建築士の人数は100万人以上。一級・二級の登録者数推移

建築士試験の難易度や特徴は?合格率や属性データで読み解く!

このページでは建築士の人数に関するデータをさまざまな観点からご紹介します。

少子高齢化やAIの出現など、状況が変化する中、建築士や建設業界はまだまだ新しい人材を求めています。実際にどのぐらいの人数が、建築士として活動しているのでしょうか。

年齢別や男女別、都道府県別などさまざまな分野別に建築士の人数を調査しましたので、ぜひご覧ください。

建築士の登録者人数

建築士登録状況(令和4年4月1日時点)

 一級建築士
二級建築士
木造建築士
合計
人数375,084人777,670人18,580人1,171,334人
割合32.0%66.4%1.6%100%

出典:日本建築士会連合会「一級建築士登録状況

令和4年4月1日時点での建築士の登録人数を見ると、全ての建築士の登録人数は1,171,334人。

うち、一級建築士が375,084人、二級建築士が777,670人、木造建築士が18,580人です。

登録されている建築士の7割が二級建築士であることがわかります。

一級建築士の割合は30%強で、木造建築士は全体の中で2%に満たない水準です。

全体の中で二級建築士が占める比率が高い理由は2つあります。

1つは一級建築士に比べて試験の難易度が低く合格しやすいことが挙げられます。

加えて2つめとして、二級建築士でも戸建て住宅をはじめとした小規模な建築物であれば設計が可能なため、市場の需要を考えると二級建築士で十分と考える方も多いことが推測できます。

いずれの建築士も難関の資格で、初学者が一級建築士に合格するには1,000~1,500時間、二級建築士で700~1,000時間とも言われる勉強時間をしっかりと確保する必要があります。

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一級建築士の人数推移

一級建築士の人数推移グラフ

出典:日本建築士会連合会「一級建築士登録状況

令和4年時点での一級建築士の一級建築士の人数は37万人強です。

平成31年から令和2年にかけて微減していますが、10年の推移をみると平成25年の35万人強だった人数が毎年微増傾向です。

一級建築士の分野別人数データ

一級建築士には高度な構造設計の専門知識を持つ「構造設計一級建築士」と設備設計の専門知識を有する「設備設計一級建築士」という2分野の上位資格があります。

令和2年時点で一級建築士が約37万人なのに対し構造設計一級建築士は1万人強、設備設計建築士は5,600人強といずれも一級建築士の中に占める割合は数%程度です。

年齢別の建築士の人数

▼国土交通省 一級建築士(所属建築士)の数・年齢構成

 20代
30代
40代
50代
60代
70代
80代
90代
合計
人数1,52314,00829,52635,51437,36619,7532,07783139,860
比率1%10%21%25%27%14%2%0%100%

出典:国土交通省「建築行政に係る最近の動向

令和3年4月1日時点でのデータによると、年代別に所属建築士(建築事務所に所属する建築士)である一級建築士の数を見ると、最も比率が高いのは60代で、全体の27%を占めます。

60代以上で全体の4割、50代以上で全体の7割以上を占める一方で、40代で20%、30代で10%、20代に至っては1%と若年層の占める割合は非常に低く、業界全体の平均年齢が高い職種であると言えるでしょう。

また、比率としては高くありませんが、80代、90代の所属建築士も存在しており、定年がなく生涯をかけて業務に携われる仕事であることもわかります。

 

 

男女別の建築士の人数

男女別の建築士の人数グラフ

出典:国土交通省「令和3年一級建築士試験「設計製図の試験」の合格者を決定」、建築技術教育普及センター「試験結果

近年、建築士の合格者の3人に1人程度は女性です。

令和3年の一級建築士合格者の男女比率は約7:3、令和4年の二級建築士合格者の男女比は約6:4となっています。

女性の割合も比較的多く、今後も増加することが予想されます。スタディングにも、女性合格者からの喜びの声が多く寄せられているところです。

都道府県別の建築士の人数

▼平成27年上半期建築士登録状況

都道府県名
一級建築士の数
北海道12,463
青森1,909
岩手2,016
宮城5,769
秋田1,665
山形2,012
福島3,002
茨城4,726
栃木3,139
群馬4,193
埼玉19,105
千葉17,229
東京71,273
神奈川29,469
新潟5,259
富山2,749
石川3,381
福井2,305
山梨1,601
長野4,799
岐阜4,587
静岡7,997
愛知20,492
三重3,451
滋賀3,075
京都7,480
大阪30,821
兵庫16,644
奈良3,809
和歌山1,830
鳥取1,276
島根1,817
岡山3,859
広島9,592
山口3,529
徳島1,770
香川2,825
愛媛2,825
高知1,480
福岡14,053
佐賀1,596
長崎2,394
熊本3,490
大分2,739
宮崎2,356
鹿児島3,168
沖縄2,259
その他725
合計360,003

出典:日本建築士会連合会「一級建築士登録状況

都道府県別の一級建築士の人数は上記のようなデータから確認が可能です。

都道府県別の人口比率と一級建築士の数には相関関係がありますが、首都圏および大都市部(東京、大阪、神奈川、愛知、埼玉、千葉、兵庫、福岡、北海道)では人口比と比較しても多くの一級建築士が登録していることがわかります。

建築士事務所の数

 一級建築士事務所
二級建築士事務所
木造建築士事務所
合計
個人事務所28,7899,74611238,647
法人事務所44,24714,9547359,274
合計73,03624,70018597,921

出典:国土交通省「建築士登録状況(令和4年4月1日時点)

令和4年4月1日時点での建築士の事務所の数を見ると一級建築士事務所が約73,000、二級建築士事務所が約25,000、木造建築士事務所が185か所が登録。全体の3/4程度が一級建築士事務所であることがわかります。

個人と法人の割合を見ると木造建築士事務所は個人の方が多いのに対し、一級建築士事務所は法人での登録割合が多数を占めます。

構造設計一級建築士の人数

構造設計一級建築士の人数

出典:日本建築士会連合会「一級建築士登録状況

高度な構造設計の知識を持つ、一級建築士の上位資格にあたる構造設計一級建築士の人数は近年増加を続けており、10年間で20%弱程度増加しています。

平成25年時点では約8,800人でしたが、徐々に人数を増やして令和4年時点での登録者数は10,000人を超えています。

今後も構造一級建築士登録の需要は増えていくことが予想されます。

設備設計一級建築士の人数

設備設計一級建築士の人数

出典:日本建築士会連合会「一級建築士登録状況

一級建築士の上位資格で設備設計の専門知識を有する設備設計一級建築士。

こちらも人数が増え続けており、10年間で30%以上増加しています。

平成25年には4,000人を超える程度の人数でしたが令和4年時点では6,000人に迫っています。

資格者の人数は比較的少ないですが、今後も増えていくことが予測されます。

まとめ

建築士の人数について、さまざまな観点からまとめました。

  • 業界全体では二級建築士の割合が多い
  • 一級建築士は50代以上の割合が大多数を占める平均年齢の高い業界
  • 近年の建築士合格者の約3人に1人は女性
  • 一級建築士の人数は増加傾向にあり、設備設計一級建築士、構造設計一級建築士の人数も年々増加している。

建築士、とりわけ一級建築士になるハードルは低くはありませんが、一級建築士は平均年収も高く、キャリアによっては後世に語り継がれるような建築物の設計に携われる可能性もあります。

建築業界でのキャリアアップを目指す方はぜひ一級建築士の受験を検討してみてください。