
資格取得のための勉強のコツについて解説します。
- 試験の全体像を把握する
- スケジュールを作成
- 大学内で資格のための講座に参加
- 通信講座を利用する
試験の全体像を把握する
まずは、いきなり勉強を始めるのではなく、全体像を把握しましょう。
勉強が必要な出題範囲を確認し、合格するために必要な要点をチェックします。
具体的には、出題範囲のボリューム感や、章立てなどを知っておくのが重要です。
やみくもに勉強を始めると、「どこまで進んだのか」「あとどれくらいの勉強が必要なのか」などもわからなくなってしまいます。
スケジュールを作成
全体像を把握したら、勉強のスケジュールを作成しましょう。
カレンダーのアプリやExcel、手書きの手帳など、ツールは好きなもので構いません。
スケジュールは、例えば「毎日教本を一章ずつ勉強する」「この日からは過去問を解く」といった感じで記載していきます。
勉強のスケジュール作成をしておくと、以下のようなメリットがあります。
▼自分が勉強するペースを確かめられる
スケジュールを作らず、気分で勉強をするだけでは、勉強のペースが把握できません。
そのままやみくもに勉強をしても、試験日までに出題範囲が終わらず、合格レベルの知識が身についていない、といったことにもなりかねません。
自分のペースを把握できれば、例えばこの日までに教本の最終章を終わらせて、この日から試験日までは過去問を解くといったペース配分ができるようになります。
▼予定の立て直しができる
急な用事などで、決めた通りの勉強ができない日もあるでしょう。
そんなときもスケジュールがあれば、「この日までにこの章を終わらせておく必要がある」といったこともわかるので、リカバーしやすくなります。
例えば「サークル活動が長引いて勉強できなかった日の分は、時間がある週末に進めよう」というように、必要に応じて予定を調整できるのです。
大学内で資格のための講座に参加
大学によっては、通常の授業以外に、資格取得のための講座を開いている場合があります。
学内の講座であれば、ふだんの授業と同じ感覚で受講できて、勉強に使う教材や勉強場所に困ることもありません。
費用面も、別のスクールに通ったり通信講座を受けたりするよりは、安価な場合が多くあります。
また、同じ資格取得を目指して勉強できる仲間が、学内にできるかもしれません。
大学の資格講座には上記のようなメリットがあるため、開講されていないか調べてみるとよいでしょう。
通信講座を利用する
大学で資格講座が開講されていない場合は、民間の通信講座を活用してみるとよいでしょう。
通信講座と言われると、「学費が高そう」と思う方もいるかもしれませんが、最近は比較的安価な講座や、短期間で合格レベルのスキルが身につけられる講座も増えています。
また、同じ資格の勉強をしている人たちによる、コミュニティ機能を備えた通信講座もあります。
仲間がほしい人も、コミュニティ内で励ましあえるので、モチベーションも維持しやすいはずです。
まとめ
今回のポイントをおさらいしておきましょう。
- 大学生のうちの資格取得は、勉強時間が確保しやすく就活にも役立つ
- 大学生が取得するなら、簿記やFP、TOEICなどの資格がおすすめ
- 資格を取得する前に、目指す業界に役立つか、興味を持てるかを考えてみる
- 資格の勉強を始める前に、全体像を把握してからスケジュールを作成する
興味を持った資格がある人は、ぜひこの機会に勉強を始めてみてください。
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