一級建築士試験の合格率と大学合格ランキング

2024(令和6)年の1級建築士試験では、学科試験合格率が23.3%、製図試験合格率が26.6%、総合合格率が8.8%でした。

全体の合格率は例年通り約1割にとどまりますが、出身大学に目を向けるとさまざまな傾向が見えてきます。

本記事では、過去数年における1級建築士試験の合格率の推移に加え、大学別の合格者数ランキングをご紹介します。

1級建築士試験の合格率

1級建築士は難関資格として知られており、過去4年間の総合的な合格率は9%前後で推移しています。

学科試験と製図試験それぞれの合格率内訳は学科試験が15~25%前後、製図試験が25~35%前後です。

学科試験は出題範囲が広く、さまざまな分野の総合的な知識が必要なのが特徴です。

合格率だけをみると製図試験の方が簡単に見えますが、決してそんなことはありません。

製図試験は学科試験を突破した方しか受けることができないためにこの合格率となっているのであり、対策が難しい製図試験も多くの受験生にとってハードルとなっています。

令和三年令和四年令和五年令和六年
受験者数合格率受験者数合格率受験者数合格率受験者数合格率
合格者数合格者数合格者数合格者数
学科31,69615.2%30,00721.0%28,11816.2%28,06723.3%
4,8326,2894,5626,531
製図10,49935.9%10,50933.0%10,23833.2%11,30626.6%
3,7653,4733,4013,010
総合37,9079.9%35,0529.9%34,4799.9%34,2378.8%
3,7653,4733,4013,010

合格者のランキング

2019(令和1)~2024(令和6)年に実施された試験において、合格者数がランキング10位までに入った大学は以下のとおりです。

2019年2020年2021年2022年2023年2024年
日本大学
(192人)
日本大学
(162人)
日本大学
(153人)
日本大学
(149人)
日本大学
(143人)
日本大学
(142人)
芝浦工業
(110人)
東理大学
(141人)
東理大学
(128人)
東理大学
(123人)
東理大学
(117人)
東理大学
(103人)
東理大学
(92人)
芝浦工業
(119人)
芝浦工業
(96人)
芝浦工業
(96人)
芝浦工業
(99人)
近畿大学
(92人)
早稲田大学
(88人)
早稲田大学
(88人)
近畿大学
(87人)
早稲田大学
(79人)
早稲田大学
(75人)
芝浦工業
(84人)
近畿大学
(66人)
近畿大学
(70人)
早稲田大学
(79人)
近畿大学
(74人)
近畿大学
(65人)
早稲田大学
(66人)
法政大学
(60人)
法政大学
(69人)
明治大学
(70人)
工学院大学
(63人)
明治大学
(62人)
工学院大学
(61人)
明治大学
(60人)
九州大学
(67人)
千葉大学
(68人)
明治大学
(60人)
工学院大学
(61人)
神戸大学
(54人)
工学院大学
(57人)
工学院大学
(67人)
工学院大学
(63人)
法政大学
(56人)
名城大学
(56人)
明治大学
(52人)
九州大学
(53人)
名工大学
(65人)
京工大学
(57人)
神戸大学
(55人)
千葉大学
(51人)
名工大学
(45人)
千葉大学
(49人)
千葉大学
(62人)
京都大学
(56人)
千葉大学
(52人)
神戸大学
(50人)
法政大学
(43人)
明治大学
(62人)

合格者数を比較する限り、上位は日本大学と東京理科大学でここ数年変動がありません。とくに日本大学は毎年のように他大学を大きく引き離しています。次いで、芝浦工業大学と早稲田大学、近畿大学も例年上位争いをしています。

6位以下も、順位の変動は見られるものの明治大学、工学院大学、千葉大学と同じような顔ぶれが並びます。神戸大学、法政大学もランクインする年が多いです。

まとめ

今回ご紹介したデータは、合格者のうち、「学歴」を受験資格として申し込みをした方の卒業大学別の人数となります。そのため、あくまで目安と捉えておくのがよいでしょう。

しかし、同じ道を目指す仲間の多い環境で学習できることは、モチベーションアップにも繋がりますし、将来仕事をしていく上でのコネクションも生まれやすくなるのではないでしょうか?

将来建築士を目指され、現在大学選びに迷われている方はぜひ参考になさってみて下さい。