日商簿記3級で出題が予想される問題構成とは【統一試験・ネット試験共通】
日商簿記3級試験の問題については、毎年同じような構成で出題されています。
具体的には、以下のような構成での出題が予想されます。
内容 |
配点 | |
第1問 | 商業簿記の仕訳問題(15問) | 45点 |
第2問(1) | 補助簿・勘定記入 | 20点 |
第2問(2) | 穴埋め形式の理論問題 | |
第3問 | 決算整理後の試算表・精算表作成 | 35点 |
統一試験・ネット試験ともに出題内容は変わらないため、問題構成を把握したうえで効率的に対策しましょう。
以下、第1問〜第3問の具体的な出題パターンや学習のポイントを解説します。
関連記事:簿記3級とは|試験の概要や合格率の推移、勉強方法をまとめて解説
日商簿記3級の第1問予想
第1問では、商業簿記の基本的な仕訳問題が15問出題されるのが近年のパターンです。
配点は1問あたり3点となっており、合計45点です。
日商簿記3級は100点満点の試験であるため、仕訳問題の出来が結果を大きく左右することは間違いないでしょう。
3級の学習範囲から幅広く出題されるため、苦手分野を作らないようバランスよく学習を進めることが大切です。
理想は、問題文を見てすぐに仕訳のイメージが浮かぶようになることです。
仕訳は試算表や精算表といった応用的な問題を解く際にも必要な基礎であるため、簿記の基本としてしっかり身につけておきましょう。
第1問で出題される問題の例としては、以下のようなものが挙げられます。
【問題】
次の取引について仕訳しなさい。ただし勘定科目は各取引のア~カの中から最も適切なものを選び解答すること。
東京株式会社に商品¥100,000を注文し、手付金として¥30,000の小切手を振り出した。
ア. 当座預金 イ.仮払金 ウ.未払金 エ. 仕入 オ. 現金 カ. 前払金
【解答・解説】
借方 |
貸方 | ||
カ. 前払金 | 30,000 | ア. 当座預金 | 30,000 |
日商簿記3級の第2問予想
第2問は(1)と(2)に分かれ、合計20点となっています。
(1)では補助簿や勘定記入の問題、(2)では穴埋め形式の理論問題などが多く出題される傾向にあります。
過去の試験で出題されなかったような問題が出る場合もあり、対策が難しい部分です。
しかし、部分点を取ることが可能なため、解ける問題を確実に正解できるよう落ち着いて取り組むことが大切です。
時間がかかりそうであれば、第1問や第3問を先に解き、最後に第2問を解くという方法もあります。
第2問で出題される問題のパターンとして、以下3つご紹介します。
▼補助簿選択
補助簿選択は、「商品を仕入れ、代金の一部を現金で支払い、残りは掛けとした」という取引に対し、どの補助簿に記帳すべきかを複数選択する問題です。
上記の問題例では、「商品有高帳」「現金出納帳」「買掛金元帳」「仕入帳」を選ぶことになります。
各補助簿の役割・関係性を理解しておくことが大切です。
▼勘定記入
勘定記入は、文章や資料をもとに総勘定元帳の記入を完成させる問題です。
時系列順に正しい仕訳をする必要があります。
▼用語選択
用語選択は、「期末資本が期首資本より大きくなった場合、差額を( ① )という」といった、穴埋め形式の選択問題です。
上記の問題例では、「当期純利益」を選択することになります。
用語の丸暗記ではなく、普段から簿記の理論を理解して問題に取り組むことが大切です。
日商簿記3級の第3問予想
第3問は精算表や試算表、損益計算書、貸借対照表などを作成する問題が出題される傾向にあります。
配点は合計で35点です。
日商簿記3級の学習範囲を網羅的に理解しているかが問われる総合問題です。
それでも、決算整理のパターンはある程度決まっているため、問題集や模試で対策すれば十分正解できます。
ただし、決算整理の一連の流れで財務諸表などを作成していくため、1つのミスによって複数項目が不正解になる可能性があります。
ケアレスミスをしないよう、落ち着いて取り組みましょう。
本番前には時間を計って模試に取り組み、問題を解くペースをつかんでおくことが大切です。
以下、第3問の出題例として決算整理仕訳の一部をご紹介します。
【問題】
X3年3月31日の損益計算書および貸借対照表を作成しなさい。
決算整理事項
・期中に小切手で支払った通信費について¥12,000を¥21,000と記帳していた。
【解答・解説】
資料に記載された決算整理事項を仕訳し、解答用紙に記入しましょう。
上記の問題例では、以下の解答になります。
借方 |
貸方 | ||
当座預金 | 9,000 | 通信費 | 9,000 |
差額分を逆仕訳することで、本来の金額に合わせています。
文章を見て仕訳のイメージが浮かぶようになれば、そのまま解答を記入できるため所要時間を大幅に短縮できます。
最後に計算が合っているか見直す時間を確保するには、スピーディーに仕訳をしていくことが大切です。
日商簿記3級の問題に関するよくある質問
ここでは、日商簿記3級の問題について以下3つの質問に回答します。
- 過去問は無料でダウンロード可能?
- 統一試験とネット試験の違いは?
- おすすめのネット試験対策は?
1つずつ見ていきましょう。
過去問は無料でダウンロード可能?
日商簿記3級試験を受験するにあたり、過去問を入手したいと考える方は多いでしょう。
しかし、日商簿記3級の過去問は公開されていません。
受験の際も試験問題・計算用紙・解答用紙はすべて回収されるため、会場の外に持ち出すことはできません。
そのため、過去問の出題傾向を把握したうえで作成された模試を利用するのが最適な手段だといえるでしょう。
日商簿記3級の試験は、出題される勘定科目や取引のパターンがある程度決まっているため、模試で十分な対策が可能です。
関連記事:【実践問題つき】日商簿記3級の過去問はどんな内容?試験の概要や出題傾向を解説!
統一試験とネット試験の違いは?
日商簿記3級では、2020年12月にネット試験が導入されました。
ネット試験と聞くと自宅で受験するイメージを持つかもしれませんが、指定のテストセンターでパソコンを使って受験する形式となります。
統一試験とネット試験では、出題範囲に違いはありません。
主な違いは、試験日程と解答方法、合否確認のタイミングです。
▼試験日程
日商簿記3級の統一試験は、6月・11月・2月の年に3回実施されます。
不合格になってしまえば、次に合格するチャンスは数ヶ月先になります。
一方、ネット試験は施行休止期間を除き、テストセンターが空いていればいつでも受験可能です。
対策が完了次第すぐに受けられるため、早めに資格を取得したい方におすすめです。
▼解答方法
統一試験は紙媒体の問題用紙・計算用紙(問題用紙と一体型)・解答用紙を用いて受験します。
一方、ネット試験ではA4の白紙2枚が計算用紙として配布され、問題の確認と解答はパソコン上で行います。
▼合否確認のタイミング
統一試験の場合、合否の発表は試験の約1~2ヶ月後です。
ネット試験の場合は、試験修了後にその場で合否を確認できます。
関連記事:日商簿記検定(3級・2級・1級)の概要と筆記試験・ネット試験の違い
おすすめのネット試験対策は?
ネット試験は問題の確認も解答もパソコン上で行うため、形式に慣れていないと戸惑う可能性があります。
また、統一試験と異なり、問題用紙への書き込みができません。
ネット試験を受験する場合は、オンライン講座などを利用してパソコン上で問題を解くことに慣れておきましょう。
本番に似た環境で日頃から対策すれば、本番でも実力を発揮しやすくなります。
まとめ
本記事では、日商簿記3級で出題が予想される問題構成や対策方法について解説しました。
ポイントをまとめると以下の通りです。
- 日商簿記3級試験は、第1問45点・第2問20点・第3問35点で構成されるのが近年の傾向
- 第1問の仕訳問題は点数を取りやすいため、幅広く対応できるようにしたい
- 第2問の補助簿・勘定記入や用語選択は、わかるところから解答する
- 第3問の試算表や精算表は、仕訳を迅速かつ正確に行えるようにしておく
- ネット試験を受けるなら、オンラインの教材を使用するのがおすすめ
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