建築士に向いている人の特徴13選
建築士の仕事を目指すならば、建築士に向いている人の特徴を知っておくことが大切です。
以下に建築士に向いている人の特徴を紹介します。
建築が好き
建築士に向いている人の特徴のひとつが、建築が好きであることです。
建築のプロとして働く以上、建築分野に強い関心を持ち、知識に精通している必要があります。
また、ただ好きなだけでなく、専門的な知識を習得して現場で生かすには、大変な努力が必要です。
建物を見るのが好きなのはもちろん、デザインや構造設計に関心を持ち、自分で建物を作りたいと思えるほどの熱意があるとなお良いでしょう。
ものづくりが好き
ものづくりが好きな人は、より興味を持って建築の勉強や実務に取り組めるでしょう。
特に小さい頃から工作やDIYなどが好きで手先が器用な人は、建築士に向いています。
建築士は多くの人々に利用される建物を設計したり、建物で人を笑顔にしたりできる魅力的な職業です。
建築士の仕事は残業が多く、ハードな一面もありますが、純粋なものづくりへの情熱があれば、困難な仕事でもやりがいを持って乗り越えていけます。
好奇心がある
好奇心旺盛であることも建築士にとって大切なポイントです。
建築設備やデザイントレンドや技術は日々進化するため、乗り遅れないように、常にアンテナを張っておく必要があります。
また、好奇心旺盛な人は常に新しい方法を模索し、既成概念にとらわれない考え方をする傾向があります。
そのため、従来にはない斬新なデザインの建物を創り出す力につながりやすいでしょう。
人と話すのが好き
建築士というと建物の設計やデザイン、構想を作るイメージが強いでしょう。
そのため、コミュニケーション力はあまり重要でないと考えている方もいるかもしれません。
しかし実際は、建築士はクライアントのほか、現場監督や協力業者などさまざまな人と関わりながら、プロジェクトを進行する仕事です。
したがって、人と話すのが好きで高いコミュニケーション能力を有していると、現場であなたの魅力を思う存分生かせるでしょう。
また、話す力だけではなく、クライアントがどんな建築を求めているかを聞き取る力も重要です。
目標に向かって頑張れる
建築士の資格を取得するためには、大学や専門学校で何年もかけて建築を学んだり、試験対策のために長期間学習したり、かなりの努力が必要です。
また、建築士の資格を取得できたとしても、いきなり設計や工事監理を任されるとは限りません。
実務経験を積み、日々成長していかなければ、大きなプロジェクトで活躍することは困難です。
ときには厳しい環境に置かれるケースもあるため、目標に向かって努力できる方が向いているといえます。
責任感がある
建物にとって重要なのは安全性です。
安全で快適な建物を提供するために、建築士は日々最善を尽くさなければなりません。
そのためには責任感を持って仕事に取り組む必要があります。
また、建物の安全性を担保するために、建築基準法をはじめとしたさまざまな法律が存在します。
建築士が設計をする際は、ルールを遵守しなければなりません。
細かい法律規定までしっかりと目を配って設計するには、やはり仕事への責任感が欠かせないといえるでしょう。
想像力がある
建築士はクリエイティブな仕事なので、想像力のある方が向いています。
建物の設計をするには外観や内装、土台となる基礎、空間デザイン、使用する素材、色、設備など多くの部分を想像しなければなりません。
また、クライアントの希望を聞き、どんな建物を望んでいるのかイメージする力も求められます。
建物を設計する場面や相手の考えを汲み取る場面など、さまざまな場面で想像力が求められるでしょう。
流行に敏感
建築の流行は時代によって変化します。
例えば最近の住宅と10年前、20年前の住宅を比較すると、何となく古めかしさを感じることはないでしょうか。
特に近年ではテレワークや在宅勤務の浸透などにより、人々がオフィスや住宅に求めるものは大きく変化しています。
また、環境に配慮した建物の需要も高まっています。
こうした流行の変化を感じ取り、時代に適したものを提供できる力は、建築士にとって重要なスキルといえます。
体力がある
建築士はクライアントあっての仕事であり、定められた納期までに建物を完成させる必要があります。
ときにはタイトなスケジュールの中で仕事をこなす必要があるので、体力がある方が向いています。
特に繁忙期は残業や休日出勤が増える可能性も考えられます。
建築士が自ら現場仕事をするわけではないので、肉体労働ではありませんが、複雑な仕事をこなすためには体力がないと厳しいでしょう。
ルールを守れる
建物を建築する過程において建築基準法のほか、建設業法や都市計画法、消防法、廃棄物処理法など非常に多くの法律が関係します。
法律で定めた基準をすべて把握して、ひとつひとつチェックするのは大変ですが、万が一法律基準をクリアできていないと、建築許可が下りずクライアントに多大な迷惑をかけてしまいます。
また、違法建築物を建てるようなことがあれば、罰則に問われ、大きな問題になりかねません。
そのため、定められたルールを軽視せず、しっかりと守れる人が建築士に向いているといえます。
人を喜ばせるのが好き
建築士は、クライアントが希望する建物を設計する仕事です。
すなわち、人に喜んでもらえる仕事といえます。
クライアントの希望を汲んだ設計ができて、建築士としての評価が高まれば、他社からの依頼が増えて実績がついていくでしょう。
スキルと実績、信頼が貯まれば、建築士として独立も可能です。
そのため、人を喜ばせることが好きで、喜ばせることにやり甲斐を感じられる人は、建築士に向いているといえます。
臨機応変に行動できる
建築士の仕事は、思いがけないトラブルが発生するケースもあります。
例えば、悪天候や部材の遅れにより工事のスケジュールが遅延したり、クライアントから急な要望を受けて設計内容の変更を余儀なくされたりするケースなどです。
建築士はこうした急なトラブルに直面しても、慌てず冷静に対処する必要があります。
そのため、日頃から臨機応変に行動できる人が向いているといえるでしょう。
数学や理科が嫌いじゃない
建物の設計は、基本的に図面や数字を用いて行います。
そのため、数学や物理が好きな人は、建築士に向いています。
もちろん、文系出身者でも学習すれば建築士になれます(※)が、理系知識を求められる場面では、数学や物理に苦手意識がある人は苦労するでしょう。実際に建築士の資格試験でも、理系の知識が必要な構造計算問題が出題されます。
したがって、資格学習をしていれば学習を通して、自分に向いているかどうかを判断することもできるでしょう。
※大学や専門学校等で指定科目を履修していない場合、受験資格を得るためには、指定科目を新たに履修するか7年以上の実務経験が必要となります。
【合わせて読みたい】建築士は文系でもなれる!活かせるスキルや資格を取得する方法を紹介
建築士に向いていない人の5つの傾向
次は、建築士に向いていない人の5つの傾向を紹介します。
もし向いていない人の傾向に当てはまっていたとしても、建築士になるのを諦める必要はありません。
自分の特性を知ったうえで対処すれば、建築士として問題なく仕事を進められるでしょう。
自己主張が強い
自己主張が強すぎる人は、建築士として仕事をやりにくいといえます。
もちろん、建築士として自分の考えやルールなどを、一緒に働く方や顧客にきちんと伝えなければいけない場面はあります。
ただし、自己主張が強くなりすぎて、相手の気持ちを無視するような態度をとってしまうのは望ましくありません。
建築士は顧客や設計者、監督者、営業担当者などと協力する必要があるため、自分と違う意見があっても、意見を尊重することが大切です。
設計・施工管理のトップに立つ建築士が、周囲の意見を聞きチームの協調性を高めることができれば、プロジェクトが円滑に進むでしょう。
飽きっぽい
建築士の資格試験は一級・二級ともに難易度が高く、多くの学習時間を要します。
特に一級建築士は数年がかりで合格を目指す人も少なくありません。
粘り強く学習を続ける力が求められるため、飽きっぽい人や忍耐力がない人は、試験に合格することは困難です。
また、建物を建築するまでには長期間の時間を要するため、粘り強さや忍耐力は実務でも重要な力といえます。
勉強が苦手
建築士は、常に知識のアップデートが求められる職業なので、勉強が苦手な方だと大きなストレスを感じるでしょう。
建築士として働くためには、ずっと学び続けなければなりません。
建築技術や設備機器、設計ソフトなどは新しいものが開発され続けているため、建築士は常に最新の技術や流行を学び、把握する必要があります。
また、建築基準法などの法律は時代の変化や建物技術の進化などに合わせて改正されます。
建築士の資格取得にも多くの勉強が必要ですが、試験合格後も継続して学び続ける意識が大切です。
チームワークが苦手
建築士は現場監督や現場の職人、営業担当者、CADオペレーターなどさまざまな人とチームで仕事をしなければなりません。
そのため、チームワークが苦手な人は仕事で苦労する可能性があります。
チームを組んでひとつのプロジェクトを完成させる仕事なので、コミュニケーション力やマネジメント力も重要なスキルになるでしょう。
計画性がない
設計や建築の仕事は、顧客に引き渡す日から逆算して細かくスケジュールを組んで作業を進めます。
もし期限を守れなかった場合、クライアントの信頼を失う結果につながるので、計画通りに仕事を進める必要があります。
スケジュールを立てて行動できる人は問題ありませんが、計画性がなく行き当たりばったりで行動してしまう人は、働くうえで苦労するでしょう。
納期に間に合わせるためにはいつまでに何をするかを決めて、計画通りに進める力が求められます。
建築士に求められるスキル
最後に建築士に求められるスキルを4つ紹介します。
建築士に向いている特徴が備わっていて、さらに求められるスキルがあれば建築士として活躍できるでしょう。
ただし、今は自信がない部分があったとしても、経験を積みながら身につけていけば問題ありません。
いずれ必要になるスキルとして理解しておきましょう。
ヒアリング力
建築士にはヒアリング力が求められます。
クライアントの要望を正確に把握しなければ、相手に納得してもらえる設計はできないからです。
顧客が建築に詳しいとは限らず、漠然としたイメージしか持っていないケースも多いので、建築士は顧客が思い描く理想像を把握するために質問をしていく必要があります。
すなわち、相手の要望を聞いたうえで、イメージを具体化していくスキルが重要になります。
提案力
建築士にはヒアリング力に加えて、提案力も重要です。
クライアントのイメージをヒアリングした後、希望に合わせた空間やデザインを提案する必要があるためです。
希望をすべて取り入れるだけでなく、予算の範囲内でどの程度まで反映できるかどうか、現実的な提案をする意識も大切です。
他社と比較される場合もあるので、図面だけでなく、CGのパースや模型などを使って、分かりやすく丁寧にプレゼンする力も求められるでしょう。
空間認識能力
建築士として活躍している人は、空間認識能力が高い傾向があります。
空間認識能力が高い人は、2次元の図面を見て、速やかに3次元のイメージを頭の中に思い描けます。
実際に建築図面を作成する際に、空間認識能力が高い人は、寸法を正確に把握できるため、正確な図面を作成可能です。
建物はそもそも人が利用する空間を提供するために存在するため、適切な大きさを立体的に思い描く想像力が必須です。
そのためには空間認識能力が重要といえるでしょう。
相手目線で考える力
建築士は、顧客に満足してもらえる設計をしなければなりません。
建築士自身が満足するのではなく、顧客の目線に立ち、どのような設計なら満足してもらえるか考えることが大切です。
いかに希望に近い建物が設計できるかが大切であり、技術面だけでなく、相手の立場に立って物事を考える力が重要といえるでしょう。
まとめ
最後に建築士に向いている人や向いていない人の傾向、求められるスキルをおさらいしておきましょう。
- 想像力豊かで建築やものづくりが好きな人は建築士に向いている
- コミュニケーション能力や体力があることが望ましい
- クライアントの考えを聞く力や提案力が重要なスキルになる
- 自己主張が強く計画性のない人は建築士に向いていない
- チームワークが苦手だと仕事を進めるのが難しい
建築士は資格取得が難しく、実際の業務では専門知識だけでなく、さまざまなスキルが求められます。
これから建築士を目指す方は、本記事で紹介した向いている特徴や必要なスキルを、すべてを備えている必要はありません。ただし、当てはまる事項が多いほど活躍できる可能性が高くなるので参考にしてください。
なお、建築士の試験は、忙しい方でもスキマ時間を活用すれば十分合格を目指せる資格です。スキマ時間を徹底活用したい方は「スタディング 建築士講座」をぜひチェックしてみてください。