人間の誰にも平等に与えられているもの・・・それが「時間」です。
この時間の使い方で人生の成否が決まると言っても良いでしょう。
今回は、その中でも1週間に注目し、どのようにスケジュールを組めば良いかを伝授します。
多くの人が闇雲に計画を立てて、闇雲に突っ走り、思い切りズッコケます。
転ばぬ先の杖として、まずは失敗者から学ぶところから始めてみましょう。
「あー、これはやってしまいますね」と感じながら読んでください。
そして次に、自らの内側を改善させつつ、1週間の時間の使い方を考えます。
目から鱗の時間術をご堪能下さい!
記事の最後に永田講師の動画があります!
ぜひ講義をご体験下さい!
この記事を書いた人 永田 英晃
判断推理・空間把握・現代文・社会科学 河合塾などの大手大学受験予備校にて医系講座、東大講座を歴任し、公務員試験対策予備校でも国家公務員総合職講座など常に最高レベルの担当をしてきた。様々な啓発技術を融合したオリジナル指導を実践し、最大手予備校模試での全国1位や、都内トップ高校での学年1位などを輩出。東京大学や京都大学をはじめ多数の生徒を合格へと導く。 現在は主に公務員試験対策、就職試験対策、教員採用試験対策、キャリアコンサルティング、教員向け研修の講師を務め、抜群の合格率・内定率を誇る。首都圏を中心に北海道、北陸、中部、関西など日本全国の大学にて講座を受け持っている(登壇実績約70大学)。 |
まずは、一般的な受験生が陥りがちな失敗例を学習し、どう改善すべきかを考えます。
先に失敗パターンを押さえておくことで、合格への道のりがより確実なものになるでしょう。
均等に科目を割り振ってしまう。
素人が学習計画を立てると、知性も知能も知識も関係無く、全ての科目を均等にスケジュールの中に組み込みがちです。
しかし、学習時間と比例して成果が上がるのは知識科目だけです。
人間は記憶学習を長時間続けると極端に効果が落ちてしまうからです。
知識科目を休日に長時間やるのは時間の無駄です。
一方で、知能科目の方は、体系ができていないのに「毎日5問」と均等に計画を立てても、「解けずに赤で解答を写して終わり」と言う、全く無意味で解けるようにならない作業になりがちです。
知能科目の最初は、じっくりと自分の頭で考えて、体系を理解する必要があります。
よって、まとまった時間の取れる休日にしっかりと取り組みます。
知能科目は、一度、体系を構築できさえすれば、あとはどんな問題でも解けるようになります。
ここまで来れば、知識科目と同様に、平日にコツコツと確認し力を維持する学習に切り替えることが可能です。
休日 知能科目の体系構築
平日 知識科目や、体系理解済みの知能科目分野の確認
そして、その他の小間切れの時間は、リラックスしながら知性を養います。
論文など、思考力や発想力が必要な科目は、机の前でウンウンと唸っても、何も頭には浮かんで来ません。
時には知的ディスカッション番組を見て刺激を受けつつ、自分の意見や提案を考えるようにして育みます。
知識は、量の学習が必要ですが、知性と知能は学習方法や環境の質が大切です。
【改善しよう!】
知識は平日、知能は休日、知性は小間切れが最適です。
科目の性質を最大限に利用して学習しましょう。
数字で計画を立ててしまう。
勉強をしたのに成績が上がらず不合格になる人に多いのが、「1日4時間以上」「1日10問以上」などと数字目標を立ててしまうことです。
学習は作業ではないので、量と実績は比例しません。
寧ろ、数字だけを形式的に達成する作業に陥ってしまいがちです。
そもそも、たくさん勉強することが本当に良いことなのでしょうか。
日本の学校では、労働者を搾取するための洗脳教育として「たくさん頑張ることは良いことだ」と言う勤労美徳を強く植え付けられます。
しかし、これは試験対策においては全くの逆効果です。
もし掲げるとしたら、例えば「1時間以内で攻略する」「10問以内で攻略する」と、なるべく少ない学習で攻略することを目標にしましょう。
落ち着いてよく考えてみてください。
試験本番でも、「2時間以内」と言う制限時間はありますが、「2時間以上やってください」と言う指示はありません。
仕事の納期も「1週間以内」などと言う制限はありますが、「1週間以上やってください」なんて聞いたことがありませんね。
上位合格する人は、「短く」「少なく」を心がけ、合格できない人ほど「長く」「多く」を美徳と感じています。
大切なのは「やったかどうか」ではなく、「解けるようになったかどうか」なのです。
【改善しよう!】
何時間や何ページ、何問と言った数字は単なる作業になりがちです。
客観的な数字ではなく、「解ける自信」を持てるかどうかの主観で判断して次に進みましょう。
休日の可処分時間を過信してしまう。
平日は、何かと時間を拘束されるため、その分、休日は無限の時間がある錯覚に陥りがちです。
学生の頃にこんな経験はありませんか?
「週末にやればいいや」と試験勉強を後回しにし、土曜になっても「日曜があるから大丈夫」、日曜の午前になっても「まだまだ午後があるし」、そして、午後にやろうとしても、眠くなってしまい、「夜に勉強するから今は先に仮眠を摂っておこう」と昼寝をし、夜になって、「全然、勉強できなかった・・・。明日の試験がやばい」と無駄に精神を疲労し、また眠くなってしまいます。
「今は寝て、明日の早朝に起きて、スッキリした頭で勉強しよう」と、そのまま寝てしまい、結局、朝になって「やばいやばい」と慌てても、何も頭に入らず、本番で撃沈です。
笑い話のように聞こえるかもしれませんが、意外と多くの人が、この「休日病」に陥ります。
しかし、ここで、「土曜からしっかりとやることが大切だ」と思った人は特に注意が必要です。
問題はそこではなく、そもそも「勉強にはまとまった時間が必要だ」と言う前提自体が間違っています。
実は、まとまった時間が必要なのは、一部の知能科目の体系構築のみで、その他のほとんどの学習は小間切れで十分なのです。
よって、「平日の分を休日に」と言う発想自体が誤りであり、正しくは「平日の小間切れ時間に完成させる」です!
「忙しいから時間がない」と言うのは単なる言い訳です。
もし「時間が欲しい」のであれば、公務員試験ではなくホームレス生活をオススメします。
毎日が休日で、充実した生活を過ごせるかもしれません。
【改善しよう!】
平日の小間切れ時間がメインで、休日はサブだと思って計画してください。
休日は、試験対策もなるべくお休みにしましょう。
さて、よくやってしまいがちな失敗例を学んだら、今度は実際に自身の1週間を構築していきます。
成功するか否かは、内容よりも前提となるSoulにかかっています。
まずは、意識改革から始めます。
深層心理に根差すmust意識とwill意識を入れ換えましょう!
多くの人が「合格のためにはたくさん勉強しなければいけない」と言う誤った認識を持っており、自分の自由にできる時間を全て勉強時間に埋めてしまいがちです。
しかし、「本当は・・・がしたいけど、受験生だから仕方なく勉強をしている」と言う深層心理が働いた状態では、脳が拒絶してしまい、なかなか定着しません。
手元は問題集を開いているが、頭の中は他の事でいっぱい、と言う状態では、気持ちが外に向くばかりで全く集中できませんね。
「早く勉強終了時刻にならないかな」などと考えていては、それこそ身に付かず時間の無駄です。
この状態は、
must意識・・・受験対策
will意識・・・他の事
となっています。
これを逆転させ、
must意識・・・他の事
will意識・・・受験対策
にしていきましょう!
私の父親は有名ゲーム会社に勤めており、家の中にはゲームソフトで溢れていました。
そんな環境ならさぞゲームが好きだろうと思われるかもしれませんが、私はゲームが苦手です。
子どもの頃、「勉強しなさい」と言われたことはありませんが、「ゲームをしなさい」と毎日強制されました。
レベルを適正値に上げる前に先に進んだり、途中で投げ出したりすると父から強く叱られます。
「クリアするまでご飯は無しだ」と言われ、泣きながらゲームをやった記憶もあります。
すると次第に、「こんなゲームの世界で成果を出しても実社会では何の役にも立たない」「こんなことをやるよりも学校の試験で良い成績を取るために勉強したい!」と言う思いが強くなり、気持ちが自然と勉強に向きました。
これこそ、まさに、
must意識・・・ゲーム
will意識・・・勉強
の反転効果です。
多くの人が、親から勉強を強制され、
must意識・・・勉強
will意識・・・ゲーム、音楽、スポーツなど
となり、他の才能は伸びていくが、勉強はどんどん苦手になると言う経験を持っています。
これを逆手に取って、ゲーム、音楽、スポーツなどを強制する時間を敢えて設け、「こんなことより将来のために勉強がしたい」と言う気持ちを持ちながら、嫌々従事してみましょう。
いつの間にか「勉強したい!」と言うwill意識が強くなり、その状態で学習をすれば、みるみるうちに成果が生まれます。
学校の講義や仕事など、拘束を伴うスケジュールを入れたら、真っ先に「自分のやりたいこと(勉強しないといけないのについついやってしまうこと)」を強制的にスケジュールに組み込みます。
大好きなテレビドラマ、いつも欠かさず観ている動画配信、ゲームなど、やや中毒になっているものを強制的に実行します。
何でもそうですが、「本当はやっちゃいけない」と心の中で分かっているものの、ついつい面白くて背徳感を抱きながらやるから中毒になってしまうのです。
でも強制されると一気に気持ちが向かなくなるものです。
よく、恋愛などで、「本当は自分なんか好きになっちゃいけないんだ」と思えば思うほど、燃え上がりますね。
でも、付き合った後に「毎日夜に3時間電話して、今日一日何したか教えて」などと相手から束縛されると気持ちが冷めがちです。
この心理をスケジュールに組み込んでみます。
「勉強しないといけないのについついやってしまうこと」を先に予定に組み込み、その時間を強制的に過ごします。
そして、心の中で、「こんなことをやっている場合じゃないんだ」「勉強したいんだけど」と呟きましょう。
学習意欲が高まり、中毒への依存も無くなって一石二鳥です。
休日に知能系の体系構築時間を組み込みます。
体系構築には時間がかかるため、あれもこれもと入れ込まず、「1日1項目」が原則です。
「今日は速さを攻略」「今日は確率を攻略」とざっくり予定し、わかるまで時間を忘れて考えます。
逆に、他の雑念があると思考力は伸びないため、休日には他の学習予定はなるべく入れないようにします。
「ゆったりと」「じっくりと」考えることが重要です。
休日は、わかるまで立ち止まって考え、納得してから次に進むのを徹底してください。
次に、平日に知識科目や得意知能科目の確認の時間を入れます。
知識のインプットは長時間やっても効率が悪いため、1科目につき30分以内で切り上げます。
知識科目は「飽きてきたらチェンジ」が基本です。
たまに、集中力が落ちてきたら気合いでカバーしようとする人がいますが、無駄な抵抗なので潔く諦めましょう。
飽きたら新しいことをするのが、最も集中力が回復します。
知識のインプットは単調になりがちである分、常に新鮮な気持ちで臨めるように工夫をしてみましょう。
さて、きっちり計画を立ててそれに忠実に学習を進めても、それだけでは効果は得られません。
計画を立てるのが好きな人は、その分、学習が「作業」になりがちです。
時間と労力を無駄にしないためにも、「やった分だけ点数が上がる」と言う状態で学習したいものです。
その鍵を握るのが知性です。
「自分は公務員になって、こんな世の中に貢献するんだ!」「今の世の中にはこんなことが必要だ」と言った、政策に関することを常に考える癖をつけておきましょう。
公務員試験に合格する一番最短の道は、身も心も公務員になることです!!
このマインドセットがあって初めて、学習効果が劇的に上がります。
人それぞれ、体内時計が異なっており、どの時間帯に何をすると効果的かは人によって違います。
ただ、一般的に誰もが「この時間帯は冴えている」「この時間帯は調子が悪い」と言った感覚をお持ちだと思います。
特に「冴えている時間帯」には数的処理などの頭の回転が重要となる学習が好ましいと言えます。
一方、食後など、ボーッとしてしまいがちな時間帯には、学習のスケジュールを入れず、仮眠や単純業務の時間にしておきます。
但し、人それぞれ体内時計が異なっていると言っても、試験本番の時間割を変えることはできません。
いくら対策が万全でも、当日の試験時間に調子が出なければ元も子も無いため、本番1か月ぐらい前になったら、試験時間に合わせて体内時計を修正していきましょう。
どうしてもその時間に眠くなってしまう人は、ジョギングなどをして強制的に身体を動かします。
運動によって体内時計は調節可能なので、体調に困ったら身体を動かしてみましょう。
計画を立てても、なかなか計画通りに進まないことも多いでしょう。
この時に絶対に焦らないことが大切です。
学習効果は心理状態と密接に結び付いているため、少しでも「計画が遅れている」と感じてしまうと不安になります。
そして、その分、学習の定着度が落ちてしまうんですね。
もし遅れてしまったら、計画の方を寧ろ修正してください。
常に「順調」と言う状態を作り出し、「このまま行けば合格だ」と余裕を持って進めます。
そして、人間は機械では無いので、スケジュールを詰め込み過ぎると必ずパンクします。
寧ろ、スカスカなスケジュールでゆったりと落ち着いて取り組むことで効果が出てきます。
大切なのは、詰め込むことでは無く、いかに勉強に隙間を作るかです。
隙間時間に学習をしつつ、更に隙間を生み出します。
私たちは隙間で生き、隙間風に乗って上昇します。
「隙間こそが最も大切」と言う原則を肝に銘じましょう!
私たちは小学校から大学まで、15年以上も毎日学校に通って何時間も授業を受けているにも関わらず、それに見合った成果を習得できていません。
その理由はマンネリ化です。
学校は規則正しい時間割に沿って進められますが、この規則正しさがマンネリを生み、学習に新鮮さが失われます。
人間は機械ではなく、感情の生き物であるため、脳はマンネリ化したインプットを不要情報として拒否します。
学校で毎日の授業が頭に入ってこず、眠気を覚えるのは、脳が拒否反応を起こしているからです。
ここからもわかるように、実は「規則正しく勉強する」のは、意外にも逆効果なのです。
一方で、脳が欲するのは「刺激」です。
学習を開始した頃は、全てが新鮮な気持ちで刺激的であるため、すぐに効果が出てきます。
しかし、それが習慣化しマンネリになってしまうと、脳が拒否するようになり、全く学習効果が得られなくなってきます。
これが俗に言う「スランプ」の正体です。
打ち克つためには、毎週、初めて取り組む気持ちで臨むことが重要です。
勝つスケジュールは学習の積み重ねではなく、常に新規の上書き保存であるべきです。
「初心忘るべからず」
これこそがスケジュールをこなす上で最も大切なSoulであると言えるでしょう。
教養科目「人文科学」対策を分かりやすく解説! |
教養科目の攻略は、科目ごとに優先順位をつけて勉強し、出題数の多い科目を得点源とすることが重要です。
そうした学習の際にオススメなのが、スタディングの動画を使った学習です!
スタディングの動画ではプロ講師が丁寧にわかりやすく解説するので、重要科目のポイントを理解できます。
教養科目対策は、専門的な知識に自信がない方でも動画で学習すればイチから集中的に学ぶことができます。
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