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個人型確定拠出年金(iDeCo)

個人型確定拠出年金のイメージ

1.「確定給付型年金制度」と「確定拠出型年金制度」

 「確定拠出型年金制度」は、2001年10月からスタートした制度で、「企業型」と「個人型」の2つの種類があります。
従来の我が国の年金制度は、「確定給付型」と呼ばれるものであり、一定期間掛け金を積み立てることで、将来決まった金額の年金を受け取ることができる制度です。
従来の「確定給付型年金制度」の場合、拠出金の運用は企業の責任となり、従業員が将来決まった金額の年金を受け取ることができる「確定給付型年金制度」では、給付額に満たない場合、不足分は会社が負担することになります。
企業にとっては業績が悪い時でも会社負担分が生じる可能性があるため、とてもリスクな制度となります。
それに対して「確定拠出型年金制度」は、企業は一定の掛金は拠出しなければなりませんが、その運用については、従業員自身が行うことになるため、不足分の補塡というリスクが解消されることになります。
そのため、「確定給付型年金制度」から「確定拠出型年金制度」に移行する企業が増えています。


2.「個人型確定拠出年金制度(iDeCo)」の歴史

 iDeCoの制度は「確定拠出型年金制度」がスタートした2001年からありましたが、2017年1月より第3号被保険者(専業主婦等)、企業年金加入者、公務員共済加入者もiDeCoに加入することができるようになり、加入できる人の範囲が拡大されました。
また、2020年5月に「年金改革法」が成立したことを受け、2022年4月には、確定拠出年金の受給開始時期が現行「60歳から70歳までの間」のところ「60歳から75歳までの間」に延長されることになります。そして同年5月には、iDeCoの加入年齢が現行「60歳未満」のところ「65歳未満」に引き上げられることになり(ただし、国民年金の被保険者であることが条件)、「企業型確定拠出年金制度」においても、現行「65歳未満」のところ「70歳未満」に引き上げられることになります(ただし、厚生年金の被保険者であることが条件)。
さらに同年10月には、現行「企業型確定拠出年金制度」の加入者がiDeCoに加入する際には、労使合意による規約が必要だったものが、労使合意がなくてもiDeCoに加入することができるようになります。
そのことにより、より一層iDeCoの加入者の増加が見込まれています。


3.iDeCoの特徴(3つの税制優遇制度)

 iDeCoの最も大きな特徴は税制が非常に優遇されていることです。

①毎月支払う掛金が全額所得控除になります。
 iDeCoの掛金は「小規模企業共済等掛金控除」として課税所得からマイナスさせることができます。仮に毎月の掛金が3万円、所得税率と住民税率がそれぞれ10%の場合、年間の掛金合計36万円に対して所得税率と住民税率の合計20%を乗じた金額72,000円が節税額となります。
②運用によって生じた利益が非課税になります。
iDeCoはNISAと同じように運用によって生じた利益を非課税にすることができます。また、iDeCoとNISAは併用することができますので、併用すると非課税の投資金額がさらに増えることとなります。
③年金の受取時に「退職所得控除」または「公的年金等控除」を受けることができ、税金の負担が減少します。
 iDeCoの受取方法には「一時金」と「年金」の2つがあります。「一時金」で受け取る場合には「退職所得控除」を利用することができ、「年金」として受け取る場合には「公的年金等控除」を利用することができます。

4.iDeCoの運用方法

 最後にiDeCoで扱っている商品について確認していきます。運用商品は、「元本確保型」と「投資型」の2種類があります。なお、運用商品を選定・提示する者は、リスク・リターンの異なる3つ以上、35以下の商品を選択肢として提示しなければならないとされています。その中でも将来のお金を増やすことを考えれば長期投資、分散投資そして運用のプロにおける運用のメリットが得られる「投資型」である「投資信託」の運用が注目されています。

5.最後に

 iDeCoの加入者は自分自身で運用商品を選択しなければなりません。運用重視を考えれば「投資型」である「投資信託」を選択することになりますが、選択した商品の結果により将来のお金の増え具合が異なるため、商品の選択は非常に難しいものとなります。次回は、その「投資信託」について解説していきたいと思います。