
技術士を目指すにあたり、改めてそのすごさは何なのか気になる方もいるでしょう。
中には「役に立たない」とする意見も見受けられます。
本記事では、技術士のすごさや取得のメリット、一部で「役に立たない」といわれる背景を解説します。
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技術士とは
技術士は「科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務を行う者」とされています。
科学技術分野での最高位の国家資格であり、高度な応用能力を備えている技術者の称号です。
試験は一次試験と二次試験で構成され、二次試験合格後に登録を受けることで技術士としての従事が可能になります。
技術士は以下21の部門に分かれており、それぞれ試験の出題内容が異なります。
- 機械部門
- 船舶・海洋部門
- 航空・宇宙部門
- 電気電子部門
- 化学部門
- 繊維部門
- 金属部門
- 資源工学部門
- 建設部門
- 上下水道部門
- 衛生工学部門
- 農業部門
- 森林部門
- 水産部門
- 経営工学部門
- 情報工学部門
- 応用理学部門
- 生物工学部門
- 環境部門
- 原子力・放射線部門
- 総合技術監理部門(二次試験のみ)
取得できれば、民間企業の技術部門はもちろん、政府機関などで高度な技術を発揮したり、技術コンサルタントとして活躍したりといった可能性が広がります。
総合技術監理部門に合格すれば、将来的な責任者候補として周囲の期待も高まるでしょう。
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技術士のすごさ
ここでは、技術士のすごさとして以下の5点を見ていきましょう。
- 難関資格である
- 専門性の高い仕事ができる
- 公共事業の入札に役立つ
- 平均年収が高い傾向にある
- 転職や独立などキャリアアップにつながる
それぞれ詳しく解説します。
難関資格である
技術士は、数ある国家資格の中でも難関資格の一つととらえられています。
合格率は部門や年度によってバラつきがあるものの、一次試験は30~50%程度と低くない一方、二次試験になると10%強にまで下がります。
二次試験の受験には技術士補の資格や実務経験が必要なことを踏まえると、そのレベルの高さがわかるでしょう。
しかし、合格に必要な勉強時間は1,000~2,000時間程度とされており、弁護士や公認会計士などと比べれば比較的少ないともいえます。
合格のハードルとなる二次試験の論文対策をしっかりと行えば、十分合格が見えてくるはずです。
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専門性の高い仕事ができる
技術士として登録を受ければ、技術者として専門性の高い仕事に従事する機会が増えるでしょう。
民間企業だけでなく、国や地方公共団体などで高度な技術を発揮するケースが少なくありません。
また、技術コンサルタント(コンサルティング・エンジニア)として活躍したり、大学などの教育機関や研究機関で教育・研究を行ったりする技術士もいます。
技術士の資格があれば担当領域における専門性の高さが一目瞭然であるため、特定のポジションに抜擢される機会が増えるはずです。
公共事業の入札に役立つ
社内に技術士がいれば、公共事業の入札に役立つため、所属組織にも恩恵をもたらします。
技術士1人につき5点が加点される仕組みとなっており、入札時に有利に働くのです。
また、公共工事の受注金額上限が上がるというメリットもあります。
技術士がいるだけで事業にプラスの影響が出るため、存在価値の高い資格だといえます。
平均年収が高い傾向にある
技術士のすごさの証明として、平均年収の高さも挙げられるでしょう。
2019年度の「賃金構造基本統計調査」によると、企業規模10人以上の企業における技術士の平均月額給与は43.9万円、賞与は139.7万円とされており、単純計算で平均年収は666.5万円になります。
国税庁の「令和元年分 民間給与実態統計調査」によると、同年の給与所得者の平均給与は436万円です。
技術士の給与は全体平均を大きく上回っていることから、そのすごさや希少価値の高さがうかがえます。
転職や独立などキャリアアップにつながる
技術士の資格を取得すれば、転職や独立などのキャリアアップにもつながりやすくなります。
前述の通り、技術士が社内にいれば専門的な業務を任せられたり、公共事業の入札で有利に働いたりと企業に多くのメリットがもたらされます。
自身の技術部門と企業が求める領域が一致すれば、転職によってキャリアアップできる可能性は高いでしょう。
また、技術コンサルタントなどとして独立して活躍する技術士もいます。
技術士として経験を積んでいけば、いずれ会社に雇われなくても自身でビジネスを開始できるかもしれません。
技術士は役に立たないといわれる理由は?
さまざまなメリットのある技術士ですが、以下2つの理由から「役に立たない」といわれることもあるようです。
- 知名度があまり高くない
- 特定の業務を独占できるわけではない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
知名度があまり高くない
技術士はその専門性の高さから、あまり一般に広く知られている資格ではありません。
弁護士や公認会計士、税理士と並ぶ資格であるにもかかわらず、知名度はそれらと比べて低いといえるでしょう。
そのため、「技術士って役に立つの?」と懐疑的な意見も出てしまうようです。
しかし、本記事でご紹介した通り技術分野においては最高峰の資格の1つであり、取得すれば活躍の機会が広がることは間違いないといえます。
自身の業務やキャリアに必要な資格かどうかが重要であり、あまり知名度を気にする必要はないでしょう。
特定の業務を独占できるわけではない
技術士には独占業務があるわけではありません。
弁護士や行政書士、司法書士などであれば、資格がなければ従事できない業務があるため、取得のメリットを感じやすいでしょう。
しかし、技術士にならなければ扱えない業務というものはないため、資格がどう役に立っているのかわからないという方がいるかもしれません。
ただし、技術士の資格を持っていることでその領域における専門性の高さを証明でき、大きなプロジェクトを任されたり、キャリアアップにつながったりするケースは十分考えられます。
独占業務がないからといって、ネガティブにとらえる必要はまったくないでしょう。
まとめ
本記事では、技術士のすごさや取得のメリット、一部で「役に立たない」といわれる背景を解説しました。
ポイントをまとめると、以下の通りです。
- 技術士は難関国家資格の一つであり、専門性の高い仕事に就けるのが魅力
- 企業にとっても公共事業の入札に有利に働くなどメリットが大きい
- 2019年度の平均年収は666.5万円と全国平均の436万円を大きく上回る
- 知名度があまり高くないことや独占業務がないことから役に立たないとする意見も
- しかし実際には、特定の技術領域における専門性の高さを証明する手段として大いに役立つ
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