FP2級(学科)試験の傾向と対策を教えてください。 | |
科目ごとに良く出題される重要テーマがあります。重要テーマを中心に学習しましょう。 |
FP試験には頻出テーマがある!
FP試験の特徴として、「よく出題される重要テーマがある」ということがあげられます。
つまり、学習範囲全体から満遍なく出題されるのではなく、毎回出題されるテーマがある一方で、ほとんど出題されないテーマがあります。
これが分かっていると効率的に学習できます。
そこで今回は、約3年間(2018年1月~2021年1月)の過去問の出題傾向に基づいて、FP2級の学科試験の科目別重要テーマについて説明します。
科目1:ライフプランニングと資金計画
FP資格の中心となる科目です。主にファイナンシャル・プランニングの手法について学習します。
重要度 |
テーマ |
◎最頻出 |
FPと関連法規、公的医療制度、公的年金の制度、公的年金の給付 |
○頻出 |
ライフプランニングの手法、労働保険、中小法人の資金計画 |
FPと関連法規は毎回必ず出題されています。公的年金からは複数の問題が出題されることが多いです。
労働保険については、雇用保険と労災保険のどちらか一方が出題される傾向があります。
科目2:リスク管理
生命保険、損害保険とリスク管理に関する科目です。主に保険の制度、商品、税金のテーマがよく出題されます。
重要度 |
テーマ |
◎最頻出 |
生命保険商品、生命保険と税金、第三分野の保険、損害保険商品 |
○頻出 |
損害保険と税金、法人のリスク管理 |
生命保険商品では、定期保険、終身保険、養老保険の基本と、個人年金保険の特徴がよく出題されます。
損害保険商品は、火災保険、地震保険、自動車保険、傷害保険からの出題がほぼ全てですので、この4つの保険の特徴をしっかり理解しておく必要があります。
科目3:金融資産運用
金融市場と金融商品に関する科目です。苦手な方が多い科目ですが、他の科目に比べて特に基本事項を問われることが多い科目です。
重要度 |
テーマ |
◎最頻出 |
金融商品と税金 |
○頻出 |
預貯金の種類と特徴、投資信託の仕組み、債券の仕組み、債券のリスク、債券の利回り、株式の評価指標、オプション取引、ポートフォリオ理論 |
この科目は、他の科目に比べて出題テーマの偏りが少ない傾向にあるので、全体的に学習する必要があります。そこで、一つ一つのテーマに時間をかけ過ぎず、それぞれの基本事項に絞って学習するのが効果的です。
金融商品と税金では、NISA(少額投資非課税制度)がよく出題されます。
また、上記以外では預金者保護制度と金融商品の関連法規が定期的に出題されています。
科目4:タックスプランニング
税金に関する科目です。主要テーマは所得税、法人税、消費税です。特に所得税がメインとなります。
重要度 |
テーマ |
◎最頻出 |
所得の計算、所得控除、税額控除、法人の税務、消費税 |
○頻出 |
損益通算、法人税 |
所得の計算は毎回出題されています。一番多いのは譲渡所得ですが、他の所得も繰り返し出題されています。
なお、個人と法人の住民税・事業税は試験範囲ですが、過去3年は出題がありません。
(出ないとは言えませんが、割り切って飛ばしてしまうのが効率的です)
科目5:不動産
不動産に関する科目です。不動産の取引、建築関連法規、不動産の税金が主なテーマです。
重要度 |
テーマ |
◎最頻出 |
賃貸契約、建築基準法、不動産の譲渡 |
○頻出 |
不動産登記、不動産の売買、都市計画法、区分所有法、不動産の投資判断 |
賃貸契約からは、借地と借家のどちらかが必ず出題されています。試験によっては両方出題されていることもあります。
建築基準法では、主に住宅などを建てる際の制限が中心に出題されます。道路の制限・用途制限・建ぺい率と容積率の制限が重要です。
不動産の譲渡については、譲渡所得の区分(長期か短期か)をしっかり理解しておきましょう。
科目6:相続・事業承継
相続、贈与、事業承継に関する科目です。特に相続は必須テーマですので、基本事項をしっかり理解しておくことが重要です。
重要度 |
テーマ |
◎最頻出 |
贈与税の計算、相続と法律、相続税の計算 |
○頻出 |
贈与契約、相続税の非課税財産、宅地の評価、宅地の上に存する権利 |
贈与税・相続税の計算からは、基礎控除や各種控除の内容が問われます。学科試験では計算問題は出題されませんが、計算のルールとなる各種控除の制度を理解しておく必要があります。
相続には、独特のルールが存在します。相続人の順位の決め方や法定相続分の計算方法は必ず覚えておきましょう。
これを踏まえて、重要テーマを中心に学習するのが合格への近道です。