簿記3級とは|試験の概要や合格率の推移、勉強方法をまとめて解説

「簿記3級ってどんな資格?」
「簿記3級を取得するメリットは?」
「独学で簿記3級に合格できる?」

簿記3級の取得を検討するにあたって、このような疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

この記事では、簿記3級の概要や資格取得のメリット、試験の難易度、勉強方法などについてわかりやすく解説します。記事を読むことで、簿記3級についての理解を深め、合格に向けてやるべきことをみつけてもらえればと思います。

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【目次】

・日商簿記3級とは

・簿記3級の合格基準と合格率

・簿記3級を取得するメリット

・簿記3級試験の難易度

・簿記3級の勉強方法

・まとめ


日商簿記3級とは

日商簿記3級とはどのような資格なのか、その概要や近年導入されたネット試験(CBT方式)について紹介します。


簿記3級試験の概要

日商簿記3級は、日本商工会議所が主催する資格試験の1つです。日商簿記は5つの級に分かれており、1級・2級・3級・簿記初級・原価計算初級があります。3級は、基本的な商業簿記を習得したうえで小規模企業において適切な経理処理を行なうために必要なレベルとされています。

3級以上であれば履歴書に記載する価値があるとされているため、最初に目指す資格としておすすめです。また実務レベルとしても、中小企業・大企業問わず経理業務に携わるのであれば、簿記3級レベルの知識は必須だといえるでしょう。経理業務に携わらない場合でも、ビジネスパーソンとして身につけておきたい基本スキルの1つです。


日商簿記3級の基本情報と試験スケジュールは、以下のとおりです。


【基本情報】

主催団体 日本商工会議所
受験資格 特になし
試験科目 商業簿記(3題以内)
試験時間 60分
受験料 2,850円(税込)


【2022年度統一試験のスケジュール】

試験日 受験申込開始時期
【161回】2022年6月12日 4月下旬頃から
【162回】2022年11月20日 10月上旬頃から
【163回】2023年2月26日 1月中旬頃から

※申込受付の期間・方法は商工会議所によって異なるため、詳細は各商工会議所に問い合わせる必要があります。


ネット試験(CBT方式)も選択可能

簿記3級の試験は、従来の紙の試験(統一試験)に加えて「ネット試験(CBT方式)」も選択できるようになりました。

「ネット試験」と聞くと、自宅でパソコンを使って受験するイメージを持つかもしれませんが、そうではありません。商工会議所が指定したテストセンターに足を運び、テストセンターのパソコンを使って解答する試験となっています。それでも、自身の都合に合わせて受験できる点は大きなメリットでしょう。

ネット試験の主な特徴は以下のとおりです。受験資格や試験科目、試験時間は統一試験と変わりません。

対象資格 2級・3級・簿記初級・原価計算初級
受験日時 テストセンターの空き状況にあわせて随時実施
申込開始時期 随時受付
合格発表時期 試験終了後、即時判定
申込方法 インターネット受付
受験料 2,850円(税込)+ 事務手数料550円(税込)
受験票 発行なし
変更・キャンセル 受験日の3日前まで、受験日・時間・会場の変更およびキャンセルが可能


好きなタイミングで受験できるネット試験ですが、2級・3級については年4回の施行休止期間がある点に注意が必要です。2022年度の施行休止期間は以下のとおりです。

  • 2022年4月1日(金)~2022年4月13日(水)
  • 2022年6月6日(月)~2022年6月15日(水)
  • 2022年11月14日(月)~2022年11月23日(水・祝)
  • 2023年2月20日(月)~2023年3月1日(水)


関連記事:日商簿記検定 筆記試験とネット試験のちがい


簿記3級の合格基準と合格率

ここからは、簿記3級の合格基準と合格率について紹介します。満点をとろうと闇雲に勉強するのではなく、要点を押さえて効率的に学習を進めましょう。

合格基準

簿記3級の合格基準は100点満点中70点以上です。また、問題構成や配点は以下のとおりとなっています。

設問 問題構成 配点
第一問 商業簿記仕訳15問 45点
第二問 問1:補助簿・勘定記入
(商品有高帳・固定資産台帳・前払利息勘定・未払利息勘定・仮払法人税等勘定・繰越利益剰余金勘定など)

問2:穴埋め形式の理論問題

20点
第三問 決算整理後試算表・精算表 35点


合格率の推移

簿記3級の合格率推移は、以下のとおりです。

日付 合格率
第161回 2022.6.12 45.8%
第160回 2022.2.27 50.9%
第159回 2021.11.21 27.1%
第158回 2021.6.13 28.9%
第157回 2021.2.28 67.2%
第156回 2020.11.15 47.4%
第155回 2020.6.14 中止
第154回 2020.2.23 49.1%
第153回 2019.11.17 43.1%
第152回 2019.6.9 56.1%
第151回 2019.2.24 55.1%
第150回 2018.11.18 43.8%
第149回 2018.6.10 44.3%

出典:簿記 商工会議所の検定試験「受験者データ


※第155回の試験は新型コロナウイルス感染症の影響により中止されています。

簿記3級の合格率はおおむね50%前後となり、受験者のおよそ2人に1人が合格しています。ちなみに第158回と第159回の合格率が低くなっているのは、「試験方式の変更」「出題区分の改定」があったためと考えられます。


簿記3級を取得するメリット

簿記3級を取得するメリットは、主に3つあります。

  • どんな仕事にも活かせる
  • 就職、転職に有利になる
  • 他の資格取得へのステップアップに役立つ


ひとつずつ解説していきましょう。


どんな仕事にも活かせる

簿記の知識は、経理業務だけでなくさまざまな業種・職種に活かせます。簿記を学べば、会計の基本知識だけでなく以下のようなスキルも身につけられるからです。

  • 会社の数字や財務諸表を読む力
  • 会計的な視点で経営を分析する力
  • 取引先の経営状況を把握する力
  • 費用対効果を見極めるコスト感覚


営業やマーケティングなど、さまざまな部門で活かせる知識だといえるでしょう。


就職、転職に有利になる

簿記の資格があれば、就職や転職の際に有利になります。企業からのニーズが高いスキルであるため、簿記3級を取得していれば書類選考や面接の際にプラスとなるでしょう。

企業の経理部門などで働く場合は2級レベルの知識を求められることも多いですが、簿記を学ぶのが初めてなら、まずは3級取得を目指すのが無難です。

関連記事:簿記3級と2級どちらから始めるべき?|はじめての簿記検定


他の資格取得へのステップアップに役立つ

簿記3級を取得することで、他の資格取得へのステップアップにつながります。「簿記3級→2級→1級」と専門性を高めたり、簿記と関連性のある公認会計士や税理士、中小企業診断士、FP(ファイナンシャルプランナー)などの資格を取得したりすれば、キャリアの選択肢が大きく広がるでしょう。


簿記3級試験の難易度

続いて、簿記3級試験の難易度について紹介します。初めて簿記を学ぶ場合、「初心者でも合格できる?」「合格するにはどのぐらい勉強が必要?」「独学で合格できる?」といった疑問を持つ方は多いでしょう。

以下、それぞれ詳しく解説します。


簿記初心者でも合格可能

結論からいえば、日商簿記3級は初心者でも十分合格可能な資格です。簿記3級の合格率は50%前後ですが、2級の合格率は15〜30%前後、1級の合格率は10%前後です。2級や1級と比べれば簿記3級は合格率が高く、初心者でも計画的に学習することで十分合格を目指せる難易度となっています。

ただし、仕訳や勘定科目など簿記特有の用語・仕組みを覚える必要があり、簡単に合格できるわけではありません。


必要な勉強時間の目安

日商簿記3級合格に必要な勉強時間の目安は、約100時間といわれています。

1日1時間の勉強であれば約3カ月、1日2時間であれば約2カ月、1日3時間であれば約1カ月で合格が可能だと考えられます。ただし独学で取り組む場合には、講座などを利用する場合と比べて学習効率が落ちる傾向にあるため、少し勉強期間に余裕を持たせるほうがよいでしょう。

関連記事:簿記検定合格までに必要な勉強時間はどれくらい?


独学で合格できるのか

簿記3級は簿記の基礎を扱う試験であるため、独学でも十分合格は可能だといえます。

最初は専門用語がわからず難しく感じたり、仕訳の方法などで頭を悩ませたりする場面も出てくるかもしれません。しかし、基本をしっかりと押さえ、繰り返し問題を解くことで徐々に理解できるようになるでしょう。

独学でバランスよく計画的に学習を進める自信がない方は、料金的にも利用しやすい通信講座やオンライン講座を利用するのがおすすめです。2級と3級がセットになったコースもあるため、将来的に3級より上のレベルを目指したいという方にも適しています。


簿記3級の勉強方法

簿記3級の勉強方法は、主に以下3つのパターンに分かれます。

  • 市販のテキストで独学する
  • 通信講座・オンライン講座を利用する
  • 通学制のスクールに通う


ひとつずつメリット・デメリットを見ていきましょう。


市販のテキストで独学する

1つ目は、市販のテキストで独学する方法です。

市販のテキストで勉強するメリットは、費用を抑えられることやすぐに勉強を開始できることでしょう。また自分のペースで進められるため、時間を有効活用することも可能です。

ただし、以下のようにデメリットもあります。

  • テキスト選びに迷ってしまう
  • 分厚いテキストを持ち運ぶのが面倒
  • 学習の進捗管理が難しい
  • 間違いに自分で気づけない場合がある


自分自身で計画的に学習を進める自信がある方は、独学で合格を目指してみてもよいでしょう。


通信講座・オンライン講座を利用する

2つ目は、通信講座・オンライン講座を利用する方法です。

簿記資格のプロによってカリキュラムが設計されているため、バランスよく体系的に学ぶことが可能です。また、よく出題されるポイントに絞った効率的な学習も可能となります。オンライン上で学習できるものなら、すきま時間を活用していつでもどこでも勉強できるという点も大きなメリットでしょう。

市販のテキストより費用がかかる点はデメリットですが、3級であればそこまで高額にはならないことが多いです。


通学制のスクールに通う

3つ目は、通学制のスクールに通うという方法です。

わからないことがあれば講師に質問できる点や、一緒に学ぶ仲間がいる点は大きなメリットです。自分で計画的に学習を進めたり、モチベーションを保ったりするのが難しそうだと感じる方は、検討してみるとよいでしょう。

デメリットとしては、料金が高い点や通学に手間・時間がかかる点などが挙げられます。


まとめ

今回取り上げた簿記3級について、ポイントをおさらいしておきましょう。

  • 日商簿記3級とは、日本商工会議所が主催する資格試験の1つ
  • 合格率は50%前後で、独学での合格も可能
  • 簿記3級の取得は、就職や転職に加え、さまざまな仕事に役立つ
  • 自分に合った勉強方法を選択することが大切


簿記3級は、学習を計画的に進められれば初心者でも十分合格を目指せる資格です。しかし、「独学で継続できるか不安」「忙しくて勉強時間が取れない」という方は、通信講座やオンライン講座を利用した方が効率よく合格に近づけるでしょう。

本記事を参考に自分に合った勉強方法を選び、ぜひ簿記3級合格に向けた一歩を踏み出してみてください。

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