
技術士に興味があるものの、どれくらいの勉強時間が必要なのか気になるという方は多いでしょう。
本記事では、技術士試験の合格に必要な勉強時間の目安や対策のコツをご紹介します。
技術士資格の取得を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
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技術士試験全体で必要な勉強時間
まずは、技術士試験全体の対策に必要な勉強時間について解説します。
技術士の試験制度
技術士試験は、公益社団法人日本技術士会が実施している技術士または技術士補になるための国家試験です。
技術士試験には一次試験と二次試験があり、技術士になるには二次試験に合格したうえで登録を受ける必要があります。
一次試験に受験資格などはないため、年齢や学歴、業務経験などに関係なく誰でも受験できます。
合格すると、技術士補登録をする資格が得られます。
一次試験は筆記試験のみで、日程は例年11月です。
二次試験は、一次試験に合格もしくは日本技術者教育認定機構(JABEE)が認定する教育課程を修了したうえで、実務経験がある人のみが受験できます。
二次試験には、筆記試験と口頭試験があります。
日程は例年筆記試験が7月、口頭試験が12月〜翌年1月です。
二次試験に合格すると、技術士登録をする資格が得られます。
技術士合格に必要な勉強時間
あくまで目安として、技術士一次試験には400時間、二次試験には600〜1,200時間、合計で1,000〜2,000時間程度の勉強が必要だとされています。
ただし、受験生によってもともとの知識量などに違いがあるため、一概にこれだけ勉強すれば必ず合格できるといえるわけではありません。
一次試験・二次試験それぞれについて詳しく見ていきましょう。
技術士一次試験合格に必要な勉強時間
ここからは、一次試験の概要や試験対策について解説します。
一次試験の内容
一次試験の出題内容は、以下の通りです。
基礎科目 | 適性科目 | 専門科目 | |
出題内容 | 科学技術全般にわたる基礎知識を問う問題 | 技術士法第四章(技術士等の義務)の規定の遵守に関する適性を問う問題 | 当該技術部門に係る基礎知識及び専門知識を問う問題 |
試験時間 | 1時間 | 1時間 | 2時間 |
配点 | 15点満点 | 15点満点 | 50点満点 |
合格基準 | 50% | 50% | 50% |
出題科目は、基礎科目・適性科目・専門科目の3つがあります。
出題形式は、全科目択一式となります。

技術士一次試験の制度や受験資格、日程、合格率などをまとめて解…
技術士一次試験は受験資格のない誰でも受けられる試験で、年に1回実施されます。技術士の資格を取得するには、まずこの一次試験に合格しなければなりません。本記事で…
技術士一次試験は受験資格のない誰でも受けられる試験で、年に1…
一次試験の合格率
一次試験の合格率は以下の通り推移しており、30~50%前後が目安だといえます。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2023(令和5) | 16,631人 | 6,601人 | 39.7% |
2022(令和4) | 17,225人 | 7,264人 | 42.2% |
2021(令和3) | 16,977人 | 5,313人 | 31.3% |
2020(令和2) | 14,594人 | 6,380人 | 43.7% |
2019(令和元) | 13,266人 | 6,819人 | 51.4% |
一次試験合格に必要な勉強時間
技術士の一次試験合格には400時間程度の勉強が必要であるとされています。
ただし、400時間さえ勉強すれば誰でも必ず合格できるというわけではありません。
前提となる知識量や勉強方法によっては、400時間以上勉強したのに合格できないということもあるでしょう。
それでも、二次試験と比べれば難易度は低いといえます。
確実に合格できるよう、これから解説する試験対策のコツを把握したうえで、必要な知識を効率よく身につけていきましょう。
一次試験対策のコツ
一次試験は二次試験と比べると合格率は高いですが、出題範囲が非常に広い試験です。
そのため無計画に勉強していても、すべての範囲を網羅することはできません。
合格レベルの実力が身につく前に試験本番を迎えることになってしまうでしょう。
一次試験対策のコツは、主に以下の4点です。
- 計画に沿って学習を進めていく
- 過去問を解いて、得意分野と苦手分野を把握する
- 苦手分野を丁寧につぶしていく
- 本番と同じ形式で模試や過去問に取り組む
一次試験には基礎科目・適性科目・専門科目が出題されます。
合格するには、この3科目すべてで50%以上正解する必要があります。
どの科目も確実に50%以上取れるよう、網羅的に学習を進めましょう。
技術士二次試験合格に必要な勉強時間
続いて、二次試験の概要や試験対策について見ていきましょう。
二次試験の内容
二次試験の出題内容は、以下の通りです。
二次試験では、筆記試験と口頭試験が実施されます。
口頭試験は、筆記試験の合格者のみの実施です。
▼筆記試験
試験科目 | 必須科目 | 選択科目 | |
出題内容 | 「技術部門」全般にわたる専門知識、応用能力、問題解決能力及び課題遂行能力に関するもの | 「選択科目」についての専門知識及び応用能力に関するもの | 「選択科目」についての問題解決能力及び課題遂行能力に関するもの |
試験方法 | 記述式(600字詰解答用紙3枚以内) | 記述式(600字詰解答用紙3枚以内) | 記述式(600字詰解答用紙3枚以内) |
試験時間 | 2時間 | 3時間30分 | |
配点 | 40点 | 30点 | 30点 |
▼口頭試験
諮問事項
出題内容 | 技術的体験を中心とする経歴の内容および応用能力 | 技術的体験を中心とする経歴の内容および応用能力 | |
技術者倫理 | 技術士制度の認識その他 | ||
諮問時間 | 20分 | ||
合格基準 | 60% | 60% | 60% |
二次試験の合格率
二次試験の合格率は以下の通り推移しており、おおむね11~12%となっています。
一次試験と比較すると、かなり難易度が上がっていることがうかがえます。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2023(令和5) | 22,877人 | 2,690人 | 11.8% |
2022(令和4) | 22,489人 | 2,632人 | 11.7% |
2021(令和3) | 22,903人 | 2,659人 | 11.6% |
2020(令和2) | 20,365人 | 2,423人 | 11.9% |
2019(令和元) | 24,326人 | 2,819人 | 11.6% |
二次試験合格に必要な勉強時間
前述の通り、技術士の二次試験合格には600〜1,200時間程度の勉強が必要であるといわれています。
二次試験は一次試験よりも合格率がかなり低く、難易度が高い試験です。
必要な勉強量は受験者の前提知識や業務経験などによって大きく異なるため、勉強時間の目安も幅が広くなっています。
二次試験に合格するには、これから解説する試験対策のコツを把握したうえで、必要な知識やスキルを効率よく身につけていきましょう。
二次試験対策のコツ
技術士試験最大の山場は、二次試験の筆記試験です。
筆記試験対策のコツは、主に以下の2点です。
- 過去問からキーワードを抽出して解説書を作り、覚える
- 論文の問題を繰り返し練習し、正しい書き方を身につける
この2点を徹底して対策をすれば、二次試験に合格できるレベルの実力が身につくでしょう。
また、論文対策では書いた文章を人に見てもらうことが重要です。
添削やフィードバックを受ければ、自分では見落としていたミスに気づくことができます。
口頭試験では、業務経験はもちろん経験に裏付けされた応用力が求められます。
筆記試験の解答に関する質問をされる場合もあるため、筆記試験が終わったら忘れないうちに解答を書き起こしておきましょう。

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限られた時間で技術士合格を勝ち取るコツ
働きながら技術士試験を受けるなら、効率よく学習を進める必要があります。
ここでは、以下3つのコツをご紹介します。
- スキマ時間を活用する
- 効率的な学習計画を立てる
- 二次試験は第三者のフィードバックをもらう
1つずつ見ていきましょう。
スキマ時間を活用する
1つ目は、スキマ時間を活用することです。
忙しい社会人の方が、毎日まとまった時間を試験勉強に使うのは難しいでしょう。
しかし、待ち時間や通勤時間、昼休みなどといったスキマ時間でも勉強することは可能です。
例えば、選択問題を解いたり参考書を確認したりといった勉強なら、場所や時間を選ばずに進められるでしょう。
また、スマホで学べるオンライン講座なら、こうしたスキマ時間を有効活用しながら、忙しい人でも着実に知識を身につけられます。
効率的な学習計画を立てる
2つ目は、効率的な学習計画を立てることです。
前述の勉強時間はあくまで目安です。
効率の悪い対策をしていると、必要な勉強時間がさらに伸びてしまうかもしれません。
また学習計画を立てずに、気が向いたときだけ勉強をする方法はおすすめできません。
試験当日までに出題範囲が終わらず、合格レベルの知識が身につかない可能性が出てくるからです。
スケジュールは、試験日から逆算して立てることが大切です。
試験日から逆算すれば、「この日までにこの分野を終える」「この週までに過去問を解く」といった目安を立てられます。
学習計画の作成に不安がある方は、通信講座やオンライン講座などの完成されたカリキュラムを利用するのがよいでしょう。
二次試験は第三者のフィードバックをもらう
3つ目は、二次試験対策として第三者のフィードバックをもらうことです。
前述の通り、二次試験の筆記試験は論文形式となっています。
二次試験は、ただ知識があるだけでは合格できません。
受験者本人はうまく書けているつもりでも、採点者から見ると論旨がわかりづらかったり、誤解を招く表現になっていたりして、得点が伸びない場合もあります。
合格するには、業務経験や専門知識を用いながらもわかりやすい文章に落とし込むスキルが必要となります。
内容を把握している自分自身で振り返ってもブラッシュアップするのは難しいため、第三者にフィードバックをもらうほうがよいでしょう。
まとめ
今回は、技術士試験の勉強時間について解説しました。
ポイントをまとめると、以下の通りです。
- 一次試験対策に必要な勉強時間の目安は400時間程度
- 一次試験は範囲が広いため、過去問を解き得意分野と苦手分野を把握して対策する
- 二次試験対策に必要な勉強時間の目安は600〜1,200時間程度
- 二次試験は論文の問題を繰り返し練習し、正しい書き方を身につける
- 学習計画を立てたうえで、スキマ時間を活用して効率的に対策することが重要
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