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社会保険労務士を目指す人はどんな人?受験者データを読み解く

社会保険労務士試験の受験を考えているのですが、この試験はどのような人たちが受験しているのでしょうか?また、社会保険労務士は一般的にはどのような人が社会保険労務士に向いているのでしょうか?
男女の比率は約6:4でした。今回は、社会保険労務士試験の受験者データをご紹介するとともに、社会保険労務士の適性についても触れてみます。

社会保険労務士の受験者データ

公式データをもとに社会保険労務士試験受験者の、過去10年間における合格者の年齢階層、職業、男女比を見てみましょう。

合格者の年齢階層別割合

過去10年間では、30代・40代の受験者が全体の約6割を占めます。特定の実務経験や他の国家資格を持つことで受験できることも関係がありそうです。

合格者の職業別割合

合格者の3人に2人が会社員です。社会保険や雇用保険、年金の知識が問われる社会保険労務士試験では、公務員の実務経験が生かせます。また、企業は社会保険や雇用保険、厚生年金の加入義務があるため、経営者や役員にその知識があると加入手続き時に役立つメリットがあります。

合格者の男女別割合

一般的に、国家資格試験の受験者は男性が圧倒的に多いことを考えると、3割を超える女性受験者は多い方といえます。

社会保険労務士の仕事内容

社会保険労務士は、人事・労務・雇用・年金に関するスペシャリストです。労働基準法や雇用保険法など労働社会保険に関する各種法律に精通し、労使間の紛争解決、企業の社会保険加入手続きのサポート、健全な労働環境整備のためのアドバイス、人事コンサルティングなどの方面で力を発揮します。

社会保険労務士制度では、社労士の業務内容を次のように定めています。

  • 労働社会保険関係の提出書類の作成
  • 上記書類の提出代行
  • 労働社会保険関係の申請など、各種事務の代理
  • 労使紛争のあっせん手続きの代理
  • 男女雇用機会均等法、パート労働法および育児・介護休業法の調停手続き代理
  • 労使紛争について、裁判外紛争解決手続きにおける当事者の代理
  • 労務管理や社会保険関連の実務についての相談・指導


社会保険労務士の適性がある人とは?

総務や人事での実務経験がある人

社会保険労務士として業務をこなすには、雇用保険や社会保険の知識、あるいは保険給付の計算スキルを身につける必要があります。総務部や人事部で実務を鍛えてきた社会人は、これらの知識とスキルを武器に活躍できるでしょう。実際に、総務部や人事部に属する社員のなかには、キャリアアップを目的として社会保険労務士資格の取得にチャレンジする方もいます。社労士資格を得ることで社内の信用も高まり、さらに重要な職務を任されることになります。


労働問題や雇用問題に対する意識が高い人

労働や雇用に関する問題は、多くの場合、従業員側の権利と密接に関わってきます。そもそも、労働基準法も労働安全衛生法も、従業員が企業から不当な扱いを受けないようにするために整備された法律です。社会保険労務士としての大切な役割は、常に従業員サイドに立ち、誰もが働きやすいと思える環境を、法的根拠に基づくアドバイスと判断、制度設計で整備することにあります。労働や雇用の問題に関心の高い人は、社会保険労務士に向いているといえるでしょう。


数字や計算に強い人

社会保険労務士の仕事には、細かい計算業務が付きものです。具体的には、月々の健康保険料の計算、雇用保険や災害保険の給付計算、年金支給額の計算などです。これらの業務でミスが起こると、従業員や企業に対し大きな不利益を発生させるため、正確性の高さが求められるのは言うまでもありません。地味な作業にもやりがいを持って取り組める姿勢、他人のお金の計算を任せられることへの責任感も大切な要素です。

まとめ

毎年多くの受験者がチャレンジする社会保険労務士試験。属性データを見ると、30代・40代の会社員が多いことが分かります。仕事内容や役割から社会保険労務士に向いている人を考えた場合、「人事・総務のプロ」「雇用や労働の問題に関心を持つ人」「細かい計算作業も苦にならない人」などが挙げられるでしょう。社会保険労務士を目指す人は、適正や資質を考えるうえでこれらの情報を参考にしてください。