【令和8年改正】個人情報保護法とは?外務員試験に関わる改正ポイントをわかりやすく解説

個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)の改正案が、現在開催されている特別国会で審議されています。今回の改正案には、AI開発に必要なデータ活用を促進するための内容が盛り込まれており、外務員試験の学習内容にも一部関わってくると考えられます。

改正案の柱となるのは、「統計作成等目的による同意取得義務の免除」と「同意取得に係る例外規定の要件の緩和」の2点です。本国会で成立した場合、この改正案は「令和8年改正個人情報保護法」として、公布から2年以内に政令で定める日に施行される見込みです。

本記事では、「個人情報保護法 改正」「令和8年改正 個人情報保護法」「外務員試験 個人情報保護法」といった観点から、改正案の内容とポイントを整理して解説します。

松本 敏郎
スタディング外務員講座 主任講師

大手予備校にて15年間、日商簿記検定、税理士簿記論などの講師として多くの受験生を指導。その後、研修講師として大手予備校の教材作成を行うとともに、大学や商工会議所などを中心に日商簿記検定や一種外務員の受験対策講座を開講している。資格試験の指導一筋で、これまで25年以上絶えることなく受験指導を行っている。

一種外務員、日商簿記検定1級、ビジネス会計準1級、ビジネス・マネジャー、メンタルヘルス・マネジメントⅠ種、銀行業務検定財務2級、銀行業務検定法務3級
>>講師メッセージ

令和8年改正個人情報保護法とは?改正の背景と全体像

個人情報の保護に関する法律(以下「個人情報保護法」という)は、外務員試験でも金融商品の勧誘・販売に関係する法律に含まれる内容ですが、その改正に関する審議が現在開催されている特別国会で行われています。

今回の改正案では、AI開発に必要なデータ活用を促進するための内容が盛り込まれており、この部分は、外務員試験にも若干影響がでてくる内容ですので、この内容を中心に解説したいと思います。

改正ポイント①:統計作成目的なら要配慮個人情報も同意なしで取得・提供可能に

現行法では、個人情報取扱事業者は、原則として、あらかじめ本人の同意を得ないで、要配慮個人情報を取得してはならないと定めています(20条2項)。

これに対し改正案では、次の2つの要件を満たす場合、本人の同意なく要配慮個人情報を取得できるとしています。 1つ目は、統計作成等を行う目的等で、現に公開されている要配慮個人情報を取り扱う必要があることです。 2つ目は、インターネットの利用等の方法により、統計作成等の内容等の事項を公表していることです。

第三者提供についても同様の緩和が図られています。現行法では、個人情報取扱事業者は、原則として、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならないと定めています(27条)。

これに対し改正案では、以下の要件をすべて満たす場合、本人の同意なく個人情報又は個人関連情報を第三者に提供できるとしています。 ・第三者が統計作成等を行う目的で当該情報を取り扱う必要があること ・提供元・提供先双方が、インターネットの利用等の方法により統計作成等の内容等の事項を公表していること ・提供元と第三者との間で、当該提供がこの規定によるものである旨を書面(電磁的記録を含む)による合意で明確に定めていること

なお、一定の場合はこの規定の対象外とされています。

こうした改正の背景には、統計情報等の作成のために複数の事業者が持つデータを共有し、横断的に解析するニーズの高まりがあります。また、特定の個人との対応関係が排斥された統計情報等の作成や利用は、個人の権利利益を侵害するおそれが少ないという考え方も背景にあります。

改正ポイント②:本人の意思に反しない場合は同意取得義務が不要に

現行法では、目的外利用、要配慮個人情報取得及び第三者提供を行う場合には、原則として本人の同意を得ることが求められます(27条など)。

これに対し改正案では、取得の状況からみて本人の意思に反しないため、本人の権利利益を害しないことが明らかな取扱いである場合は、本人の同意を不要としています。

個人情報保護委員会による「個人情報保護法の制度的課題に対する考え方について」においては、この改正案について、下記の例が挙げられています。

  • 本人が、事業者Aの運営するホテル予約サイトで事業者Bの運営するホテルの宿泊予約を行ったため、事業者Aが事業者Bに当該本人の氏名等を提供する場合
  • 金融機関が海外送金を行うために送金者の情報を送金先の金融機関に提供する場合

上記の例の場合、現行法では本人から同意を得る必要があります。しかし改正案では、これらの第三者提供は契約の履行のために不可欠なものであり、本人の意思に反しないと考えられます。そのため、本人の権利利益は害さないことが明らかであるとして、本人の同意は不要となります。

また、現行法では、同意取得義務の例外として「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき」が挙げられています。

これに対し改正案では、「本人の同意を得ることが困難であるとき」に加えて、「その他本人の同意を得ないことについて相当の理由があるとき」が新たに追加されています。

こちらについても、「個人情報保護法の制度的課題に対する考え方について」において下記の例が挙げられています。

  • 本人のプライバシー等の侵害を防止するために必要かつ適切な措置(氏名等の削除、提供先との守秘義務契約の締結等)が講じられているため、当該本人の権利利益が不当に侵害されるおそれがない場合

令和8年改正個人情報保護法はいつ施行される?

なお、今回の改正案が本国会で成立した場合、本改正案は「令和8年改正個人情報保護法」となり、原則としてその公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日から施行されることになります。

まとめ|令和8年改正個人情報保護法のポイントと外務員試験への影響

令和8年改正個人情報保護法は、AI開発をはじめとするデータ活用ニーズの高まりを背景に、個人情報保護法の同意取得ルールを見直す重要な改正です。

本記事のポイント

  • 個人情報保護法の改正案が特別国会で審議されており、AI開発に必要なデータ活用の促進が改正の背景にある
  • 統計作成等の目的であれば、公開された要配慮個人情報を本人の同意なく取得・第三者提供できるようになる
  • 契約履行に不可欠な場合など「本人の意思に反しないことが明らかな取扱い」は本人の同意が不要になる
  • 同意取得義務の例外要件に「その他本人の同意を得ないことについて相当の理由があるとき」が追加される
  • 成立した場合は「令和8年改正個人情報保護法」となり、公布から2年以内に施行される見込み

今後、この改正が施行されれば、

  • 企業にとってはデータの統計的活用や第三者提供の柔軟化による業務効率化
  • 消費者にとっては同意取得ルールの見直しによる情報提供・取得プロセスの変化

といった影響が想定されます。

「個人情報保護法 改正」「令和8年改正 個人情報保護法」は、外務員試験の学習内容にも関わってくるテーマであり、今後の国会審議の動向を含めて注目していくことが重要です。

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