プラチナNISA制度で毎月分配型投資信託が可能に!現行制度との違いを解説

プラチナNISA制度で毎月分配型投資信託が可能に!現行制度との違いを解説

2026年度の税制改正において、プラチナNISAの導入が検討されています。今回の記事では、現時点でのプラチナNISAの詳細や、従来のNISAとの違いなどについてまとめてみました。


松本 敏郎
スタディング外務員講座 主任講師

大手予備校にて15年間、日商簿記検定、税理士簿記論などの講師として多くの受験生を指導。その後、研修講師として大手予備校の教材作成を行うとともに、大学や商工会議所などを中心に日商簿記検定や一種外務員の受験対策講座を開講している。資格試験の指導一筋で、これまで25年以上絶えることなく受験指導を行っている。

一種外務員、日商簿記検定1級、ビジネス会計準1級、ビジネス・マネジャー、メンタルヘルス・マネジメントⅠ種、銀行業務検定財務2級、銀行業務検定法務3級
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現在のNISAについて

NISAとは、少額投資非課税制度のことで、証券会社等で開設したNISA口座内の上場株式や株式投資信託などに係る配当等や譲渡益が非課税となる制度です。

現在のNISAは、2024(令和6)年1月に新しくなったもので、18歳以上の居住者等を対象としており、「成長投資枠」と「つみたて投資枠」が設けられています。両者の併用は可能ですが、別々の金融機関で利用することはできません。なお、NISA口座は同一年において1人1口座に限られます。

NISAの年間投資上限額・非課税保有額

NISA口座では、年間に投資できる上限額が定められており、「成長投資枠」で240万円、「つみたて投資枠」で120万円となっています。この年間投資枠の他に、1,800万円(うち成長投資枠1,200万円)の非課税保有限度額が設定されており、これを超過して投資することはできません。

非課税保有額は、NISA口座で保有する金融商品を売却することで減少し、減少した分は、翌年以降、年間投資枠の範囲内で新たに投資することができます。なお、非課税保有期間は無制限とされています。

つみたて投資枠と成長投資枠の金融商品の違い

「つみたて投資枠」は、家計の安定的な資産形成の支援という制度の趣旨から、その対象となる金融商品は、低コストで長期・積立・分散投資を行うのに適した公募・上場株式投資信託となっており、「成長投資枠」は、成長資金の供給という制度の趣旨から、その対象となる金融商品は、上場株式・公募株式投資信託等となっています(高レバレッジおよび毎月分配型の投資信託等は除外)。

プラチナNISAの導入

2026年から新たに導入が予定されている「プラチナNISA」は、高齢者を対象とした新しいNISAです。

プラチナNISAでは、これまでNISAの対象外だった「毎月分配型投資信託」への投資を可能とすることが検討されています。「毎月分配型投資信託」とは、毎月決算を行い、運用で得た収益の一部を投資家に毎月支払う投資信託のことです。

「毎月分配型投資信託」は、分配金が支払われると、その分運用に回せる元手が減るため、投資効率が悪くなる可能性があることや、元本の取り崩しによって分配がなされることもあるため、NISAの目的の1つである「家計の安定的な資産形成の支援」に反する一面をもっています。

しかし、高齢者の場合、「長期の安定的な資産形成」よりも年金にプラスした安定的な現金収入が得られることの方が大切であるという面があります。そのようなニーズに応えるために導入が予定されているのが、プラチナNISAです。

プラチナNISAのメリット・デメリット

プラチナNISAでは、従来のNISAと異なり、「毎月分配型投資信託」への投資が可能になる予定ですので、プラチナNISAのメリット・デメリットは、「毎月分配型投資信託」のメリット・デメリットとほぼ同じと考えることができます。

メリットしては、「毎月分配型投資信託」は、運用資産から定期的に収入が得られるため、その収入を生活費などに充当することができることと、運用実績が毎月の収入という目に見える形で現れることで、運用状況を実感しやすいことが挙げられます。

デメリットとしては、運用益が分配金として払出されることにより、複利効果が得られにくいことや一般的に手数料が高めに設定されている商品が多いということが挙げられますので、長期に渡って資産を大きく育てたい場合に不利になると考えられます。

まとめ:プラチナNISAは「毎月分配型投資信託」関連の情報に注目

「プラチナ NISA」は、高齢者が物価上昇の下でも、投資のメリットを受けつつ、生涯にわたって計画的に運用資産を活用して生活に充てることができることを目的としているため、投資対象商品の中に「毎月分配型投資信託」が含まれる予定になっています。

「毎月分配型投資信託」の販売手数料は、上限を設けることなどが検討されているようですが、まだ、制度を確立していくうえでは、検討しなければならないことが多くあるようです。

ただ、2026年度に「プラチナ NISA」が導入された場合には、外務員試験にも影響が出ることになりますので、今後の動向に注視していきたいと思います。

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