金融商品取引業基礎試験の概要

外務員講座 松本講師によるコラム -

1.「金融商品取引業基礎試験」の対象者

 2021年7月1日より、「金融商品取引業基礎試験」(以下「基礎試験」といいます。)が開始されます。
主催の日本証券業協会では、今まで一般の方に開放している試験として一種外務員試験と二種外務員試験の2つの試験がありました。そこに新たに基礎試験が追加されることになります。
基礎試験は、金融商品取引業をめぐる各種コンテンツ制作など間接的に金融商品取引業に携わる方、金融業界に関心がある方、そして金融業界への就職を目指す学生を対象としています。


2.「金融商品取引業基礎試験」開発の背景

 基礎試験の立ち上げの背景には、FinTech(フィンテック)の活用が進み、金融知識を持ったプログラム開発の需要が増えていることが挙げられています。
FinTechとは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語のことで、金融サービスと情報技術が関連づけられた様々なものを指します。
スマートフォンが必需品となり、物を買ったり、送金をしたりといったこともスマートフォン1つで出来るようになっています。
このようなこともFinTechの1つです。

 また、Amazonや楽天などを利用して商品を購入したり、メルカリなどを利用して不用になった物を出品したりすることが日常的なこととなっており、それらのほとんどがインターネットを介して契約や決済が行われます。
インターネットでものを売買することなどは、「eコマース(EC)」と呼ばれ、実店舗がある多くの企業もECサイトを立ち上げて、商品を販売しています。このようなこともFinTechの1つの側面です。

 経済産業省の「電子商取引に関する市場調査の結果(2020年7月22日)」によれば、2019年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、19.4兆円(前年18.0兆円、前年比7.65%増)に拡大しており、日本国内のBtoB-EC(企業間電子商取引)市場規模は353.0兆円(前年344.2兆円、前年比2.5%増)に拡大しています。
商取引の電子化が引き続き進展していることがわかります。
このような事を背景にビジネスチャンスが拡大し、ベンチャー企業が決済などの金融サービスに参入する動きも増加しています。

 日本証券業協会の公表資料(2021年4月20日)によれば、問題意識として下記の項目が挙げられています。

  1. 第一種金商業の多元化、
  2. 外製化とFintech活用、
  3. 一般向け試験の受験機会提供

2の外製化とFintech活用については、外務員の資格までは必要としないWebコンテンツ制作会社やプログラム制作会社の社員など、金融商品取引業に間接的に携わる当事者の方々が一定水準の金融知識を持つことは、今後の金融商品取引業の健全な発展に有効であること。
また、3の一般向け試験の受験機会の提供については、より基礎的な知識を問う試験を新設することで、今すぐ外務員の職務に携わる必要がない方々にも、証券市場や投資等に関する知識を習得するインセンティブの提供に繋がることが期待されています。


3.「金融商品取引業基礎試験」の概要

開始時期
2021年7月1日(木)から申込開始(受験日は原則として申込の5営業日後)
受験資格
年齢などの制限はなく、どなたでも受験することが可能
試験方法
プロメトリック社の試験会場におけるCBT(コンピュータによる試験)
受験料
5,500円(消費税込)
出題形式
〇✕方式及び五肢選択方式
問題数
合計50問
試験時間
70分
合否判定基準
140点満点の7割(98点)以上の得点で合格
試験結果
試験終了後、「金融商品取引業基礎試験受験結果通知」を交付。後日、合格証を発行

4.「金融商品取引業基礎試験」の出題範囲

日本証券業協会の公表資料(2021年4月20日)によれば、現行の一種外務員資格試験の試験範囲のうち、金融商品取引業に関する基礎的な分野を出題対象とするとしています。
出題科目としては、①証券市場の基礎知識、②金融商品取引法及び関係法令、③金融商品の勧誘・販売に関係する法律、④経済・金融・財政の常識、⑤セールス業務であり、これらの出題科目についての実務的、専門的知識とコンプライアンスに関する基本的かつ重要な事項が出題範囲とされています。


5.外務員試験との違い

 基礎試験は、金融知識の基礎的な知識を習得するための試験であり、特定の資格を付与するものではないため、金融商品取引業者等において外務員の職務に従事するためには、一種外務員又は二種外務員資格試験に合格し、外務員登録原簿に登録を受ける必要があります。
試験時間では、基礎試験は70分、二種外務員試験は120分、一種外務員試験は160分と異なっており、出題数についても基礎試験は50問、二種外務員試験は70問、一種外務員試験は100問と異なっています。

松本敏郎プロフィール画像
松本 敏郎(まつもと としろう)プロフィール
大手予備校にて15年間、日商簿記検定、税理士簿記論などの講師として多くの受験生を指導。その後、研修講師として大手予備校の教材作成を行うとともに、大学や商工会議所などを中心に日商簿記検定や一種外務員の受験対策講座を開講している。資格試験の指導一筋で、これまで25年以上絶えることなく受験指導を行っている。
一種外務員、日商簿記検定1級、ビジネス会計準1級、ビジネス・マネジャー、メンタルヘルス・マネジメントⅠ種、銀行業務検定財務2級、銀行業務検定法務3級
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