建築士の平均年収を経験・男女別に紹介!年収アップが狙える方法4選

建築士の年収は一級建築士や二級建築士など資格ごとに異なり、資格の難易度が高いほど年収も高くなる傾向があります。

このページでは、建築士の資格別の年収や女性建築士の年収、年収をアップさせ
る方法についてまとめました。

建築士になったらどのぐらいの年収が見込めるのか、気になる方は参考にしてください。


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建築士の平均年収|資格の種類別

建築士の年収は、資格の種類によって差があります。具体的には、資格の難易度が高くなるほど年収も高くなる傾向があります。ここでは企業に勤める一級建築士や二級建築士、木造建築士の平均年収をご紹介します。


一級建築士

一級建築士の年収

一級建築士の平均年収は厚生労働省の「賃金構造基本統計調査(2019年)」によると、平均年収は703万円です。※

また、令和元年分民間給与実態統計調査によると給与所得者の平均給与は436万円です。したがって国内の平均給与と比較すると、一級建築士の年収は高いことがわかります。

※上記の年収は、賃金構造基本統計調査による、きまって支給する現金給与額×12か月分+年間賞与その他特別給与額で算出した額を表示


二級建築士

二級建築士は公的なデータがないものの、一般的に年収500万円前後が多いようです。実際に、二級建築士などの採用を前提とした求人サイト(中途採用)の年収例では500万円台が目立ちます。

二級建築士の年収は一級建築士と比べると低いですが、それでも労働者全体の平均年収の約367万円を約130万円も上回っています。ただし、一級建築士と同様に職種や会社の規模によって年収は変動します。中小企業の場合、工事監理だけでなく営業や企画も兼任した方が年収は高まる傾向にあるのではないでしょうか。


木造建築士

木造建築士の平均年収は、350〜400万円前後です。木造建築士の資格は大工を職種とする場合に取得することが多く、その年収を参考に推定金額は計算されています。もし建築士の人が年収アップを狙うなら、より難易度の高い資格にチャレンジするのが近道です。


建築士の経験や年齢と年収の関係

ここまでご紹介してきた建築士の年収は、あくまでも建築士全体の平均値です。実際の年収は、その人の属性によって変わってきます。次は、建築士の初任給や年齢による年収の推移、経験による年収の推移」について説明していきます。


建築士の初任給

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査(2019年)」によると、 20〜24歳(経験年数0年目)の一級建築士の初任給〜11カ月までの月給は、31万8,900円です。

一方で同調査によると、労働者全体の初任給は平均21万2,000円です。つまり、入社1年目の一級建築士の月給は、初任給の平均よりも約10万円も高いことになります。

一級建築士の初任給(11カ月までの月額給与)を年収に換算すると、約383万円になります。なお、先述の一級建築士の年収は「月額給料×12カ月」で計算したものです。実際には入社1年目の一級建築士でも、賞与がもらえるケースもあると考えられるため、実際の年収はさらに高いと考えられます。


年齢による年収の推移

一級建築士の年齢別平均年収

※グラフの年収は賃金構造基本統計調査による、きまって支給する現金給与額×12カ月分+年間賞与その他特別給与額で算出した額を表示

一級建築士の年齢別平均年収のグラフを見ると、20代で経験を積み、30代以降は700万円超えの高い年収をキープし続けていることが分かります。

60歳を超えると年収は下降し始めますが、一般的に定年を迎える方が多いためと考えられます。一級建築士のうち、所属建築士として登録されている方(一級建築士として仕事をしている方)は約14万人です。

国土交通省の「建築行政に係る最近の動向」によると、そのなかでも60歳以上が占める割合は1/3以上。ピークに比べると給与は下がってしまうことが多いようですが、定年退職後も安定して続けられる職業といえます。


経験による年収の推移

経験年数による年収の推移

一級建築士の年収は入社時~4年目まではほぼ横ばいで、5年目以降に給料が上がり始め、10年のベテランとなると大きな伸びを見せます。15年以上の数値が下降気味となっているのは60歳以上の方が多く含まれており、定年後は給与が下降傾向にあるため、平均として下がってしまうと想定されます。

着実に経験を重ね、それに見合った昇給をされている方が多いのではないでしょうか。


女性建築士の年収と現状

建築士の男女別年収

同じ一級建築士でも男女別の平均年収を比べると、女性の方が低い傾向があります。一級建築士の平均年収は、男性が718万円、女性が608万円です。両者には110万円の差があります。

ちなみに、一級建築士の学科試験の合格者の男女比は、7:3です。現時点で一級建築士は、女性の割合が少ない職種といえます。


他業種に比べると男女差は少ない

建築士は男女問わず、実力と実績のある人が評価される仕事です。一級建築士の年収の男女差を比較すると女性の方が低い傾向にはありますが、だからといって女性に不利な職種というわけではありません。

民間給与実態統計調査結果(2019年)によると全職種の給与所得者の平均年収は、男性が 540万円、女性が296万円です。一般的な男女の年収差と比較すると、一級建築士の男女の年収差は少ない傾向があります。

女性は男性よりも建築士の数が少ない分、女性ならではの視点を活かして活躍できるため、今後も女性建築士の需要は高まっていくでしょう。


女性が建築士として活躍するポイント

一級建築士を含む建築士は、女性ならではの感性や主婦目線を発揮しやすい職種です。

たとえば、 美容室や美容クリニックのような女性向けの店舗では、女性ならではの感性を活かして設計を提案できます。

また、主婦目線が建築士の強みになることもあります。とくに住宅の水まわりの設計は、主婦だからこその提案ができるのではないでしょうか。また、保育園などの設計では子育て経験が活かされそうです。

建築士というと、図面の作成や工事監理をする職種というイメージが強いかもしれません。しかし、実際にはお客様とのコミュニケーションがとても大切な仕事です。女性ならではのコミュニケーション能力を発揮することで、お客様の満足度を高めやすいと考えられます。


建築士の年収をアップさせる2つの方法

建築士の平均年収は、一般労働者の平均年収よりも多い傾向があります。方法次第では、さらなる年収アップが可能です。それぞれの中身を確認してみましょう。

大手企業に転職する

企業規模別の建築士年収

一級建築士の平均年収は、企業規模が大きくなるほど高くなる傾向があります。

企業規模 一級建築士の平均年収
10人以上 577万円
100〜999人 747万円
1000人以上 900万円


以上から、はじめに中小企業や設計事務所などで建築士として経験を積み、中堅企業や大企業に転職することで年収を増やすというキャリアプランが考えられます。さらに、建築士は経験や年齢を重ねると年収が増える傾向がありました。したがって、大企業への転職後も年収アップが期待できます。


昇給・昇格する

建築士は昇格による昇給が見込めます。もし建築士の有資格者が少ない職場の場合、昇給・昇格はほぼ既定路線です。着実に昇給・昇格していけば、建築士の平均年収を上回る高年収を得られる可能性もあります。

ただし、成果を出して昇給・昇格を狙うなら、社員の能力を適正に評価してくれる会社に勤めることが前提になります。そのため、就職活動の際には、求人企業の社員評価の仕組みをチェックすることも重要です。


建築士で年収1,000万円以上を目指す方法

もともと高年収の傾向がある建築士は、やり方次第で年収1,000万円以上を狙うことも可能です。 具体的な方法としてはスーパーゼネコンへの入社や建築士としての独立開業などが考えられます。


スーパーゼネコンでいい成績を残す

建築士の収入は企業規模の大きさに比例して、年収が高くなるのが特徴です。なかでもスーパーゼネコンと呼ばれる売上高1兆円規模の建設会社は、平均年収が1,000万円前後と高い傾向があります。

したがって、平均年収の高いスーパーゼネコンに就職して、建築士としてキャアリアアップしていけば年収1,000万円も期待できるでしょう。


独立開業してフリーランスになる

ゼネコンやハウスメーカー、設計事務所などで経験を積んだ後、フリーランスの建築士として独立開業することで、年収1,000万円以上を狙うことも可能です。

ただし、やみくもに設計士として独立開業するだけでは、年収アップは見込めません。年収1,000万円以上を達成するには、得意分野を確立したり、優良顧客を開拓したりすることが条件となります。

もちろん独立には向き不向きがあるので、年収1,000万円以上に到達するのは、うまくいった場合です。人当たりが良くて営業スキルがあると、建築士として独立した後もうまくいく可能性が高いでしょう。


起業すれば年収2,000万円〜3,000万円も実現可能

会社員の建築士で年収2,000万円以上を狙うのは、かなり難易度が高めです。なぜなら、国税庁の「民間給与実態統計調査結果(2019年)」によると、給与所得者で年収2,000万円を超える割合はわずか0.5%しかいないからです。一般の会社員で年収2,000万円以上の人は、ほぼいないと考えてよいでしょう。

一方、建築士として独立開業し、さらにその規模を順調に拡大することで年収2,000万円を達成できる可能性があります。その際にポイントとなるのは次の事柄です。

  • 得意分野を確立する
  • 上記によって業務を効率化する
  • 新規の取引先や案件を積極的に開拓する
  • 売上規模に合わせて適正に従業員数を増やしていく

上記のサイクルがうまく回れば、代表者の年収を2,000万円以上にすることができるでしょう。


まとめ

ここでは、建築士の資格別の年収や年収をアップさせる方法などを紹介しました。

  • 建築士の平均年収は資格の難易度が高いほど高額な傾向がある
  • 建築士の初任給は一般的な労働者よりも高い傾向がある
  • 建築士の年収は、年齢や経験を重ねることで高くなっていく
  • 他業種に比べると建築士の年収は男女差が少ない
  • 年収1,000万円以上を狙える職業である

建築士は一般の労働者よりも高年収の傾向があり、さらに建築士になった後も年収アップが見込めます。そのためにもまずは建築士の資格取得を目指しましょう。忙しい日々の合間をぬって学習を進めていきたい方は、「スタディング 建築士講座」をチェックしてくださいね。

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