社会保険労務士(社労士)は、社会保険労務士法に基づく国家資格です。
社労士の業務は、企業の人事労務管理をサポートすること。従業員の労働条件、服務規律、社会保険など人事労務に関する業務を行います。企業経営上の4大要素である「人・物・お金・情報」の中でもっとも重要な「人」に関する専門家として活躍できる資格です。
社労士の主な仕事内容には、次のようなものがあります。
社労士の働き方には、勤務社労士と開業社労士の2つがあります。
勤務社労士の年収は、厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査」から推計すると460万3,400円です。
同調査における全体の平均は464万3,300円だったので、社労士の年収は平均と同じ程度の金額と言えます。
【参考】政府統計の総合窓口(e-Stat)「賃金構造基本統計調査」
一方、開業社労士の場合は、年収1,000万円を超えるような事務所も存在し、努力次第で勤務社労士の年収を大きく超えることも珍しくありません。
社労士の将来性については、日常的なルーティン業務はAI活用・電子申請などの普及の影響で縮小していく可能性があります。
しかし、労働問題を未然に防ぐために就業規則等の整備や、人事評価制度の策定・運用など、企業の相談にのって課題を解決するコンサルティング業務のニーズが高まっています。
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社労士の資格取得までの流れは、社労士試験に合格することがスタートです。
ただし「試験合格=社労士」というわけではありません。合格後は、全国社会保険労務士会連合会名簿への登録が必要です。
登録には「実務経験2年以上」または「事務指定講習の受講」が必要になります。実務経験は試験合格前の勤務も認められています。
その後は、都道府県社会保険労務士会に入会し、独立開業するか、企業や社労士事務所に就職するという流れです。
【あわせて読みたい】社会保険労務士(社労士)の事務指定講習について解説
社労士は、一般的に資格取得の難易度が高めの試験といわれています。
実際にどれくらい難しいのかわかりやすくするために、司法書士、行政書士、宅建士と合格率と勉強時間を比較してみましょう。
まず、4つの資格試験の合格率を見てみましょう。
社労士試験の合格率は6〜7%程度で、宅建より難易度が高い試験だと言えます。
また、行政書士と比べると、受験者数は似通っていますが、合格率は社労士のほうが低くなっています。
一方、司法書士と比べると、合格率は同程度の水準ですが、実は資格取得の難易度としては司法書士のほうがはるかに高くなっています。
社労士と司法書士にどのような違いがあるのかは、次の「勉強時間」の項目で見ていきましょう。
合格に必要な勉強時間は、資格によって大きく異なります。
司法書士は、合格率では社労士と同程度の水準でしたが、合格に必要な勉強時間は司法書士のほうが3〜6倍多くなっています。
司法書士は合格に必要な学習量が非常に多く、勉強時間を作るために働かずに受験に専念する人も少なくないほどです。
その点、社労士は仕事と勉強を両立しながら取得を目指せる資格です。宅建士や行政書士より時間を要しますが、「働きながら合格できる」レベルの難易度です。
※必要な勉強時間は、理解度や飲み込みのペースなどにより個人差があります。また仕事経験、ライフスタイル、資格取得に向けた意識なども影響するため、上記の必要な勉強時間はあくまで目安です。
社会保険労務士試験には受験資格が定められています。受験資格は、大きく分けると次の3つです。
資格取得を目指す場合、勉強方法には「独学」「資格スクール」「通信講座」という3つの選択肢があります。
なかでも独学は、費用を抑えながら自分のペースで勉強できる点が魅力ですが、社労士試験にスムーズに合格したい人にとっては最適な勉強方法ではありません。
社労士の独学合格が難しい具体的な理由と、独学以外で資格取得を目指すために通信講座を活用するメリットについて解説します。
社労士の独学合格が難しい理由は、以下の3つです。
▼理由1:試験範囲が広い
社労士試験は試験範囲が広く、労働関係科目と社会保険関係科目からあわせて10科目が出題されます。
さらに各科目で学ぶ内容は相互に絡みあうものもあるため、共通点や違いを意識しながら、横断的に学習することが大切です。試験範囲の広い社労士試験で、各科目で学んだ内容の共通点や違いをまとめあげる作業は難易度が高く、時間もかかるので、独学が難しいのです。
▼理由2:科目ごとに合格基準点がある
社労士試験は「選択式」と「択一式」で構成され、それぞれに合格基準点があります(選択式は40点満点中原則28点以上、択一式は70点満点中原則49点以上)。試験に合格するには、どちらの方式でも合格基準点を超えている必要があります。
さらには科目ごとの合格基準点も設けられていて、択一式は原則40%以上、選択式は原則60%以上の得点率であることが必要です。つまり、苦手科目・捨て科目を作れません。1科目でも合格基準点に満たない場合は、総合点数が合格ラインであっても不合格となってしまいます。
社労士試験は他の資格試験以上に「まんべんなく勉強する」ことが求められるので、独学が難しいのです。
▼理由3:最新の法改正への対応が必要
法律は細かい改正が毎年行われるため、法律系試験の受験者は最新の法改正への対応が必要です。
社労士試験においては、例年4月に官報公示があり、例年8月に実施される社労士試験では公示日時点で施行されている内容が問われます。
そのため、インターネットで法改正情報を収集するなどの対応が必要です。
前年度にから勉強していても、改めて復習や改正点の確認が必要になるので独学が難しいのです。
独学以外で社労士の資格取得を目指すなら、資格スクールか通信講座で学ぶのが一般的です。資格スクールを利用すると、カリキュラムや教材があらかじめ用意されている点や、わからない事をすぐに質問できたりするなどのメリットがあります。
一方、仕事などが忙しいと定期的な通学が負担になって続けられない人もいます。
そこで「忙しいけれど合格したい」という人にもっともオススメなのは通信講座です。通信講座は効率のいいカリキュラム・教材で、場所や時間を問わず学べるので、自分の生活に合わせた勉強を続けやすいのが魅力です。
「通信講座はわからないところを質問できないのが心配」という声もありますが、最近は講師に質問できるサービスを備えたタイプの通信講座もあります。
疑問点を自分で調べるのが苦手な方や、勉強法について相談したい方にオススメのサービスです。
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社労士試験は出題範囲が広く、苦手科目・捨て科目も作れません。さらに最新の法改正への対応も必要です。
その点、スタディングなら出題範囲50年分の出題実績を分析した必要十分にして最小限のカリキュラムで効率的に学習できます。最新の法改正・行政通達・時事問題もカバー。みずから情報収集する手間もありません。
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最後に、社労士資格についての問い合わせの多い質問や、相談についてまとめておきます。
令和5年度(2023年度)の社労士試験の日程は下記のとおりです。
(郵送申込のみ)受験願書・試験案内の請求 | 請求受付期間:令和6年3月1日(金)~5月31日(金) ※令和5年5月10日(金)までの請求を推奨 |
受験申込の受付 | 令和6年4月15日(月)~令和6年5月31日(金) |
試験日 | 令和6年8月25日(日) |
合格発表 | 令和6年10月2日(水) |
【あわせて読みたい】社会保険労務士(社労士)試験の試験日程・最新情報
社労士は、上記のような人に特におすすめの資格です。
社労士資格を取得すると、企業の総務や人事をサポートできるスキルや、年金の管理や相談もできるようになります。
資格取得することで活躍の幅が広がっていきます。
上記の資格が、社労士と相性の良いおすすめの関連資格になります。
どの資格も社労士と組み合わせることで、相談を受ける幅が広がり、独立開業する場合の基盤作りにも役立ちます。
【あわせて読みたい】社会保険労務士と相性のいい資格って何?
今回は、社労士の難易度、受験資格、活かし方、勉強方法などについて解説しました。
社労士試験は決して簡単ではありませんが、忙しい人でも通信講座を活用すれば効率的な学習が可能です。
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