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論文作法の基本
2019年の技術士第二次試験より、必須科目での択一試験がなくなり、記述式論文試験に変更となりました。
選択科目での記述試験分を含めると、全部で9枚分も論文を書き上げることになります。
今回は、論文作成上の注意点をまとめたものを下記にリストアップしています。
基本的な作法になっているため、「そんなことはわかっている」と思う方もいると思います。
ですが、初めての目にする方もいらっしゃると思います。
初めての方は、以下のリストが論文作成における基本的なポイントとなるためしっかりと、押さえるようにしましょう。
既にご存知の方は、復習も兼ねて、思い出すつもりで確認してみてください。
- ワンセンテンス毎に、語尾は変化させる。「〜である」「〜である」「〜である」は不可。
- 「~したら」、「~できれば」等の「タラ・レバ」は不可。
- 「~するべきだ」、は不可「~する必要がある」に言い換える
- 「つまり」は不可、「言い換えると」を使う。
- 音読みの時は「徐々に」、訓読みの時は「我われは」と書く。
- 「~かも知れない」などの個人的推量は不可。
- 「~なのである」は文語的で不可。
- タイトルは体言止めにする。
- 単位は極力統一する。
- 「無い」は不可、「ない」と書く。
- 「~ので」は不可、「~のため」と書く。
- 「考えられる」は無責任で不可。
- 商品名は使用不可、一般の会社名は不可。
- 行政、国策の批判はしない。
- 問題があると思う(不可)→改善の必要性がある。
- 問題があるのではないかと思う(不可)→問題があると考えられている。
- 「この」「もの」「その」は、あまり使用しない。
- 項目に文章の内容を書く
- 着眼点を入れる
- 文書は「が」で繋がない、又「の」は二つ以上続けない。
- 文には次の三つの柱がある。
与えられた問い、あるいは自分で立てた問いに対して
一つの明確な答えを主張し、
その主張を論理的に裏付けるための事実的・理論的な根拠を提示して主張を論証する。 - 「曖昧さ」と「はぐらかし」は厳禁
- 「問い+答え+論拠」以外の事は書いてはいけない。
- 問題意識を持つにはどうしたらいいかを考えるより、問題意識をねつ造する方法を考える。
- 論文とは論文の形をした文書のことなのである。
- ゴースト文を避けるには以下の2点に注意すべし。
- まずは、主語と述語のそろった文だけを書いていくようにする。その上で、あまり同じ主語が繰返しになってかえってくどく、さらにそれを省いても理解に支障をきたさない時だけ、主語を省く。
- そもそも、一つの文に色々詰め込みすぎる「イカめし文」が元凶だ。文が膨れあがるのを常に警戒し、複数の文に分けて書くことは出来ないかと考える。
- 読み手のことを考えずに「自分の書きたいこと」を書いた文書は、独善的で陳腐になりがち。具体的な読者を想定して書く。
- 主語と述語は近づける。
- 修飾語と被修飾語も近づける。
- 見出し以外では、漢字熟語を動詞として多用しない。
- 「そして」「~が」を乱用しない、特に「~が」は順接で使用しない。
- 「しかし」はUターンマーク、と思い、必要なときだけ使う。
- こけおどしの外来語は使わない。
- 「ら」抜き言葉は使わない。
- 「重言」はうるさい印象を与える、「一番最初」「今の現状」「価格の値下げ」「~のみに限る」等。
- 「私は~と思う」、「私は~と考える」は使用しない。
- 「~というもの」は使用しない。
- 「まるで~のようだ」は使用しない。
- 修辞疑問文、例えば「~ではないだろうか」「~ではなかろうか」は使用しない。
- 会話体は使用しない。
- 意見だけ書いて、説明しないと傲慢な感じになる。