過去問題集を何度も解き直したので正解肢がどれか覚えてしまって練習にならない。 他によい問題集はないだろうか。 |
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過去問題集を「力試し」用と考えず、選択肢の内容がきちんと理解できているかどうかを1肢単位でチェックしていきましょう。 |
受験者からよく寄せられる質問にこんなものがあります。
「過去問題集を何度も解き直したので正解肢がどれか覚えてしまって練習にならない。他によい問題集はないだろうか。」
どうやらこうした受験者は、4肢選択式の過去問題集の学習は、
どの選択肢が正解か判断できればそれで十分と理解しているようです。
しかし、それではまったく足りていません。
ここで「肢別学習」という学習方法をご紹介しましょう。
資格試験では過去問が重要だという話はよく聞かれていると思います。
しかし、効果的な過去問の学習方法を知っている受験者は意外に少ないようです。
「肢別学習」とは過去問(複数肢択一形式の過去問)を最大限有効活用する方法です。
まず、注意していただきたいのは過去問に取り組む時期です。
過去問題集を「力試し」用と考える受験者はテキストや練習問題の学習が終わり
本試験が近づいてからやっと過去問に向き合います。
しかし、そうした学習方法では本試験で実際にどんな知識がどのような表現で問われているのかという
一番大切な情報を本試験直前になってようやく知ることになるわけです。
ですから場合によっては学習の方向性がずれていたということを
本試験直前に気付くということにもなりかねません。
過去問題集はできるだけ早い時期から学習の方向性チェックのために最大限活用することをお勧めします。
では、早い時期から過去問に取り組むとして、どのような学習方法が効果的でしょうか?
ここで是非マスターしていただきたい学習方法が「肢別学習」です。
肢別学習ではもちろん選択肢ごとに丁寧に学習していきます。
つまり、どの選択肢が正解かという1問単位の学習ではなく、
それぞれの選択肢の内容がきちんと理解できているかどうかを1肢単位でチェックしていくわけです。
正解肢ではない選択肢についてもきちんと解説を読んでおくという手間をかけましょう。
さて、もう一つ、注意点を申し上げておきます。
本試験が目前に迫ってきた直前期には、肢別学習から1問単位の練習に戻す必要があるということを忘れないようにしてください。
というのは本試験は厳しい時間制限がありますから、
練習段階のようにすべての問題について1肢1肢ていねいに検討している時間的余裕がないからです。
練習段階と本試験では環境がまったく異なります。
時間が十分にあり、しっかり基本知識を身につけることを優先しなければならない練習段階と、
何としてでも正解肢を時間内に選び出さなければならない本試験とでは当然問題への取り組み方を変えなければならないのです。
そこで、直前期には出来るだけ本試験と同じ環境で問題を時間内に解ききるという練習を行いましょう。
もちろん理想的には見直しの時間まで確保できればベストです。
このような実戦的な練習は必ず複数回実施するようにしましょう。
肢別学習をいつ実施し、いつ実戦的な練習に戻すか?
このメリハリこそが肢別学習の極意といえます。