令和7年度(2025年度)技術士二次試験は、令和7年(2025年)7月20日(日)・21日(月・祝)に実施されます。
受験申込スケジュールや試験スケジュールを解説します。
技術士二次試験の概要
技術士二次試験の概要を、以下のポイントで見ていきましょう。
- 受験資格
- 試験内容
- 合格基準と合格率
受験資格
二次試験の受験資格要件は、「技術士補となる資格を取得すること」「一定の実務経験があること」の2つです。
技術士補となる資格を取得するには、技術士一次試験に合格するか、指定された教育課程を修了する必要があります。
指定された教育課程とは、文部科学大臣が技術士第一次試験の合格と同等だと指定した大学や専門学校の教育過程です。
そして、実務経験の要件を満たすには、定められた以下3つの経路のいずれかで実務経験を積まなければいけません。
必要な期間は、受験する技術部門が「総合技術監理部門」かそれ以外の「20部門」かで異なります。
実務内容 | 20部門の受験者 | 総合技術監理部門の受験者 |
【経路1】 技術士補に登録して技術士の補助を行う | 4年を超える期間 | 7年を超える期間 |
【経路2】 監督者の下で科学技術に関する実務経験を積む (※技術士補の資格取得日から算入) | 4年を超える期間 | 7年を超える期間 |
【経路3】 科学技術に関する実務経験を積む (※技術士補の資格取得日以前の経験も算入可能) | 7年を超える期間 | 10年を超える期間 (※二次試験合格者は7年を超える期間) |
経路1と2の期間は、合算が可能です。
また、いずれの経路においても実務経験には大学院修士・博士課程の研究経歴を理科系統に限り算入でき、最大2年まで実務期間を短縮できます。
試験内容
二次試験では技術士に必要な専門知識や応用能力が問われ、「筆記試験」「口頭試験」の2つで総合的な能力が判定されます。
口頭試験は筆記試験合格者のみが受けられ、例年の二次試験のスケジュールは以下のとおりです。
受験申込書の配布開始 | 3月下旬 |
受験申込書の受付 | 4月初旬~4月中旬 |
筆記試験 | 7月中旬 |
筆記試験合格発表 | 10月下旬 |
口頭試験(筆記試験合格者のみ) | 12月上旬~翌年1月 |
合格発表 | 翌年3月上旬 |
以下、「筆記試験」「口頭試験」の内容をそれぞれ詳しく見ていきましょう。
筆記試験
二次試験の筆記試験は、必須科目と選択科目で構成されています。
内容は「総合技術監理部門」を選択した場合と、総合技術監理部門以外の「20部門」を選択した場合で異なり、次のような内容が出題されます。
20部門
試験科目 | 必須科目 | 選択科目1 | 選択科目2 |
形式 | 記述式:600字×3枚 | 記述式:600字×3枚 | 記述式:600字×3枚 |
内容(問われるスキル) | 技術部門全般の専門知識・応用能力・問題解決能力と課題遂行能力 | 技術部門に設定された「選択科目」の専門知識と応用能力 | 技術部門に設定された「選択科目」の問題解決能力と課題遂行能力 |
配点 | 40点 | 30点 | 30点 |
時間 | 2時間 | 3時間30分 |
20部門の筆記試験内容は、選択した技術部門に関することが主軸で、答案は600字の答案用紙3枚分の論文で作成します。
総合技術監理部門
試験科目 | 必須科目 | 選択科目 |
形式 | 択一式:40問記述式:600字×5枚 | 20部門の筆記試験と同じ内容であり、20部門のいずれかを選択して「必須科目」「選択科目1」「選択科目2」を受験する |
内容(問われるスキル) | 総合技術監理部門に関する課題解決能力と応用能力 | |
配点 | 択一式:50点記述式:50点 | |
時間 | 択一式:2時間記述式:3時間30分 |
総合技術監理部門の筆記試験が20部門と異なる点は、必須科目に択一式試験が含まれている点です。
選択科目は20部門の筆記試験と同じ内容ですが、免除制度があります。
すでに総合技術監理部門以外のいずれかの二次試験に合格している方は、合格済みの技術部門を選んで受験する場合に限り、選択科目の免除を受けられます。
口頭試験
技術士二次試験の口頭試験は、技術士としての適格性が問われる試験で、筆記試験の合格者のみが受験可能です。
業務経歴や筆記試験の答案を踏まえた内容で、試問に対して簡潔明瞭に答えることが大切です。
試験内容は「総合技術監理部門」か、それ以外の「20部門」を選択するかで異なり、次のような内容が口頭で試問されます。
20部門
試問内容と配点 | 【実務能力】 ・コミュニケーション、リーダーシップ(30点) ・評価、マネジメント(30点) | 【適格性】 ・技術者倫理(20点) ・継続研さん(20点) |
時間 | 20分(10分程度延長の場合もあり) |
総合技術監理部門
対応科目 | 筆記試験の「必須科目」に対応 | 筆記試験の「選択科目」に対応 | |
試問内容と配点 | 【総合技術監理部門の技術士として必要な専門知識と応用能力】・経歴と応用能力(60点)・体系的専門知識(40点) | 20部門の口頭試験と同じ内容 | |
時間 | 20分(10分程度延長の場合もあり) |
総合技術監理部門では「総合技術監理部門の技術士として必要な専門知識と応用能力」の試問に加え、20部門に対応する口頭試験も受けなければいけません。
ただし、口頭試験においても総合技術監理部門の試験には一部免除制度があり、すでに総合技術監理部門以外のいずれかの二次試験に合格している方は、合格した技術部門の選択科目に対応する口頭試験が免除されます。
合格基準と合格率
技術士二次試験の合格基準は、筆記試験・口頭試験でそれぞれ定められています。
筆記試験はすべての科目で配点の60%以上の得点、口頭試験は各項目において配点の60%以上の得点を獲得すれば合格です。
二次試験の合格率は12%弱となっており、近年では以下のように推移しています。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2024(令和6) | 23,043 | 2,395 | 10.4% |
2023(令和5) | 22,877 | 2,690 | 11.8% |
2022(令和4) | 22,489 | 2,632 | 11.7% |
2021(令和3) | 22,903 | 2,659 | 11.6% |
2020(令和2) | 20,365 | 2,423 | 11.9% |
2019(令和1) | 24,326 | 2,819 | 11.6% |
参考:技術士第二次試験 統計情報|公益社団法人 日本技術士会
令和7年度(2025年度)技術士二次試験の主な日程・会場
ここからは、令和6年度(2024年度)技術士二次試験について日程や会場をご紹介します。
試験日程
技術士二次試験の受験申込スケジュールと合格発表までの日程をまとめました。
受験申込の受付期間は2週間程度と短いため、申請書作成に必要な情報はあらかじめ整理して申込に備えておくとよいでしょう。
受験申込スケジュール
受験申込書配布期間 | 令和7年(2025年) 3月24日(月)~4月16日(水)まで |
受験申込書入手方法 | 公益社団法人日本技術士会ホームページにて |
受験申込書受付期間 | 令和7年(2025年) 4月1日(火)~4月16日(水)まで ※受験申込書類は、公益社団法人日本技術士会宛てに、書留郵便(4月16日(水)までの消印のあるものに限り受付)で送付 |
試験の実施に関する事務を行う機関及び申込書類提出先 | 指定試験機関 公益社団法人 日本技術士会 〒105-0011東京都港区芝公園3丁目5番8号 機械振興会館4階 |
受験料 | 14,000円 |
試験スケジュール
筆記試験日 | 【総合技術監理部門の必須科目】 令和7年(2025年)7月20日(日) 【総合技術監理部門を除く技術部門】 【総合技術監理部門の選択科目】 令和7年(2025年)7月21日(月・祝) |
筆記試験合格発表 | 令和7年(2025年)11月 |
口頭試験 | 令和7年12月から令和8年1月までの間(筆記試験合格者にあらかじめ通知する) |
口頭試験合格発表 | 令和8年(2026年)3月 |
筆記試験の試験地
試験会場
続けて、技術士二次試験の試験会場をまとめます。
筆記試験
二次試験の筆記試験が実施されるのは、以下の12都道府県です。
- 北海道
- 宮城県
- 東京都
- 神奈川県
- 新潟県
- 石川県
- 愛知県
- 大阪府
- 広島県
- 香川県
- 福岡県
- 沖縄県
詳細な会場は受験票で通知されるほか、官報と公式サイト「日本技術士会」で6月中旬ごろに公表されます。
口頭試験の試験地
二次試験の口頭試験は「東京都」のみで実施され、会場の詳細は口頭試験の日時と一緒に受験者に通知されます。
技術士二次試験の勉強方法
技術士二次試験の効果的な勉強方法は、筆記試験対策として過去問題から重要なキーワードを抽出し、自作の解説書を作ることです。
論文の書き方を繰り返し練習することも有効なので、緻密な学習スケジュールを立てたうえで徹底的にアウトプットしていきましょう。

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技術士の2次試験の試験対策はどうすればいいか教えてください。…
口頭試験対策では原稿を用意して練習するほか、自分のスピーチ映像を録画して分析する方法が効果的です。
スピーチで意識したい点は、業務経歴と業務詳細をわかりやすく明瞭に伝えることです。
録画したら映像を見返して「明るい態度で話しているか」「言葉が聞き取りやすいか」といった部分を確認しましょう。
練習と改善を十分に行い、口頭試験に向けてプレゼンテーションスキルを高めることが大切です。

口頭試験対策の3つのポイント
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技術士二次試験過去問の活用方法
技術士二次試験の過去問題は日本技術士会「過去問題(第二次試験)」で公開されていますが、解説がないのでそのままでは活用しにくいといえます。
試験対策に過去問題を活用する場合は、解説付きの問題集を使うようにしましょう。
早めの準備がおすすめ
令和7年度技術士二次試験の受験申請受付期間は、令和7年(2025年)4月1日(火)から4月16日(水)までです。
例年、受験の申請期間は長くないため、受験を予定されている場合は業務経歴など申請書の作成に必要な内容をあらかじめ準備しておくことをおすすめします。
また、受験申込書に記載する内容は、開催年によって変更が発生する場合があります。
受験申込書を作成する際、日本技術士会から公表される「受験申込み案内」を必ず確認するようにしましょう。
●詳細は、公益社団法人日本技術士会のホームページ(外部サイト)をご覧ください。
まとめ
本記事では技術士の二次試験の受験資格と試験内容を解説しました。
記事のポイントをおさらいしましょう。
- 技術士二次試験の受験には、技術士補となる資格と実務経験が必要である
- 二次試験は「筆記試験」「口頭試験」で構成されており、口頭試験は筆記試験の合格者のみが受けられる
- 筆記試験には「必須科目」「選択科目」があり、記述式で行われる(総合技術監理部門の一部を除く)
- 口頭試験は筆記試験の答案や業務経歴を踏まえて実施され、試問によって技術士の適格性が問われる
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