技術士の衛生工学部門とは？合格のメリットや難易度、対策方法を解説

技術士試験は21の部門に分かれており、その1つが衛生工学部門です。

本記事では、技術士衛生工学部門に合格するメリットやその難易度、対策方法について解説します。

衛生工学部門での受験を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

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技術士の試験制度
技術士の衛生工学部門について解説
技術士の衛生工学部門に合格するには？
まとめ

技術士の試験制度

まずは技術士の試験制度について押さえておきましょう。

技術士試験は一次試験と二次試験で構成されており、以下のようなステップで登録申請まで進めます。

技術士一次試験に合格する（または合格同等と認められた教育課程を修了する）
一定の実務経験を積む
技術士二次試験の筆記試験に合格する
技術士二次試験の口頭試験に合格する
技術士の登録申請を行う

そして、各試験は以下21の部門に分かれています。

衛生工学部門はこのうちの1つの部門です。

機械部門
船舶・海洋部門
航空・宇宙部門
電気電子部門
化学部門
繊維部門
金属部門
資源工学部門
建設部門
上下水道部門
衛生工学部門
農業部門
森林部門
水産部門
経営工学部門
情報工学部門
応用理学部門
生物工学部門
環境部門
原子力・放射線部門
総合技術監理部門（二次試験のみ）

試験では選択した部門に沿った内容が出題されるため、それぞれ異なる対策が必要です。

関連記事：技術士試験の試験制度について

技術士の衛生工学部門について解説

ここからは、衛生工学部門について概要や資格の取得メリット、出題内容、難易度、合格率、受験資格などを詳しく見ていきましょう。

衛生工学部門とは？どんな仕事をする？

衛生工学部門の技術士は、その名の通り施設などにおける「衛生」の管理を担います。

例えば、水処理施設における水の衛生管理や排水処理システムを扱う会社での技術者としての業務などが挙げられます。

水質の改善・管理を目的として試験や分析をしたり、廃棄物や資源に関する調査・処理などを行ったりします。

衛生工学部門の技術士になるメリット

衛生工学部門の技術士になれば、衛生に関する領域の専門家としての評価が高まるでしょう。

専門知識・実務経験を有する技術者として、客観的に評価できる資格があれば、社内でのステップアップはもちろん、転職の際にも有利に働くはずです。

また、企業で経験を積んだあと、技術コンサルタントとして独立する技術士も少なくありません。

外部からの信頼を得る一つの手段として、技術士という資格は大いに役立つでしょう。

一次試験・二次試験の出題内容

一次試験は基礎科目・適性科目・専門科目の3つで構成されており、このうち衛生工学部門特有の問題が出るのは「専門科目」です。

衛生工学部門の専門科目では、出題範囲として「大気管理／水質管理／環境衛生工学（廃棄物管理を含む。）／建築衛生工学（空気調和施設及び建築環境施設を含む。）」が設定されています。

また、二次試験は必須科目・選択科目1・選択科目2の3つで構成されており、2つの選択科目で衛生工学部門特有の問題が出題されます。

具体的には、以下3つの科目が規定されています。

水質管理
廃棄物・資源循環
建築物環境衛生管理

各科目の内容を把握したうえで、必要な対策を進めていきましょう。

難易度・合格率

ここでは、衛生工学部門の一次試験・二次試験の合格率を見ていきましょう。

＜衛生工学部門一次試験＞

年度	受験者数	合格者数	合格率
令和5（2023）	314	149	47.5％
令和4（2022）	296	150	50.7％
令和3（2021）	302	107	35.4％
令和2（2020）	256	120	46.9％
令和元（2019）	144	64	44.4％

参考：技術士第一次試験　統計情報

一次試験全体の合格率は40％程度で推移しており、衛生工学部門の合格率もおおむねその通りとなっています。

技術士一次試験の制度や受験資格、日程、合格率などをまとめて解…

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＜衛生工学部門二次試験＞

年度	受験者数	合格者数	合格率
令和5（2023）	443	62	14.0％
令和4（2022）	465	54	11.6％
令和3（2021）	499	51	10.2％
令和2（2020）	420	32	7.6％
令和元（2019）	558	45	8.1％

参考：技術士第二次試験　統計情報

二次試験についても、全体の合格率が11％程度で推移していることから衛生工学部門の合格率は平均的であるといえます。

二次試験を突破するためには、論文対策を中心にしっかりと準備を進めていく必要があります。

技術士第二次試験の難易度と合格率は？

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受験資格

技術士の一次試験はいずれの部門も受験資格が設定されておらず、誰でも受験可能です。

しかし、二次試験を受けるには、「技術士補となる資格を取得すること」「一定の実務経験があること」の2点を満たす必要があります。

技術士補となる資格を取得するには、技術士一次試験に合格するか、指定された教育課程を修了します。

指定された教育課程とは、文部科学大臣が技術士第一次試験の合格と同等だと指定した大学や専門学校の教育過程です。

実務経験の要件は総合技術監理部門とそれ以外で異なり、衛生工学部門の場合は以下3つのいずれかを満たす必要があります。

実務の内容	必要な期間
技術士補に登録して技術士の補助を行う	4年を超える期間
監督者の下で科学技術に関する実務経験を積む（※技術士補の資格取得日から算入）	4年を超える期間
科学技術に関する実務経験を積む（※技術士補の資格取得日以前の経験も算入可能）	7年を超える期間

※1つ目と2つ目の期間は合算が可能

※実務経験には大学院修士・博士課程の研究経歴を理科系統に限り算入でき、最大2年まで実務期間を短縮可能

現時点で自身がどの程度要件を満たしているか把握したうえで、合格までのスケジュールを立てましょう。