社会保険労務士(社労士)になるには?受験資格は?

受験資格のある国家資格試験は少なくありませんが、社会保険労務士試験の場合は少し特殊です。資格内容は3つのカテゴリーに分かれ、そこからさらに13の受験資格コードで区分されています。このように社労士試験の受験資格は細かく規定されており、資格条件に該当するかどうか、証明するための審査手続きはどうなっているのかの確認が不可欠です。今回は、社会保険労務士試験の受験資格についてご説明します。

目次

社会保険労務士試験の受験資格は?
・学歴
・実務要件
・試験合格
・過去受験
・自分の実務経験が受験資格になるか心配なときは?
用意すべき受験資格証明書は
・学歴の場合
・実務経験の場合
・試験合格の場合
・過去受験の場合
高卒の場合はどうしたらよい?
・短期大学を卒業する
・行政書士試験に合格する
・実務経験が要件を満たすかチェック
社会保険労務士はこんな人にオススメの資格!
・総務や人事でさらに活躍したい人
・誰もが働きやすい環境作りをしたい人
・コツコツ取り組むことで他者に貢献したい人
まとめ

社会保険労務士試験の受験資格は?

社会保険労務士になるためには試験の突破が必要です。さらに、社会保険労務士試験には受験資格が定められています。主な受験資格のくくりとして、「学歴」、「実務経験」、「国家試験合格」の3つがあり、さらに細かく全部で16のコードに分けられています。この16のコードのうち、1つでもあてはまれば受験資格として認められます

◎ポイント
学歴、実務経験、試験合格と分類がいろいろありますが、どれか1つあてはまればOKです。「学歴と実務履歴の両方が必要…」ということはありません。

学歴

学歴に関する受験資格は全部で6つです。下記の学歴要件を満たしていれば、実務経験は不問です。

コード 受験資格
01 四年制大学や短大、専門職大学、専門職短期大学、高専を卒業した者。または専門職大学の前期課程を修了した者
02 短大を除く「01」の大学で学士取得に必要な一般教養科目の学習を終了、または62単位以上を修得した者
03 旧高等学校、旧大学、旧専門学校を卒業または修了した者
04 01」「03」以外で、厚生労働大臣が認めた学校を卒業または所定の課程を修了した者
05 修業年限が2年以上、かつ課程の修了に必要な総授業時間数が1700時間以上の専修学校の専門課程を修了した者
06 短期大学を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者(各種学校、外国の大学等の卒業者等)


実務経験

実務経験の受験資格は下記のように5つ定められています。

コード 受験資格
08 労働社会保険諸法令の規定に基づき設立された法人の役員、または同法令の実施事務を通算3年以上経験した従業員
09 通算3年以上、行政事務に相当する事務に従事した公務員経験者。
社会保険諸法令の実施事務に従事した期間が通算して3年以上になる全国健康保険協会や日本年金機構の役員または従業員
(社会保険庁の職員として行政事務に従事した期聞を含む)。
11 社会保険労務士や弁護士の業務補助経験が通算3年以上ある者
12 通算3年以上、労働組合の業務に専従した組合役員、または労務を担当したその他の法人役員
13 通算3年以上、労働組合の職員又は事業者(個人含む)として、労働社会保険諸法令に関する事務に従事した経験を持つ者


試験合格

指定された国家試験の合格者は受験資格を得ることができます。

コード 受験資格
06 厚生労働大臣が認めた国家試験に合格した者
07 司法試験予備試験、旧法の規程による司法試験の第一次試験、旧司法試験の第一次試験または高等試験予備試験の合格者
10 行政書士試験に合格した者

※「06」の国家試験には、国家公務員試験、税理士試験、司法書士試験、弁理士試験など、全部で79の試験が指定されています。

過去受験

社労士試験の「過去受験」経験も受験資格の証明として使用することができます。

コード 受験資格
15 直近3年間の社労士試験尾受験票又は成績通知書を所持している者
07 社労士試験の試験科目一部免除決定通知書を所持している者


自分の実務経験が受験資格になるか心配なときは?

受験資格は、出願期間以外でも、試験センターに問い合わせて確認することができます。


社労士試験を運営する全国社会保険労務士会連合会 試験センターでは、あらかじめ受験資格を確認したい方のため、随時受験資格の確認を受け付けています。出願期間以外でも問い合わせることができますので、自分の経験が受験資格にあてはまるのかどうか心配な方は、事前に問い合わせておくことをおすすめします。

なお、注意事項として「出願時の受験資格の回答内容を保証するものではありません」とアナウンスがあります。事前確認時点での実務経験の期間や時間が、将来にわたって変化する可能性のあるものについては、試験出願時の確認において相違することがあります。

どうすれば受験資格の事前確認ができる?方法は?

1,「社会保険労務士試験 実務経験証明書」を用意します。

記入用紙は試験センターのホームページから入手することができます。氏名や住所の他、雇用・勤務形態、会社等名・所属部署名、従事した事務内容、従事期間を記入します。事前確認時点では、「会社等の住所」などの項目の記入は必須ですが、証明印は必要ありません。※実際の出願時には必要となります。

2,「書類(FAX)送付状」を用意します。

「書類(FAX)送付状」用紙も試験センターのホームページから入手することができます。書面を「受験資格照会」として作成します。

3,上記の2通をFAX、または郵送で送ります。

郵送の場合も、「書類(FAX)送付状」を同封します。

4,書類到着から1週間以内を目安に、試験センターより電話で回答があります。

回答は平日(年末年始を除く)9:30~12:00、13:00~17:30の間に電話によって行われます。平日昼間でも連絡のできる電話番号を記載しておく必要があります。(聴覚・言語などに障害のある方はFAXで回答)


用意すべき受験資格証明書は?

出願時には、受験資格の保有を証明するための「受験資格証明書」が必要です。必要な証明書は受験資格コードによって異なります。

学歴の場合

コード 受験資格証明書
01

下記のうちいずれか

卒業証明書またはその写し
・卒業証書の写し
学位記の写し

02 4年制大学の成績証明書またはその写し
03・04

下記のうちいずれか

・卒業証明書もしくは修了証明書またはその写し
・卒業証明書の写し

05

下記のうちいずれか

・「専門士」もしくは「高度専門士」の称号付与の証明書類
・必要課程、必要授業時間の修了を証明する書類

14

下記のすべてが必要

・卒業(修了)証明書又はその写し
・成績(単位修得)証明書又はその写し
・カリキュラム等又はその写し(修業年限、授業時間数、授業科目数、必要単位数等が記載されているもの


実務経験の場合

コード 受験資格証明書
08・12・13 勤務先の事業主などが従事期間を証明する書
09 原則、任命権者が従事期間を証明する書面
11 雇用者が従事期間を証明する書面


試験合格の場合

コード 受験資格証明書
06・07 試験合格を証明する書類
10 行政書士資格を証明する書類


過去受験の場合

コード 受験資格証明書
15 受験票又は成績(結果)通知書
16 一部免除決定通知書の写し


受験資格に該当していても、必要書類を提出して審査に通らなければ受験できません。上記の受験資格証明書は、期日までに全国社会保険労務士連合会試験センターに提出するようにしてください。


高卒の場合はどうしたらよい?

社会保険労務士試験の受験資格で最もわかりやすいのが学歴による資格証明です。学部・学科は問われないため、大学や短大、専門学校を卒業している方は受験資格をお持ちです。ただ、高卒の場合は学歴要件を使えないため、実務経験や他の国家試験合格を受験資格の証明とする必要があります。下記でおすすめの方法を3つお伝えします。

1.短期大学を卒業する

働きながら大学や専門学校を卒業するのは時間的制約があり難しい…と考えている人におすすめなのが、短期大学を卒業することです。通学生も通信制も卒業すれば受験資格として要件を満たすことができます。また、短大の中には社労士の試験科目を授業として行っている学部もありますので、そういった学部を選べば社労士の試験を見据えながら短大で学習を積むことができます。

2.行政書士試験に合格する

行政書士は社会保険労務士ととても親和性の高い資格です。なぜなら、行政書士は事業届や開業届、飲食店営業許可申請など、幅広い分野における官公署への申請代理ができる書類作成のプロであり、一方、社会保険労務士は、健康保険・雇用保険・年金などの社会保険関係の手続き代理が専門の士業です。それぞれ専門分野が異なるため、それぞれの資格では足りない知識をカバーしあうことができます。

3.実務経験が要件を満たすかチェック

実務として経験をすでに積んでいる方は、ぜひ要件を満たすかどうか確かめてみてください。全国社会保険労務士会連合会では、試験の申込時期ではない期間でも、随時受験資格の審査を受け付けています。受験の申込期間に慌てないように、あらかじめ確かめておくことをおすすめします。


社会保険労務士はこんな人にオススメの資格!

社会保険労務士を取得すると、企業内での人事労務管理をサポートできるスキルの他、個人・企業問わず年金の管理や相談にも応じることができるようになります。特に年金は一人一人様々な背景があるため、1件1件個別に対応するようなことも求められるため、IT化が進んでいる今でも仕事は豊富にあります。取得することで活躍の幅が広がる社会保険労務士は、こんな人に特におすすめの資格です。

総務や人事でさらに活躍したい人

社会保険労務士として業務をこなすには、雇用保険や社会保険の知識、あるいは保険給付の計算スキルを身につける必要があります。総務部や人事部で実務を鍛えてきた社会人は、これらの知識とスキルを武器に活躍できるでしょう。実際に、総務部や人事部に属する社員のなかには、キャリアアップを目的として社会保険労務士資格の取得にチャレンジする方もいます。社労士資格を得ることで社内の信用も高まり、さらに重要な職務を任されることになります。

誰もが働きやすい環境作りをしたい人

労働や雇用に関する問題は、多くの場合、従業員側の権利と密接に関わってきます。そもそも、労働基準法も労働安全衛生法も、従業員が企業から不当な扱いを受けないようにするために整備された法律です。社会保険労務士としての大切な役割は、常に従業員サイドに立ち、誰もが働きやすいと思える環境を、法的根拠に基づくアドバイスと判断、制度設計で整備することにあります。労働や雇用の問題に関心の高い人は、社会保険労務士に向いているといえるでしょう。

コツコツ取り組むことで他者に貢献したい人

社会保険労務士の仕事には、細かい計算業務が付きものです。具体的には、月々の健康保険料の計算、雇用保険や災害保険の給付計算、年金支給額の計算などです。これらの業務でミスが起こると、従業員や企業に対し大きな不利益を発生させるため、正確性の高さが求められるのは言うまでもありません。地味な作業にもやりがいを持って取り組める姿勢、他人のお金の計算を任せられることへの責任感も大切な要素です。


まとめ

社会保険労務士試験を受験するには、学歴や実務経験、特定試験の合格など一定の要件を満たさなければなりません。学歴要件を満たしていなくても、特定の職務に従事したことで資格が得られるケースもあります。心配な方は、受験資格があるかどうか必ず主催者ホームページで事前確認するようにしてください。試験に合格することで、働く人を様々な面からサポートできる社労士としての一歩を踏み出せます。

参考:社会保険労務士試験オフィシャルサイト 社会保険労務士試験の受験資格

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