「建築士」は、個人や企業の依頼を受け、報酬を得て、建築物の「設計」や「工事監理」をすることができます。この建物を建築するための「設計」や「工事監理」は、建築士の独占業務です。
建築に関する学歴又は資格等 |
大学、短期大学、高等専門学校、専修学校等において、指定科目を修めて卒業した者 |
二級建築士 |
建築整備士 |
その他国土交通大臣が特に認める者(外国大学を卒業した者等) |
「大学、短期大学、高等専門学校、専修学校等において指定科目を修めて卒業した者」として受験をするのであれば、国土交通大臣の指定する建築に関する科目の単位を取得して卒業している必要があります。この科目とは「建築設計製図」「建築環境工学」「構造力学」等といった建築に関する学問のことで、体系的に学んでいる必要があります。
※建築に関する学歴については、学校の入学年が「平成21年度以降の者」と「平成20年度以前の者」とでは要件が異なります。
詳しくは、(公財)建築技術教育普及センターのページをご覧ください。
建築関係の学校を卒業していなければ、建築士を目指すことができないのではないかと思われる方もいるかもしれませんが、方法がないわけではありません。2級建築士の場合は、実務経験を7年経ることで、受験資格を得ることができます。まず、2級建築士を取得した上で、1級建築士試験を受験する、というようにステップアップしていくことが可能です。
また、元々は建築とは無縁の分野で働かれている社会人の方でも、資格取得に挑戦し、夢を叶えているケースはあります。例えば、あらためて学校に通うことで学歴を満たすことです。仕事を続けながら勉強を両立したい場合、通信制や夜間学校が適しています。
参考記事:建築士試験の特徴、試験科目と攻略ポイント~学科編~
・製図試験
参考記事:建築士試験の特徴、試験科目と攻略ポイント~製図編~
1級建築士試験における実務経験とは、建築に関する実務についていた経験をいいます。
1級建築士の資格試験を受けるためには、実務経験が必要だと聞いたことがある方がいらっしゃるかもしれません。2019年以前の試験では、学歴要件だけでは試験を受けることができず、あわせて実務経験が必要でした。しかし、2020年以降の試験では、建築士法の改正により試験制度が大きく変わり、実務経験なしで1級建築士試験を受けられるケースが生まれました。
以前の制度では、指定科目を修めて卒業した方が1級建築士の受験をする場合、大学卒業後に建築実務の経験を2年以上経ることが必要でしたが、新しい制度では「卒業した年から建築士受験が可能」となり、「試験に合格した上で、卒業後の実務経験の合計が2年以上あれば、1級建築士として登録することが可能」となりました。
一級建築士の受験要件 | 登録に必要な実務経験 |
大学 | 2年以上 |
短期大学(3年) | 3年以上 |
短期大学(2年)・高等専門学校 | 4年以上 |
二級建築士 | 2級建築士として4年以上 |
建築設備士 | 建築設備士として4年以上 |
国土交通大臣が同等と認めるもの | 所定の年数以上 |
試験制度の変更により、2019年以前は受験が出来なかった、実務経験の浅い方の受験が可能になったということです。
試験制度が緩和された背景としては、現在、業務を行っている建築士や受験者の高齢化が進んでおり、今後、建築物の安全性の確保等における、重要な役割をになう人材の確保が困難とされたからです。
つまり、間口を広げて、受験機会を拡大することで、より多くの方に建築士を目指してもらいたいと考えているのではないでしょうか?
この変更の影響をより多く受けるのは「学生」の方です。卒業した年に1級建築士試験を受験することが可能になったということは、学生時代から学習をスタートさせることができるということです。
また、学生受験できるケースも以前より増えました。
例えば、「大学」で建築に関する科目を修めて卒業した後、「大学院」に進んだ場合などです。就職活動時にすでに1級建築士試験に合格していれば、強いアピールポイントになるのではないでしょうか?
受験資格の改正について詳しく知りたい場合は以下をご確認下さい。
参考記事:建築士の受験資格の改正はいつから?
1級建築士試験を受験するためには「学歴要件」もしくは「2級建築士・建築設備士の資格」が必要なこと、建築士として登録するためには「実務経験」が必要なこと、そして、試験制度の変更により、より早い段階での受験が可能になったということがお分かりいただけたかと思います。
これから1級建築士を目指される方は、現在の状況やライフスタイルに合わせ、受験資格を得る方法や受験のタイミングをご検討下さい。
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