シラバスとは?新しいバージョンはいくつ?
シラバスとは、ITパスポート試験の出題範囲・出題内容を定めた資料のことです。主催団体であるIPAが、ホームページ上で公開しています。
現在~2022年3月の試験までは「シラバスVer.5.0」から出題され、2022年4月以降の試験では「シラバスVer.6.0」より出題されます。
ITパスポート試験では、世の中の技術動向や環境変化を踏まえ、随時シラバスの改訂が行われています。
自分の試験日に合わせたシラバスで学習を進めましょう!
シラバスVer.6.0で何が変わるの?
ITパスポート試験のシラバスが2022年4月より「Ver.6.0」に改訂されることが発表されています。
大きな変更点としては、下記のものが挙げられます。
- 新しいキーワードの追加
- プログラミング・プログラミング言語科目の大幅な改編
- 各項目の詳細化
4月以降に受験を検討されている方は、事前に変更ポイントを確認し、対策をしておきましょう!
「ITパスポート試験 シラバス」Ver. 6.0の変更ポイント
情報処理推進機構(以降IPA)より発表されている主な変更は以下の通りです。
(1)高等学校の共通必履修科目「情報Ⅰ」に基づいた内容(プログラミング的思考力、情報デザイン、データ利活用 等)の追加
(2)高等学校の共通必履修科目「情報Ⅰ」に基づいた内容(プログラミング的思考力、情報デザイン、データ利活用 等)に
関連する項目・用語例の追加
(3)プログラミング的思考力を問う擬似言語を用いた出題を追加、情報デザイン、データ利活用のための技術、考え方を問う出題を強化
大きな変化としては、テクノロジ分野の「プログラミング」「プログラミング言語」についての大幅な再編・変更が挙げられます。
マネジメント分野に関しては、シラバス6.0に関して大きな修正はありませんでしたので、今まで通りの学習で問題ありません。
以下、大きな変更のあった項目を分野ごとに記載していきます。
テクノロジ分野
テクノロジ分野の大きな変更点は、前述した通り、「プログラミング」「プログラミング言語」についての大幅な再編・変更です。
今までにもあった項目ですが、細分化されたことにより、ひとつひとつに詳細な知識を求められるようになっています。
また、情報デザインについても内容が大きく変更されているため、内容をもう一度確認する必要があります。
それ以外の項目についても新たなキーワードの追加はもちろん、項目の詳細化が見られるため、変更点は必ず確認しておきましょう。
|大分類 7:基礎理論 中分類 13:基礎理論
項目34.応用数学
グラフ理論の基本的な考え方,グラフの読み取り方の知識を問う項目として「 グラフ理論 」が追加されました。
|大分類 9:技術要素 中分類 14:アルゴリズムとプログラミング
項目37.アルゴリズムとプログラミング
従来は「アルゴリズム」となっていた小分類項目に「プログラミング」が移動し、「アルゴリズムとプログラミング」に大幅に再編・変更されました。アルゴリズムの基本的な考え方と,擬似言語などによる表現方法,プログラミングの目的を理解する狙いがあり、新しく「アルゴリズムの表現方法」と「プログラミング」の項目が追加されています。
項目38.プログラム言語
従来は「プログラミング・プログラム言語」となっていた小分類項目から「プログラミング」が移動し、「プログラミング言語」に特化した内容へ大幅に再編・変更されました。プログラミング言語の種類,特徴についてはもちろん、新たに「コーディング標準やプログラム構造」の項目が追加となりました。
項目39.その他の言語
異なるプログラム言語で書かれたプログラム間でのデータのやり取りなどに用いられる代表的なデータ記述言語の特徴について「その他の言語」の項目が追加されています。
|大分類 9:技術要素 中分類 19:情報デザイン
従来「ヒューマンインタフェース」となっていた中分類項目が「情報デザイン」に名称変更されています。
項目50.情報デザイン
従来は中分類と同様に「ヒューマンインタフェース」となっていた小分類項目が「情報デザイン」に変更されました。情報デザインの考え方や手法を理解する狙いがあり、新しく「情報デザインの考え方や手法 」の項目が追加されています。
項目51.インタフェース設計
ユーザビリティの向上を目的とした,人間中心設計の考え方を理解する「人間中心設計 」の項目が新たに追加となりました。
項目52.マルチメディア技術
「音声処理」、「静止画処理」、「動画処理」のそれぞれの項目について、基本的な仕組みや代表的なファイル形式の特徴についての話題が追加されています。
|大分類 9:技術要素 中分類 22:ネットワーク
項目59.通信プロトコル
新たに「代表的なネットワークアーキテクチャ」の項目が追加されています。OSI基本参照モデル、TCP/IP階層モデルについての基本的な機能や各層の間の関係などの知識が問われます。
ストラテジ分野
ストラテジ分野では、新たなキーワードの追加に加えて、項目の詳細化が見られました。
代表的なシステムや特徴など、詳細な知識を問われますので、変更箇所を確認し、ポイントを押さえた学習を行いましょう。
|大分類 2:経営戦略 中分類 3:経営戦略マネジメント
項目11.ビジネス戦略と目標・評価
「ビジネス戦略の立案に関し,目標設定及び評価のための基本的な情報分析手法と用語」から「ビジネス戦略の立案に関し,」が削除され、新たに「ビジネス戦略の立案に関して必要となる、情報に基づく基本的な推論」として独立する形となりました。
|大分類 2:経営戦略 中分類 5:ビジネスインダストリ
項目14.ビジネスシステム
「その他の分野のシステム」が「行政分野におけるシステム 」に変更となりました。代表的な行政分野におけるシステムや、その特徴などに関する知識が問われます。
こちらで紹介した箇所は大きな変更、追加があった箇所になりますが、その他の項目でも、新しいキーワードが多数追加されています。
2022年4月以降に受験を考えている方は、ぜひ新しいシラバスVer.6.0に目を通してみてください。
シラバスは以下のサイトより確認できます。
IPA(情報処理推進機構)https://www.jitec.ipa.go.jp/ (外部サイトに移動します)