ITパスポートは、履歴書に書いてアピールできる資格です。
社会人としての基礎知識とIT力を備えていることを証明する国家試験なので、企業や省庁の採用活動において、ITパスポートを取得していることは有利だといわれています。
ITパスポートの合格が入試の優遇措置や単位認定の条件になっている大学もたくさんあります。
ただ一方でITパスポートは他の試験と比較すると入門的な位置付けなので、履歴書に書いてもアピール材料になりづらい一面もあります。
ITパスポートを履歴書に書くことには、メリットとデメリットの両方があります。
ITパスポートは転職や就職に有利な資格です。
どのような職種でもITの基本的なスキルが必要な時代になり、多くの企業でIT力の向上とコンプライアンス強化を目指しています。
社内人材育成の一環で、ITパスポート試験の取得を取り入れている企業も増加傾向にあります。
ITパスポートを取得しているということは、働く上での基本的な知識があってモラルのある人物だと証明できるため、採用側から魅力的に見えるでしょう。
新卒の就職活動や新しい業界への転職活動において、ITパスポートはアピールポイントになるはずです。
ITパスポートと履歴書に書いていると、ITの基礎知識をアピールすることができます。
ITパスポートを取得していると、ITの基礎知識やPC操作ができるという証明になるからです。
たとえば、離職期間の長い状態からの再就職や接客業からオフィスワークへの転職をする場合、採用側からすると、業務をこなせる程度にPCを使えるかどうかは重要です。
履歴書にITパスポートと書かれていればITに関する一定の知識やスキルの証明になるので、採用につながりやすいでしょう。
ITパスポートは難易度が低く入門的な試験なので、他の試験・資格に比べてアピール力は強くありません。
ITパスポートでは社会人が持っておきたいITの基礎や経営などの知識を学べますが、ITの専門家から見れば初級レベルです。
とくにITの専門家であるエンジニアやプログラマーなどといった職種では、履歴書にITパスポートと書かれていても評価されないことが多いようです。
IT業界で就職したいなら、ITパスポート取得後に、より上位の試験・資格取得を目指すとよいでしょう。
ITパスポートを取得したことを履歴書に書きたいときは、正しく書く必要があります。
意外と知られていないITパスポートの正式名称や、履歴書に資格を書くときの順序などを解説します。
せっかく合格した試験ですから、以下のようにしっかり履歴書に書きましょう。
履歴書の資格名称は、原則的に正式名称で書きましょう。
ITパスポートの場合、正式名称は「ITパスポート試験」です。
「ITパスポート」や「iパス」などの略称では書かないように気をつけましょう。
履歴書の免許・資格欄には、日付を書く欄があります。
ITパスポートの合格証書に記載されている日付を確認し、取得年月日に書きましょう。
複数の資格を取得している場合、合格証書に記載されている日付が元号だったり西暦だったりすることがあるかもしれません。
合格証書に記載されている通りに書くのではなく、元号か西暦のいずれかに統一したほうがよいでしょう。
また、漢数字か算用数字か、日付を記入するときに使う数字の様式も統一します。
年月日の書き方は、免許・資格欄だけでなく経歴欄も含めて履歴書全体で統一するようにしましょう。
年月日の書き方がバラバラだと読みにくく、採用担当者からよい印象を持たれない可能性があります。
履歴書の免許・資格欄では、取得順に上から書くのが基本です。
つまり、最も取得歴が長い免許や資格を一番上に、最近取得した資格は一番下に書きます。
ITパスポートを履歴書に書くときは、いくつか注意することがあります。
以下の点に気を付けて、ITパスポートを履歴書に書きましょう。
ITパスポートの取得日を忘れた場合、合格証書を確認してみましょう。
ITパスポート試験に合格すると、合格者には経済産業大臣から「情報処理技術者試験合格証書」が送られてきます。
合格証書に書かれている年月日が取得日です。
履歴書に記載するITパスポートの取得日がわからないときは、合格証書に書かれている年月日を書きましょう。
ITパスポート取得見込みのときに、履歴書に書きたいときは「ITパスポート試験取得見込み」と書いても問題ありません。
ITパスポート試験では、試験後すぐコンピューターによる自動採点が開始されます。
採点が終わると試験結果が画面上に表示されるのである程度の正答率はわかりますが、正式な合格発表は試験日翌月の中旬です。
正式な合格発表日までは、「ITパスポート試験を取得した」とは言いがたい時期が続きます。
この期間に履歴書に書きたいときは、「取得見込み」と記載しましょう。
実際に取得前に「取得」と書くと、虚偽の記載になってしまいます。
本当は合格してから履歴書に記載するのが一番良いので、就職活動などの予定がある人は早めにITパスポートの学習を進めて余裕をもって取得しておきましょう。
履歴書にITパスポートと書いたとき、合格証明書の提出を求める企業もあるでしょう。
その際は、合格証明書を申請して交付してもらいます。
合格証明書は合格者に送付される合格証とは異なるもので、「独立行政法人 情報処理推進機構」によって発行されるITパスポート試験の合格を証明する書類です。
合格証明書の交付には1通あたり700円の手数料が必要です。
また、合格発表日から約2週間経たなければ発行できないので、注意しましょう。
ITパスポート試験の勉強をして情報処理に興味がわいてきたら、より上位の試験・資格を目指すのもよいでしょう。
情報処理技術者の上位試験はITパスポートと出題範囲がほぼ同じなので、ITパスポート取得後は対策しやすくなります。
履歴書に書くと注目される、ITパスポート以外におすすめの試験は次の3つです。
基本情報技術者とは、ITエンジニアの登竜門といわれる試験です。
ITパスポートは情報処理技術者試験のレベル1ですが、基本情報技術者試験はレベル2にあたります。
基本情報技術者試験の試験内容は、IT業界の人を対象としたIT基礎知識を問うものです。
試験は「科目A試験」と「科目B試験」に分かれていて、それぞれ試験時間は90分と100分となっています。
科目A試験はITパスポートとほぼ同様の出題範囲ですが、科目B試験では問題文が長かったり疑似言語によるプログラミングの問題が出たりと難易度が上がります。
合格率は実施時期によって異なりますが、2021年の春期試験は41.6%、2022年の春期試験は39.6%でした。
【あわせて読みたい】基本情報技術者試験とは?
応用情報技術者とは、ITエンジニアとしての能力を示す国家試験です。
ITパスポートは情報処理技術者試験のレベル1、基本情報技術者試験はレベル2ですが、応用情報技術者試験はレベル3になります。
試験内容は、ITエンジニアとしての技術力やプロジェクト戦略を立案・管理する応用力を問われる問題が出題されます。
試験は年に2回、4月と10月に実施され、試験時間は午前・午後150分ずつです。
午前試験は選択問題、午後試験は記述問題となっています。
応用情報技術者試験の合格率は約20%です。
午前試験・午後試験それぞれ100点満点中60点以上で合格できます。
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ITストラテジストとは、高度なITの知見をビジネス分野で生かせるような、プロジェクト策定能力や実行力を証明できる試験です。
情報技術者試験のなかでは、最も高度な専門知識を要求するレベル4にあたります。
試験は年に1回、4月に実施。1日のうちに、午前Ⅰ試験・午前Ⅱ試験・午後Ⅰ試験・午後Ⅱ試験と計4つの試験を行います。
過去2年以内に応用情報技術者試験や他の高度情報処理技術者試験に合格している人は、午前Ⅰ試験のみ免除されます。
ITストラテジスト試験の合格率は約15%なので、難易度はかなり高めです。
午前Ⅰ試験・午前Ⅱ試験・午後Ⅰ試験はそれぞれ100点満点中60点以上の正答、午後Ⅱ試験は評価ランクA以上のみで合格できます。
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ITパスポート試験は、履歴書に書くと就職・転職活動で有利になる国家試験です。
しかし、ITパスポート試験はIT初心者レベルの試験なので、IT業界内での転職活動ではアピール力が高くないといえます。
ITパスポート試験は、多くの企業で社内教育の一環として取り入れられています。
入社前に取得して履歴書に書かれていると、採用担当者としては好印象を受けるでしょう。
しかし、忙しいなかで範囲の広いITパスポート試験の勉強をするのは大変です。
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