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行政書士の試験問題の内容は? 過去問の使い方と合格するための3つのコツ

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行政書士の試験問題には、どんな内容が出る?

まずは、行政書士の試験問題の概要について理解することから始めましょう。

試験科目や出題範囲、出題形式を押さえてから学習することで、効率的に学習を進めることができるようになります。

試験科目は大きく2つ。出題範囲は?

行政書士の試験科目は、大きく分けて2つあります。

  • 行政書士の業務に関し必要な法令等
  • 行政書士の業務に関し必要な基礎知識

令和5年度の試験までは「行政書士の業務に関連する一般知識等 」だった科目が令和6年度試験より「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」へと改正されることが令和5年9月28日に発表されました。

どちらの科目も行政書士として業務を遂行する上で、最低限必要な素養を備えているかどうかを確認する意味で設けられています。

それぞれの出題範囲について、以下の表で確認していきましょう。

【あわせて読みたい】行政書士試験の科目や出題形式は?

【法令等科目】

以下の5科目から出題され、問題数は全部で46問。

科目
概要
出題数
基礎法学 法律の専門用語や法解釈など、法令に関する基礎的な問題 2問
憲法 国の最高法規である憲法に関する問題 6問
行政法 行政の活動について規定する行政法に関する問題 22問
民法 契約や相続など一般社会ルールについて規定する民法に関する問題 11問
商法・会社法 ビジネスや会社のルールについて規定する商法・会社法に関する問題 5問

【基礎知識科目】

以下の4科目から出題され、問題数は合計14問。

科目
概要
問題数
一般知識 令和6年度試験より出題される問題
(令和5年度試験までは政治、経済、社会など一般社会に関する問題が出題)
1問以上
行政書士法等行政書士業務と
密接に関連する諸法令
令和6年度試験より出題される問題
詳細は未発表
1問以上
情報通信・個人情報保護 インターネットや個人情報の保護などに関する問題 1問以上
文章理解 文章の並び替えや語句の穴埋めなど、文章に関する問題 1問以上

※「行政書士の業務に関連する一般知識等 」が令和6年度試験より「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」へと改正されることが令和5年9月28日に発表されました。基礎知識の各分野の問題数は未発表となっております。

出題形式は3種類。概要と過去問例を紹介

行政書士の出題形式は、「5肢択一式」「多肢選択式」「記述式」の3種類があります。

それぞれの出題形式の概要と配点は以下の通りです。

出題形式
概要
配点
5肢択一式 ・5つの選択肢の中から1つの正解を選ぶ

・マークシート式

1問4点
多肢択一式 ・20個の選択肢の中から4つの正解を選ぶ
・マークシート式
1問2点
記述式 ・問いに対して文章で解答する
・例年「40字程度」という制限がある
1問20点

3種類の出題形式について、それぞれ過去問の一例をご紹介します。

【5肢択一式の問題例

内閣の権限に関する次の記述のうち、憲法の規定に照らし、妥当なものはどれか。

1  内閣は、事前に、時宜によっては事後に、国会の承認を経て条約を締結するが、やむを得ない事情があれば、事前または事後の国会の承認なく条約を締結できる。

2  内閣は、国会が閉会中で法律の制定が困難な場合には、事後に国会の承認を得ることを条件に、法律にかわる政令を制定することができる。

3  参議院の緊急集会は、衆議院の解散により国会が閉会している期間に、参議院の総議員の 4 分の 1 以上の要求があった場合、内閣によりその召集が決定される。

4  内閣総理大臣が欠けたとき、内閣は総辞職をしなければならないが、この場合の内閣は、あらたに内閣総理大臣が任命されるまで引き続きその職務を行う。

5  新年度開始までに予算が成立せず、しかも暫定予算も成立しない場合、内閣は、新年度予算成立までの間、自らの判断で予備費を設け予算を執行することができる。

※令和4年度 行政書士試験問題 問題6より

【多肢択一式の問題例

次の文章の空欄【ア】 ~【エ】に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1〜20)から選びなさい。

行政機関の保有する情報の公開に関する法律(行政機関情報公開法)に基づき、行政機関の長に対して、当該行政機関が保有する【ア】の開示が請求された場合、当該行政機関の長は、当該【ア】の開示又は不開示の決定(開示決定等)をしなければならない。
開示決定等は、行政手続法上の【イ】であるから、同法の定めによれば、当該行政機関の長は、不開示決定(部分開示決定を含む。)をする場合、原則として、開示請求者に対し、同時に、当該決定の【ウ】を示さなければならない。
開示決定等に不服がある者は、行政不服審査法に基づく審査請求をすることができる。審査請求に対する裁決をすべき行政機関の長は、原則として、【エ】に諮問しなければならない(当該行政機関の長が会計検査院長である場合を除く)。【エ】は、必要があると認めるときは、諮問をした行政機関の長(諮問庁)に対し、【ア】の提示を求めることができ、諮問庁は、これを拒むことができない。この審査請求においては、処分庁は、当初に示された【ウ】と異なる【ウ】を主張することもできる。

1  届出に対する処分
2  個人情報保護委員会
3  情報公開・個人情報保護審査会
4  裁量処分
5  公文書
6  理由
7  行政情報
8  行政不服審査会
9  解釈基準
10 不利益処分
11 申請に対する処分
12 裁量基準

13 国地方係争処理委員会
14 行政文書ファイル
15 審査基準

16 公情報
17 授益的処分
18 処分基準

19 行政文書
20 情報公開委員会

※令和4年度 行政書士試験問題 問題42より

【記述式の問題例】

Aが所有する甲不動産について、Aの配偶者であるBが、Aから何ら代理権を与えられていないにもかかわらず、Aの代理人と称して甲不動産をCに売却する旨の本件売買契約を締結した後、Bが死亡してAが単独で相続するに至った。CがAに対して、売主として本件売買契約を履行するよう求めた場合に、Aは、これを拒みたいと考えているが、認められるか。民法の規定および判例に照らし、その許否につき理由を付して 40 字程度で記述しなさい。

※令和4年度 行政書士試験問題 問題45より

行政書士の試験対策で使う問題集。おすすめの使い方は?

ここからは行政書士の試験対策で使う問題集やおすすめの使い方について、解説していきます。

必要な教材は?

行政書士試験合格に向けて必要となる教材は、主に以下の4つです。

  • 基本テキスト
  • 過去問
  • 問題集
  • 六法

それぞれ順番に見ていきましょう。

【基本テキスト】

まずは、基本テキストを使って基礎的な知識を身につけていきます。

【過去問】

基本テキストでインプットができたら、実際に過去問を解いていきましょう。

一度目は答えがわからなくても気にする必要はありません。

答えがわからない場合は、解法を読んで理解していき、実際の試験にどんな問題が出されるのかイメージを掴んでいくとよいでしょう。

【問題集】

基本的にはテキストと同シリーズのものを選択すると、親和性が高く学習も進めやすくなります。

【六法】

六法とは、「憲法」「民法」「刑法」「商法」「民事訴訟法」「刑事訴訟法」の6つの法律を指します。判例つき、判例なしの六法がありますが、判例なしの条文だけのシンプルなもののほうが初学者には使いやすいでしょう。

教材を選ぶときの注意点

これらの教材を使ううえで、注意するべきことが2つあります。

一つ目は、中古ではなく最新年度の教材を利用するということです。

予算を抑えるために中古のテキストを利用すると、最新の法改正に対応できておらず、間違えた知識を覚えてしまったり、もう一度正しい知識を覚え直す羽目になってしまいます。

その結果、試験に合格できなくなってしまってはお金と時間の無駄使いです。

必ず最新年度の教材を購入するようにしましょう。

二つ目は、教材を絞って繰り返し使うということです。

市場には様々なテキストや問題集が出回っており、どれを選んだらいいのかよくわからないという方も多いと思われます。

あれこれ手を広げてテキストや問題集を何冊も買ってしまうと、どれも学習が中途半端になってしまい知識の定着が図れません。

効果的かつ効率的に学習を進めるには、自分にとってわかりやすい教材に絞り、繰り返しテキストを読んだり、問題を解いたりするのがよいでしょう。

おすすめの問題集の使い方

何も考えず手当たり次第に問題を解いていくのは、得策ではありません。

ここでは、おすすめの問題集の使い方を2つ取り上げていきます。

▼5肢択一式の問題から取り組む

一つ目は、5肢択一式の問題から始めるということです。

5肢択一式は、すべての科目で出題される形式であり、1番取り組みやすい問題といえます。

なぜなら、5肢択一式や多肢択一式といったマークシート式の試験は、多少知識が不十分でも、正答を導くことができるからです。

順番としては、5肢択一式の問題に慣れてから、記述式の問題に取り組むとスムーズに学習を進められるのでおすすめです。

記述式ではキーワードが肝心

二つ目は、記述式の問題では「問題文の論点を把握する」ことと、「使うべき言葉を間違えない」ことが重要です。

記述式の問題は長文で書かれているため、予想以上に時間をとられてしまいます。

時間短縮のためには、問題文の内容を分解して考えるクセを身につけ、論点をつかむようにしてください。

そして、問題の意図にあわせて解答の肝となる「キーワード」を間違えないようにしましょう。

キーワードを軸にして論理的な文章を作ることができれば、大きく解答を外すことはないでしょうし、部分点をもらえる可能性もあります。

アプリや動画を活用

行政書士試験の対策として、テキストや問題集だけでなくアプリや動画を活用することも有効です。

アプリや動画の1番の利点は、空き時間を有効活用できることです。

ネット環境さえ整っていれば、パソコン・スマホ・タブレットなどで、いつでもどこでもちょっとした空き時間で効率的に学習ができ、学習時間や学習履歴、進捗状況などもすぐに確認することができます。

そのため、アプリや動画の利用で学習計画が立てやすくなったり、モチベーションを保ち続けたりすることが可能となります。

行政書士の試験問題の対策方法は? 合格するための3つのコツ

行政書士の試験問題は、どのように対策すればよいのでしょうか?

ここでは、試験に合格するための3つのコツをご紹介します。

民法と行政法の勉強に重点を置く

一つ目のコツは、民法と行政法の勉強に重点を置くことです。

「基礎知識科目(56点)」と比較して、「法令等科目(244点)」は配点が高く、その中でも行政法(112点)と民法(76点)が非常に大きな割合を占めています。

そのため、行政法と民法を重点的に学習して高得点が取れるようになれば、合格する可能性がグッと上がるでしょう。

基礎知識科目の対策に時間をかけすぎない

二つ目は、基礎知識科目への考え方です。

行政書士試験の合格要件の一つに、基礎知識科目の得点が24点以上という要件があります。

1問あたりの配点が4点なので、全14問のうち6問正解すればOKです。

基礎知識科目はどんな問題が出るか予測しにくいため、基礎知識科目の対策に時間をかけすぎないよう注意しましょう。

平成18年度(2006年)以降の過去問を活用

三つ目は、平成18年度以降の過去問を活用することです。

なぜなら、試験科目や出題数の変更など、平成18年度に実施された試験から行政書士試験が大きく変わったからです。

学習したことが無駄にならないよう、常に最新の過去問やテキストを使うようにしましょう。

合格点は? 勉強時間の目安をチェック

行政書士試験の合格点と、合格するのに必要な勉強時間の目安について確認していきます。

行政書士試験の合格基準点と合格率は?

行政書士の合格基準点ですが、以下の3つの要件全てを満たす必要があります。

  1. 法令等科目の得点が、122点以上
  2. 基礎知識科目の得点が、24点以上
  3. 試験全体の得点が、180点以上

また、行政書士試験の合格率については以下の通りです。

年度 令和3年度(2021年) 令和4年度(2022年) 令和5年度(2023年)
合格率 11.18% 12.13% 13.98%

必要とされる勉強時間の目安

行政書士試験の合格に必要とされる勉強時間の目安ですが、法律を初めて学習する場合で約500時間〜1,000時間

が目安となります。

仮に1年で合格を目指すなら、毎日勉強するとした場合で平均約1.4時間〜2.7時間の勉強時間を確保したいところです。

本業や子育てをしている方にとって、日々2時間近くの勉強時間を確保するというのはなかなかハードルが高いかもしれません。隙間時間の活用や、早朝から学習するなどの工夫が必要になってくるでしょう。

まとめ

今回は行政書士の試験問題の内容や対策方法、合格するためのコツについて解説しました。

ここまでご紹介した内容を再度おさらいしておきましょう。

  • 行政書士試験の科目は、「法令等科目」と「基礎知識科目」の2つ
  • 試験対策に必要な教材は「基本テキスト」「過去問」「問題集」「六法」の4つ
  • 得点比重の大きい「行政法」と「民法」の学習に注力
  • 合格には最低でも500時間が必要なため、長期的に日々学習時間を確保することが重要

独学で教材を買って学習するのも一考ですが、より学習効率の高い講座を利用してみるのもおすすめです。

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