高校生がITパスポートを取得するメリット3選
まずは、高校生がITパスポートを取得すると得られる以下3つのメリットがあります。
- ITパスポートが大学入試で優遇されることがある
- 専門学校の学費が一部免除になる場合がある
- 就職に有利になる場合がある
1. ITパスポートが大学入試で優遇されることがある
1つ目は、ITパスポートが大学入試で優遇される可能性があることです。
ITパスポート試験は全国の多数の大学で評価されており、主に以下のように活用されています。
活用内容 | 大学数 |
入試優遇 | 226校 |
単位認定 | 111校 |
シラバスの一部又は全部を参考とした授業カリキュラムの策定 | 80校 |
受験対策支援講座の実施 | 138校 |
受験を推奨(受験料補助、合格者の表彰、報奨金等支給) | 118校 |
【引用】ITパスポート試験 高校生の方へ
上記の表の通り、大学入学後に単位として認定されるだけでなく、入試での優遇措置を実施している大学も少なくありません。
高校生のうちにITパスポートを取得できていれば、大学入試を有利に進められる可能性が高まるでしょう。
2. 専門学校の学費が一部免除になる場合がある
2つ目は、専門学校の学費が一部免除になる場合があることです。
専門学校によりますが、受験者が取得している資格や経歴に応じて、学費等の免除制度を設けていることがあります。
特にIT系の専門学校の場合、ITパスポート試験を取得していれば、そういった制度が受けられるかもしれません。
前述の大学だけでなく、専門学校を進路として考えている人にもメリットがあると言えるでしょう。
3. 就職に有利になる場合がある
3つ目は、就職に有利になる場合があることです。
近年は、ビジネスでもITを活用する場面が当たり前になりつつあります。
その影響からITに関する基礎知識を持った人材の需要も、非常に高まっていると言えるでしょう。
例えば社員に対してITパスポートの取得を必須化・推奨したり、昇進の条件に設定したりする企業も増えています。
もちろんIT系以外の業界でも、ITパスポートを取得していればITスキルを持っていると証明できます。
このように進学ではなく就職を考えている人にとっても、ITパスポートの取得がメリットに働くことがあります。
【あわせて読みたい】ITパスポートは転職に有利?資格取得のメリット・試験内容を徹底解説
ITパスポート試験の難易度
ここまでITパスポート試験を取得するメリットをご紹介してきましたが、実際のITパスポート試験はどれくらいの難易度なのでしょうか。
例年の合格率や合格基準点をもとに、難易度について解説します。
- ITパスポート試験の合格率から見る難易度
- ITパスポート試験の合格基準点から見る難易度
- ITパスポート試験の勉強時間目安から見る難易度
ITパスポート試験の合格率から見る難易度
下記の表は、平成25年(2013年度)〜令和3年度(2021年度)にかけての受講者数・合格者数・合格率を示したものです。
合格率は平均50%前後で、ここ数年のデータを見ると合格率は上昇傾向にありましたが、令和3年度は応募者が過去最多を記録したためか合格率が若干下がりました。
実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
平成25年(2013年) | 67,326 | 32,064 | 47.6% |
平成26年(2014年) | 71,464 | 34,215 | 47.9% |
平成27年(2015年) | 73,185 | 34,696 | 47.4% |
平成28年(2016年) | 77,765 | 37,570 | 48.3% |
平成29年(2017年) | 84,235 | 42,432 | 50.4% |
平成30年(2018年) | 95,187 | 49,221 | 51.7% |
令和元年(2019年) | 103,812 | 56,323 | 54.3% |
令和2年(2020年) | 131,788 | 77,512 | 58.8% |
令和3年(2021年) | 211,145 | 111,241 | 52.7% |
近年、ビジネスのIT化が進んだことによりITパスポートに認知度が広まったこと、教育機関においてもIT分野のカリキュラムが組み込まれていることなどから、年々受講者数が増加しています。
合格率はここ数年で平均50%前後を推移しており、国家試験の中でも比較的取得しやすい試験となっています。
ITパスポート試験の合格基準点から見る難易度
ITパスポートの合格基準は以下のとおりです。全体で6割、3つの分野でそれぞれ3割以上正解していれば合格となります。
合格基準 | 総合評価点
600点以上/1,000点(総合評価の満点) 分野別評価点
ストラテジ系 300点以上/1,000点(分野別評価の満点) |
ITパスポート試験の勉強時間目安から見る難易度
ITパスポート試験に合格するために必要な勉強時間は、ベースとなる情報処理知識の有無によって異なります。
情報処理の基礎知識を持っている人の場合、合格に必要な勉強時間の目安は100時間〜150時間ほどです。
1日2時間勉強すると考えると、約1カ月半〜2カ月程度勉強を続ければ必要な勉強時間を満たせる程度です。
なお、ITパスポート試験ではITに関する知識だけでなく、ビジネスに関する知識も求められます。
試験範囲が広いので「よく出題されるがなじみが薄い分野」については重点的に対策しましょう。
一方、情報処理の知識がほとんどない初学者であれば、試験合格に必要な勉強時間は約180時間です。
1日2時間を勉強に費やすとして計算すると、3カ月ほどかかる見込みになります。
基本的な知識を身につけるには、わからない単語が出てきた時点で一つひとつ丁寧に調べ、少しずつ自分のものにしていきましょう。
今回紹介した合格に必要な勉強時間はあくまで目安なので、できるだけ勉強時間を多めに確保して、焦らずに学習を進めることが重要です。
【あわせて読みたい】ITパスポート試験の難易度は?合格に必要な勉強時間や勉強法を徹底解説
【あわせて読みたい】ITパスポート試験の勉強時間目安は?最短で合格する方法を徹底解説
ITパスポート試験は高校生が独学で合格できる資格?
ITパスポート試験の合格者は、学生よりも社会人が多い傾向です。
これはIT用語やビジネス用語など、多くの社会人が仕事を通して身につけている内容が出題範囲となっているからだと思われます。
ただし、だからといって学生には手がつけられないほど難しい試験ではありません。
例年、小学生や中学生の合格者も多く輩出されています。
そのため、高校生であっても独学で十分合格を目指せる難易度の資格と言えるでしょう。
高校生におすすめのITパスポート勉強法
ここまでITパスポートの難易度について解説してきましたが、高校生がITパスポート試験に合格するには、どのような勉強をすればよいのでしょうか。
ここからは、高校生がITパスポート合格を目指すためのおすすめ勉強法を3つご紹介します。
- スキマ時間に少しずつ勉強する
- 頻出分野に絞って勉強する
- 過去問を繰り返し解く
スキマ時間に少しずつ勉強する
1つ目は、スキマ時間に少しずつ勉強することです。
授業や部活、テスト勉強などで忙しい高校生が、さらに資格の勉強をする時間を作るのは非常に難しいでしょう。
その場合は、通学時間や休み時間といった数分単位の時間を勉強にあてるのがおすすめです。
例えば1問だけ選択問題を解く、テキストを見開き分確認するといった勉強なら、こうしたスキマ時間でも可能です。
まとまった時間を使えなくても、こうした毎日のスキマ時間を使えば結果として必要な勉強時間を確保できるでしょう。
頻出分野に絞って勉強する
2つ目は、頻出分野に絞って勉強することです。
前述の通りITパスポート試験はストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系の3つが出題分野となっています。
これらの出題範囲は非常に広く、すべてを網羅しようとすると時間がかかりすぎて学習効率が悪くなってしまいます。
それよりも過去問などからよく出題されるテーマや用語をつかみ、それらに絞って勉強するのがおすすめです。
ITパスポート試験の対策ではあれこれ手を広げ過ぎず、頻出分野に集中して勉強したほうが短期間で効率よく合格レベルの知識を習得しやすくなるのでおすすめです。
過去問を繰り返し解く
3つ目は、過去問を繰り返し解くことです。
過去問はその名の通り、試験本番で実際に出題された問題です。
過去問を解くことで、実際の試験でどのような問題が出題されたのか、どんな知識を求められているのかがわかります。
過去問はITパスポート試験の合格対策として非常に有効なので、数年分を入手して繰り返し解いておきましょう。
1点注意すべきは、本番で過去問とまったく同じ問題が出題されるわけではないということです。
過去問と異なる形式の問題が出ても応用できるように、繰り返し解いて理解を深めておきましょう。
まとめ
最後に、今回のポイントをおさらいしておきましょう。
- ITパスポートを取得すると入試での優遇や学費免除、就職で有利にはたらくなどのメリットがある
- 合格率は例年50%前後で、高校生でも独学での合格を目指せる難易度である
- 勉強はスキマ時間を使い、重要な分野に絞って過去問を繰り返し解くことが重要
ITパスポート試験は誰でも簡単に取得できる資格ではありませんが、入念に対策すれば高校生でも十分合格が目指せます。
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