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現役社労士に聞く社労士の勉強方法!早期合格のコツ・最難関の科目とは? 

現役の社労士に聞く!社会保険労務士の試験勉強法

社労士として活躍する蓑田真吾(みのだ しんご)さんに、社労士試験の勉強方法についてインタビュー!「働きながら合格した人の勉強時間・期間は?」「科目ごとの攻略法は?といった疑問に答えていただきました。

仕事と両立しながら合格したい方、短期合格・一発合格を目指す方、合格を勝ち取るマインドを知りたい方におすすめです。

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蓑田 真吾(みのだ しんご)さん熊本県出身。社会保険労務士。みのだ社会保険労務士事務所代表。顧問先企業の労務顧問や社会保険における相談、手続きを行う。

社労士を目指したきっかけ・勉強のはじめ方

Q:社労士の資格取得を目指した【きっかけ】は?

受験のきっかけと勉強の始め方

人事総務部門に配属されていたものの、本質を理解できないまま時間だけが経過していました。このままでは、中途半端な知識で対応し続けることなってしまう。そうした状況に危機感を感じていたんです。

社会保険労務士の資格自体は、以前から認識していました。しかし合格率の低さゆえ、受験自体を見送っていたんです。そんな中、腕試しに受けた他の資格試験で合格できたことから自信を持ち、「一度、このタイミングで本腰を入れて学んでみよう」と思い立ったのが動機です。

Q:資格取得に向けた【勉強のはじめ方】は?

予備校の選択です。さすがに独学で立ち向かう自信がなく、資格取得を決意する当初から予備校を前提に考えていました。また、子供が1歳未満であったことから通学ではなくオンライン学習が可能な予備校で、かつ、ある程度は費用面も考慮して選択しました。予備校には多くの選択肢があります。現在はお試し受講などもあり、これから試験勉強を始めるなら納得のいく選択をして頂きたいですね。

とはいえ、何が100%の正解かは誰にもわかりません。そして、すべての面で満足するという選択はないと思います。必ずどこかで、我慢しなければならない面があるでしょう。しかし、何を選ぶかより選んだ道を正解と思えるような過ごし方をすることの方が本質的だと思います。

勉強時間・勉強期間・スケジュール(科目の順番)

Q:勉強開始から資格試験本番までの【1日の勉強時間】は?

平日は働きながら、1日4時間半ほど勉強していました。社会保険労務士試験の特徴に社会人受験生が多い点が挙げられ、働きながらの受験は不利ということではありません。むしろ、多くの受験生が働きながら受験生活を送っています。

その中で、どれだけ合格に値する受験生活ができているのか。これが問われるのではないでしょうか。私の場合、土日はあまり時間が取れなかったため、いかに平日に時間を有効活用できるかが鍵だと考えていました。

Q:勉強開始から資格試験本番までの【勉強期間】は?

私は三度目の挑戦で合格しましたが、一度目は概ね8か月で本試験を迎えました。

試験が近づくにつれて焦りや不安があり、これを勉強量でカバーしようとしましたが、勉強量は必要であるものの不可欠というわけではありません。勉強量をこなすことが目的となったことが、不合格の要因であったと分析しています。

また、本試験が実施される8月の第4日曜日から逆算して、その時期にやるべきことを事前に準備しておくことが重要だと思います。

勉強時間が確保できた際に何をするか迷っている時間は、知識の上積みがなく合格に近づいている時間とは言えません。一定の長時間が確保できた際、また、短時間であっても確保できた場合には、何をおこなうか事前にリストアップしておくことで、時間を有効に使えるようになります。


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Q:勉強開始から資格試験本番までの【スケジュール(科目の順番)】は?

社労士の科目_学んだ順番

まずは、労働基準法から勉強を開始しました。これは、予備校のカリキュラムが労働基準法からであったことが大きな理由です。だだし労働基準法は、特に労働関係法令を体系立てて学ぶにあたっては基本となる考え方であり、誤った選択とは感じていません。

しかし、本試験の択一式試験では判例など比較的長文が問題文となることがあり、昼食後にいきなり説くのは適切ではないと考え、労働基準法の回答は後回しにしました。

労働基準法のあとは基本的に本試験で出題される順番で講義が配信されてきましたが、相違点としては国民年金法を先に学び、次に厚生年金保険法を学んだということです。

試験問題の順番は厚生年金保険法の次に国民年金法となりますが、法律の体系としては国民年金法の上に厚生年金保険法があると考えられます。これは相互の法律で優劣があるという意味ではなく、二階建てという仕組みを鑑みるとその方が記憶を整理しやすいという意味で、予備校がそのようなカリキュラムを組んでいると捉えていました。

また、一般常識については最後に学びました。実体験として、事実上この科目が最難関科目と言ってもよいと感じています。「一般常識」ではあるものの、法律だけでなく統計や白書など試験範囲の対象となる範囲は膨大であり、とても全てをインプットすることはできません。一般常識は労働と社会保険分野で分かれており、先に労働をインプットし、次に社会保険をインプットしました。

どの科目も共通して言えることですが、インプットするだけでは記憶できず、過去問を解いてアウトプットしなければ記憶は定着できないと思います。

使った学習ツール・試験勉強の振り返り・おすすめの勉強方法

Q:どんな【学習ツール】を使いましたか?

基本的に、オンライン学習を用いて学習していました。これを選んだ理由は家庭の都合上、通学が選択しにくかったことです。

オンライン学習のメリット

オンライン学習で実際に感じたメリットは、自分の都合で勉強ができるという点。通学の場合は言うまでもなく、講義に合せて自身のスケジュールを調整しなければなりません。しかしオンライン学習は、自身のスケジュール管理のみで勉強を進めることが可能です。

また、理解の度合いに応じて学習のスピードを調整できる点も魅力でした。その他に、講義音声をダウンロードして移動時間中に聴けた点も大きなメリットと感じています。

ただし、その場ですぐ質問できない点はデメリットと言えるでしょう。しかしメールで質問が可能だったので、そこまで大きなデメリットとまでは感じませんでした。オンライン学習は、忙しい社会人にとっては魅力的だと思います。

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Q:資格勉強で【困ったこと・難しかったこと】は?

苦労したのは、記憶しなければならない量の多さです。

また類似の論点があり、学習を進めていくうえで記憶した内容が混ざってしまい、区別がつかなくなってしまうことも挙げられます。そしてそのような論点ほど、試験でよく問われているのです。

これを解決するため、全科目を1周した際には「横断整理」と言い、類似の論点をまとめて同じ日に学習するという勉強法を採用しました。また、予備校でもオプションで横断整理の講義が設けられており、毎年受講していました。

そして、一定の知識が備わってくると多くの場合、択一式試験への苦手意識は薄らいできます。しかし、選択式試験への不安をゼロにすることは難しいでしょう。選択式試験については全く記憶していない論点から出題されるとお手上げ状態となり、予想で回答せざるを得なくなります。

また、事前にピンポイントで選択式試験の空欄を予想することは難しく、一定の強弱はつけつつも広く記憶しておくことが選択式試験対策になるのではないでしょうか。

また、全員がまったく解けない空欄もありますが、その周辺には一定程度の勉強をしておけば解ける空欄も用意されています。その部分を100%落とさなければ、合格することはそこまで難しくありません。

問題は試験本番で舞い上がってしまい、焦りから正常な判断ができなくなった場合でしょう。自分でそれに気づかず回答し、足切りにあってしまう例が多く見受けられます。

選択式試験は問題の難易度の強弱が激しく、もちろん一定の勉強をしておくことが前提ですが、簡単な問題はすぐに解けることが多いと感じました。

しかし、難問については誰も試験対策で触れたことすらない論点からも出題され、過去の知識や経験などを総動員して回答にあたります。直観としての閃きや知識を体系立てて整理して回答するなど、何が正解かは人によって異なるでしょう。

しかし多くの場合、選択式試験は特定の問題が分岐点になることが多いと言えそうです。

Q:資格勉強を振り返って【こうしておけばよかった】ことは?

勉強時間に拘るのではなく、淡々とインプットとアウトプットを繰り返すという考え方の方が、早期合格に近づいたのではないかと考えています。

あまりに問題集を買いすぎるのも避けた方が良いですね。よほど過去の問題集(法律改正に追い付いていない)を使い続けるような特殊なケースを除き、信頼できる問題集を繰り返して学習する方が、記憶は定着すると思います。

また、一定の勉強時間は大事だといういうことは言うまでもないでしょう。とはいえ、単純に量をこなせばよいということでもありません。いかに8月の第4日曜日に合格ラインを越えられるかが重要です。

不合格時の失敗経験として挙げられるのが、試験実施月である8月の過ごし方に迷いが生じてしまったということ。8月に何をやるべきかを予めリストアップしておくことで、迷走する時間を少なくすることができます。

このリストアップは、あまり早すぎても当事者意識が希薄なためいけません。また、見当違いのリストが生まれてしまうリスクもあるため、7月におこなうのが適切だと感じます。

模擬試験の受け過ぎも注意すべき点です。

模擬試験は復習にも一定以上の時間を要します。そして、ある程度点数を調整する必要があることから、本試験ではまず問われないような超難関な論点が出題されることも少なくありません。しかも、模擬試験は本試験1~2か月前に開催されることが多いんです。

そのような論点に対して、試験直前期に多くの時間を費やしてしまうのは、逆に合格から遠ざかってしまうのではないでしょうか。そのため、本試験では問われないような論点に、あまり深入りすべきでないと思います。

初めて受験する場合は、そのような超難関問題とそうではない論点の区別がつかないという意見があるかもしれません。しかし、まずは正答率が50%を超えているにもかかわらず失点している問題を復習する方が、優先順位は高いのではないでしょうか。

Q:合格を経験してわかった【おすすめの勉強方法】とは?

まずは、早期に試験範囲を1周することです。そこからは何度も繰り返し学習することで、記憶の定着が進みます。試験範囲を1周しなければ全体像がイメージできません。また、個別の論点は理解できなくても、全体を学習することで記憶できたというケースも多いでしょう。

社会保険労務士試験は積み重ね式の試験ではないことから、一つの法律でまったく理解できなくても、次の法律は理解できるということがあります。そのため、一つの法律に拘って何度も理解に努めようとするより、どんどん先に進んで、まず全試験範囲を終わらせるという意識の方が早期合格に繋がると思います。

また、私がもっとも恐れていた科目で、実際に不合格になった直接的なものが一般常識です。これは独学で突破しようと力技で学んでいくより、独学であっても予備校のオプションを活用した方が結果的に費用対効果も高いと感じました。

特に試験範囲となる白書統計は、受験指導のプロである予備校でも試験範囲となり得る論点がすべてテキスト化されるのが7月頃。この時期から独学で情報を集めるのは、さすがに非効率ではないでしょうか。

もちろん、結果的に独学で合格された方もいらっしゃるでしょう。しかし、これはリスクが大きい方法だと思います。これから社会保険労務士の試験合格を目指す方は、ぜひ一般常識を攻略し、試験合格を勝ち取ってください。

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<取材:三河 賢文>

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