建築士試験の合格に必要な勉強時間は、人それぞれです。全くの初学者を想定するのか、実務経験を積んだ方を想定するのかによっても大きく変わるはずです。しかし、ある程度勉強時間の目安があったほうがモチベーションを維持できるという方も多いでしょう。以下では、1級建築士と2級建築士双方について、必要な勉強時間の目安をご紹介します。
1級建築士は、建築士試験のなかでもっとも難易度の高い試験です。合格率の平均は12%ほどで、毎年9割近くの受験者が不合格となっています。そのため、ほかの試験と比べても勉強時間を多く確保する必要があります。
勉強時間の目安は、初学者の場合1000~1500時間といわれています。1年間の学習で試験に臨む場合、最低でも毎日3時間の勉強が必要です。
一方、実務経験者やある程度知識を備えた方でも、700時間~1000時間は確保しなければなりません。とくに、学科試験は科目数も多いため、必然的に学習に時間を割かなければならないでしょう。
2級建築士は、1級建築士と比べると難易度は落ちるものの、合格率は20%~25%と決して簡単な試験ではありません。
勉強時間の目安は、初学者の場合700時間程度必要になります。より効率的に学習することで短縮できますが、700時間を目標にするとよいでしょう。
経験者の場合、500時間ほどの学習で合格する方もいます。今までの知識に加えて、足りない部分を参考書や過去問で補うことが求められます。
難易度の高い建築士試験でも、正しい手順や方法で学習すれば独学で合格可能です。以下では、独学で合格するための学習方法をご紹介します。
まず、試験日から逆算してどの段階でどこまでの学習を完了させるか、長期的なスケジュールを立てましょう。1級建築士の学科試験は例年7月の第4日曜日に行われます。それを踏まえて、「半年で学科の科目を一通り学習する」と決めた場合、目標を達成するために1か月で何をしなければならないのか、1週間で何をしなければならないのか、1日で何をしなければならないのか、とすべきことを細分化します。
こうすることで、今取り組まなければならないことに迷うことなく学習を進められます。
難易度の高い試験に臨む時、参考書や過去問を1度解いた後に別のものに手を付ける方がいます。しかし、それはあまりおすすめできません。
とくに建築士のような難易度の高い試験は、1度問題を解いただけで「その問題が問いたかったこと」「受験者に求める点」などは理解できません。何度も繰り返し解き、解説を読み込むことで徐々に納得できるはずです。
参考書を何冊も購入するのではなく、同じものを何周もすることを意識してください。
独学での建築士試験合格に欠かせないのが、参考書や問題集などです。以下では、初学者と経験者に分けて、参考書や問題集の選び方をご紹介します。
初学者の場合、まずは建築分野の用語や問題に慣れる必要があります。そのため、参考書や問題集は、なるべく薄くて持ち歩きやすいものを選択しましょう。
薄い本は繰り返し読むのに適しているので、1周だけでなく最低でも5周ほどを目標に読み込みましょう。持ち歩きやすい本を選ぶことで、自宅だけでなく外出中のちょっとした空き時間に勉強が可能になります。
建築用語や問題の傾向がつかめたら、より本格的な参考書や問題集に手を付けていきましょう。
経験者の場合、初学者とは異なりはじめから本格的なものを選びます。その際に、図・表・絵が多く使われているテキストを選ぶのがおすすめです。
建築分野の学習は、立体的に物事を捉えなければいけない場面が多く、文字だけだと理解できないことも少なくありません。絵や図でイメージしやすいように工夫されている参考書は、受験者のことを考えて作られているといえます。
建築士試験は、過去問や参考書を徹底的に活用することで、独学でも合格可能です。ただ、闇雲に学習するのではなく、スケジュールを決めて効率的に学習することも大切です。今回紹介した勉強時間を目安にして計画を立ててみてください。
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