この記事ではITパスポート試験で出題される計算問題について「すべて捨てても合格できるか?」という疑問に答えます。 また計算問題の過去問の例、おすすめ対策法についても解説しています。
ITパスポート試験の計算問題とは
ITパスポート試験の計算問題は、どれくらいの問題数が出題されるのでしょうか。
また、どんな問題が出題されるのでしょうか。
計算問題の概要について解説します。
- 問題数の割合
- 出題される分野
問題数の割合
近年のITパスポート試験における計算問題数を見てみると、多くても全体の一割程度となっています。
ITパスポート試験では計算問題の正確な問題数が公開されているわけではなく、計算問題の問題数や全体に対する割合は年度によって異なります。
あくまで目安としてとらえておくとよいでしょう。
出題される分野
ITパスポート試験の計算問題は、特定の分野のみで出題されるわけではありません。
ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系の出題分野すべてにおいて、まんべんなく出題される傾向にあります。
ITパスポート試験の計算問題の過去問を見てみよう
ITパスポート試験では、どのような計算問題が出題されるのでしょうか。
例として、実際に過去の試験で出題された問題を見てみましょう。
- 【令和5年度】問4
- 【令和5年度】問13
- 【令和5年度】問55
【令和5年度】問4
ASP利用方式と自社開発の自社センター利用方式(以下”自社方式”という)の採算性を比較する。次の条件のとき、ASP利用方式の期待利益(効果額費用)が自社方式よりも大きくなるのは、自社方式の初期投資額が何万円を超えたときか。
ここで、比較期間は5年とする。
[条件]
・両方式とも、システム利用による効果額は500万円/年とする。
・ASP利用方式の場合、初期費用は0円、利用料は300万円/年とする。
・自社方式の場合、初期投資額は定額法で減価償却計算を行い、5年後の残存簿価は0円とする。また、運用費は100万円/年とする。
・金利やその他の費用は考慮しないものとする。
ア 500
イ 1,000
ウ 1,500
エ 2,000
【令和5年度】問13
ある製品の今月の売上高と費用は表のとおりであった。販売単価を1,000円から800円に変更するとき、赤字にならないためには少なくとも毎月何個を販売する必要があるか。
ここで、固定費及び製品1個当たりの変動費は変化しないものとする。
売上高 販売単価 販売個数 |
2,000,000円 1,000円 2,000個 |
固定費 | 600,000円 |
1個当たりの変動費 | 700円 |
ア 2,400
イ 2,500
ウ 4,800
エ 6,000
【令和5年度】問55
ソフトウェア開発の仕事に対し、10名が15日間で完了する計画を立てた。しかし、仕事開始日から5日間は、8名しか要員を確保できないことが分かった。計画どおり15日間で仕事を完了させるためには、6日目以降は何名の要員が必要か。ここで、各要員の生産性は同じものとする。
ア 10
イ 11
ウ 12
エ 14
ITパスポート試験での電卓持ち込みは不可
ITパスポート試験で会場に持ち込めるものは、以下の通りです。
- 確認票
- 会場で配布される受験者注意説明書、メモ用紙、シャープペンシル
- ハンカチ、ポケットティッシュ、目薬
その他のものは、すべてロッカーに預けるか、カバンに入れて足元に置いておくことになります。
電卓を持ち込むことはできず、計算の際は配布されたメモ用紙を使います。
計算問題は、電卓を使わなくても手計算で解けるレベルの問題しか出題されないと言ってよいでしょう。
ITパスポート試験の計算問題は捨てても合格できる?
ITパスポート試験は、全体で1,000点中600点以上、分野別では300点以上の合格基準を満たしていれば合格できます。
前述の通り、計算問題の割合は例年全体の一割程度です。
そのため計算問題を捨てるのも一つの手ではありますが、あまりおすすめはできません。
まず、計算問題は問題数が常に一定ではありません。
問題数が例年よりも多かった場合は、合格できる可能性が低くなってしまいます。
また計算問題以外の問題でミスをした場合、初めから計算問題を捨てていたらリカバリーもできません。
計算問題の中には、あらかじめ解き方を覚えておけば計算が苦手な人でも解ける問題があります。
最初からそのような問題まで捨ててしまうのは、非常にもったいないと言えるでしょう。
以下は、実際に計算問題を捨ててITパスポート試験に合格された方の声です。
もるぐさん 2021年合格
計算の問題が苦手で、講座を聞いてもなかなか理解、覚えることができず、計算問題はすべて捨てて、他の分野でカバーするやり方で試験に臨みました。
計算問題含め、知らない、覚えてない問題あわせて30問ぐらいに「後で確認」マークがつき、いったんすべて解き終わった段階で、残り時間40分。
あとはその30問を消去法など使い選択しました。
結果7割越えでしたので、そのままのスコアがでたかなと思います。
みいさん 2022年合格
2回の受験で合格しました。
1回目の受験では、用語がわかっていないために落とした問題や慌ててしまった問題が多かったので、重点的に対策しました。
また、苦手な計算問題は捨てることに決め、準備もせず、試験でも考えずにマークしました。
それでも余裕をもって合格することができました。
ITパスポート試験の合格基準から考えると、計算問題をすべて捨てても合格できる可能性はあります。
ただし、より安定して合格レベルの点数を獲得するためには、最初から捨ててしまわずに計算問題の対策もしておくのがおすすめです。
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ITパスポート試験の計算問題のおすすめ勉強法
ITパスポート試験の計算問題が解けるようになるための対策には、いくつかのコツがあります。
以下の2つの勉強法について詳しく解説します。
- 過去問を解いて解法をつかむ
- 公式を暗記する
過去問を解いて解法をつかむ
1つ目は、計算問題の過去問を解いて、解法をつかむことです。
数年分の過去問を解いてみれば、どの分野でどのような計算問題が出るのかという出題傾向が把握できます。
また最初は計算問題の解き方がわからなかったとしても、何度か挑戦したり解説を読んだりすれば解法もつかめるはずです。
このように、過去問を活用すれば効率的に計算問題の勉強ができます。
公式を暗記する
2つ目は、計算問題でよく出題される公式を暗記することです。
過去問をいくつか解いてみるとわかりますが、ITパスポート試験の計算問題は、出題のパターンがある程度決まっています。
そのため、よく出題される問題の公式は暗記しておくとよいでしょう。
もし計算に苦手意識があっても、公式を覚えていればあてはめるだけで問題を解くことができます。
ITパスポートの計算問題はそこまで怖がらなくてOK!
ITパスポート試験の計算問題は、公式を暗記する必要があるのに加え、解くのに時間がかかりがちです。
勉強を始めたばかりの人が「捨ててしまってもよいのでは」と考えてしまうのも当然かもしれません。
しかし計算問題は、よく出題される公式を暗記して過去問を何度か解いておけば十分に対応できます。
必要以上に怖がらず、適切な対策をして得点率を上げましょう。
まとめ
最後に、今回のポイントをおさらいしておきましょう。
- ITパスポート試験の計算問題は全体の一割程度
- 計算問題はそれほど難しくないため、捨てるよりも対策をとって挑戦したほうがよい
- 計算問題の対策は過去問の活用と公式の暗記がおすすめ
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