システムエンジニアは、社内システムの開発・設計・運用・保守といったシステムサービス全般を担うIT技術者です。ITの知識と実務スキルを活用し、企業のさまざまな課題を解決する役割が求められます。
業務上の課題を抱える企業があるとします。システムを使って解決アプローチを試みたくても、そのためのスキームを構築する知識とノウハウがなければ、動きようがありません。そこで必要とされる存在が、ITの専門家であるシステムエンジニアなのです。顧客からのヒアリングを通して、その要求度や対応可能な機能、予算などに応じて最適なシステムの設計開発を目指します。
企業の財務や収支を把握する会計用のシステム開発も、もちろんシステムエンジニアが担当します。エンジニアの主な業務はシステムの設計や分析、問題把握などですが、会計処理の知識を持つことで、的確なアドバイスや提案が可能となるのです。
会計処理の業務はどんな企業にも存在するものです。社内システムの構築にあたっては、エンジニアでもある程度会計に関する知識がないと業務にも支障が発生するでしょう。売上や売掛金の管理方法、計上のタイミングなど、システムエンジニアが会計知識を持っているかどうかで、作業スピードやクライアントへ与える安心感という面で、大きな差が生まれます。
とはいえ、システムエンジニアは設計がメインですので、必ずしも簿記資格が絶対視されるわけではありません。むしろ、資格を持っている方は少数派でしょう。だからこそ、他のエンジニアの方と差別化が図れ、営業活動のバックアップも期待できるわけです。
システムエンジニアにとって簿記知識は、顧客との間で信頼構築や安心感を醸成するうえで有効性があります。それによって業界内の評価が高まれば、人脈形成にもプラスに働くでしょう。
システムエンジニアは、セキュリティやトラブルシューティングなどのIT業務のほか、会計システムの設計・構築や、運用・保守業務にも携わるケースが多々あります。会計は企業の事業活動や財務をデータ化する重要業務。仮に間違いがあれば大きな損失となり、信用問題にも関わります。そのような重要システムの設計担当者だからこそ、お金の知識が求められ、特別なポジションも任されるのです。
打ち合わせの中で、「勘定科目」や「原価計算」「債権評価」「貸倒引当金」などの会計用語が理解できなければ、相手は不安を覚えるかもしれません。反対にこれらの重要ワードに精通していれば、担当者とのコミュニケーションもスムーズに運びます。そのような知識が顧客からの信頼につながり、活動の幅も広がりやすくなるのです。
簿記は、さまざまな現場業務に生かせる、非常に汎用性の高い分野です。賃借対照表や損益計算書が読めれば、会社の事業活動の実態や今後の将来性なども把握できるようになるでしょう。なおかつ経営に関するアドバイスも可能です。上記の話から、簿記スキルは必ずしも経理担当に備わっていればよい、というわけでないことがお分かりになるかと思います。
簿記検定は、1級・2級・3級とレベルが分かれますが、実務で通用するのは2級以上といわれます。しかし、システムエンジニアは、専門がシステム開発ですので、簿記の実務スキルが必要というわけではありません。基礎知識の習得だけなら、3級レベルで十分といえるでしょう。3級であれば、比較的短い学習スケジュールでの取得が可能です。用語やその仕組みを理解するだけで業務に有効活用できるため、機会があれば取得を検討してみてはいかがでしょうか。
参考サイト:
https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/class3
https://career.levtech.jp/guide/knowhow/article/34...
http://el.jibun.atmarkit.co.jp/satomamo/2010/06/po...
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1012/24/new...
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