社労士試験合格を目指す人に模試をおすすめする理由は、次の3つです。
社労士試験は出題範囲が非常に広いことが特徴です。勉強しながら「これで本当に受かるの?」と不安になるタイミングが出てくるでしょう。日々の学習だけでは、合格というゴールまでにあとどれくらい距離があるのか掴みづらいのです。
そこで模試を受験すれば、実力を客観的に把握できる貴重な機会を得られます。勉強不足の場合は実力を把握することに気が進まないかもしれませんが、ゴールに近づくための有力な手がかりとして前向きにとらえてみてください。
社労士試験の難しさは、科目ごとの合格基準点が設けられていることです。クリアできない科目が1つでもあれば不合格となります。つまり苦手科目を作らないことが必須です。
社労士模試を受けることによって、自分がまだ理解できていない部分、苦手な科目やテーマなどが明確になります。つまり、今、または今後力を入れて勉強しなければならない部分がはっきりと見えてくるのです。
どんなに時間をかけて勉強をしても、試験本番で実力を発揮できなければ意味がありません。特に多くの人が本番でつまずきがちなのが時間の使い方です。
社労士試験は午前の選択式試験で80分、午後の択一式試験で210分という長丁場で、時間の感覚に慣れておくことが重要となります。特に社会人は長時間の試験などを受ける機会が少なく、社労士試験の当日にいきなり長時間集中して解くのは難しいでしょう。また、限られた時間内に合格に必要な点数をきっちり取る戦略も必要です。
社労士模試を受けておけば、本番の時間の使い方を把握することに役立ちます。
では社労士模試はいつごろ受ければいいのでしょうか?次の3つを解説します。
社労士の勉強にかける時間は人によって異なりますが、一般的には1年程度で合格を目指すという方が多いです。今回は試験の1年前から勉強を開始し、直前期に模試を受けるケースのスケジュールの目安をご紹介します。
▼模試までの1年の勉強スケジュール
時期 | やること |
9〜3月 | 基礎力を養う(出題範囲を2周、「インプット+問題」をセットで学習) |
4〜5月 | 基礎の復習+最新情報の肉付けをする(法改正、白書、統計など) |
6〜8月 | 得点力を高める(答練、模試など) |
受験前年の9月から受験当年の3月は基礎力を養う期間で、出題される10科目すべてを2周は学習しておきたいところです。1周目は「ざっくり」でいいので、出題範囲の学習を最後までやり切ることを大切にしましょう。
4〜5月には最新情報の肉付けも行います。特に「白書」の出題範囲は膨大で時間をとられがちですが、深入りしないように注意しましょう。模試シーズンに入る1カ月前からは、得点力を高める時期となります。6月からは問題演習に集中できるようにスケジュールを立てて進めていけると理想的です。
勉強スケジュールについて、くわしくは下記記事で解説します。
【あわせて読みたい】社労士試験に一発合格したい!1年以内に最短で合格する方法とは?(近日公開)
先ほどのスケジュールでは、模試を受けるのは直前期となる6〜8月と設定していましたが、必ずしもこの時期でないといけないわけではありません。
では、模試はどんなタイミングで受けるのがいいのでしょうか?結論から述べると、全科目の基礎を確認し終わったタイミングなら受ける価値あり、といえます。逆にいえば「過去問が完璧になるまで」「自信が十分持てるまで」といったタイミングを待つ必要はありません。
なぜなら、模試は何点取れたかよりも間違えた問題・分からなかった問題の復習が大事だからです。「まだ完璧ではないから……」と先延ばしにしてしまうと、復習の時間が取れなくなり焦りの原因になるおそれもあります。模試を受けるのは遅すぎない方がいい、ということをぜひ覚えておいてください。
多くの方が「模試」と聞いてイメージするのは会場受験でしょう。試験会場まで出向いて受験する形式で、社労士試験の本番に近い雰囲気を体感できる点がメリットです。同じように社労士試験を目ざす人と一緒に受験して刺激も得られます。
一方、会場が近くにない、または時間がなくて会場受験を受けることができないという方向けに、自宅受験(オンライン受験)ができる模試もあります。自宅受験の内容も基本的には会場受験と同じで、自分で時間を確認しながら受験を行います。環境に合わせてどちらを選ぶかを検討しましょう。
模試を徹底活用するためのポイントは、次の3つです。
少し前の項目でも述べましたが、模試の受験をあまり先延ばししないことが大事です。全科目の基礎を勉強し終えたら、模試を受けてみましょう。実力が完璧でなくても大丈夫。仮に成績がふるわなくても、本番までにやらなければならないことがはっきり見えればいいのです。
社労士模試は本番に活かすために受験するものなので、「受けっぱなし」はNGです。間違った問題や解けなかった問題は必ず復習をして、直前期の効果的な学習に役立てましょう。
復習におすすめのタイミングは(1)模試の直後、(2)採点後、(3)試験の直前の3つです。これを行うことで得点の取りこぼしを減らすことができ、合格に向けてまた1歩近づくことができるでしょう。
前述のとおり、模試は復習が重要です。そのため、本番直前に模試を受験しすぎてしまうと復習にも膨大な時間がかかってしまいます。復習が間に合わず消化不良の部分が出てくると、不安を抱えて本番を迎えることになったり、できない部分ばかり気になってしまったりするおそれがあります。
合格できるか不安だからと模試を受けすぎると、かえって逆効果です。合格に向けて模試をどのように役立てるのかを自分の中でしっかり意識して、適切な回数で受験したいものです。
模試の前に準備しておくといいことや、模試の試験時間中に意識を向けるべきポイントは次の3つです。
模試を受ける前に、科目ごとに解く順番と時間配分を決めておくことをおすすめします。
本番では、必ず緊張や焦りが生まれます。また、今まで見たこともないような問題に出くわして不安になり、必要以上に時間をかけてしまい、最後まで問題を解ききれないといったことも考えられます。
しかし解く順番と時間配分を事前に設定し、それを必ず守ることで、時間切れで解ききれなくなることは回避できます。模試の前から作戦を考えておき、自分に合った解く順番や時間配分を探るためにも、模試でそれを試すとよいでしょう。
問題を解く際のおすすめの順番は、「得意科目や比較的すぐに解ける科目が先」です。苦手な科目や時間のかかる科目を先に取り組んでしまうと、不安が募ってきてしまいます。精神的に参ってきてしまうと、本来解けるはずの問題が焦りの気持ちから解けなくなってしまったり、ケアレスミスが起こりやすくなったりしてしまうので、解く順番に迷っている人は参考にしてみてください。
模試を受けていると、わからない問題が必ずといっていいほど出てきます。そんなときは、時間をかけすぎるよりも、潔く飛ばして後から戻ってくるほうがおすすめです。
ひとつ前の項目でも、得意科目や解きやすい科目を先に解くことをおすすめしました。これと同じ理由で、わからない問題に時間をかけて格闘していると、不安が大きくなり本来解けるはずの他の問題にもつまずいてしまうおそれがあります。まずはテンポよく解答していくことを優先しましょう。
また、社労士試験では、特に210分間で70問を解ききらなければならない択一式試験の時間配分に気をつける必要があります。選択肢ひとつひとつの文章量も多く、最初のうちは問題文を読むだけで時間を使い切ってしまうほどです。後から見直しがしやすいように、「明確に判断ができた」、「後で見直しておきたい」などの印は、選択肢ごとにつけるのがおすすめです。
せっかく問題を解くことができていても、マークシートでミスがあると不正解となってしまいます。そのため、マークシートのミスがないように注意するのが基本です。最後に改めて確認できるように、あらかじめ時間配分に「マークシートの見直し時間」を計画しておくとよいでしょう。
マークシートも慣れていないと記入に時間がかかるケースもあるため事前に練習しておくとより安心です。
社労士模試の結果があまりにも悪いとショックを受けてしまうものです。しかし、模試の結果はあくまでその時点での実力であり、本番でも同じ結果が待っているというわけではありません。本番で巻き返すことは十分可能です。
巻き返すために重要となるのは、まずは原因を具体的にすることです。どうして合格基準をクリアできなかったのかを分析しましょう。どの科目が苦手なのか、不足しているのはインプットかアウトプットか、といったことです。
一方、模試によってはそもそも問題の難易度が高かったり、マニアックな論点が出題されたりすることもあります。歯が立たなかった問題を気にしすぎないことも大事と言えます。出題範囲の基本的な内容をおさえていれば、十分合格できます。
社労士模試は合格に向けて大きな意味のある対策のひとつです。しかし、仕事などで忙しく社労士模試を受ける時間がないという方もいらっしゃるかもしれません。その場合は、模試のメリットを代替できるもので補う、あるいはオンラインで受験できる模試を活用すれば大丈夫です。
模試を受けるメリットはたくさんありますが、模試のもっとも大きなメリットは現時点での実力を可視化できることです。
高得点の科目があれば、自信やモチベーションにつながり、その後の勉強がはかどります。逆に得点が低い科目があれば、重点的に復習すべきことがはっきりするので、基準点割れの回避に効果的です。実力を客観的に捉えることができると、本番前の限られた時間をより効率的に使えるのです。
忙しくて模試を受ける時間がない人は、苦手科目、覚えきれていない範囲、単元などから日頃から実力を可視化しながら学習できていれば、模試と同じような効果が期待できます。
しかし、社労士試験は試験範囲がとても広いため、初めて学ぶ方にとっては「実力を管理しながら学習するのは、なかなか難しい……」と感じる人も多いはず。そんな方におすすめなのが、オンライン通信講座「スタディング 社会保険労務士講座」のAI実力スコア機能です。
▼「AI実力スコア機能」のイメージ
AI実力スコア機能とは、「いま試験を受けると、何点取れるのか」をAIを使って予測するものです。現在の科目別・単元別の実力をリアルタイムで確認できるので、「あと何点取れば合格できるのか」「どこが苦手なテーマなのか」などをかんたんに管理できます。
直線期の模試のメリットを代替するだけでなく、学習の最初から最後まで効率アップをサポートしてくれる強力なツールです。また、点数の予想がわかるだけでなく、日々勉強をするごとにAI実力スコアが伸びていくためモチベーションアップにも効果的です。
「社労士模試を受ける時間がない!」という方も、オンラインで受験できる模試なら利用しやすいでしょう。会場に出向く必要がないので移動時間がゼロで、自分の都合のいい時間に受験することも可能です。
スタディング社会保険労務士講座では、オンラインで受験できる模試1回分をご用意しています※。本番と同じ制限時間を設定して解くことが理想ですが、時間を取れない場合は、科目ごとに制限時間を区切って解くことも可能です。
※コースにより、模試が含まれるコースと含まれないコースがあります。詳細はスタディング社会保険労務士講座のページにてご確認ください。
解答はスマホやパソコン、タブレットなどで可能ですが、PDFファイルも用意されているのでプリントアウトして本番と同様に紙ベースでも受験できます。その場で採点、解説の確認が行えるのもポイント。その日のうちに復習まで行えるため、とても効率的です。
今回は社労士模試について詳しくご紹介しました。
社労士試験を受ける上で、社労士模試はとても重要な対策となります。これから社労士試験の受験を検討しているのであれば模試の活用を検討してみてください。