技術士の受験に学歴は必要?合格者の学歴や高卒でも技術士になれるのかを解説

技術士の受験資格は一次と二次で異なります。

本記事では、技術士になるには学歴が必要なのか、学歴によって合格率は異なるのか、高卒でも技術士になれるのかなど、まとめて解説します。

技術士の受験を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

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技術士の受験に学歴は必要ない

技術士試験の受験にあたって、基本的に学歴は必要ありません。

以下、技術士の一次試験・二次試験の受験資格についてそれぞれ解説します。

一次試験の受験資格

技術士試験には一次試験と二次試験があり、技術士になるには両方に合格する必要があります。

一次試験に特別な受験資格などはありません。

申し込みさえすれば年齢や学歴、業務経験などに関係なく誰でも受験できます。

また一次試験に合格すると、技術士補としての登録が可能となります。

二次試験の受験資格

しかし、二次試験を受けるには、「技術士補となる資格を取得すること」「一定の実務経験があること」の2点を満たす必要があります。

技術士補となる資格を取得するには、技術士一次試験に合格するか、指定された教育課程を修了します。

指定された教育課程とは、文部科学大臣が技術士第一次試験の合格と同等だと指定した大学や専門学校の教育過程です。

実務経験の要件は総合技術監理部門とそれ以外で異なり、森林部門の場合は以下3つのいずれかを満たす必要があります。

実務の内容必要な期間
技術士補に登録して技術士の補助を行う4年を超える期間
監督者の下で科学技術に関する実務経験を積む(※技術士補の資格取得日から算入)4年を超える期間
科学技術に関する実務経験を積む(※技術士補の資格取得日以前の経験も算入可能)7年を超える期間

※1つ目と2つ目の期間は合算が可能

※実務経験には大学院修士・博士課程の研究経歴を理科系統に限り算入でき、最大2年まで実務期間を短縮可能

大学院修士・博士課程の研究経歴を理科系統に限り算入できるという点から、該当する経歴がある方は受験資格を満たすうえで有利になるという見方もできるでしょう。

しかし、特定の学歴があるからといって受験で有利になったり、試験が免除されたりすることはありません。

学歴のことは気にせず、合格に向けて必要な対策を続けていくことが大切です。

技術士試験合格者の学歴は?

ここからは、技術士試験合格者の学歴について解説します。

技術士試験の受験を検討している人や、合格者の情報が気になっている人はぜひ参考にしてください。

一次試験合格者の最終学歴

令和6年度(2024年度)の技術士試験一次試験における受験者・合格者の最終学歴と合格率は、以下の表の通りです。

これを見ると合格者数が一番多い学歴は大学卒、合格率が一番高い学歴は大学院卒となっています。

しかし、その他の最終学歴でも一定数合格者がいることがわかります。

最終学歴大学院大学新旧高専短大その他在学中
受験者数3,470人6,600人760人234人2,782人2,820人
合格者数1,849人2,264人264人45人533人1,278人
合格率53.3%34.3%34.7%19.2%19.2%45.3%

二次試験合格者の最終学歴

令和6年度(2024年度)の技術士試験二次試験における受験者・合格者の最終学歴と合格率は、以下の表の通りです。

これを見ると、合格者数・合格率ともに一番多い学歴は大学院卒となっています。

それでも、大学院を卒業していなければ合格できない試験というわけではありません。

大学はもちろん、高専や短大の出身者、その他の学歴の方でも一定数は合格しています。

最終学歴大学院大学新旧高専短大その他
受験者数9,514人10,866人893人246人1,524人
合格者数1,254人954人79人13人95人
合格率13.2%8.8%8.8%5.3%6.2%

高卒でも技術士になれる?

結論から言うと、高卒でも技術士になることは可能です。

技術士試験の一次試験は学歴に関係なく誰でも受験できるため、まずはこの一次試験に合格することが最初のステップとなります。

その後、二次試験を受験するには一定の実務経験が必要です。

前述の受験資格を満たせるよう、実務経験を積んでいきましょう。

受験資格を得たら、二次試験の勉強を開始します。

二次試験は専門的な知識力だけでなく、文章表現力やエンジニアとしての視点・見識も試される難易度の高い試験です。

一次試験よりも合格率が低いため、効率的な学習計画と実務経験を活かした勉強が必要になります。

技術士試験に合格するには?

技術士試験は一次試験に比べて二次試験の合格率が低いため、受験においては二次対策が非常に重要です。

二次試験合格に必要な力は、専門知識が40%、答案に書き込む文章表現力が30%、専門的なエンジニアとしての視点・見識が30%だと言えます。

「技術士試験の半分は国語の試験だ」と言う人もいるくらい、技術士試験ではわかりやすい文章を書く力が求められます。

繰り返し問題を解く練習をして、合格できるレベルの文章力を身につけましょう。

またエンジニアとしての視点・見識を身につけるには、自分が何の専門家であるかを意識する必要があります。

例えば森林部門の試験で「カリウム」について解説する場合、物理や化学の視点から解説してはいけません。

森林部門なら、あくまで「森林においてカリウムはどのような存在か」という視点が必要となります。

このように、必ず専門領域からの視点・見識を意識した回答を目指しましょう。

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まとめ

今回は技術士試験に学歴が必要かどうかについて解説しました。

  • 技術士試験の一次試験は学歴に関係なく誰でも受験可能
  • 二次試験を受験するには一次試験の合格もしくは規定の学歴と実務経験が必要
  • 一次試験の合格者数が一番多い学歴は大学卒、合格率が一番高い学歴は大学院卒
  • 二次試験は合格者数・合格率ともに大学院卒が一番多い
  • それでも、その他の学歴での合格者も一定数存在する
  • 高卒でも一次試験合格後に実務経験を積み二次試験に合格すれば技術士になれる

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