日商簿記検定試験は、1級~3級まで受験資格がなく、またどのクラスからの受験も可能です。3級に合格していなくても2級、あるいは1級を受けても問題ありません。
ただし、簿記知識の基礎があるのならそれでもよいかもしれませんが、初学者であれば段階的に下位から受験するほうが、着実にレベルアップできるのではないでしょうか。
どのクラスから受験するかどうかは、目的によるでしょう。「一歩ずつ着実にスキルアップしたい」という目的であれば、3級からのスタートがおすすめです。
税理士試験や公認会計士試験の合格者や学習経験者、「自分の実力がどれくらいあるのか確かめてみたい」という経理出身者は、2級からのチャレンジでよいかもしれません。ただやみくもに受験するのではなく、自身の力量と相談しながら、ベストな選択を模索してください。
日商簿記は午前中に3級・1級試験が、午後に2級試験が実施されます。なおかつ、これらは同じ試験会場で受験が可能。そのため、簿記3級試験が終わったら、そのまま2級試験へ進むこともできます。
同時受験の判断も、慎重に行ってください。単に効率性だけでなく、同時受験でも確実に合格できる自信がある場合、チャレンジに踏み切ってください。
簿記3級・2級の同時受験は、それほど簡単ではありません。ストレートで受験しようと思えば、計2.5時間の試験スケジュールに耐えなければなりません。長時間集中して試験問題と向き合うのは体力的にハードですし、高い集中力も求められます。しかも、難易度の高い2級が後に控えているのです。思考も体力も疲労がたまっているところへ、難しい2級の試験問題を解く自信があるかどうか、熟慮のうえ判断する必要があるでしょう。
同時受験しても合格できる人は、簿記の基礎知識がしっかり備わっている人でしょう。また、いきなり簿記2級の試験勉強からスタートした受験者は、簿記3級の内容も把握していると思われます。試験に臨むにあたり、「簿記2級試験に確実に合格できる」という自信がある方は、同時受験にチャレンジしてもダブル合格できる可能性は高いといえます。
反対に、「2級どころか、3級合格もあやしいかも…」という方は、目標はかなえられない可能性が大です。無理をして受験する必要はないかもしれません。ただし、「今後の対策として、2級試験の雰囲気を味わっておきたい」という目的があれば、ぜひチャレンジしてください。受験料を余計に払ってしまうかもしれませんが、その経験は糧となるはずです。
併願受験する際は、申込登録する際に併願登録する必要があります。間違って単願登録すると、会場が別となって同時受験も難しくなるため、注意してください。
受験料および事務手数料の支払いも、同時受験であれば両方期日までに行うことになります。3級の受験料は2,800円(税込)、2級の受験料は4,630円(税込)です。これに加えて受験級ごとに事務手数料540円(税込)がかかります。支払いがされなかったり、遅れたりすれば受験できなくなるため、はやめに手続きを済ませましょう。
なお、申込方法は申込先の商工会議所によって異なります。詳細について、事前確認を忘れないでください。
参考サイト:
https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/class3
https://www.kentei.org/support/notes_boki.html
http://wwboki.jp/chamber/simultaneously/
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