社会人が社労士試験合格に必要な勉強時間とは?働きながら学習するポイント

「社労士試験に合格したいけれど、どれくらいの勉強時間が必要?」

「仕事と両立しながら効率よく学習するにはどうすればいい?」

「何カ月で合格できる?」

社労士試験の合格を目指す場合、 限られた時間の中で効果的な学習を進めることが重要です。

本記事では、社会人が社労士試験の合格に必要な勉強時間の目安や、働きながら学習を進めるための勉強スケジュールを詳しく解説します。

社会人で社労士試験に合格するために必要な学習時間

社会人が社労士試験に合格するためには、500〜1,000時間の学習時間が必要です。

社労士試験は難易度が高く、出題範囲が広いため、長期的な学習計画が欠かせません。

仕事と両立しながら勉強する場合、1日に2〜3時間の学習時間を確保する必要があります。

また、社会人が仕事と勉強を両立させるためには、以下の学習スタイルを意識しましょう。

  • 平日は通勤時間や早朝・就寝前を活用して学習
  • 週末にまとまった時間を取り、苦手分野の復習や過去問演習に充てる
  • 通信講座やアプリを活用してスキマ時間もムダにしない

社会人が社労士試験の合格を目指す場合、限られた時間をいかに効率よく使うかが、合否を分けます。

1年以内で合格するために500時間以上の学習時間を確保し、スケジュールを逆算して計画的に進めましょう。

独学だと6カ月は必要

独学で社労士試験に合格するためには、最低でも6カ月以上の学習期間が必要です。

その理由として、社労士試験は法律・制度に関する専門的な知識が問われ、出題範囲が広いからです。

労働基準法や雇用保険法、厚生年金保険法など、覚えるべき内容は多岐にわたるため、1カ月や2カ月といった短期間での合格の難易度はかなり高いと言えるでしょう。

また、独学の場合は、社労士の試験内容をひとりで理解し、基礎や応用も身に付けなければなりません。

ただ、中には以下の条件を満たすことで、6カ月で合格する人もいます。

  • 法律や社会保険の基礎知識がある
  • 1日3〜4時間以上の学習時間を確保できる
  • スケジュール管理が徹底されている
  • 問題演習と復習のバランスを意識している

必要に応じて、市販のテキストや過去問集だけでなく、SNSや勉強会で他の受験生と情報を共有するのも、合格への近道です。

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社労士の受験資格

社労士試験を受けるには、以下の一定の受験資格を満たす必要があります。

まずは条件をクリアしているかを確認しておきましょう。

社労士試験の受験資格は、以下3つのうち、いずれかを満たしておかなければなりません。

  • 学歴:大学・短期大学・専門職大学・専門職短期大学・高等専門学校(5年制)を卒業していること
  • 実務経験:社会保険労務士事務所や企業の労務部門、公務員など3年以上従事していること
  • 国家試験合格:厚生労働大臣が認めた国家試験に合格していること

【参考】社会保険労務士試験オフィシャルサイト「受験資格について」

たとえば、大学を卒業していれば、実務経験や講座修了がなくても受験可能です。

逆に、学歴が満たせない場合でも、実務経験や国家試験をクリアしていればチャレンジできます。

なお、受験資格はこの3つをさらに分類すると合計16コードあります。

詳しくは、下記記事にて解説しているので、ご確認ください。

社労士試験の試験内容と対策法

社労士試験では選択式と択一式の2種類の試験形式が採用されています。

それぞれに異なる特徴と対策ポイントがあるため、形式別にアプローチを変えることが重要です。

選択式試験の内容と対策

選択式試験は、文章の一部を穴埋めする形式の問題です。

条文や法律の知識が細かく問われるため、単なる暗記では対応できません。

とくに労働一般常識や社会一般常識の科目では、白書や統計資料の内容が出題されることも多く、最新情報のインプットが必要不可欠です。

選択試験対策のポイントは以下の通りです。

  • 頻出の条文をピックアップして、キーワードを意識しながら暗記する
  • 白書・統計情報・法改正の内容を整理し、数字や傾向を押さえておく
  • 選択式の過去問を繰り返し解き、出題パターンに慣れる

正確な知識・理解が求められるため、テキストだけでなく補助資料も活用し、知識の深掘りとアウトプットの両立を意識して取り組みましょう。

択一式試験の内容と対策

択一式試験では、5つの選択肢から正しいものをひとつ選ぶ形式であり、知識の正確さとスピードが求められます。

全7科目をバランスよく学習し、全体で7割以上の正答率を目指さなければなりません。

知識の網羅性とアウトプット量を押さえることが合格への鍵となります。

択一式試験対策のポイントは以下の通りです。

  • 各法律の基本構造やポイントを整理し、体系的に理解する
  • 過去問を繰り返し解いて、正答率とスピードを上げる
  • 社会保険の計算問題は、具体的な数値を使って練習する

間違えた問題の復習と理解の掘り下げが重要です。

問題を解くだけでなく、「なぜ間違えたのか?」「なぜその答えになるのか?」を考える癖を付けると、得点が伸びてくるでしょう。

社会人が社労士試験に合格するための勉強スケジュール

社労士試験に合格するには、長期にわたる計画的な学習スケジュールが欠かせません。

無理なく学習していくためには、学習期間や1日の勉強時間、科目ごとの学習順序を明確にし、段階的にステップアップすることが重要です。

全体の学習期間と開始時期を設定する

社会人が社労士試験に合格するためには、最低でも6カ月、できれば1年以上の学習期間を確保するのが理想です。

仕事と両立させる場合、1日に確保できる勉強時間が限られてしまいます。

そのため、試験日から逆算し、早めに学習をはじめることが重要です。

たとえば、1年間のスケジュールを挙げると、1以下の3つの段階に分けられます。

学習期間学習内容
1年前〜3カ月前基礎知識のインプット(テキスト・動画講義)
3カ月前〜1カ月前過去問演習+苦手分野の強化
試験直前模擬試験・総復習・時間配分の練習

長期戦になるため、最初にスケジュール感を把握しておき、できる限り計画通りに進めるのが、合格への秘訣です。

1日の勉強時間と週間スケジュールを組み立てる

社会人が社労士試験の合格を目指す上で、一番の課題は毎日の学習時間をどう確保するかです。

忙しい日常でも合格を目指すには、スキマ時間の活用と、ルーティンの確立が必須でしょう。

以下は、社会人におすすめの平日・週末でのスケジュールの一例です。

平日:合計 約2時間

学習環境学習内容
通勤時間(30分)講義動画の視聴、もしくはテキスト音声でインプット
昼休み(30分)テキスト読み込みや暗記チェック
帰宅後(1時間)問題演習+当日学習した範囲の復習

週末(土日):合計 約4時間

学習環境学習内容
午前(2時間)過去問演習+解説チェック
午後(1時間)弱点科目の集中学習
夜(1時間)総復習・学習計画の微調整

毎日の積み重ねと週末の学習時間を組み合わせることで、無理なくスケジュールを組めるでしょう。

科目ごとの学習順序と期間を決める

社労士試験は科目数が多いため、効率よく学習を進めるには、学習順序と時間配分が重要です。

学習しはじめの段階でつまずくと、モチベーションが下がり、効率が悪くなります。

おすすめの学習順序は以下の通りです。

  1. 労働基準法
  2. 労働安全衛生法・労災保険法・雇用保険法
  3. 労務管理・一般常識(労一・社一)
  4. 健康保険法・国民年金法・厚生年金保険法

まずは「労働基準法」で全体の土台となる基礎知識を固め、その後に「労働安全衛生法・労災保険法・雇用保険法」で労働系の法律に対する理解を深めましょう。

法律のつながりを意識して進めることで、知識の定着率も上がります。

科目ごとに学習期間をおおまかに決め、月ごとに目標を決めることで、計画どおりに学習を進められます。

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社会人が社労士試験に合格するための3つのポイント

社労士試験は、限られた時間の中で、計画的な勉強と優先順位の見極めが合格の鍵となります。

ここでは、社会人が社労士試験に合格するために、押さえるべき3つのポイントを紹介します。

  1. 合格基準点の7割を目指した学習をする
  2. 白書・統計・法律などの最新情報を確認する
  3. 過去問対策を重点的に行う

順番に解説していきましょう。

1. 合格基準点の7割を目指した学習をする

社労士試験の択一式試験では、7割前後の得点が合格ラインとされています。

全問正解を目指す必要はなく、どの科目も7割以上の得点を取ることが求められます。

合格するためには、以下を意識しましょう。

  • 各科目の重要ポイントを整理し、基礎から確実に押さえる
  • 苦手科目にも時間をかけ、点数のばらつきを減らす
  • 得意科目で満点を狙わず、全科目で取りこぼさないことを重視

苦手な科目があると、合格基準点に届かず不合格になる可能性もあるため、偏りのない学習を心がけましょう。

2. 白書・統計・法律などの最新情報を確認する

社労士試験では、法改正・白書・統計資料などの最新情報が、毎年出題に反映されます。

とくに労働一般常識(労一)と社会保険一般常識(社一)では、過去問だけでは対応しきれない問題が出題されることもあります。

対策としては、以下のような取り組みをしましょう。

  • 最新の労働経済白書や厚生労働白書などを定期的にチェック
  • 予備校や通信講座の最新講義・レジュメを活用する
  • 統計数値の変化や政策動向などを図表やまとめノートにして覚える

法律系の科目とは違い、毎年アップデートが必要な分野なので、学習終盤でも定期的な情報確認が不可欠です。

3. 過去問対策を重点的に行う

社労士試験では、出題パターンや論点、ひっかけ問題などに一定の傾向があるため、過去問を多く解くことが合格への近道です。

過去問を活用した効果的な対策は以下の通りです。

  • 直近10年分の過去問を繰り返し解く
  • 間違えた問題はノートにまとめて、定期的に復習
  • 出題された年度・頻度をもとに、頻出論点を優先的に対策

択一式試験では、解答スピードと正確性の両方が求められるため、過去問で時間配分の練習をしておきましょう。

社会人で社労士試験に必要な勉強時間に関するよくある疑問

ここでは、社労士試験に関するよくある疑問についてまとめました。

  • 社労士の資格で食べていけますか?
  • 3カ月での合格は可能?
  • 合格まで長くて何年かかる?

それぞれ、詳しく解説していきます。

社労士の資格で食べていけますか?

社労士資格を取得するだけで、食べていけるかどうかは、働き方と営業力次第です。

2024年度社労士実態調査の中央値では、社労士の目安年収は約500万円前後です。

このデータから、社労士として働くことで、一定の収入を得られることがわかります。

また、社労士は、独立するか勤務社労士として就職するか、2つの道があります。

それぞれの違いは以下の通りです。

働き方開業社労士勤務社労士(就職)
収入目安(中央値)約550万円約450万円
必要スキル営業力・マーケティング力・経営力・ITリテラシー社内調整力・労務知識・コミュニケーション力
向いている人自由度や高収入を重視したい人、営業を頑張れる人安定志向で労務管理を専門に働きたい人

【参考】2024年度社労士実態調査

資格を取得すれば食べていけるというより、資格をどう活かすかが大切です。

自分に合った働き方をイメージし、合格後のキャリア設計も考えておきましょう。

3カ月での合格は可能?

結論から言うと、3カ月で社労士試験に合格するのは非常に難しいです。

試験範囲が広く、労働法・社会保険法・一般常識など、網羅的な知識が求められます。

初学者や仕事と両立しながら学習する場合、厳しいスケジュールをこなさなければなりません。

そのため、最低でも1年間はじっくり学習することを考えておきましょう。

合格まで長くて何年かかる?

社労士試験の合格までにかかる期間は、人によって大きく異なります。

目安としては、以下のようなパターンがあるでしょう。

合格までの期間特徴
最短6カ月〜1年通信講座・予備校を活用し、計画的に学習を進めた場合
1〜2年仕事と両立しながら、無理のないペースで勉強した場合
3年以上独学での情報収集や学習ペースに波がある場合

独学の場合、学習方法や教材の選定に時間がかかり、非効率です。

短期間での合格を目指すなら、通信講座を利用し、学習効率を上げる工夫が効果的でしょう。

社会人で社労士試験に合格するには勉強時間の確保が必要

社会人が社労士試験に合格するには、勉強時間を確保できるかどうかが最大のポイントです。

忙しい日常の中でも、スキマ時間を活用して、継続的に学習する姿勢が必要でしょう。
通勤中や昼休みなどの短い時間も有効に使えるよう、スマホで学べる通信講座の活用がおすすめです。

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自分にどれだけ時間を投資できるかを意識し、無理なく続けられる学習スタイルを身に付け、社労士試験の合格を目指しましょう。