
行政書士はさまざまな書類の作成や申請のスペシャリストで、幅広い申請の代行を業務として行うことができます。
幅広い業務の中でも特に重要なもののひとつが、企業や個人を問わず利用できる補助金の申請代行業務です。
そして、2025年6月に行政書士法の改正法が成立し、2026年1月の施行に向けて行政書士の業務が大きく見直されつつあります。
特に注目を集めているのが、「補助金申請書類の作成」は行政書士の独占業務であることが明確化された点です。
この記事では、行政書士の業務である補助金申請業務について最新の動向も踏まえて紹介していきます。
行政書士の業務のひとつである「補助金申請代行」とは?
行政書士にはさまざまな仕事があります。
行政書士の業務というと官公署に提出する書類の作成というイメージが強いかもしれませんが、個人や法人などが国や自治体などから受けられる補助金受取の申請代行も重要な業務のひとつです。
補助金とは、企業や個人事業主などがその事業を行っている期間中に支払った経費の中から、特定のものについて事業終了後に補助されるお金です。
補助金を受け取るためには申請が必要で、事業終了後の確定検査を受けてはじめて補助されます。
補助金は要件を満たしていれば必ず受けられるわけではなく、申請の内容の審査で評価が高い順に補助されるという形になります。
【2025年】行政書士法が法改正!補助金申請業務に大きな変化
2025年6月に行政書士法の改正法が成立し、2026年1月の施行に向けて補助金申請業務に関するルールが大きく変わろうとしています。
従来あいまいだった「誰が補助金申請の書類を作成できるのか」が明確化され、行政書士の独占業務として位置づけられる方向となっています。
ここでは、補助金申請の最新動向について以下3つのポイントを見ていきましょう。
- 無資格者によるトラブル多発が背景
- 行政書士法改正のポイント
- 補助金申請代行は行政書士の独占業務になる?
無資格者によるトラブル多発が背景
行政書士法改正の背景には、無資格者による補助金申請代行の横行と、それに伴うトラブルの多発がありました。
たとえば、不動産業者や民間コンサルタントが「コンサル料」や「サポート費用」などの名目で、実質的に書類作成を代行していたケースが少なくありません。
その結果、書類の不備や申請内容の理解不足により、採択後にトラブルになる例も多発していました。
こうした問題を受け、補助金申請に必要な書類の作成は行政書士の業務であると法的に明確化されるに至ったのです。

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行政書士法改正のポイント
今回の行政書士法改正は、行政書士の業務範囲や責任を見直す大きな転換点となりました。
特に注目されているのが、補助金申請に必要な書類作成が行政書士の独占業務として明確に位置づけられた点です。
これまで、無資格のコンサルタントや中小企業診断士が「コンサル料」などの名目で補助金の申請業務を代行する事例が多く見られました。
しかし改正により、「いかなる名目であっても、報酬を得て申請書類を作成する行為は行政書士でなければできない」とされ、線引きがより明確になりました。
つまり、補助金申請業務が行政書士の専門領域であることが法律で明確化されたのです。
ただし、実際の運用には今後議論の余地もあり、引き続き注視が必要です。
ここでは、以下5つのポイントで改正内容を見ていきましょう。
- 行政書士の「使命」の明文化
- 「職責」の新設(デジタル社会への対応も含む)
- 特定行政書士の業務範囲拡大
- 業務の制限規定の趣旨の明確化
- 行政書士法人などに対する両罰規定の整備
行政書士の「使命」の明文化
今回の法改正により、行政書士法第1条に「行政書士の使命」が明文化されました。
従来は「法律の目的」として書かれていた部分が、改正により「その業務を通じて、行政に関する手続の円滑な実施に寄与するとともに国民の利便に資し、もつて国民の権利利益の実現に資すること」が行政書士の使命であると明記されたのです。
これは単なる文言の変更ではなく、行政書士が社会の中で果たすべき役割が明確に示されたことを意味します。
補助金申請をはじめとする行政手続きの支援を通じて、国民の生活やビジネスを支える責任を担う専門職であることが改めて強調されました。
「職責」の新設(デジタル社会への対応も含む)
新たに行政書士の「職責」が条文化されました。
そこでは、行政書士は常に品位を保持し、法令や実務に精通し、公正かつ誠実に業務を行うべきことが明記されています。
さらに注目すべきは、「デジタル社会の進展を踏まえ、情報通信技術の活用その他の取組を通じて、国民の利便の向上及び当該業務の改善進歩を図る」という部分です。
オンライン申請や電子契約などが普及する中で、Tリテラシーとデジタル対応力がこれまで以上に行政書士には求められる時代になってきたことが、この改正からも読み取れます。
特定行政書士の業務範囲拡大
今回の改正では、特定行政書士が対応できる業務の範囲が大きく広がることになりました。
特定行政書士とは、所定の研修を修了した行政書士で、「不服申立ての代理」などに対応する資格を持つ者を指します。
従来は、行政手続に関する不服申立てを行なうには、対象となる申請書類を自ら作成していることが条件でした。
しかし改正により、自分で作成していない書類であっても、行政書士が作成可能な書類に関する手続きであれば代理が可能となります。
これにより、申請の失敗などで困っている依頼者に対し、途中からでも手続き支援に入るといった対応が可能になります。
行政書士の活躍の幅が大きく広がる注目の改正点です。
業務の制限規定の趣旨の明確化
これまでも、行政書士でない者が報酬を得て官公署に提出する書類を作成することは原則として違法でしたが、その規定の解釈があいまいで、グレーな代行業務が横行していたのが実情です。
今回の改正では、行政書士法第19条において「行政書士又は行政書士法人でない者は、他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て業として第1条の3に規定する業務を行うことができない。」と明文化されました。
これは、たとえば無資格のコンサルタントが「コンサル料」などの名目で補助金申請書を代行する行為も違法となることを明確にしたものです。
また、SNSなどで「補助金申請を代行できます」と宣伝している無資格のブローカーやコンサルタントもアウトとなります。
依頼者にとって、安心して正しい専門家に相談できる環境が整いつつあります。
行政書士法人などに対する両罰規定の整備
今回の法改正では、違法な業務を行った場合の「両罰規定」が新たに整備されました。
従来は、違反行為を行った個人だけが処罰の対象でしたが、今後は法人も罰則の対象となります。
たとえば、行政書士資格を持たない従業員が法人の業務として補助金申請書を作成した場合、当該従業員だけでなく、法人全体に対しても罰金刑などが科される可能性があります。
この改正により、悪質な無資格業者や代行ビジネスへの抑止力が強化され、業界全体の健全化が一段と進むことが期待されています。
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補助金申請代行は行政書士の独占業務になる?
法改正を受けて、「補助金申請代行は行政書士の独占業務になるのか?」という点に注目が集まっています。
結論からいえば、補助金に関する「書類の作成および提出」は行政書士の独占業務であることが、より明確に位置づけられたといえます。
具体的には、行政書士法第19条において「報酬を得て、官公署に提出する書類を作成すること」は行政書士(または行政書士法人)でなければできないと明記されています。
これにより、「コンサル料」や「サポート費」といった名目を使って、無資格者が実質的に申請書類を作成する行為は違法となります。
ただし注意が必要なのは、補助金申請に関する「助言・支援」は誰でも行えるという点です。
たとえば、「どの補助金制度が合っているかのアドバイス」や「事業計画の方向性を相談する」といった行為は、行政書士資格がなくても問題ありません。
つまり、補助金に関しては以下の線引きが法的に明確になったということです。
助言・支援 | 誰でもOK |
書類作成・提出 | 行政書士の業務 |
今後、グレーな代行業者が減り、適切な専門家に依頼が集まることが期待されます。
依頼者にとっても、信頼できる行政書士に任せることで、より安心・確実な補助金申請が可能になります。
もう一つ注意が必要な点として、厚生労働省管轄の助成金など行政書士が代行できないものもあります。
もし行政書士が代行を行えない助成金の申請代行をすると、違法行為になってしまうため注意しましょう。

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行政書士の補助金申請代行業務の主な報酬
行政書士の報酬(クライアントが払う手数料)は、法律で定められておらず、行政書士が自由に設定できます。
とはいえ相場もあるため、参考までに一般的な手数料をご紹介します。
申請内容 | 平均値 | 最大値 | 最頻値 |
---|---|---|---|
建築業許可申請(法人・新規・知事宛) | ¥120,458 | ¥346,500 | ¥110,000 |
飲食店許可申請(深夜・酒類) | ¥87,628 | ¥280,000 | ¥110,000 |
医薬品製造販売許可 | ¥356,000 | ¥600,000 | ¥150,000 |
医療法人設立認可申請 | ¥622,825 | ¥1,500,000 | ¥500,000 |
宗教法人設立 | ¥294,364 | ¥1,100,000 | – |
就業規則の作成 | ¥111,114 | ¥300,000 | ¥100,000 |
契約書の作成 | ¥32,586 | ¥480,000 | ¥30,000 |
在留資格認定証明書交付(居住資格) | ¥112,372 | ¥440,000 | ¥100,000 |
例えば、調剤薬局を作るのに必要な医薬品製造販売許可の手続きの手数料は30万円と言われており、1件あたりの報酬は高額です。
高単価なものはそれだけ手続きが複雑で、工数がかかる傾向にあります。
クライアントの求める手続きをスムーズに遂行するためには、複雑な手続きや業務を丁寧に進め、クライアントの求める納期に間に合わせるのが、敏腕行政書士と言えるでしょう。
行政手続きは、10,000種を超え、多岐にわたる法律の知識が必要なことから、クライアントのニーズをしっかりと汲み取り顧客への理解を深めることが必要です。
【参考】 | 日本行政書士会連合会「報酬額の統計」

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行政書士に補助金申請代行の依頼が来る理由
ここでは、なぜ行政書士に補助金申請代行の依頼が来るのか、以下3つのポイントで解説します。
- 採択率が上がりやすい
- スピーディーに対応できる
- 事務局対応を任せられる
採択率が上がりやすい
行政書士に補助金申請代行を依頼することで、採択率の向上が期待できるという点は大きなメリットです。
補助金申請では、事業計画書や申請書類の内容が審査の重要なポイントとなります。
行政書士は、官公署に提出する書類の作成に精通した専門家であり、審査側に伝わりやすい表現や構成を意識して申請書を整えることができます。
また、法令や制度の要件を正しく理解したうえで書類を作成できるため、不備や不適合による不採択のリスクも軽減されます。
経験豊富な行政書士であれば、より採択されやすい書類作成が可能になるでしょう。
スピーディーに対応できる
行政書士に補助金申請を依頼するメリットの一つが、手続きのスピード感です。
補助金の申請には、事前準備から書類作成、提出、修正対応まで、多くの工程があり、締切も厳しく設定されています。
行政書士はこれらの流れを熟知しているため、必要な書類の収集や作成、提出までを効率的かつ迅速に進めることが可能です。
特に初めて補助金申請を行う事業者にとっては、時間と労力を大幅に削減できる点も大きな利点といえるでしょう。
事務局対応を任せられる
補助金申請では、提出後も事務局とのやり取りが発生するケースが多くあります。
たとえば、追加資料の提出依頼や内容の確認、修正対応などが代表的です。
こうした事務局とのやり取りを行政書士に任せることで、申請者は本業に専念しながら、スムーズに補助金の申請手続きを進めることができます。
行政書士は制度や申請プロセスに精通しているため、やり取りにも的確かつ迅速に対応可能です。
事務局からの問い合わせ内容を適切に判断し、必要な対応を漏れなく行うことは、トラブル発生のリスクを抑えることにもつながります。
行政書士が取り扱う主な補助金申請業務の具体例
行政書士はさまざまな補助金申請業務を行うことができます。
ここではより具体的に行政書士が申請代行を行うことができる補助金をご紹介します。
現在、行政書士が取り扱うことができる主な補助金は以下の通りです。
- IT導入補助金
- 革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金
- 小規模事業者持続化補助金
- 事業再構築補助金
それぞれの補助金について具体的に解説します。
IT導入補助金
IT導入補助金はその名の通り、ITツールの導入を支援する補助金です。
パッケージソフトの本体費用、クラウドサービスの導入や初期費用などがこのITツールに含まれます。
A類型では補助額は30〜150万円未満、B類型は150〜450万円以下で、補助率はいずれも2分の1です。
近年では業界を問わずITの導入は欠かせなくなっています。
その一方で、企業や事業者としてITツールを本格的に導入するとなればコストがネックになってしまいがちです。
そんな事業者を支援することを目的とした補助金です。
▼対象者
対象者はこれからITツール導入を予定している中小企業・小規模事業者など
革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金
革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金は「ものづくり補助金」とも呼ばれ、生産性向上のための革新的なサービス開発、または試作品の開発などのための設備投資を支援することを目的とした補助金です。
設備投資は中小企業や小規模事業者にとって大きな負担となります。
革新的なアイデアを持っていてもこの設備投資がネックとなって実現できないケースもあります。
こういった問題を解決するための制度となっています。
補助額は100〜1,000万円で補助率は中小企業は2分の1、小規模事業者は3分の2です。
▼対象者
ものづくりに関する設備投資を行う中小企業、小規模事業主
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金とは、経営難となった事業者が経営を見直して継続的な経営を行うための計画を作成した上で、その計画実現のための補助金です。
通常枠、賃金引上げ枠、卒業枠、後継者支援枠、創業枠、インボイス枠など複数の細かい枠にわけられており、それぞれ条件や補助上限額なども異なっています。
それぞれの補助上限額と補助率は以下の表にまとめています。
類型 | 通常 | 賃金引上げ | 卒業 | 後継者支援 | 創業 | インボイス |
---|---|---|---|---|---|---|
補助上限 | 50万円 | 200万円 | 200万円 | 200万円 | 200万円 | 100万円 |
補助率 | 2/3 | 2/3〜3/4 | 2/3 | 2/3 | 2/3 | 2/3 |
▼対象者
継続的な経営を行うための計画を作成した小規模事業者
事業再構築補助金
中小企業などが新型コロナウイルスの影響による社会的な大きな変化に対応するための資金を支援することを目的としているのが事業再構築補助金です。
社会の大きな変化に対応するための新分野開拓、事業や業種の転換、事業編成といった大胆な事業再構築に必要な費用の補助、助成を行います。
補助金額の上限や補助率は従業員数によって異なりますが、大規模賃金引上げ枠で従業員数が101人以上であれば最大で1億円の補助が受けられるため、ある程度の規模の企業にも対応できる補助金制度です。
▼対象者
事業の大規模な再構築を行う中小企業
行政書士が補助金申請代行業務を行う上での注意点
行政書士が補助金の申請代行を行う際にはいくつかの注意点があります。具体的には以下の点が挙げられます。
- 行政書士が厚生労働省管轄の助成金申請代行を行うと違法になる
- 事業計画を綿密に記載する
- 必ず補助金が受け取れるとは限らない旨を説明する
行政書士が厚生労働省管轄の助成金申請代行を行うと違法になる
行政書士が補助金申請代行業務を行う上での注意点1つ目は、行政書士が厚生労働省管轄の助成金申請代行を行うと違法になる点です。
国や自治体などさまざまな機関が補助金や助成金制度を実施しています。
助成金は、補助金と同様に企業や個人事業主などの事業にかかった経費の一部として補助されるお金のことを指します。
こちらも補助金と同様に事業終了後の確定検査を終え、認められたら受け取れます。
助成金は要件を満たして適切に申請をすればほとんどの場合受け取ることができるため、補助金に比べてより受け取りやすいメリットがあります。
その中でも厚生労働省管轄の助成金は社会保険労務士(社労士)の資格がなければ取り扱うことができません。
行政書士の資格のみで代行を行うと違法になるため、注意が必要です。
厚生労働省管轄の助成金の中でも代表的なものは以下の3つです。
- 雇用調整助成金
- 働き方改革推進支援助成金
- 人材開発支援助成金
社会保険労務士(社労士)の資格を保持していなければ、これらの助成金の申請代行はできません。
事業計画を綿密に記載する
行政書士が補助金申請代行業務を行う上での注意点2つ目は、事業計画を綿密に記載する点です。
補助金の交付を受けるには審査に通過する必要があります。
その審査に大きく影響するのが事業計画です。
事業計画以外にも書類に不備などがあると審査を受けることができなかったり、時間がかかってしまったりする可能性もあり、顧客に迷惑をかけることになります。
そのため、事前に要項を確認した上で顧客としっかり打ち合わせを行い、必要な書類を揃えるようにする必要があります。
必ず補助金が受け取れるとは限らない旨を説明する
行政書士が補助金申請代行業務を行う上での注意点3つ目は、必ず補助金が受け取れるとは限らない旨を説明する点です。
補助金は必ず受けられるわけではありません。
審査に通過して、事業を適切に完了する必要があります。
この点を必ず顧客に説明し、理解してもらうことが重要です。
説明が不十分だと、交付が受けられなかった際にトラブルになってしまう可能性があります。
そのため、実際に手続きを開始する前に説明する必要があります。

意外と広い行政書士の仕事内容とは?
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行政書士の魅力とやりがい
許認可申請・権利義務関係・事実証明などの書類作成を代理できる行政書士という仕事には、さまざまな魅力とやりがいがあります。この記事では、「魅力=働くうえでポジ…
許認可申請・権利義務関係・事実証明などの書類作成を代理できる…
行政書士の補助金申請業務の流れ
補助金の申請にはいくつものステップがあり、複雑な部分も少なくありません。
だからこそ、書類作成や各種申請のスペシャリストである行政書士に申請の代行業務を依頼する方がたくさんいます。
補助金の申請代行の具体的な流れは以下の通りです。
- 顧客の求める申請内容を確認する
- 申請書を作成・提出する
- 審査を受ける
- 補助事業の書類を管理する
- 報告書を作成・提出する
- 補助金の交付を受ける
それぞれのステップについて詳しくご紹介します。
顧客の求める申請内容を確認する
まずは顧客の求める申請内容をしっかりと確認します。
補助金を受け取るためには、一定の要件を満たす必要があります。
補助金によって条件や金額だけでなく用意しなければならない書類も異なるため、顧客が求める申請内容を確認しつつ、適切なアドバイスを行わなければなりません。
申請書を作成・提出する
補助金の内容を確認したら、期日内に申請書などの必要書類を作成して提出します。
一般的な補助金の申請に必要な書類は主に以下の通りです。
- 応募申請書
- 事業計画書
- 経費明細書
- 事業要請書
この他にもいくつかの書類を作成したり、取り寄せたりしなければならないケースもあるため、前もって入念な準備を行います。
申請書は認定支援機関や各種支援拠点などに提出します。一般的な申請可能期間は1ヶ月前後で、毎年2月〜6月頃に募集が行われています。
審査を受ける
申請書類の提出が終わると審査が行われます。
この期間は基本的に「待ち」なので特にすることはありません。
審査が完了し、採択事業者として決定されると事務局から決定通知が届くので、次は実際に補助金を受け取るための交付申請の手続きを行います。
交付申請までに受け取る書類は以下の通りです。
- 選定結果通知書
- 補助金交付規程
- 交付申請書
受け取った交付申請書に必要事項などを記入して、経費の相見積もりなど必要書類と併せて再度提出を行います。
交付申請が認められたら交付決定通知書が届き、事業の開始という流れになります。
補助事業の書類を管理する
事業が開始されたら、領収書や証拠書類などをすべて保管し、管理するのが行政書士の役割となります。
また、事業開始後に何らかの変更せざるを得なくなった場合、そのまま勝手に変更して事業を進めるのではなく、計画変更申請を提出して許可を得る必要があります。
申請せずに変更すると補助や助成を受けられなくなる可能性もあるため、注意が必要です。
報告書を作成・提出する
事業が予定通りに完了したら、その内容や経費などをまとめた報告書を作成し、報告を行います。
補助金受取前に受け取る書類は以下の通りです。
- 補助金額確定通知書
- 請求書様式
予定通りに正しく事業が実施されたことが確認されてはじめて補助金を受け取ることができます。
補助金の交付を受ける
ここまでの手続きが完了し、正式に補助金の交付が決定したら、補助金を受け取ります。
まとめ
行政書士の業務は多岐にわたりますが、中でも補助金などの申請代行は特に重要な業務です。
2025年の行政書士法改正によって、「補助金申請に必要な書類の作成・提出」が行政書士の独占業務であることが明確化され、今後さらに注目が集まる分野だといえるでしょう。
最後に重要なポイントをおさらいします。
- 行政書士は補助金の代行業務を行うことができる
- 2025年6月の法改正により、補助金申請に必要な書類作成が行政書士の独占業務として明確に位置づけられた
- ただし、無資格者であっても「支援」は違法でないため、現実的な線引きがどうなるかは今後注視する必要がある
- 業務を遂行するには顧客と密にコミュニケーションを取り、抜け漏れがないよう慎重に取り組むことが必要不可欠
行政書士は補助金申請代行業務をはじめ、さまざまな業務を行うことで顧客の役に立てる魅力的な職業です。
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