
ファイナンシャルプランナー(FP)3級は、比較的難易度が低く、独学でも合格が目指せる試験とされています。
とはいえ、限られた時間で合格するためには、勉強時間の確保と計画的な学習が欠かせません。
本記事では、FP3級合格に必要な勉強時間の目安を解説するとともに、具体的なスケジュール例や勉強時間を確保するためのヒントを紹介します。
FP3級合格に必要な勉強時間・期間の目安
FP(ファイナンシャルプランナー)3級試験の合格に必要な勉強時間は、一般的に80~150時間ほどが目安とされてます。
合格に必要な勉強期間は、1日あたりの勉強時間から考えるとイメージしやすくなります。
たとえば、1日2時間勉強できる場合、勉強期間の目安は2〜3カ月程度です。
ただし、これはあくまでも一般的な目安です。
それぞれの置かれている状況や、仕事とFP分野との関わり具合などによって、必要な勉強時間は異なります。
FP3級は1カ月でも合格できる!特徴と難易度をチェック
FP3級試験の特徴と難易度について、くわしくみていきましょう。
FP3級の特徴
FP3級の特徴は以下のとおりです。
- おおよその出題パターンが決まっている
- 学科試験は二択・三択問題のみ
- 正答率6割で合格できる
FP3級は出題パターンがある程度決まっているため、効率よく勉強をすれば、短期間での合格も可能です。
合格を目指すなら、まずFP3級で出題される6分野の中から、自分の得意・不得意を把握し、分野ごとに必要な勉強時間を逆算して計画を立てましょう。
「合格」だけに照準を絞って勉強するなら、過去問を中心に「出るところだけ」を勉強するのが効果的です。
この方法であれば、最短1カ月での合格も不可能ではありません。
とはいえ、もちろん単に期間ではなく、どれだけ集中して取り組めるかが重要です。
ただし、合格だけを目指した勉強方法では、FPとして活躍するために十分とは言えません。
試験の内容は、あくまで実務で必要な知識の基礎にすぎず、いわば骨組みのようなものです。
FPとして活躍するためには、合格後もコツコツ知識と経験を積み重ねていくことが大切です。
FP3級の難易度
FP3級には比較的オーソドックスな問題が出題されます。
基礎的な知識が問われる問題で構成されており、特別な専門知識や高度な応用力は必要ありません。
加えて、解答方法は多肢選択式です。
難しい記述や口頭試問も課されないため、初心者でも挑戦しやすいでしょう。
なお、FP試験は、日本FP協会と金融財政事情研究会(きんざい)の2つの団体によって実施されています。
それぞれの合格率は、日本FP協会が約85%、きんざいが約50%となっており、2つの団体で差があります。
試験回や実施団体によって合格率は変動するものの、合格率から見ても、国家資格の中では比較的難易度の低い試験といえます。
FP3級合格に必要な1日の勉強時間とスケジュール例
FP3級に合格するには学習計画がカギとなります。
ここでは3つの勉強スタイルを紹介します。
- 基本は「1日2時間」の勉強時間を確保すること
- 社会人向け|平日1時間・休日2時間
- 短期集中型|1日3時間以上
自分に合った計画を立てるための参考にしてください。
基本は「1日2時間」の勉強時間を確保すること
FP3級合格に必要な勉強時間は、80~150時間が目安です。
総勉強時間を120時間とした場合、毎日2時間の勉強を続けると60日(約2カ月)で必要な勉強時間に達します。
前半で基礎を固め、後半に実践演習をすると、効率よく試験対策ができるでしょう。
1カ月目は、テキストと問題集を活用し、6科目の基礎を固める期間です。
試験の出題範囲を一通り学習し、基礎知識を習得しておくことで、2カ月目の実践演習がスムーズに進みます。
2カ月目は、過去問や模擬試験に取り組み、実践力を高める期間です。
最初は得点にこだわらず、間違えた問題の理解を深めることが大切です。
1日2時間の勉強を計画的に進めれば、勉強期間約2カ月でも合格を目指せます。
社会人向け|平日1時間・休日2時間
忙しい社会人には、平日1時間・休日2時間の学習スタイルがおすすめです。
平日に1時間、休日に2時間の勉強時間を確保できれば、合計で週9時間勉強できます。
これを12週(約3カ月)続けると合計108時間勉強できることになり、合格に必要な勉強時間に達します。
平日は通勤や休憩時間などのスキマ時間を活用し、テキストの読み込みや基礎知識の反復学習をしましょう。
休日には、平日に習得した知識をアウトプットすることを意識します。
まとまった時間を確保し、過去問や問題演習に取り組むと効率的です。
限られた時間でも、計画的なスケジュールと効率的な学習方法を意識すれば、合格を目指せます。
短期集中型|1日3時間以上
短期集中で一気に合格を狙いたい場合は、1日3〜4時間の勉強時間が必要です。
このペースで時間を確保できれば、30日(約1カ月)で90~120時間勉強できます。
短期集中で勉強を進めるなら、過去問の活用がポイントです。
FP3級は、過去の出題形式が踏襲される傾向が高いため、出題パターンに慣れるだけでも十分に得点が見込めます。
また、過去問を活用することで、自分が理解できていない箇所や、重点的に復習すべき箇所が明確になります。
過去問に取り組む際は解くだけで終わらせず、間違えた問題を丁寧に復習して知識を定着させることが大切です。
勉強時間を確保する3つのヒント
「FP3級を取得したいけれど、勉強時間を確保するのが難しい……」という人もいるでしょう。
そんな人向けに、すぐに実践できる勉強時間確保のヒントとして、以下の3つを紹介します。
- スキマ時間を有効活用する
- 毎日の時間の使い方を見直す
- 朝15分早起きをする
工夫次第で勉強時間を確保することは可能です。
時間がないからとあきらめず、時間を作る工夫をしてみてください。
スキマ時間を有効活用する
忙しい人が勉強時間を確保するには、スキマ時間の有効活用が欠かせません。
勉強はかならずしも机に向かい、まとまった時間で取り組むものではないのです。
たとえば、通勤・通学の電車の中や休憩時間、待ち時間といった、日常に潜むスキマ時間はないでしょうか。
自分の生活を振り返り、どんなスキマ時間があるのか確認してみてください。
スキマ時間の勉強には、スマートフォンで学習できる、YouTubeの解説動画や学習アプリが便利です。
無料のものもあるので、取り入れてみるのもよいでしょう。
スキマ時間を活用すれば1日に何度も知識に触れることになり、記憶の定着も図れます。
1回の勉強時間は短くても、コツコツ積み重ねることで着実に実力がつきます。
スキマ時間を活用して勉強を進めたい人には「スタディング」がおすすめです。
スタディングのFP講座は、スキマ時間に勉強できるよう構成されており、スマートフォン1台で勉強を進められます。
気になる方はこちらから無料でお試しください。
毎日の時間の使い方を見直す
勉強時間を確保するためには、毎日の時間の使い方を見直すことも必要です。
まずは普段どんなことに時間を使っているか書き出してみましょう。
SNSや動画視聴、ネット閲覧などに意外と多くの時間を使っているかもしれません。
そのような人は、スマートフォンの使用時間を決めるだけでも大きな効果が得られます。
1日10分スマートフォンの使用時間を減らせば、1週間で1時間以上の時間を確保できます。
また、家事が忙しいという人には、時短家電の導入や、家事の効率化で時間を作るのも一つの方法です。
具体的には、ロボット掃除機を導入したり、ネットスーパーを活用したりという方法が考えられます。
現在の時間の使い方に見直せるところがないか振り返ってみましょう。
朝15分早起きをする
勉強時間を確保するために、朝15分の早起きもおすすめです。
早起きでできた時間を勉強に充てましょう。
朝は1日の中でも、とくに集中力が高まる時間帯です。
夜のように疲れがたまっておらず、静かで勉強に適した環境が整っています。
また、勉強を習慣化しやすいのも朝の強みです。
朝のルーティンの中に勉強を組み込めば、無理なく学習習慣が身につきます。
朝15分早起きすると、1週間で1時間45分もの学習時間を確保できます。
大きく生活リズムを変えるのは難しいですが、15分ほどの早起きであればチャレンジしやすいでしょう。
FP3級合格は独学で目指せる!
FP3級は独学でも合格を目指せます。
前述したように、基礎的な知識が中心で、難易度が比較的低いことがおもな理由です。
加えて、対策用の市販の教材も豊富にあることも、独学で取り組みやすいポイントです。
「FP3級は独学で合格できる」と言える理由と独学の勉強法については、こちらの記事でくわしく解説しています。

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参考:FP3級合格後はFP2級へチャレンジ!
FP3級に合格したら、次はFP2級へのステップアップを目指しましょう。
FP2級はより実務に直結する知識が求められる試験です。
ここでは、FP2級の特徴や、合格に向けたスケジュール例を紹介します。
FP2級試験の特徴
FP2級試験の特徴は以下のとおりです。
- 学科試験はすべて四択問題
- 実技試験には簡単な計算問題や資料読み取り問題も出題される
- 正答率6割で合格できる
FP2級には受検資格があり、FP3級合格や実務経験など一定の要件を満たしている必要があります。
FP3級に合格している場合、6分野のテーマは一度学習済みです。
基礎からやり直すのではなく、3級で学んだ内容に知識を積み上げ、テーマを掘り下げるイメージで勉強を進めるのが良いでしょう。
FP3級に合格したら、あまり時間を空けずに2級の勉強へ進むことが、ステップアップへの近道です。
FP2級合格のためのスケジュール例
FP2級の合格に必要な勉強時間は、一般的に150~300時間とされています。
1日2時間の勉強時間を確保できる場合、勉強期間は3~5カ月程度が目安です。
3級のように1カ月で合格とはいきませんが、計画的に勉強を進めれば、3カ月程度で合格を目指すことも十分可能です。
ここでは、総勉強時間240時間、1日2時間の勉強時間を確保するケースを想定し、スケジュール例を紹介します。
240時間 ÷ 2時間 = 120日間必要となり、勉強期間は約4カ月です。
1〜3カ月目では、テキストや問題集を使って、6分野の基礎固めを行います。
ゼロから新しい知識を学ぶというよりも、3級の知識を復習しつつ、2級レベルのテキストを読み進めるイメージです。
4カ月目は、実践力アップの期間です。
過去問や模擬試験などの問題演習で試験形式に慣れ、得点力アップを目指します。
FP2級では、計算問題や資料読み取り問題も出題されます。
単なる暗記に頼るのではなく、問題文を素早く正確に読み取り、必要な情報を整理する力を身につけましょう。
無理なく勉強時間を確保してFP3級合格を目指そう!
FP3級合格に必要な勉強時間と、勉強時間を確保する方法について解説しました。
- FP3級合格には80~150時間程度の勉強時間が必要
- 国家資格の中では比較的難易度が低く、勉強期間1カ月でも合格を目指せる
- 勉強時間は1日2時間が基本。自分のペースに合わせて効率よく学習しよう
- スキマ時間の活用、朝15分の早起きなど学習時間を確保する工夫をしよう
- FP3級は独学での合格も可能
FP3級の試験は、時間の使い方を工夫すれば忙しくても合格できます。計画的に学習を進め、FP3級合格を目指しましょう。