技術士の建設部門とは?試験制度や難易度、出題内容を解説

技術士の部門の中でももっとも受験者が多いのが建設部門です。

本記事では、技術士の試験制度や建設部門の難易度、出題内容を解説します。

建設部門での受験を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

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技術士の試験制度

まずは技術士の試験制度について押さえておきましょう。

技術士試験は一次試験と二次試験で構成されており、以下のようなステップで登録申請まで進めます。

  1. 技術士一次試験に合格する(または合格同等と認められた教育課程を修了する)
  2. 一定の実務経験を積む
  3. 技術士二次試験の筆記試験に合格する
  4. 技術士二次試験の口頭試験に合格する
  5. 技術士の登録申請を行う

そして、各試験は以下21の部門に分かれています。

  • 機械部門
  • 船舶・海洋部門
  • 航空・宇宙部門
  • 電気電子部門
  • 化学部門
  • 繊維部門
  • 金属部門
  • 資源工学部門
  • 建設部門
  • 上下水道部門
  • 衛生工学部門
  • 農業部門
  • 森林部門
  • 水産部門
  • 経営工学部門
  • 情報工学部門
  • 応用理学部門
  • 生物工学部門
  • 環境部門
  • 原子力・放射線部門
  • 総合技術監理部門(二次試験のみ)

試験では選択した部門に沿った内容が出題されるため、それぞれ異なる対策が必要です。

【あわせて読みたい】技術士試験の試験制度について

技術士の建設部門について解説

それでは、21ある部門の中で建設部門がどのようなものなのか、以下4つの観点で見ていきましょう。

  • 建設部門とは
  • 建設部門の難易度・合格率
  • 建設部門の受験資格
  • 建設部門の出題内容

建設部門とは

建設部門の技術士は、その名の通り建設業で活躍できる資格です。

取得すれば、企業・官公庁において公共事業やインフラ関連の業務などに携われるようになるでしょう。

具体的な仕事内容としては、事前調査や設計、監理、公共事業の計画などが挙げられます。

規模の大きい公共事業やインフラ事業などのプロジェクトに従事できる可能性がある、魅力的な資格だといえます。

 

また、将来的に建設コンサルタントとして独立することも可能です。

十分な経験があれば、建設の専門家として第三者の立場から企業経営をサポートできます。

建設部門の難易度・合格率

ここでは、建設部門の一次試験・二次試験の合格率を見ていきましょう。

▼建設部門一次試験

年度受験者数合格者数合格率
令和5(2023)8,7383,20936.7%
令和4(2022)8,8883,66141.2%
令和3(2021)8,5812,48328.9%
令和2(2020)7,2842,89139.7%
令和元(2019)4,9242,34447.6%

【参考】技術士第一次試験 統計情報

一次試験全体の合格率は30~50%程度で推移しており、建設部門の合格率もおおむね同じ程度だといえます。

▼建設部門二次試験

年度受験者数合格者数合格率
令和5(2023)13,3281,3039.8%
令和4(2022)13,0261,2689.7%
令和3(2021)13,3111,38410.4%
令和2(2020)11,7631,21610.3%
令和元(2019)13,5461,2789.4%

【参考】技術士第二次試験 統計情報

二次試験全体の合格率は11%程度で推移していることから、それを下回る建設部門の難易度は若干高いといえるかもしれません。

いずれにしても、技術士試験は二次試験をいかに突破するかが重要であり、特に論文対策をしっかりと行うことが合格へのカギとなります。

建設部門の受験資格

技術士の一次試験はいずれの部門も受験資格が設定されておらず、誰でも受験可能です。

しかし、二次試験を受けるには、「技術士補となる資格を取得すること」「一定の実務経験があること」の2点を満たす必要があります。

技術士補となる資格を取得するには、技術士一次試験に合格するか、指定された教育課程を修了します。

 

指定された教育課程とは、文部科学大臣が技術士第一次試験の合格と同等だと指定した大学や専門学校の教育過程です。

実務経験の要件は総合技術監理部門とそれ以外で異なり、建設部門の場合は以下3つのいずれかを満たす必要があります。

実務の内容必要な期間
技術士補に登録して技術士の補助を行う4年を超える期間
監督者の下で科学技術に関する実務経験を積む
(※技術士補の資格取得日から算入)
4年を超える期間
科学技術に関する実務経験を積む
(※技術士補の資格取得日以前の経験も算入可能)
7年を超える期間

※1つ目と2つ目の期間は合算が可能
※実務経験には大学院修士・博士課程の研究経歴を理科系統に限り算入でき、最大2年まで実務期間を短縮可能

現時点で自身がどの程度要件を満たしているか把握したうえで、合格までのスケジュールを立てましょう。

建設部門の出題内容

一次試験は基礎科目・適性科目・専門科目の3つで構成されており、建設部門特有の問題が出るのは「専門科目」です。

建設部門の専門科目では、出題範囲として「土質及び基礎/鋼構造及びコンクリート/都市及び地方計画/河川、砂防及び海岸・海洋/港湾及び空港/電力土木/道 路/鉄 道/トンネル/施工計画、施工設備及び積算/建設環境」が設定されています。

 

また、二次試験は必須科目・選択科目1・選択科目2の3つで構成されており、2つの選択科目で建設部門特有の問題が出題されます。

具体的には、以下11個の科目が規定されています。

  • 土質及び基礎
  • 鋼構造及びコンクリート
  • 都市及び地方計画
  • 河川、砂防及び海岸・海洋
  • 港湾及び空港
  • 電力土木
  • 道路
  • 鉄道
  • トンネル
  • 施工計画、施工設備及び積算
  • 建設環境

各科目の内容を把握したうえで、必要な対策を進めていきましょう。

技術士の建設部門に合格するには?

建設部門を含め、特に合格率の低い二次試験を突破するためには、以下3つの要素が大切です。

  • 専門科目合格に必要な専門知識
  • 答案に書き込む文章表現力
  • 専門的なエンジニアとしての視点・見識

特に2つ目の文章表現力については、試験対策なしで自然に身につけるのは困難といえます。

「技術士試験の半分は国語の試験だ」という人もいるほど、文章表現は技術士試験においてカギを握ります。

 

しかし、繰り返し練習さえすれば誰でも身につけられる技術です。

オンラインで学べる「スタディング技術士講座」では添削課題も受けられます。

個人での対策が難しそうだと感じている方はぜひチェックしてみてください。

まとめ

本記事では、技術士の試験制度や建設部門の難易度、出題内容を解説しました。

ポイントをまとめると、以下の通りです。

  • 建設部門は技術士の中でももっとも受験者数が多い部門
  • 建設部門の技術士になれば、大規模な公共事業やインフラ事業に従事できる可能性がある
  • 建設部門の一次試験の難易度は全体と同程度だが、二次試験は若干合格率が低い
  • 特に合格が難しいとされる論文試験の対策をいかに行うかが重要
  • 添削サービスなどを利用してフィードバックをもらいながら学習するのが効果的

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