ITパスポート試験は「取得してもあまり意味がない」「無駄な資格」と言われる場合もあります。
しかし実際に取得する意味がないかと言うと、そうではありません。
ITパスポート試験は、なぜ「意味ない」と言われてしまうのでしょうか。
その理由は主に以下の3つが挙げられます。
1つ目は、ITパスポート試験には独占業務がないからです。
国家資格の中でも税理士や社労士などといった資格には、取得をした人にしか行えない独占業務があります。
しかし、ITパスポート試験の取得者には、そういった独占業務はありません。
そのため、「わざわざ取得をする意味がない」と考える人がいるのかもしれません。
2つ目は、ITパスポート試験は難易度がそれほど高くないからです。
ITパスポート試験の出題範囲はシステム開発に必要なレベルの専門知識ではなく、ITを利用するために必要な基礎知識です。
そのため、難易度はそれほど高くありません。
国家試験の情報処理技術者試験の中でも、ITパスポート試験は一番やさしいとされるレベル1となっています。
国家試験の中では比較的取得しやすく難易度も希少性も低いため、意味がないと感じる人がいるのかもしれません。
3つ目は、ITパスポート試験がそれほど専門性の高い資格ではないからです。
前述の通りITパスポート試験は、あくまでITを利用するために必要な基礎知識を証明するための資格です。
システム自体を開発するための知識が必要な基本情報技術者や応用情報技術者などと比べると専門性が低いため、IT業界ではそれほどアピールにはならない場合もあります。
上記のような理由から「意味ない」と言われてしまうことがあるITパスポート試験ですが、取得するとどんなメリットがあるのでしょうか。
以下の3つのメリットについて、詳しく解説します。
1つ目は、勉強する過程でITリテラシーを高められることです。ITリテラシーとは、ITを理解して使いこなす知識やスキルを指します。
ITリテラシーは、今やあらゆる業界や業種の仕事で必要とされています。
例えば、業務で利用するシステムやネットワーク、データベースなどの知識があれば、売上管理ツールや顧客情報の管理ツールなどを有効活用できます。
またセキュリティの知識があれば、機密情報の漏洩やウイルス感染も防止できるでしょう。
2つ目は、就職や転職の役に立つことです。
現代は業界や業種を問わず、ITの活用なしにはビジネスが成り立たない時代です。
IT業界では、社員に対してITパスポートの取得を必須化したり、推奨したりしている企業も少なくありませんが、最近は一般企業や省庁等の採用でもITパスポートを取得しているか問われる場合があります。
3つ目は、ITパスポート試験がより上位の資格にチャレンジする際の足がかりになることです。
ITパスポート試験は、あらゆる情報処理試験の基礎知識があることを証明できる資格です。
ITパスポート試験の出題範囲を習得できれば、上位のIT系資格の勉強をする際にも役立つでしょう。
また以下のような上位資格の試験も、出題範囲の骨組みはITパスポート試験と同様です。
ITパスポート試験の経験があれば、試験対策もスムーズにできるでしょう。
ITパスポート試験は、取得するメリットが十分にある資格です。
特に以下のような人は、取得に向いていると言えるでしょう。
1つ目は、将来IT業界で働きたいと考えている人です。
ITパスポート試験では、主に以下のような分野について出題されます。
ITパスポート試験を取得できれば、ITの基礎知識があるという証明になります。
将来的にIT業界で働きたいと考えている人には、非常におすすめの資格だと言えるでしょう。
2つ目は、現在ITに関する業務に携わっている人です。
ITに関わる業務を行っている人にとって、ITパスポート試験の知識は役立つものばかりです。
例えば情報収集のスピードや精度が上がったり、コンピューターやスマートフォンといったデバイスや業務システムを使いこなせるようになったりすれば、仕事の効率も向上させられるでしょう。
また、セキュリティに関する正しい知識が身につけば、情報漏洩や不正アクセスなどの事故も防止できるようになります。
ITパスポート試験は、現在ITに関する業務に携わっている人にもおすすめの資格です。
3つ目は、これからITの基礎知識を身につけたい人です。
ITパスポートはITの基礎知識を証明できるだけでなく、基礎知識のない方でもチャレンジしやすい資格です。
国家試験の情報処理技術者試験の中で、ITパスポート試験は一番やさしいレベル1となっています。
そのためITパスポート試験は、これからITの知識を身につけたいと考えている人の最初の一歩にもおすすめの資格です。
ここまで、ITパスポート試験を取得するさまざまなメリットや取得に向いている人について解説をしてきました。
ここからは実際に、ITパスポート試験に合格された方の「ITパスポートを取得してよかった!」という声をご紹介します。
アムアムさん 2023年合格
勉強したきっかけは、学び直しです。
ITパスポートはビジネスにおいて、基本的な事ばかり。
広範囲な知識が得られるため、おススメです。40代、50代の方も頑張って!
千葉 孝仁さん 2022年合格
今まで知的財産関係の仕事を中心にやってきたが、会社のDXに関する仕事の一部を担うことになったがIT知識がないためITパスポートの勉強を始めた。
今回の勉強は楽しく、実務でも役に立っているので、上位資格の応用情報技術者試験にもチャレンジしていきたいと思います。
【あわせて読みたい】スタディング ITパスポート講座 合格体験談
ITパスポート試験の主な内容は以下の通りです。
項目 | 内容 |
試験時間 | 120分 |
出題数 | 小問:100問(*1) |
出題形式 | 四肢択一式 |
出題分野 | ストラテジ系(経営全般):35問程度
マネジメント系(IT管理):20問程度 テクノロジ系(IT技術):45問程度 |
合格基準 | 総合評価点600点以上であり、かつ分野別評価点もそれぞれ300点以上であること
総合評価点 600点以上/1,000点(総合評価の満点) 分野別評価点 ストラテジ系 300点以上/1,000点(分野別評価の満点) マネジメント系 300点以上/1,000点(分野別評価の満点) テクノロジ系 300点以上/1,000点(分野別評価の満点) |
試験方式 | CBT(Computer Based Testing)方式(*2)
受験者はコンピュータに表示された試験問題に対して、マウスやキーボードを用いて解答します。 |
採点方式 | IRT(Item Response Theory:項目応答理論)に基づいて解答結果から評価点を算出します。 |
(*1)総合評価は92問、分野別評価はストラテジ系32問、マネジメント系18問、テクノロジ系42問で行います。残りの8問は今後出題する問題を評価するために使われます。
(*2)身体の不自由等によりCBT方式で受験できない方のために、春期(4月)と秋期(10月)の年2回、筆記による方式の試験を実施します。
さらに詳しい試験内容については、以下の記事をご参照ください。
【あわせて読みたい】ITパスポート試験の試験制度
今回のポイントをおさらいしておきましょう。
ITパスポートの試験対策には、忙しい人でもスキマ時間で効率的に学べる「スタディング ITパスポート試験講座」のオンライン講座がおすすめです。
興味のある方は、ぜひ無料お試しをご利用ください。
他のITパスポートの記事も見る |