ITパスポート試験を受験した人の中から、「ITパスポート試験に落ちてしまった」「簡単だと聞いていたのに難しかった」といった声を聞くことがあります。
ITパスポート試験は、IT系の国家試験の中では比較的難易度の高くない試験で、合格率も例年50%前後です。
ただ、合格率50%ということは、2人に1人は不合格となっている計算となります。
難易度が高くないとはいえ誰もが簡単に合格できるような試験ではなく、適切な対策をしなければ不合格となってしまう試験だと言えるでしょう。
実際に、どんな人がITパスポート試験に落ちてしまうのでしょうか。
ITパスポート試験に受からない人の多くは、以下の4つの特徴があります。
1つ目は、学習時間を確保できていなかった人です。
たとえば一夜漬けで良いと思っていた、忙しくて勉強時間を確保できずに試験本番までに間に合わなかったなどの事例があります。
あくまで目安ではありますが、ITパスポート試験に合格するためには、初心者の場合で180時間ほどの勉強時間が必要とされています。
仮に毎日2時間勉強するなら、3カ月ほどかかる計算です。
またある程度ITに関する基礎知識がある人でも、100〜150時間ほどの勉強時間が必要とされています。
こちらも毎日2時間勉強するとして、1カ月半〜2カ月ほどかかります。
こうした学習時間を十分に確保できなければ、合格できるレベルの知識を得ることは難しいでしょう。
2つ目は、完全に舐めていたという人です。
ITパスポート試験は、「簡単に合格できる」と言われがちな試験です。
情報処理技術者試験の試験区分の中でも、ITパスポート試験は一番やさしい「レベル1」に位置付けられています。
特にITの基礎知識がある人の場合、「自分なら勉強しなくても合格できる」と考えるかもしれません。
しかし実際の試験では、IT以外にも経営やビジネスなど一般的でない専門用語なども多数出題されています。
試験のレベルだけを見て「簡単そうだし、あまり勉強しなくても大丈夫だろう」と思っていたために合格を逃してしまった、という人も少なくありません。
3つ目は、時間配分を間違えたという人です。
ITパスポート試験の出題範囲は非常に多岐にわたります。
具体的には、ストラテジ系(経営全般)、マネジメント系(IT管理)、テクノロジ系(IT技術)という3つの分野から出題されます。
これらすべてを網羅しようとすると、膨大な量の勉強が必要となるでしょう。
この場合、重要な分野や用語に絞って学習した方が効率的なのですが、時間配分を間違えると出題されない分野に時間を費やしてしまい、重要な分野の対策にかけるべき時間を無駄にしてしまうことがあります。
結果として、試験当日までに勉強が終わらなかった、ということにもなりかねません。
4つ目は、 アウトプットが足りていなかったという人です。
何度もテキストを読んでインプットすることは重要なのですが、それだけでは問題を解いたりするアウトプットが不足してしまいます。
なぜインプットだけでなくアウトプットも必要なのかといえば、以下のような目的があるためです。
試験本番で実力を発揮するためには、インプットだけでなくアウトプットも必須です。
しかしインプットばかりに時間をかけてしまうと、せっかく勉強したにもかかわらず合格できなかった、という非常にもったいない結果に終わってしまうことがあります。
ときどき、「ITパスポート試験で600点(700点)以上取ったのに落ちた」という人がいます。
ITパスポート試験の合格基準点は600点のはずなのに、なぜ落ちたのでしょうか。
項目 | 内容 |
試験時間 | 120分 |
出題数 | 小問:100問(*1) |
出題形式 | 四肢択一式 |
出題分野 | ストラテジ系(経営全般):35問程度
マネジメント系(IT管理):20問程度 テクノロジ系(IT技術):45問程度 |
合格基準 | 総合評価点600点以上であり、かつ分野別評価点もそれぞれ300点以上であること
総合評価点
分野別評価点 |
試験方式 | CBT(Computer Based Testing)方式(*2)
受験者はコンピュータに表示された試験問題に対して、マウスやキーボードを用いて解答します。 |
採点方式 | IRT(Item Response Theory:項目応答理論)に基づいて解答結果から評価点を算出します。 |
(*1)総合評価は92問、分野別評価はストラテジ系32問、マネジメント系18問、テクノロジ系42問で行います。残りの8問は今後出題する問題を評価するために使われます。
(*2)身体の不自由等によりCBT方式で受験できない方のために、春期(4月)と秋期(10月)の年2回、筆記による方式の試験を実施します。
上記の表の中から、ITパスポート試験の合格基準点に関する詳細を見てみましょう。
全体の合格基準点は1,000点中600点以上、つまり600点以上取れば良いとなっていますが、実はそれだけではありません。
実はそれに加えて、分野ごとにそれぞれ300点以上が獲得できていなければなりません。
つまり、総合得点で600点獲得できたとしても、300点未満の分野が1つでもあれば不合格となってしまいます。なお、総合得点が700点以上だったとしても同様です。
たとえITパスポート試験に不合格だった場合も、再受験をして合格を目指すことができます。
以下は、ITパスポート試験の再受験についてよくある質問です。
ITパスポート試験の再受験の申し込みは、試験日の翌日以降から可能です。
申し込みができない期間は特に設けられていません。
ただし、複数回の受験を同時に申し込むことはできないので注意が必要です。
すでに申し込み済みでまだ受験していない試験がある場合は、その試験が終了してから申し込みが可能となります。
ITパスポート試験の受験手数料は、7,500円(消費税込み)です。
この受験手数料は、再受験の場合でも変わりません。
ITパスポート試験は、何回でも受験することができます。
月に2回~毎週間隔の土曜日・日曜日に実施しているため(試験会場によります)、受けたいときに何度でもチャレンジ可能です。
ITパスポート試験では「過去問と完全に同じ問題は出ない」と言われていますが、その真偽は不明です。
他の試験でも同様ですが、試験対策では過去問と答えを暗記するだけでは合格が難しくなります。
過去問を使って勉強するときはただ答えを丸暗記するのではなく、解き方を理解した上でどんな問題が出ても正解できるようにしておくことが重要です。
ITパスポート試験を再受験して合格するには、どんな勉強をすればよいのでしょうか。
再受験で合格するための勉強方法には、以下の3つがあります。
1つ目は、スキマ時間を有効活用することです。
前述の通り、ITパスポート試験に合格するには長時間の勉強が必要となります。
しかし、社会人や学生の場合、毎日のようにまとまった時間を勉強に使うのは難しいでしょう。
そこでおすすめなのが、スキマ時間での勉強です。
たとえば昼休みや通勤・通学時間など、数分単位の時間でも動画を見たり選択問題を解いたりすれば少しずつ勉強を進められます。
このようなスキマ時間の勉強を積み重ねていけば、最終的には十分な量の勉強をすることが可能です。数分間でも時間を有効に使いましょう。
2つ目は、重要な分野に絞って学習することです。
ITパスポートの出題範囲は、非常に広範囲にわたります。
すべてを完璧に丸暗記するのは至難の業ですし、出題頻度の低い箇所に時間を使ってしまうのは非効率です。
効率良く勉強を進めるには、出題頻度の高い重要な分野に絞るのが良いでしょう。
出題されるかどうかわからない分野に時間を割くよりも、重要な分野での正答率を上げておく方が効率的に合格を目指せます。
3つ目は、インプット後すぐにアウトプットすることです。
たとえば動画やテキストで新たな知識をインプットしたら、すぐに問題を解いてアウトプットをするのです。
これを繰り返していけば、「試験ではどんな出題形式で解く必要があるのか」「どの分野が苦手なのか」をつかみやすくなり、新たな知識もより深く定着させられるでしょう。
最後に、今回のポイントをおさらいしておきましょう。
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