日商簿記3級・2級・1級は転職で有利になる?生かせる職種とあわせて解説

日商簿記の資格は転職の際にどの程度生きるのか、気になる方は多いでしょう。簿記の知識は、今やビジネスパーソンの必須知識ともいわれるほど幅広い業界において重宝されます。

本記事では、日商簿記の資格が転職活動にもたらすメリットや、簿記の資格と相性のよい職種を紹介します。転職に向けて日商簿記の受験を検討している人、すでに資格を取得してどのようにアピールすべきか迷っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次 Contents

日商簿記3級・2級・1級は転職で有利になる?生かせる職種とあわせて解説


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日商簿記3級・2級・1級は転職で有利になる?

日商簿記の資格試験といえば、初心者でも3級から受験するのが一般的です。

ここでは、日商簿記3級・2級・1級が転職活動にどのように生きるのか、それぞれ解説します。


日商簿記3級がもたらすメリット

日商簿記の資格には初級や原価計算初級もありますが、履歴書に書けるのは3級からとされています。

日商簿記3級を取得すれば、ビジネスパーソンの教養としてアピールに使えるでしょう。

ただし、経理・会計の領域における専門性という意味では、大きなインパクトは与えられません。

経理の専門職を目指す場合は、2級以上を取得しておきたいところです。


関連記事:簿記3級とは|試験の概要や合格率の推移、勉強方法をまとめて解説


日商簿記2級がもたらすメリット

日商簿記の2級を持っていれば、多くの企業で経理業務をスムーズにこなせます。

3級では出題されない「工業簿記」も範囲となっているため、製造業での原価計算など幅広い業務に対応可能です。

ただし、連結決算などの高度な処理には十分な知見がないため、大企業で経理職を目指すなら少し物足りない可能性があります。


関連記事:簿記2級とは|試験の概要や合格率の推移、勉強方法をまとめて解説


日商簿記1級がもたらすメリット

日商簿記1級は経理・会計のスペシャリストとして広く認知されているため、転職市場でも高く評価されます。

大企業で求められる連結決算などの知識も豊富であるとみなされ、転職で有利に働くでしょう。

商業簿記・工業簿記だけでなく、会計学や原価計算が独立した科目として出題されるなど、各分野で高いレベルの知識が求められます。


関連記事:日商簿記1級の難易度や必要な勉強時間は?取得するメリットや科目別攻略法も紹介


日商簿記が転職に有利な理由

日商簿記を取得すれば、転職に有利になることは間違いないといえます。

具体的には、以下3つの理由が挙げられます。

  • ビジネスパーソンとしての教養をアピールできる
  • 経理人材としての適性を証明できる
  • 自己管理能力・継続力の証明になる

順番に見ていきましょう。


ビジネスパーソンとしての教養をアピールできる

前述の通り、簿記の知識はビジネスパーソンの教養といわれるほど幅広い業界で活用できます。

例えば、財務諸表を読むことで自社や競合他社、取引先の経営・財務の状況が把握できるため、より的確な提案が可能になるでしょう。

経理担当者だけでなく、営業や企画の部門でも大いに役立つはずです。

近年では、昇格研修の際に簿記の習得を義務づける企業も増えてきました。

管理職として経営判断をするには、簿記の知識は欠かせないことが背景にあると考えられます。


経理人材としての適性を証明できる

簿記の資格を取得していれば、経理人材としての知識レベルを客観的に証明できます。

一般企業の経理部門への配属を希望する場合や、会計事務所・税理士事務所といった会計に関わる業種を希望する場合、最低限の簿記の知識はマストだといえるでしょう。

転職の時点で公認会計士や税理士の資格を持っている必要はありませんが、そのベースとなる簿記の知識すら身についていない状態では、業務開始後に苦労する可能性が高いです。

日商簿記の資格を持っていれば、一定の基礎知識を備えていることの証明となり、転職時に有利に働きます。


自己管理能力・継続力の証明になる

日商簿記を取得すれば、経理・会計のスキルとしてアピールできるのはもちろん、資格試験に合格した事実から自己管理能力・継続力の証明にもなります。

日商簿記の合格に必要な勉強時間は、「講座などを利用して効率的に学ぶ」「1つ下の級の知識はすでに身につけている」という前提で、以下の通りとされています。

  • 3級:50~100時間
  • 2級:100~200時間
  • 1級:400~600時間

級が上がるにつれ、当然ながら合格の難易度も上昇します。

日商簿記2級や1級の試験に合格したという事実だけでも、好印象につながる可能性が高いでしょう。


関連記事:簿記合格に必要な勉強時間とは|3級・2級・1級それぞれの難易度とあわせて解説


日商簿記の資格をかせる職種

ここでは、日商簿記の資格を生かせる職種として以下の3つを紹介します。

  • 企業の経理部門
  • 会計事務所
  • 税理士事務所

ただし前提として、簿記の知識はビジネスパーソン全般に役立つものです。

例えば、営業やコンサルティングなどの職種においても自社や競合他社の状況分析に使えるため、より精度の高い提案が可能になるでしょう。

そのため、ここで紹介する3つの職種だけが簿記の資格を生かせるわけではありません。

経理・会計のスペシャリストとして働きたい場合の参考情報と捉えてください。


企業の経理部門

一般的な企業であればほとんどが経理部門を持っているため、幅広い転職先の候補が見つかるでしょう。

日商簿記2級レベル以上の知識を有していれば、即戦力として評価してもらえる可能性があります。

大企業であれば、連結決算などの複雑な処理に対応できる1級以上を取得しておくのが理想です。

企業の経理部門といってもその対応内容は幅広く、経費の精算から会計、財務、原価計算など、さまざまな業務があります。

自身のバックグラウンドと掛け合わせ、理想の転職先を見つけましょう。


会計事務所

会計事務所も簿記資格取得者の転職先として挙げられます。

会計事務所に転職する場合は、所属会計士のアシスタントや事務スタッフとして勤務することになるでしょう。

扱う領域が「会計」であるため、日商簿記の資格試験で培った知識を大いに生かせるはずです。

また、公認会計士資格の勉強をしながらアシスタントとして勤務できる事務所もあるため、将来的に取得を目指している方にとっては理想的な環境といえるでしょう。


税理士事務所

税理士事務所も、会計事務所同様に簿記の資格を活かせる職場です。

扱う領域が「税務」であるため、簿記の知識だけで活躍できるわけではありません。

しかし、法人税の算出などには財務諸表の作成スキルが欠かせないため、簿記の知識を活かせる場面は多いでしょう。

税理士事務所のなかにも、税理士資格の取得を目指しながらアシスタントとして勤務できる職場があります。

日商簿記からのステップアップを狙う方にとっては、検討する価値のある選択肢だといえます。


関連記事:簿記の資格が役に立つ仕事とは?


簿記と転職に関するよくある質問

ここでは、簿記と転職に関する質問として、以下の4つに回答します。

  • 未経験でも簿記の資格があれば転職できる?
  • TOEICやFPとのダブルライセンスは意味ある?
  • 20代・30代・40代でそれぞれ何級をとるべき?
  • 簿記資格が転職に意味ないといわれる理由は?

順番に見ていきましょう。


未経験でも簿記の資格があれば転職できる?

簿記の資格があるからといって、転職成功が保証されるわけではありません。

しかし、簿記の知識はビジネスパーソンの教養として高く評価されるため、プラスに働くことは間違いないでしょう。

経理業務が未経験であっても、簿記の知識があれば企業の状況を把握したうえで適切な判断が下せる人材として評価されます。

ただし、経理の専門職を目指す場合は日商簿記2級以上、大企業であれば1級を取得しておくのが理想です。


TOEICやFPとのダブルライセンスは意味ある?

ダブルライセンスとは、異なる複数の資格を取得することを指し、人材としての価値を高めたり仕事の幅を広げたりといったメリットがあります。


簿記の資格は、TOEICやFP(ファイナンシャルプランナー)との相性がよいとされています。

例えば、TOEICのスコアによって英語力の高さを客観的に証明できれば、「英語ができる経理人材」として人材価値が高まります。

日本国内の人口減少に伴い、海外展開を推進する企業は増えています。

経理業務もグローバル対応が求められるため、TOEICと簿記のダブルライセンスは高く評価されるでしょう。


関連記事:簿記を英語で身につけるメリットとは?基本用語の英語表記や関連資格も紹介


またFP(ファイナンシャルプランナー)は、お金の専門家として貯金や投資、保険のアドバイスをします。

簿記の知識と掛け合わせることで、より具体的な情報提供が可能となり、顧客からの信頼がアップするはずです。

簿記とその他の資格を組み合わせる「ダブルライセンス」によって、転職成功の可能性は高まるでしょう。


20代・30代・40代でそれぞれ何級をとるべき?

簿記の資格を取得するなら、3級よりは2級、2級よりは1級と、より上位を目指すのが理想です。

ただし、年齢が若ければポテンシャルがあるとみなされ、低い級であっても採用される可能性があります。

例えば20代での転職なら、現時点で日商簿記3級レベルであっても、採用後に成長できる余地は十分あるとみなされます。

一方で、30代になると即戦力が求められるため、経理職を目指すなら日商簿記2級以上、大企業であれば1級を取得したいところです。

40代になると、2級以上に加えて実務経験があるのが望ましいでしょう。

明確な基準はありませんが、年齢が上がるにつれてより上位の級や実務経験が求められるといえます。


簿記資格が転職に意味ないといわれる理由は?

簿記の資格を取得しても、転職では意味がないという意見もあります。

日商簿記3級レベルから履歴書に書けるといわれていますが、3級では専門性が高くないためアピールとしては弱いのも事実です。

結果、転職成功につながらず「意味ない」といわれてしまうのでしょう。

転職活動でアピールに使うなら、日商簿記2級以上を取得するのが理想です。

日商簿記2級や1級であれば、専門性の高さを客観的に証明できるため、転職の際に有利に働く可能性が高まります。


まとめ

本記事では、日商簿記の資格は転職活動にプラスに働くのか、さまざまな角度で紹介しました。

ポイントをまとめると以下の通りです。

  • 簿記の知識はビジネスパーソンの必須スキルとして認知されている
  • 経理の専門職はもちろん、幅広い職種への転職に活かせる
  • 日商簿記3級から履歴書に書けるが、2級以上の取得がおすすめ
  • 英語などのスキルと掛け合わせることでさらに人材価値が高まる

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