法令集とは?
建築士試験では、学科の試験の法規の科目(1級建築士においては学科Ⅲ法規、2級建築士においては学科Ⅱ建築法規)を解答する際に限り、法令集の使用が許可されています。法規の科目は建築基準法と建築関連のその他の法律から出題されますが、いずれも法令集に規定されている内容に照らし合わせて答えを導き出します。そのため、本試験ではこの法令集が必須ということです。
使用が認められる法令集とは?
本試験に欠かせない法令集ですが、無条件に持ち込みが許可されているわけではありません。
使用が認められる条件は2つあり、その両方を満たしている必要があります。
- 条文等の順序の入替及び関連条文等の挿入を行っていないこと(条文等の省略は認められる)。
- 次に掲げる簡単な書込み及び印刷以外に解説等を付していないこと。
・目次、見出し及び関連法令・条文等の指示(法令、章、節、条等の名称、番号及び掲載ページを限度とする)
・改正年月日
・アンダーライン(二重線、囲み枠含む)
・○、△、×の記号
▶1の条件に違反する例
条文と条文の間に関連した別の条文を挿入したり、関連の別表を挿入したりすることは認められていません。また、脚注の条文にある計算式を関連した別の条文の近くに挿入するということも認められていません。
こういった順番の入れ替えや、関連条文の挿入が行われていると、本来正しい手順であれば引かなければいけなかった条文を飛ばして解答できてしまう可能性があるからです。
建築士試験の受験用ではない法令集では、使い勝手の良さから上記のような修正を施している場合もあります。試験元である公益財団法人建築技術教育普及センターのHPでは、試験に対応した法令集を参考として示していますので、ご自身の法令集やこれから購入しようと思っている法令集が対応しているものかを確認するようにしましょう。
▶2の条件に違反する例
持ち込み可能な法令集には「目次、見出し及び関連法令・条文等の指示(法令、章、節、条等の名称、番号及び掲載ページを限度とする)「改正年月日「アンダーライン(二重線、囲み枠含む)」「○、△、×の記号」に限り書き込みが許可されています。受験生は、この許可された範囲内であれば、条文を引いたり、読み解いたりしやすいよう法令集に書き込むことができます。
しかし、それ以外の書き込みをしてしまったものは、たとえ、1の条件を満たしていたとしても、使用は許可されません。
例えば、図表によって解説を付与するような書き込みや、凡例や文字を使って別の条文を引く過程を省けるような「早見表」を作成したりするとこれに該当します。今あげた例以外にも、条件の2に示されたもの以外を書き込んでしまうと、使用が認められない場合もあるため、必ず許可された範囲の書き込みに留めるように気を付けて下さい。
認められない書き込みをしたらどうなる?
1級建築士は、学科Ⅲ法規の開始前、2級建築士は学科Ⅰ(建築計画)及び学科Ⅱ(建築法規)の開始前に法令集チェックの時間が設けられています。試験監督が受講生の法令集をチェックするための時間です。この時、万が一認められない書き込みであった場合は、法令集を没収されたり、該当の書き込みを削除するように求められたりします。
また、紛らわしい書き込みがあった場合は、試験中であっても法令集を預かられ、判断結果が出るまでの間、法令集が使用できないという場合もありますので、十分にご注意下さい。
まとめ
詳しくは、公益財団法人 建築技術教育普及センターのホームページで確認できる受験要領の、「試験当日の携行品」の項目に使用が認められる法令集についての詳細へのリンクが張られています。
▼公益財団法人建築技術教育普及センター
http://www.jaeic.or.jp/index.html
使用が認められる条件の他に、注意事項、認められる書込み等の例、認められない書込み等の例などが掲載されていますので、ご確認ください。使用している法令集が建築士試験に対応した「持込みが認められている法令集」であることと、ご自身の書き込みが「持込みが認められる書き込み」であることをご確認いただき、安心して学習に臨んでいただければと思います。