令和2年12月25日(金)に公益財団法人 建築技術教育普及センターから、令和2年 1級建築士「設計製図の試験」の合格者が発表されました。
合格された方、本当におめでとうございます。
令和2年試験は、11,035人の受験者に対して、合格者が3,796人という結果でした(前年度の合格者は3,571人)。
また、合格率は34.4%でした。直近5年間で最も合格率が低かった令和元年(2019年)35.2%から、さらに0.8%下降し、直近6年間では最も低い合格率であったといえます。
(注)今年「学科の試験」から受験した者と、過去2年間に「学科の試験」に合格し今年「設計製図の試験」から受験した者の合計です。
※ 公益財団法人 建築技術教育普及センターの発表より
年 | 実受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) | 総合合格率(%) |
平成 27年 |
9,308 | 3,774 | 40.5 | 12.4 |
平成 28年 |
8,653 | 3,673 | 42.4 | 12.0 |
平成 29年 |
8,931 | 3,365 | 37.7 | 10.8 |
平成 30年 |
9,251 | 3,827 | 41.4 | 12.5 |
令和 元年 |
10,151 |
3,571 | 35.2 | 12.0 |
令和 2年 |
11,035 | 3,796 | 34.4 | 10.6 |
1級建築士試験「設計製図の試験」は、「与えられた内容及び条件を充たす建築物を計画し、設計
する知識及び技能について設計図書等の作成を求めて行う。」ものであり、その合否判定における令和2年試験の「採点のポイント」、「採点結果の区分」及び「合格基準」は、次のとおりである。
採点のポイント | (1)空間構成
①建築物の配置計画、②ゾーニング・動線計画、③要求室等の計画、
④建築物の立体構成等
(2)建築計画 ①自然光の取入れ方や自然換気の工夫、②要求室の機能性等、 ③図面、計画の要点等の表現・伝達 (3)構造計画 ①耐震性を考慮して計画した建築物の構造種別・耐震計算ルート等、 ②車寄せ上部(屋根、庇等)の構造の計画、 ③地盤条件を踏まえた基礎構造の計画 (4)設備計画 ①高齢者介護施設としての空調計画 ②インフルエンザやノロウイルスへの対策 ※ 設計条件及び要求図書に対する重大な不適合 ①「要求図面のうち1面以上欠けるもの」、「計画の要点等が完成されていないも の」又は「面積表が完成されていないもの」 ②地上3階建てでないもの ③図面相互の重大な不整合(上下階の不整合、階段の欠落等) ④建築面積が 1,468.8 ㎡を超えているもの ⑤床面積の合計が 2,400 ㎡以上、3,000 ㎡以下でないもの ⑥次の要求室・施設等のいずれかが計画されていないもの 個室、共同生活室、宿泊室、デイルーム、多機能便所、浴室、スタッフルーム、 訪問介護スタッフルーム、エントランスホール、事務室、面会ラウンジ、地域交流スペース、 調理室、会議室、医務室、相談室、職員休憩室、消火ポンプ室、受水槽室、PS・DS・EPS、 寝台用エレベーター、人荷用エレベーター、車椅子使用者用駐車場、車寄せ ⑦法令の重大な不適合等、その他設計条件を著しく逸脱しているもの |
採点結果の区分等 | ○採点結果については、ランクⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳの4段階区分とする。
ランクⅠ:「知識及び技能」*を有するもの ランクⅡ:「知識及び技能」が不足しているもの ランクⅢ:「知識及び技能」が著しく不足しているもの ランクⅣ:設計条件及び要求図書に対する重大な不適合に該当するもの *「知識及び技能」とは、一級建築士として備えるべき「建築物の設計に必要な基本 的かつ総括的な知識及び技能」をいう。 ○なお、採点の結果、ランクⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳのそれぞれの割合は、次のとおりであった。 ランクⅠ:34.4%、ランクⅡ:5.6%、ランクⅢ:24.3%、ランクⅣ:35.7% ○受験者の答案の解答状況 ランクⅢ及びランクⅣに該当するものが多く、具体的には以下のようなものを挙げる ことができる。 ・設計条件に関する基礎的な不適合:「各ユニットのゾーニング等が不適切」、「要求し ている室の欠落」、「要求している主要な室等の床面積の不適合」等 ・法令への重大な不適合:「延焼のおそれのある部分の位置(延焼ライン)と防火設備の設 置」、「道路高さ制限」や「直通階段に至る重複区間の長さ」等 |
合 格 基 準 | 採点結果における「ランクⅠ」を合格とする。 |
※公益財団法人 建築技術教育普及センターホームページ「令和2年1級建築士試験「設計製図の試験」の合格発表について(令和2年12月25日)より
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