公務員試験受験生にオススメの参考書・問題集

今回は、公務員試験受験生に有効な参考書を紹介しますが、先に断っておくと、他の参考書サイトとは切り口が大きく異なります。
これには、「できれば参考書ではなく映像講座を受けて欲しい」と言う実利的な理由よりも、もっと深い事情があります。

私が大学生だった頃に、第二外国語で中国語を選択し、学会の重鎮であった恩師・平井勝利先生に「お薦めの参考書はありますか?」と質問したことがあります。
※大学の外国語の授業でたまたまこの平井勝利御大のクラスに割り振られたのですが、この先生の授業が本当に素晴らしく、専攻とは異なっていましたが、研究室にお邪魔したり、年末年始にはご自宅に伺ったりと、かなり深く教えを請いました。私の尊敬する大先生の一人です。

その際、「お薦めできる参考書はありません。ロクな本が無いから、何か既に持っているのならすぐに古本屋に売れば宜しい」と言うお答えを頂いたのを覚えています。
当時はその真意が分かり兼ねましたが、今では私も同意見です。

例えば、テレビ局のスタッフは「視聴者の能力が向上する」番組を作るのではなく、「視聴率が取れる」番組を作ります。
同様に、出版者も「読者の能力を上げる」本を作るのではなく、「受験生に売れる」本を作ります。

ここに問題があって、かつて参考書の出版社から聞いた話ですが、売れる本を作るためには「不合格レベルに標準を合わせ、受かりそうな錯覚を持たせる」ことが重要とのことでした。
私は、このような不合格レベルの受験生からお金を吸い取るような考え方には否定的であり、やはり合格レベル(質の高い指導)に拘りたい、と言う強い想いがあります。

よって、ここでは巷の薄っぺらい売上ランキングに惑わされず、「真の実力に寄与するもの」を厳選して紹介します。
受験対策と言う些末なことからでも、もしかしたら皆さんの人生における「座右の書」が見つかるかもしれません。

目次

記事の最後に永田講師の動画があります!
ぜひ講義をご体験下さい!

永田講師 この記事を書いた人 永田 英晃 

人物試験講座主任
現代文・社会科学主任

河合塾などの大手大学受験予備校にて医系講座、東大講座を歴任し、公務員試験対策予備校でも国家公務員総合職講座など常に最高レベルの担当をしてきた。様々な啓発技術を融合したオリジナル指導を実践し、最大手予備校模試での全国1位や、都内トップ高校での学年1位などを輩出。東京大学や京都大学をはじめ多数の生徒を合格へと導く。

現在は主に公務員試験対策、就職試験対策、教員採用試験対策、キャリアコンサルティング、教員向け研修の講師を務め、抜群の合格率・内定率を誇る。首都圏を中心に北海道、北陸、中部、関西など日本全国の大学にて講座を受け持っている(登壇実績約70大学)。



良書はどこにあるか


現在の参考書市場は、薄っぺらい駄本が売れる傾向にあり、「トップ講師は参考書を書かない」と言うのが業界の定説になっています。
多くの不合格レベル受験生が小手先の技術を求めるため、参考書を売るためにはかなりレベルを下げて書かなければなりません。

昭和の時代は、まだまだ本物を求める受験生が多く、その頃の参考書は、まさに受験を超えた「座右の書」に値するものが出版されています。
例えば、トップ講師として活躍し、且つ参考書も売れた稀有な例として駿台予備学校の伊藤和夫先生が挙げられます。

昭和の時代から今でも受験を続けている人は皆無でしょう。
それでも今も電子書籍などで新装版が売られているのは、需要があるからに他なりません。

昭和の参考書で、現代も出回っている本は、まさに時空を超えた良書であると言えるでしょう。
これは究極の参考書と言えます。

一方で毎年、微妙に中身や表装を変えて叩き売りされているような突貫工事本は、受験が終わると捨てられるか、古本屋に捨てられるかのどちらかになります。
受験の浅い部分に特化されており、その他に使い道が無いため、捨てられて当前かもしれません。

こう言う浅い本に飛び付くのは、安易な気持ちで受験し、万が一合格しても「自分に向いていない」と辞めてしまうような人に多いようです。
残念ながら、そう言った受験生が多くなっているため、駄本が跳梁跋扈するのです。

合格レベルの良い参考書は、不合格レベルの人には嫌厭されます。
例えば、幼児に名著を渡しても、幼児は「こっちの方が分かりやすい」と、全て平仮名で書かれた絵本を選ぶでしょう。

今の参考書市場では、幼児や小学生に向けたレベルで書かなければ売れないと言われています。
真の芸術家の作品はなかなか一般の人には売れず、安易な量産品の大量消費が当たり前になっている現代をよく表していますね。

しかしながら、そんな量産型の駄本を紹介しては、これまで質を重視し皆さんから得た信用を裏切ることになります。
巷の安売りとは一線を画し、高レベルの視座に立って参考書を紹介します。



座右の書とすべき究極の参考書を紹介


そもそも学習とは「能力を上げるための研鑽」です。
ところが近年は「能力が無いのをいかに誤魔化して点数を取るか」を学習と勘違いしている風潮が強くなっています。

まずは誤った学習観を正してもらう必要があります。
いくら良い道具を手に入れても、使い方や使用目的が間違っていては良い結果を得ることはできません。

短絡的な人は、「合格さえ出来ればそれで良い」と考えるようです。
しかし、素養が無いのに「点数稼ぎ」で誤魔化して採用されたとしても、仕事ができなければ当然「あの人は仕事ができない」と周囲から蔑まれます。

周囲から必要とされていないことを感じながらも給料泥棒をする窓際族で果たして本当に「採用されて良かった」と言えるでしょうか。
そんな大間違いを冒す前に、ぜひ皆さんに読んでもらいたい本があります。

森毅「居なおり数学のすすめ」(講談社文庫)



タイトルは「数学」となっていますが、学習全般に渡る本質を教えてくれる本です。
森毅先生は、東京大学卒業後、京都大学教授として教鞭を執り、晩年はコメンテーターとしてもご活躍された大先生です。

大学入試を想定して書いてあるので、時期の項目は公務員試験に合わせて数ヶ月ズラして読まなければいけませんが、学習に向き合う際の心構えとして大切なことを教えてくれます。
これを読むと、いかに巷で蔓延っている学習テクニックが短絡的なものであるかがよく理解できます。

少しだけ抜粋し、内容を要約して紹介いたします。

勉強とは積み重ねではなく、当日いかに頭が働くようにするかの準備である

解き方を覚えるより、解く時のフィーリングを大切に

先生にばかり教わっていると、正解を真似ようとするばかりで、自分の頭を使わなくなる。これでは受験本番で役にたたない

本来は、問題というものは、解き方がわからないから、問題になる。はじめから解き方がわかっていては問題の名に値しない。それに、解き方がわかっていたら、解くのがあほらしい。授業をいくら熱心に聞こうが、それだけでは解けず、授業なんかサボッていようと、うまくすれば解ける、そうしたスリルがなくっちゃ、問題とは言えない

多少はつまずいたり、迷ったりしても、 「身につかないまま「模範答案」を真似したようなのより、ずっとよい答案になる。答案に受験生の個性が出るのは、悪いことではない。思いがけないアイデアや、しなやかな発想で書かれた答案に、稀に出あったときは採点者の頬がゆるむ。そうしたときは、採点は甘くなりがちなものだ。それに比べて、紋切り型のなかで頓馬なことをされると、つい点を辛くしたくなる

問題を解くのに、いつも正しい決まった方法で、できるだけ最短距離で解くというのが、よいわけではない。時には違ったやり方もしてみるものだ。その道が行き止まりで、引き返さねばならなくなっても、その道の往還を楽しめばよい。とくに、一つのやり方で慣れたときは、別の道をときに通ってみるものだ。たぶん、新しい道のほうが、目的地に着くのに時間がかかるだろう。でも、二つの道を知ることは、一つの道だけの二倍以上の価値がある。その二つの道の間の世界が、いくらかは自分の世界になるからだ

ある程度の安定性の上に、自分として修正を加えれば、そこに〈自分の教科書〉が作れるだろう。自分を教科書にしたがわせるのではなく、自分のために、〈自分の教科書〉を作っていってよい

短い時間に満点をとることは、少しもよいことではない。そのための訓練はとても有害だ。その有害なことが、勉強と錯覚されている。それでも不思議なことに、誤る権利を確保して、迷う能力を身につけた学生もいるにはいる。今では、こうした学生はすごいエリートということになっている。そして、この僅かなエリートだけに支えられて、文化がかろうじて生き残る、未来の日本にはそんな時代が来るかもしれない

「教育というととかく、解き方ばかり教えたがる。まず解き方をおぼえておいて、それを使って解く、そうしたやり方ばかりが幅をきかしている。それで、解き方を知らねば、なにもできない人間が増えている。これが「教育」なら、人間をダメにしているとしか思えぬ

どれも目から鱗の金言ばかりですね!
現在の指導がいかに怠慢であるかを、私自身への戒めも込めて何度も読み直したいと思います。

但し、エッセイ風に書かれているのと、執筆当時の時事論評なども多く入っているため、意識して読まないと恐らくさっぱり理解できません。
これも、「分かる人には分かる」「分からない人は無理に分かろうとしなくてもいい(もっと得意なことに力を入れよう)」と言う、学習本来の在り方を示唆してくれます。

私は人間を序列化するのには反対ですが、能力の高い人と低い人がいるのは事実です。
多くの人は、それは勉強量の差だと思って努力で埋めようとしますが、「才能や努力」は要因ではないと長年、様々な層を指導してきて感じます。

能力の差を生んでいる原因は「意識や捉え方」です。
恐らく最上位の能力の人は、この森毅先生の著書を「まさにその通り!」と大絶賛するはずです。

一方で、中堅以下の人は「共感できない」「さっぱり意味がわからない」「無駄なことばかり書いてある」と酷評するでしょう。
ここが養老孟司先生の言う「バカの壁」と言われるところなのかもしれません。

その点で読み手を選ぶため、大々的に推薦するのは少々怖いですが、今の短絡的学習に染まった受験業界に再考を促す意味でも、トップに掲げておきます。
逆に言えば、この本の内容は最上位層の発想や考え方を覗き見る絶好の機会です。

共感するところ、違和感を感じるところがあるかと思いますが、その違和感を感じる部分こそが、自分の能力開花の足枷となっている先入観だと認識してください。



社会科学/法律科目の基盤となる本


公務員試験において数的論理能力と並んで基礎となるのが社会科学的な知性です。
この知性の基盤が無いと、単なる知識の詰め込みになってしまい、いくら勉強しても薄っぺらい学習にしかなりません。

但し、初学者向けと言いつつ、誰でも知っているようなことを延々と書いてあるような駄本は購入するに値しません。
安っぽい情報であればネット上に無料でゴロゴロ転がっています。

私がこれまで吟味してきた中で、高度な内容も扱いつつ、読みやすい文章で書かれている最良の参考書を紹介いたします。
受験生だけでなく、指導者も含め社会科学系、法律系に関わる者には是非一読をお薦めします。

高橋和之「立憲主義と日本国憲法」(有斐閣)



高橋先生が学生から、「学習者向けに体系がわかりやすくまとまった本を書いて頂けませんか?」と聞かれ、「既に書いています」とこの本を紹介すると、ほとんどの学生はこれを座右の書として学習を進めるそうです。

タイトルが濃いため、なかなか初学者向けと認知されていませんが、内容も面白く、かつ読みやすく、公務員を志す者にはその素養の構築として第一にこの本を推薦します。

現在、学習の安売りが蔓延っていますが、私は「きちんとした先生にしっかり学ぶ」ことが結果として最も近道であると考えます。
薄っぺらい知識を覚えただけでは、薄っぺらい人間にしかなれません。

単に目先の合格だけを達成しても、「あの人は薄っぺらい」と蔑まれ、価値が無いと見做されるのは悲惨なものです。
「三つ子の魂百まで」と言いますが、幼少の頃から薄っぺらい学習をしてきた人は薄っぺらい人間になるし、深い学習をしてきた人は深い人間になれます。

公務員試験に合格した後も、「あの人は思考が深い人間だ」と周囲から一目を置かれる人材になるためにはそれなりの学習が必要不可欠です。
「合格までの人」ではなく、「合格からの人」を目指しましょう!



数的処理は良書がほとんど無い


さて、昨今は「学習=暗記」と勘違いしている受験生が多く、参考書もそのような「落ちる層が飛びつく」ことを念頭に置いて出版されています。
教育機関と異なり、出版社は書籍を買った人が合格したかどうかはわかりません。

よって、合格よりも売上のデータに基づいて出版をしていきます。
するとどうしても、合格レベルの本よりも「落ちる人が食い付く」本の方がよく売れます。

過去に、「これは素晴らしい良書だ」と思われる参考書もたまに出版されましたが、顧客の大部分を占める「落ちる人」が買わないため、すぐに絶版になってしまっています。
予備校業界では「偉大な先生は(レベルが高いと売れないため)そもそも本を出版しない」と言う不文律がありますが、冒頭でもお話ししたように、現場と出版でどちらも成功したのは駿台予備学校の伊藤和夫先生ぐらいです。

但し、伊藤和夫先生でも、売れたのは入門レベルの本がほとんどで、高いレベルの本はあまり売れていません。
この辺りが、(流通事情による)受験参考書の限界と言えます。

最後に、公務員試験で大きな配点となっている数的処理の教材について言及します。
しかし、こちらは、良い本と言うよりも消去法でこれしか無い、と言う選定です。

森毅先生の著書でも述べられているように、「分からない問題をどのように処理するか」を訓練していくのが学習です。
しかし、数的処理の苦手な者は、「わからない時にどうするか」の部分で失点しているのに、その部分の練習をしておらず、全く点数が上がらない、と言う傾向が強くあります。

残念ながら、多くの参考書は問題と同じページに解説が掲載されており、これでは「わからない時にどうするか」の力が全く付きません。
そこで、問題と解説がきちんと分かれている問題集をここでは紹介いたします。

国家公務員・地方上級公務員試験オープンセサミシリーズ

過去問精選問題集出たDATA問2023(6)一般知能 実践編



ぜひ、この本を使って、「わからない問題をどうするか」と言う訓練をしていきましょう!
「すぐに答えを見たら力が付かない」と言うのは、昔は学習の常識だったのですが、それだと本が売れないせいか、何故か「考えずに答えを覚える」と言う思考停止作業を誘惑する傾向が横行しています。

思考停止の学習を続けても、当然、本番で頭は動きません。
「わからない問題をどうするか考える」と言う、学習の基本中の基本を怠らないように、日々、思考中心の学習を心掛けましょう。

このように世の中に本の量は多くとも、実際に役に立つ良書はとても少ないのが現状です。
駄本を買って無為に時を過ごすのではなく、まさに「学習の参考になる書」「人生の参考になる本」を用いて、有効活用してみましょう。

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