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行政書士試験の受験にあたり、お金や時間の問題もあるので、知識ゼロの状態からなるべく短期で合格したいですそのためのコツなどはあるでしょうか。 |
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正しい方向性で勉強すれば、行政書士試験を1年前後の短期間の学習で合格することは十分に可能です。そのためには間違った方向性で勉強しないことが何より重要です。間違った方向性に進まないためのコツをご紹介します。 |
行政書士法に定められている行政書士の業務内容は、大まかにまとめますと次の通りです。
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行政書士試験は実務家登用試験であり、行政書士として仕事をするために最低限必要な素養を備えているかを試すことを目的として作られた試験です。
上記の業務リストを見ると、行政書士の業務は相談業務、契約関係書類の作成など幅広いですが、もっとも大きな比重を占めるのは、やはり「官公署に提出する書類の作成」「許認可等に関する手続の代理」など行政機関を相手とした業務であることがわかります。行政書士試験における行政法の配点が300点中112点と非常に大きいことも、このことから説明できます。
また、私人間の契約などについての、事実関係に関する書類の作成も行政書士の業務としては大きなウェイトを占めています。私人間の契約関係を規律する法律、つまり民法についても、行政書士の実務においては重要だということです。このことは、行政書士試験の民法の配点が300点中76点と、行政法に次いで大きいことからも裏付けられます。
以上の分析をもとに、行政書士試験に短期合格するために必要なものは何か、以下に3つのポイントを示します。
行政書士試験の科目別配点は、概ね以下の表の通りです。
(※試験実施年度ごとに変わることもあり、当該受験年度の正確な配点を保証するものではありません。あくまで目安として捉えてください。)
試験科目 | 出題形式 | 問題数 | 配点 | 出題形式ごとの配点 | 試験科目ごとの配点 | |
法令等科目 (244点) | 基礎法学 | 5肢択一式 | 2問 | 4点 | 8点 | 8点 |
憲法 | 5肢択一式 | 5問 | 4点 | 20点 | 28点 | |
多肢選択式 | 1問 | 8点 | 8点 | |||
行政法 | 5肢択一式 | 19問 | 4点 | 76点 | 112点 | |
多肢選択式 | 2問 | 8点 | 16点 | |||
記述式 | 1問 | 20点 | 20点 | |||
民法 | 5肢択一式 | 9問 | 4点 | 36点 | 76点 | |
記述式 | 2問 | 20点 | 40点 | |||
商法 | 5肢択一式 | 5問 | 4点 | 20点 | 20点 | |
一般知識等科目 (56点) | 政治経済社会 | 5肢択一式 | 7(8)問 | 4点 | 28(32)点 | 56点 |
情報通信・個人情報保護 | 5肢択一式 | 4(3)問 | 4点 | 16(12)点 | ||
文章理解 | 5肢択一式 | 3問 | 4点 | 12点 | ||
全合計点 | 300点 |
行政書士試験の合格要件は次の3つを全て満たす形で得点を取ることです。
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法令等科目の中でも行政法(112点)と民法(76点)が非常に大きなウェイトを占めています。
行政法、民法の2科目で安定して高得点が取れるようになれば、あなたの合格は一気に近づきます。
たとえば、行政法と民法合わせて188点のうち7割の得点(132点)が取れれば、それだけで要件(1)を満たし、要件(2)をギリギリの点数(24点)でクリアしたとしても合計156点となり、残る基礎法学・憲法・商法(全12問、48点)のうち半分(6問、24点)を取れれば、合計180点で要件(3)を満たし合格できるのです。
行政法と民法、この2科目を合格者平均(全体平均ではありません)レベルまで引き上げることは、行政書士試験合格のための必達目標と考えてください。
記述式問題は正確な知識を身につけることが何よりの対策になる全ての行政書士受験生の悩みのタネになっているのが、記述式問題です。
5肢択一式、多肢択一式といったマークシート式試験は、多少知識が不正確でも、正答を導くことはできます。しかし、記述式問題では正確な知識を書き出さないと得点に結びつきにくく、知識の正確性が試されます。また、記述式問題は自己採点段階では正確な点数が分からないため、合格発表前の受験生は「記述式試験で○○点以上取れていれば合格だけど、あの回答で○○点取れているだろうか・・・」とやきもきすることになります。
しかし、行政書士試験の記述式問題は、論文を書かなければならないというものではなく、問題文で問われていることに対し、40字程度で解答を作成する問題です。
40字程度と字数自体は少ないため、正確な知識を吐き出すことができれば、それだけで解答欄は埋まってしまうものです。したがって正確な知識さえ身についていれば、何も恐れることはありません。
なお、記述式対策の詳細については、「行政書士試験の記述式対策のポイントとは?」で解説していますので、ご参考ください。
一般知識等の問題は、独学では対策が非常に難しいと言われています。
たしかに政治・経済・社会は無限に問題を作ることができますし、「文章理解」もどんな文章が出てくるかを予測できません。だからといって、対策をまったくしないのでは合格最低点(24点)も取れないでしょう。
そもそも行政書士実務に就いたら、自分が取り扱ったことのない問題に直面し、解決しなければならないということは日常茶飯事です。ということは、実務家登用試験である行政書士試験の一般知識等の問題も、「未知の問題に直面したときに、正しい方向性の思考ができるかを試す」ための問題であると考えることができます。
そうであれば、どんな問題が出るかを初めから予測することは潔く諦めて、未知の問題に対応できるための学習をする方が合格に近づくといえます。
すなわち、政治・経済・社会については、常日頃から新聞やインターネットのニュース記事を読むことを習慣づける、文章理解については、日ごろ読む文章の中で接続詞や論理の流れに気をつけて読んでみる、などをすることが、何よりの対策になるでしょう。
一方で情報通信・個人情報保護は試験出題のタネとなる法律が存在します。「個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)」「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律」「公文書管理法」などです。
これらについては条文を読み、目的、趣旨、要件、効果をまとめておくことが、何よりの対策になるでしょう。
もっとも、試験全体の比重としては一般知識等科目(56点)よりも法令等科目(244点)の方がずっと大きいです。配点が高いということは、その分点数の伸びしろも大きいということです。したがって、一般知識等の対策にのめりこむことはせず、特に比重の大きい行政法・民法の対策に学習のウェイトを置くようにしてください。
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