社労士の人数は4万人超!年齢・男女・都道府県別や特定社労士は?

社労士の人数は4万人超!年齢・男女・都道府県別や特定社労士は?

これから社労士を目指す人にとって「現役の社労士はどのくらいいるのか」は気になる情報です。

この記事では、全国の社労士の人数(登録者数)、年齢・男女・都道府県別の人数を解説。また、社労士の中でもさらに試験に合格した人だけがなれる「特定社労士」の人数についても紹介します。

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全国の社労士の人数は右肩上がり

全国の社労士の人数(登録者数)は4万4,203人となっています(2021年度末時点)。

社労士の人数の推移について、全国社会保険労務士会連合会の「社会保険労務士白書 2022年版」などを見ていきましょう。

社労士の人数は右肩上がりで推移

社労士登録者数

▼全国の社労士の登録者数(各年度末時点)

年度開業法人の社員勤務等合計
平成23(2011)21,98398413,88336,850
平成24(2012)22,4691,08614,22937,784
平成25(2013)22,8151,21114,41938,445
平成26(2014)23,2411,35914,73139,331
平成27(2015)23,4801,64814,98240,110
平成28(2016)23,5731,95515,00740,535
平成29(2017)23,7252,24115,22141,187
平成30(2018)23,9622,49115,60342,056
令和元(2019)24,1582,75915,97042,887
令和2(2020)24,4232,99216,05943,474
令和3(2021)24,4293,35416,42044,203

【参考】全国社会保険労務士会連合会「社会保険労務士白書 2022年版」

2011年から2021年までの11年間のデータを見ると、全国の社労士は増加し続けています。

登録種別では、法人の社員(社労士法人の出資者。雇用されて勤務する従業員ではない)が11年間で3.4倍に増加しています。

白書では、社労士の人数は今後も増加し続け、2029年度末には5万人を超えると予測しています。

他の士業と人数・推移を比較

社労士の人数について、法律に携わる他の士業(税理士、弁護士、司法書士、行政書士)と比較してみましょう。

▼社労士、税理士、弁護士、司法書士、行政書士の人数の比較

年度社労士税理士弁護士司法書士行政書士
平成23(2011)36,85072,03930,48520,31341,584
平成24(2012)37,78472,63532,08820,67042,177
平成25(2013)38,44573,72533,62420,97943,126
平成26(2014)39,33174,50135,04521,36644,057
平成27(2015)40,11075,14636,41521,65844,740
平成28(2016)40,53575,64337,68022,01345,441
平成29(2017)41,18776,49338,98022,28346,205
平成30(2018)42,05677,32740,06622,48846,915
令和元(2019)42,88778,02841,11822,63247,901
令和2(2020)43,47478,79542,16422,72448,639
令和3(2021)44,20379,40443,20622,71849,480

【参考】全国社会保険労務士会連合会「社会保険労務士白書 2022年版」
【参考(社労士以外、2011〜2012)】日本弁護士連合会「弁護士白書 2019年版」
【参考(社労士以外、2013〜2021)】日本弁護士連合会「弁護士白書 2022年版」

人数の推移を見てみえると、いずれの士業も増加傾向となっていました。増加の割合が最も高かったのは弁護士の1.4倍で、社労士は1.2倍でした。

社労士の人数は増えてますが、他の士業と比較して突出して多いわけではありませんが、近年は働き方改革の影響で社労士へのコンサルティングの需要が高まっていることもあり、十分に需要がある資格と言えます。

社労士試験の合格者数・合格率の推移

今後は、社労士試験の合格者数合格率の推移を見てみましょう。

▼平成28年度(2016年度)以降の社労士試験の受験申込者数・受験者数・合格者数の推移

【画像引用】厚生労働省「合格者数等の推移(過去10年)・第57回社会保険労務士試験合格者の年齢別・職業別・男女別構成」

▼社労士試験の受験者数・合格者数・合格率

年度受験者数合格者数合格率
平成27年度40,712人1,051人2.6%
平成28年度39,972人1,770人4.4%
平成29年度38,685人2,613人6.8%
平成30年度38,427人2,413人6.3%
令和元年度38,428人2,525人6.6%
令和2年度34,845人2,237人6.4%
令和3年度37,306人2,937人7.9%
令和4年度40,633人2,134人5.3%
令和5年度42,741人2,720人6.4%
令和6年度43,174人2,974人6.9%
令和7年度43,421人2,376人5.5%
【参考】厚生労働省「社会保険労務士試験の結果について」

社労士試験の合格者は、近年は2,000人台で推移しています。社労士試験の合格率は5〜7%程度となっています。

【年齢別】社労士の人数は50歳代が最多

社労士の年齢別構成

【画像引用】全国社会保険労務士会連合会「社会保険労務士白書 2022年版」

上の円グラフは、社労士登録者の年齢別構成です(2022年3月31日現在)。

社労士資格はある程度の社会人経験を積んでから取得するケースが多く、平均年齢は高めで55.82歳となっています。

最も多いのは50歳代で、全体の約3割を占めています。次いで多いのが40歳代、60歳代です。

若い世代については、20歳代はわずか0.3%、30歳代も7.1%と割合がかなり低いことがわかります。

ちなみに最年少は23歳、最年長は101歳です。

【男女別】社労士の人数比は男7:女3

社労士の男女別人数

 

▼社労士登録者の男女別の人数

年度男性女性女性の割合
平成23(2011)26,8639,98727.1%
平成24(2012)27,40110,38327.5%
平成25(2013)27,66510,79028.1%
平成26(2014)28,05611,27528.7%
平成27(2015)28,33711,77329.4%
平成28(2016)28,56211,97329.5%
平成29(2017)28,79012,39730.1%
平成30(2018)29,14612,91030.7%
令和元(2019)29,47313,41431.3%
令和2(2020)29,69313,78131.7%
令和3(2021)29,99414,20932.1%

【参考】全国社会保険労務士会連合会「社会保険労務士白書 2022年版」

上記のグラフと表は、社労士の登録者数の推移を男女別に見たものです(2022年3月31日現在)。

社労士の男女比は男性7:女性3という割合になっていて、ここ10年の推移をみると、女性の割合が徐々に増加している傾向です。

社労士は、他の士業と比較して女性の比率が高いことが特徴です。

資格女性の割合
社労士32.1%
弁護士19.6%
司法書士18.1%
行政書士15.1%

※社労士・行政書士は2022年3月31日現在、弁護士は2022年5月31日現在、司法書士は2021年4月1日現在
【参考】日本弁護士連合会「弁護士白書 2022年版」
【参考】日本司法書士会連合会「司法書士白書 2022年版」
【参考】日本行政書士会連合会「月刊 日本行政 2022年5月号」

社労士と同じく法律に携わる国家資格である弁護士、司法書士、行政書士はいずれも女性の割合は20%以下となっています。

これに対して社労士の女性割合は30%を超えていて、10ポイント以上高くなっています。

【都道府県別】社労士の人数は東京が最多

社労士の人数を都道府県別に見てみましょう(2022年3月31日現在)。

社労士の人数が最も多いのは東京都で、1万1,335人となっています。

全国の登録者数に占める割合は25%以上であり、社労士のうち4人に1人が東京都で登録していることになります。

一方、最も少ないのは鳥取県で、133人となっています。

社労士の人数が多い、または少ない都道府県のランキングは次のとおりです。

▼社労士が多い都道府県ランキング

順位都道府県人数全国に占める割合
1位東京都11,335人25.6%
2位大阪府4,511人10.2%
3位愛知県2,798人6.3%
4位神奈川県2,777人6.3%
5位埼玉県1,963人4.4%

 

▼社労士が少ない都道府県ランキング

順位都道府県人数全国に占める割合
1位鳥取県133人0.3%
2位島根県141人0.3%
3位佐賀県152人0.3%
4位秋田県177人0.4%
5位山梨県191人0.4%

【参考】全国社会保険労務士会連合会「社会保険労務士白書 2022年版」

特定社労士の人数は社労士全体の約3割

特定社労士とは、紛争解決手続代理業務を行うことができる社労士です。

労働のトラブルを、裁判によらず当事者同士の話し合い(あっせん、調停、仲裁などの手続き)で解決を図ります。

特定社労士の人数は1万3,924人で、社労士全体の31.5%を占めています(2022年3月31日現在)。直近の10年ほどの推移を見ると4,000人ほど増加しています。

特定社労士になるには?

特別社労士になるには、社労士になった後、特別な講習を受けて「紛争解決手続代理業務試験」に合格する必要があります。特別研修の内容は下記のとおりです。

  • 中央発信講義:基礎となる法令を学び、実務についてDVDを視聴する
  • グループ研修:個別労働関係紛争における申請書や答弁書などの作成を練習する
  • ゼミナール:ケース・スタディーを中心に申請書や答弁書の検討、争点整理などを学ぶ

試験の合格者の人数は?

令和4年度(2022年度)の紛争解決手続代理業務試験は、受験者数は901人で、合格者数は478人です。合格率は53.1%となっています。

合格者数が最も多いのは40歳代で全体の43.1%を占めています。合格者全体の男女比は、男性6:女性4となっています。

【参考】厚生労働省「第18回(令和4年度)紛争解決手続代理業務試験の合格者について」

【Q&A】社労士に関するよくある質問

最後に、社労士に関するよくあるご質問に答えます。

社労士の年収は?

社労士の働き方には、勤務社労士と開業社労士の2つがあります。

勤務社労士の年収は、厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査」から推計すると460万3,400円です。

同調査における全体の平均は464万3,300円だったので、社労士の年収は平均と同じ程度の金額といえます。

【参考】政府統計の総合窓口(e-Stat)「賃金構造基本統計調査」

一方、開業社労士の場合は、年収1,000万円を超えるような事務所も存在し、努力次第で勤務社労士の年収を大きく超えることも珍しくありません。

「社労士を取っても意味がない」と聞いたが……?

社労士に関して調べていると「意味ない」「やめとけ」という意見が出てくることがあります。

結論から述べると、社労士に意味がないということは決してありません。なぜ社労士が「意味ない」と言われてしまうのか、そして社労士の資格取得をおすすめしたい人については、下記記事で解説しています。

社労士試験の難易度は?

社労士試験の合格率5〜7%程度で、合格に必要な勉強時間は500〜1,000時間が目安です。

科目ごとの合格基準点をすべてクリアしていなければ合格できないという点が大きなハードルとなっており、

中には得点がわずかに届かず不合格となった人や、数年間挑戦し続けてやっと合格を掴む人もいます。

しかし、合格者の8割は仕事と両立しながら合格しており、仕事を辞めなくても働きながら取得可能なレベルの国家資格と言えます。

まとめ

今回は社労士の人数についてさまざまな観点から紹介しました。ポイントをまとめます。

  • 全国の社労士の人数は4万4,203人(2022年3月31日現在)
  • 社労士の人数は50歳代、40歳代が得に多く、平均年齢は約55歳
  • 社労士の男女比は7:3で、弁護士、司法書士、行政書士と比べて女性の割合が高い
  • 地域によって社労士の人数には大きな差がある

社労士資格は、働き方改革が進む社会からのニーズも受けて、今後も人気が続きそうです。

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>>国家資格「社会保険労務士」とは?