社会保険労務士試験の難易度を行政書士・宅建士と比べると?

社会保険労務士試験は、行政書士・宅建士と比較して難しいのか?やさしいのか?また、ダブルライセンスを狙う方にとっては、難易度の違いを見極めることは戦略上、重要でしょう。今回は、社会保険労務士試験と、行政書士・宅建士それぞれの難易度を徹底比較します。

社会保険労務士試験の受験を検討していますが、行政書士や宅建士も気になります。どの資格が取りやすいのでしょうか?
一般的に、社会保険労務士の難易度は高いといわれます。どれくらい高いのか、ほかの国家資格試験と比べるとイメージできるかもしれません。今回は、社会保険労務士の難易度について、行政書士・宅建士と比較しながら考えてみます。


合格率を比較

社会保険労務士試験、行政書士試験、宅建士試験。過去5年間の合格率を比較してみましょう。

社会保険労務士の合格率

2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度
受験者数 39,972人 38,685人 38,427人 38,428人 34,845人
合格者数 1,770人 2,613人 2,413人 2,525人 2,237人
合格率 4.4% 6.8% 6.3% 6.6% 6.4%

社会保険労務士試験の平均合格率5~6%

行政書士の合格率

2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度
受験者数 41,053人 40,449人 39,105人 39,821人 41,681人
合格者数 4,084 6,360 4,968 4,571人 4,470人
合格率 9.95% 15.7% 12.7% 11.5%
10.7%

行政書士試験の平均合格率は9~10%

宅建士の合格率

2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度
(10月実施分)
2020年度
(12月実施分)
受験者数 198,463人 209,354人 213,993人 220,797人 168,989人 35,261人
合格者数 30,589人 32,644人 33,360人 37,481人 29,728人 4,610人
合格率 15.4% 15.6% 15.6% 17.0% 17.6% 13.1%

宅建士の平均合格率は15%

3つの試験のうち、受験者数が似通っているのが社会保険労務士試験と行政書士試験です。ともに受験者数が4万人前後なのに対し、合格率は4%ほどの開きがあります。しかも、行政書士試験は社会保険労務士試験と異なり、受験資格制限がありません。これらの点を考えると、社会保険労務士試験のほうが合格のハードルが高いと考えられます。


合格までの必要勉強時間は?

難易度を見極める指標のひとつに、合格に要する勉強時間があります。厳密に「○○時間勉強すれば合格」とは断定できませんが、これまでの受験生たちが自身の体験をもとに紹介している平均勉強時間などからおおよその見当がつきます。 ただし、理解度や飲み込みのペースなどは個人差があり、これまでの仕事経験やライフスタイル、資格取得に向けた意識などの影響も受けます。以下にご紹介する必要学習時間はあくまで目安ですので、参考程度に留めてください。


社会保険労務士の勉強時間

独学で合格を目指す場合は、平均500~1000時間が目安。通信講座や予備校の利用では、最低でも500時間の確保が必要です。単年度での合格を目指すとして、1日の平均勉強時間は独学で2~3時間、通信・予備校で毎日1時間以上の学習が欠かせません。


行政書士の勉強時間

行政書士試験は2006年度試験から難易度が上がったとの指摘があり、それにともない必要学習時間も100時間以上増えたといわれます。行政法や民法などの予備知識がまったくない状態で試験勉強をはじめる場合、合格に必要な時間は平均800時間。公務員の仕事や法的実務を通してある程度知識が備わっている方だと、平均500時間は確保したいところです。独学でチャレンジする方、法律の理解に苦手意識を持つ方はそれ以上の勉強が必要かもしれません。


宅建士の勉強時間

ほかのふたつと比べハードルが低い宅建士試験の必要学習時間は、最低でも300時間。500時間も勉強すればかなりの確率で合格できる、といった具合です。不動産関係の仕事経験を持つ方、関連の資格をお持ちの方ならもっと少ない時間での勉強で合格できるかもしれません。


どんな試験?出題範囲や出題形式

試験時間や科目の数、試験範囲なども合格の確率や取り組み方を左右します。試験概要についてそれぞれ説明します。

社会保険労務士の試験概要

試験問題は、「労働基準法」「雇用保険法」「健康保険法」などの法律8科目から出題されます。択一式・選択式の2形式で実施され、問題数は合計78問、試験時間はトータルで290分です。すべての科目および2試験の総得点に足切り点が定められており、ひとつでも合格ラインを割れば不合格となります。そのため、すべての科目をまんべんなくカバーし、平均点以上の獲得を目指して勉強しなければなりません。


行政書士の試験概要

「行政書士の業務に関して必要な法令等」から46題、「行政書士の業務に関連する一般知識等」から14題出題されます。前者のテーマでは記述式問題もあり、文章作成力や論理構成力も問われます。「行政書士の業務に関して必要な法令等」で5割以上、「行政書士の業務に関連する一般知識等」で4割以上、総得点6割以上で合格です。


宅建士の試験概要

試験では、宅地建物取引業に関する実用的な知識が問われます。50問・四肢択一式による筆記試験で、7割以上の正答率で合格できるといわれます。学習範囲は広いものの、問われる知識は社会保険労務士・行政書士と比べれば高度ではありません。


まとめ

試験内容や形式、合格率を比べると、3つのなかでは社会保険労務士試験がもっとも難易度が高いといえるかもしれません。どんな試験でもそうですが、計画通りの学習とポイントを押さえた攻略法、効率性の高い勉強方法が大事です。これらを確実に実行することで、いずれの試験でも合格を勝ち取れるでしょう。

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