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社労士はどんな試験でしょうか? |
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社労士試験は全問マークシート形式の試験です。「選択式試験」と、「択一式試験」の2つを1日で受験し、両方合格基準点が取れれば合格です。試験範囲は広く、科目毎の「足きり」もあり、試験の全範囲を満遍なく習得することが求められるので、勉強方法の工夫が重要です。 |
社会保険労務士試験は、2つの試験で構成されています。試験日の午前中に受ける「選択式試験」と、午後に受ける「択一式試験」です。どちらもマークシート形式の試験ですが、出題の形式が異なっています。それぞれの詳しい出題形式は後述します。
選択式試験と択一式試験にはそれぞれ合格基準点が定められています。両方とも合格基準点を満たすことで社労士試験合格です。どちらか片方が基準点に乗らなければ合格にはなりません。
社会保険労務士の試験科目には、大きく分けて「労働関係科目」と「社会保険関係科目」の2種類があります。
労働関係科目に含まれているのは、労働基準法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法、雇用保険法、労働保険の保険料の徴収等に関する法律、労務管理その他の労働に関する一般常識です。
社会保険関係科目には、健康保険法、厚生年金保険法、国民年金法、社会保険に関する一般常識の4つが含まれます。
各科目の問題数は以下の通りです。
選択式試験と択一式試験で、各科目の問題数に違いがあることを把握しておきましょう。特に注意したいのが「労働保険の保険料の徴収等に関する法律(労働保険料徴収法)」です。労働保険料徴収法は択一式試験のみの出題で、選択式試験には出題されません。
先述の通り、出題形式は大きく分けて「選択式」「択一式」の2種類です。それでは、2つの問題形式を見ていきましょう。
「選択式」は、各問題の文章中に5つの空欄があり、選択肢の中から適切な語句を選択する試験形式となります。空欄前後の文脈から何の論点を聞かれているのか判断する必要があるため、読解力も問われます。逆に言えば、前後の文章を解答のヒントにすることもできます。
【平成30年度選択式問題6(労働基準法・労働安全衛生法)】
問題 次の文中の【 】の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。 1. 日日雇い入れられる者には労働基準法第20条の解雇の予告の規定は適用されないが、その者が【 A 】を超えて引き続き使用されるに至った場合においては、この限りでない。 |
解答:A ⑦1か月 B ②30分 C ⑪功労報償 D ⑯デザイン E ⑳ろ過材及び面体を有する防じんマスク
ポイント
選択式試験は空欄5つ分のまとまりで1問で、計8問を80分間で解きます。およそ1問10分程度で解くペースです。
択一式試験は、問題に対する解答を5つの選択肢から1つ選ぶ「五肢択一式」の試験形式となります。
問題のパターンとして、以下のような問われ方の出題実績があります。
問題 労働基準法に定める労働契約等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 |
解答:A
ポイント
択一式試験は、7科目×10問=計70問を210分で解きます。上の例のような1問につき約3分で解くペースです。選択肢の文章が長いため、それそれの選択肢の正誤について、瞬時に判断できるように知識を抑えておく必要があります。
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社労士試験に合格基準点はありますか? |
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基準点は定められています。ですが、毎年「救済」と呼ばれる補正があるため、正式な合格基準点は合格発表の時にわかります。 |
定められている合格基準点は下記のようになります。
満点 |
合格基準 |
|
選択式(5点×8科目) |
40点 |
合計28点以上かつ各科目3点以上 |
択一式(10点×7科目) |
70点 |
合計49点以上かつ各科目4点以上 |
社労士試験の特徴の1つとして、合計得点の基準点の他に、科目毎に合格基準点が定められていることが挙げられます。選択式試験であれば、各科目3点以上、択一式試験であれば、各科目4点以上が必要です。
例えば選択式試験で、下記のように得点をしたとします。
●例①
労基・安衛 | 労災 | 雇用 | 労一 | 社一 | 健保 | 厚年 | 国年 | 合計 |
5 | 4 | 4 | 2 | 2 | 4 | 5 | 5 | 31 |
この場合は、合計得点は基準点の28点をクリアできていますが、「労一」と「社一」で各科目3点以上の条件をクリアできておらず、不合格となってしまいます。このように科目毎の基準点をクリアできないことは足切りとも呼ばれます。選択式試験は5点満点ですから、この「足きり」の存在は社労士試験の厳しさの一つとされています。
労基…労働基準法
安衛…労働安全衛生法
労災…労働者災害補償保険法
雇用…雇用保険法
労一…労務管理その他の労働に関する一般常識
健保…健康保険法
厚年…厚生年金保険法
国年…国民年金法
社一…社会保険に関する一般常識
社労士試験を受けるうえで知っておきたいのが、いわゆる「救済」制度です。簡単に説明すると、試験の難易度に合わせて、特定の科目の合格基準点を引き下げる調整のことです。
近年の社労士試験では、ほぼ毎回この「救済」が行われています。つまり、その年度の試験の合格基準点は合格発表時にならないとわからないのです。
【参考:近年の合格基準点】
年度 | 合格基準 | 救済科目 |
---|---|---|
令和2年度 |
総合得点25点以上かつ各科目3点以上 |
「労一」・「社一」・「健保」は2点以上 |
令和元年度 |
総合得点26点以上かつ各科目3点以上 |
「社一」は2点以上 |
平成30年度 |
総合得点23点以上かつ各科目3点以上 |
「社一」・「国年」は2点以上 |
平成29年度 |
総合得点24点以上かつ各科目3点以上 |
「雇用」・「健保」は2点以上 |
平成28年度 |
総合得点23点以上かつ各科目3点以上 |
「労一」・「健保」は2点以上 |
年度 | 合格基準 | 救済科目 |
令和2年度 | 総合得点44点以上かつ各科目4点以上 | なし |
令和元年度 | 総合得点43点以上かつ各科目4点以上 | なし |
平成30年度 | 総合得点45点以上かつ各科目4点以上 | なし |
平成29年度 | 総合得点45点以上かつ各科目4点以上 | 「厚年」は3点以上 |
平成28年度 | 総合得点42点以上かつ各科目4点以上 | 「一般常識」・「国年」・「厚年」は3点以上 |
先ほど例として紹介した選択式試験の下記の得点も、令和2年度の合格基準点であれば合格となります。令和2年度は「労一」、「社一」、「健保」で救済が行われ、それぞれ2点以上が合格基準となったためです。
●例①…令和2年度の合格基準点であれば合格になる選択式試験の得点ケース
労基・安衛 | 労災 | 雇用 | 労一 | 社一 | 健保 | 厚年 | 国年 | 合計 |
5 | 4 | 4 | 2 | 2 | 4 | 5 | 5 | 31 |
合格基準点や救済がどの科目に入るのか、ということは試験前にはわかりません。
社労士試験の勉強を進める際には、はじめから救済をあてにするのではなく、基本的な基準点である「選択式は合計28点以上かつ各科目3点以上、択一式は合計49点以上かつ各科目4点以上」を目指し、各科目満遍なく得点できるように準備を進めておくことが重要です。
社会保険労務士試験の出願期間は、試験のおよそ3ヶ月程前には、出願が締め切られてしまいます。年に1回しかありませんので、余裕を持って出願するようにしましょう。受験料は15,000円です。
試験案内配布・ 申込受付期間 |
4月中旬~5月下旬 |
試験日 | 8月第4日曜日 選択式試験:80分(10:30~11:50) 択一式試験:210分(13:20~16:50) |
合格発表 | 例年11月初旬 |
受験地 | 北海道・宮城県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・石川県・静岡県・愛知県・京都府・大阪府・兵庫県・岡山県・広島県・香川県・福岡県・熊本県・沖縄県 ※受験地は自由に選択できます。 |
社労士試験は、出題範囲が広く、そのすべてを学習するには膨大な時間が必要になります。そのため、ただやみくもに勉強するだけでは、短期間での合格は難しいでしょう。実際、複数年に渡ってチャレンジしている受験生も多くいます。ですが、適切な学習方法を行うことで働きながら短期間での合格も目指せます。
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どの資格試験にも共通して言えることですが、合格に向けてまず重要なのが、社会保険労務士試験がどんな試験なのかを把握することです。試験範囲や形式を正しく理解して、試験に合わせた対策を行いましょう。
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