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社労士が独立・開業で成功するには?年収や失敗・後悔ポイントも要チェック

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独立社労士と勤務社労士の違い

はじめに自ら事務所を開設する独立社労士と、一般企業などに所属する勤務社労士との違いを解説します。

独立社労士の特徴

独立社労士とは、自ら開業して事業主となる社労士です。

事業主として会社経営をするため、自ら営業や事務、経理作業などを行う必要があります。

スキルや働き方に応じて、受注する仕事の内容や量を選択できるのが魅力です。

スケジュール調整も自由に行えるので、休日なども好きなタイミングで取得できるでしょう。

実力次第で高収入を得られますが、収入が安定しにくかったり、顧客が獲得できないと経営困難になったりする一面もあります。

勤務社労士の特徴

勤務社労士とは、一般企業や社労士事務所、総合法律事務所などに所属する社労士です。

独立社労士とは違い、勤務先の方針にしたがって勤務時間や仕事量、仕事内容などが決まります。

社労士試験に合格した人の多くは、いきなり社労士として独立開業するのではなく、まずは社労士として社労士事務所や一般企業に就職して経験を積みます。

先輩社労士から業務や顧客への姿勢などを学びながら社労士経験を積める一方で、関心のない仕事を任されたり、勤務時間を調整できなかったりする点がデメリットです。

とはいえ、勤務先によって差はあるものの、独立した時と比較すると安定収入や充実した福利厚生などが魅力です。

社労士が独立・開業するメリット・デメリット

社労士資格を取得すれば、独立・開業を目指せます。

独立・開業した場合の具体的なメリット・デメリットを見ていきましょう。

メリット

社労士が独立・開業するメリットは、主に以下の3つです。

  • 自分のペースで仕事ができる
  • 努力次第で高収入を得られる
  • 強いやりがいを感じることができる

独立社労士は、勤務社労士のように会社の指示で動くことがないので、自分でスケジュールを調整できます。

また、会社の売上が自分の給与に直接影響するので、努力次第で勤務社労士の給与を大きく上回る収入が得られます。

独立社労士であれば、努力次第で年収1000万円以上も目指せるでしょう。

このように自分の努力によって高収入が得られるうえ、事業主として顧客の課題解決に直接的に貢献できるので、強いやりがいが感じられる点もメリットといえます。

デメリット

一方、デメリットは、主に以下の3つが考えられます。

  • 自分で営業し、集客しなければならない
  • 収入が安定しない
  • プレッシャーを感じやすい

独立社労士は事業主であり、企業や事務所から仕事を与えられる立場ではないので、自分で営業して集客しなければなりません。

案件が獲得できなければ報酬も得られないので、収入が安定しない特徴があります。

そのため、社労士としての知識や経験だけでなく、自分で仕事を獲得する営業力や仕事を紹介してもらうための人脈などが必要になります。

実績豊富な社労士であっても常に仕事がなくなる可能性を抱えることになるので、プレッシャーを感じやすい点もデメリットです。

社労士として独立・開業するまでの流れ

社会保険労務士の事務所開設の流れは次のとおりです。

  • 事務所所在地を決定し、事務所名も決める
  • 都道府県社会保険労務士会への登録申請のため、書類を作成する
  • 事務所ホームページや名刺、開業挨拶状などを用意する
  • 社会保険労務士会に書類を提出する
  • 社労士として開業する

社労士として独立するには、2年以上の実務経験が必要です。

実務経験がない場合は、事務指定講習の受講が義務付けられています。

事務指定講習は通信教育4ヶ月と、面接指導過程4日間です。

社労士が独立・開業するために準備すること

実際に社労士として独立・開業する前に準備することは、以下の5つです。

  • 開業費用を用意する
  • 人脈を広げる
  • 税務署に開業届を提出する
  • 事業用銀行口座を開設する
  • 業務に必要なものを揃える

社労士として独立して成功するために、1つひとつ着実に準備していきましょう。

開業費用を用意する

独立・開業するためには、開業費用を確保しなければなりません。

社労士の開業費用は、社労士登録費用、事務所の開設費用、営業準備費用などが挙げられます。

特に社労士登録の費用は開業するために必須なので、必ず準備しなければなりません。

社労士登録には事務指定講習、登録料、登録免許税、入会金、特別会費などがあります。

各費用は都道府県によって異なりますが、合計すると概ね20万~30万円前後です。

さらに事務所開設費用は、事務所として物件を借りるかどうかで費用は大きく異なります。

自宅を事務所として開業する場合は、事務所開設費用が安く済みます。

賃貸する場合は、周辺の家賃相場なども調べて計算しておく必要があります。

なお、営業準備費用はパソコン、名刺デザインや印刷費用、ホームページの開設費などであり、費用は求めるスペックによって異なってきます。

人脈を広げる

人脈が広ければ社労士の案件を獲得しやすくなります。

例えば、他業種の経営者や税理士、弁護士、司法書士、行政書士、中小企業診断士などの士業との繋がりが多ければ、顧問先を紹介してもらえる可能性も高くなるでしょう。

前職の繋がりから紹介してもらえる可能性もあるので、独立する前の人脈づくりが大きな影響を与えます。

また、交流会を通じて経営者や士業とのつながりを作ると、新規顧客を紹介してもらえる場合もあるので、積極的に参加する姿勢が大切です。

さらに紹介を受けやすくするためには、独立社労士としてのブランディングや営業力を高めることも重要といえるでしょう。

税務署に開業届を提出する

開業して収入を得るには、税務署に開業届を提出しなければなりません。

開業届は屋号を記載する項目があるので、前もって決めておく必要があります。

届出書の書式はインターネット上からでも入手できますが、そのほかにもさまざまな書類が必要になるため、国税庁のホームページを事前にチェックしておきましょう。

開業届の提出先は、事務所(または自宅)の所在地を管轄する税務署です。

管轄の税務遺書がどこかわからない場合は、国税庁のホームページにある「税務署の所在地などを知りたい方」を活用することをおすすめします。

なお、開業届は開業してから1ヶ月以内に提出しなければならないことが、所得税法に定められているので、期日に遅れないよう注意しましょう。

事業用銀行口座を開設する

顧問先から料金を受け取ったりするためには、事務所の銀行口座が必要です。

開設する銀行口座は、屋号を使用して開設しましょう。

屋号の銀行口座を開設すると個人口座に比べ、事務所としての信頼性アップにつながるほか、確定申告の作業、手続きがスムーズにできるメリットがあるためです。

また、プライベートと口座を分けられるので、事業の経費管理が楽になります。

事業用銀行口座を開設するためには、本人確認書類、印鑑のほか、開業届の控えが必要です。

必要書類や手続き方法は、金融機関によって異なる場合もあるので、事前に確認するようにしましょう。

業務に必要なものを揃える

パソコンや名刺、印鑑、ホームページなど社労士の業務や集客に必要なものも準備しなければいけません。

独立社労士は外出して営業したり、顧客と商談をしたりする場合もあるので、パソコンは持ち運びに便利なノートパソコンを用意すると良いでしょう。

名刺はアプリなどを使えば自前で作成もできる時代になりましたが、見栄え良い名刺を作るためにもプロに作成を依頼することをおすすめします。

また、近年はインターネットで社労士を探す方も増えているので、ホームページの作成も必要不可欠になりました。

Webサイト制作の知識が豊富な方は自作できますが、知識のない方はプロに依頼すると良いでしょう。

社労士が独立・開業を楽しいものにするには?

独立後も社労士の仕事を楽しいものにするには、成功するための事前準備が欠かせません。

ただし、勤務社労士とは違った考え方やスキルが求められます。

以下に独立社労士が成功するために必要なポイントを紹介します。

営業スキルを磨く

独立社労士が仕事を受注するには、営業力が求められます。

営業では社労士としての専門知識だけでなく、自分の強みをアピールする力やコミュニケーション能力が重要です。

また、案件受注につながりそうな人脈があまりない場合は、交流会に参加するなどして人脈を築かなければいけません。

飛び込み営業やテレアポで新規顧客を獲得する方法もありますが、独立社労士として実績がないうちは、簡単に仕事は獲得できないでしょう。

そのため、まずは他の士業の方や経営者の方などの人脈を広げたうえで、顧客を紹介してもらう方法が有効です。

また、インターネットを通して社労士を探す方も多いので、ホームページやポータルサイトへの登録などの準備も欠かせません。

事務所の強みを明確にする

開設した社労士事務所の強みを明確にすることも大切です。

具体的に何が得意で何をしてくれる社労士事務所なのかわからなければ、問い合わせにつながりにくいでしょう。

例えば「労使トラブルに詳しい」「就業規則の作成実績が豊富」「社会保険の計算に強い」など、自らの実績や得意分野は何か、前もって確認することをおすすめします。

そのうえで初めてホームページなどを見た人でも、何ができる事務所なのかが伝わるように、強みを明確にしたデザインやキャッチフレーズなどを掲載すると良いでしょう。

経営戦略を考える

独立・開業する場合は、基盤となる経営戦略を考えることが大切です。

具体的には、開業した場所でニーズが高い分野やターゲットなどを入念に考えたうえで、独立準備を進めましょう。

開業する場所の市場調査を行い、競合の有無、ターゲット層の設定など事前準備をしないまま独立すると、経営が行き詰まってしまう可能性があります。

また、目先の売上だけでなく、中長期的な視点を持つことも重要です。

たとえば3年後、5年後、10年後の事務所の売上や規模など、具体的な目標を掲げ、必要であれば資金調達・投資することも考えましょう。

独立・開業した社労士の年収

まず勤務社労士の平均年収は、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」における最新の令和元年(2019年)分の調査によると、460万3,400円(44.7歳、勤続年数13.4年)となっています。

一方で、独立労務士の場合、報酬の自由化から事務所ごとに報酬額は異なり、明確な平均値は分からないのが実情です。

受託するスポット業務量や顧問先数などに応じて、年間1000万円を超える収入を得ている事務所もあれば、年間300万円未満の収入の事務所もあります。

ただし、勤務社労士は経験豊富な方でも1000万円以上の年収を得るのは難しいので、大きく稼ぎたい方にとっては独立・開業はベストな手段といえるでしょう。

社労士が独立するのは難しい?開業の現実

社労士が独立・開業した場合、成功するのは難しいのでしょうか。

独立社労士の現状について解説します。

独立・開業する社労士の割合

※社会保険労務士白書(2022年版)のデータをもとに作成

社会保険労務士白書(2022年版)によると、2021年度の社労士個人会員44,203人のうち27,783人が開業しています。

その他16,420人の社労士は社労士事務所などに勤務する社労士です。

以上から、社労士は勤務している方よりも、独立開業している方が多いことがわかります。

未経験から社労士として開業しても成功できる?

社労士として独立するには2年以上の実務経験が必要とされており、未経験の場合、すぐには開業できません。

そのため、企業や社労士事務所で一定の経験を積み、実力をつけてから独立するのが一般的です。

ただし、事務指定講習を受講すれば実務経験がなくても独立・開業できるので、まったく実務経験がない方でも、独立が不可能なわけではありません。

とはいえ、社労士としての専門知識や実績、営業力、人脈がなければ顧客を獲得するのが困難なので、未経験から独立するのは簡単ではありません。

独立・開業に失敗した社労士が後悔するポイント

独立・開業しても思うように仕事が進まず、失敗してしまった社労士の方も少なくありません。

失敗した社労士が後悔するポイントを以下にまとめます。

知識や経験が不足していた

社労士としての知識や経験が足りないと、仕事に満足してもらえず、顧客離れが起きてしまう可能性があります。

社労士資格があり、2年以上の実務経験があれば開業は可能ですが、独立前に十分な経験を積み、知識をつけることが重要といえます。

労使トラブルなど困難な問題に柔軟に対応していく力が求められるので、こうした際の対応力をつけるようにしましょう。

集客力がなかった

集客力がなく思うように受注できず、失敗につながったというのは起こりがちなケースです。

勤務社労士を長年経験していた方の中には、営業として働いた経験のない方も少なくありません。

そのため、独立後に顧客を集客する営業スキルが乏しく、顧客が集まらずに利益を上げられない方は多くいらっしゃいます。

社労士の専門知識があっても、独立社労士として成功するためには、集客力を高めるノウハウが重要であることを理解しておきましょう。

低価格にしてしまい利益が出なかった

価格競争に陥って値段を下げてしまい、多く受注しても利益が残らない状況になってしまったケースもあります。

特に独立したばかりの社労士の場合、顧客を集めるために安価な価格設定にする方もいるでしょう。

しかし、安価な価格では高い利益は得られないため、いつかは価格設定を見直さなければいけません。

現状の経営状態を見て、価格設定や売上、利益などを経営者としての視点から考えることができなければ、成功するのは難しいでしょう。

社労士の独立・開業に関してよくある質問

社労士が独立・開業する際によくある質問を紹介します。

社労士は自宅でも独立・開業できる?

社労士は自宅でも独立・開業が可能です。

自宅兼事務所で業務を行えば、事務所の開設費や家賃・光熱費といった経費を削減できるメリットがあります。

ただし、分譲マンションや賃貸マンションの場合は事務所利用が可能かどうか、事前確認が必要です。

場合によっては、管理組合や管理会社に許可をもらわないといけません。

また、シェアオフィスやバーチャルオフィスを活用する方法もあります。

会社員として勤務しながら開業できる?

一般企業で働く社労士の有資格者が、副業として社労士の仕事を受注することもできます。

社労士法では会社員として勤務する方の開業について、制限する規定を設けていないためです。

ただし、勤務社労士は勤務している間は、外部の顧客の社労士業務は行えないので注意しましょう。

また、会社の規定で副業が禁止されていないか、事前申請が必要でないかなど、勤務先の就業規則も確認しなければなりません。

まとめ

最後に社労士の独立・開業で成功するコツ、年収や失敗・後悔するポイントについて、おさらいしておきましょう。

  • 独立社労士で成功するには、営業力やコミュニケーション力が必須
  • 開業する際は開業届の申請など手続きや開業費用も準備が必要
  • 独立社労士は勤務社労士より高年収を稼げる可能性がある
  • 集客力が乏しかったり、低価格で受注したりすると失敗につながりやすい
  • 経験や知識不足も失敗・後悔の要因になる

なお、社労士として独立・開業するためには、まず社労士の資格を取得しなければなりません。

社労士は試験の合格率は約5〜7%と低く、難易度の高い試験なので、しっかりと試験対策する必要があります。

忙しい社会人の方はスキマ時間を活用することが大切です。

スキマ時間を徹底活用したい方はスタディング 社労士講座をぜひチェックしてみてください。