
FP(ファイナンシャルプランナー)3級は、ペーパー方式の試験からコンピュータで試験を受けるCBT方式(ネット試験)へ完全移行し、FP2級もCBT方式への移行がほぼ完了しています。
CBT方式に移行したことで、自分の都合に合わせて試験日を選べるようになりました。
本記事では、FP3級・2級の試験日についてお伝えするとともに、CBT方式の概要や移行にともなう変更点なども紹介します。
【2025年度】FP3級・2級の試験日程
FP試験は日本FP協会ときんざい(一般社団法人 金融財政事情研究会)の2つの機関で実施されており、どちらで受検しても同じFP資格を取得できます。
勉強を効率よく進めるためにも、まずは2025年度の試験日程を確認しましょう。
FP3級・2級の試験日
2025年度のFP3級・2級の試験日程(CBT試験)は以下のとおりです。
試験日 | 合格発表 |
---|---|
2025年4月1日~4月30日 | 2025年5月19日 |
2025年5月1日~5月24日 | 2025年6月16日 |
2025年6月1日~6月30日 | 2025年7月15日 |
2025年7月1日~7月31日 | 2025年8月18日 |
2025年8月1日~8月31日 | 2025年9月16日 |
2025年9月1日~9月30日 | 2025年10月16日 |
2025年10月1日~10月31日 | 2025年11月18日 |
2025年11月1日~11月30日 | 2025年12月15日 |
2025年12月1日~12月28日 | 2026年1月19日 |
2026年1月6日~1月31日 | 2026年2月17日 |
2026年2月1日~2月28日 | 2026年3月16日 |
2025年度のFP3級・2級試験(CBT方式)は、日本FP協会ときんざいのどちらも同じ日程で実施されます。
決められた期間内であれば、好きなタイミングで受検することが可能です。
なお、2025年5月25日には、きんざいがFP2級のペーパー方式の試験も並行して実施します。

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CBT試験(ネット試験)の休止期間に注意
FP3級・2級のCBT試験は決められた期間内で随時受検可能ですが、試験を受けられない休止期間があります。
2025年度の休止期間は以下のとおりです。
- 2025年5月25日~5月31日
- 2025年12月29日~2026年1月5日
- 2026年3月1日~3月31日
試験日と同様、休止期間は日本FP協会・きんざいともに同じです。
FP3級はCBT方式(ネット試験)に完全移行|2級もまもなく移行完了
FP3級・2級の試験は、日本FP協会・きんざいの2つの機関ともに、ペーパー方式による会場試験を実施していました。
しかし現在、FP3級の試験はコンピュータで試験を受けるCBT方式への移行が完了しています。
FP3級の試験がCBT方式に移行した時期は以下のとおりです。
- 日本FP協会:2024年4月4日~
- きんざい:2023年11月1日~(2023年度はペーパー方式と並行して実施)
ただし例外として、きんざいが2025年5月25日にFP3級のペーパー方式での試験を実施します。
これは激変緩和措置として実施されるものであり、これ以降ペーパー方式でのFP3級試験は予定されていません。
またFP試験2級もCBT方式に移行しつつあり、現在はほぼ完全に移行している状態です。
FP試験2級がCBT方式に移行した時期は以下のとおりです。
- 日本FP協会:2025年4月1日~
- きんざい:2025年4月1日~(2025年5月はペーパー方式と並行して実施)
なお、きんざいは2025年5月25日にFP2級のペーパー方式での試験を実施します。
これ以降、FP2級のペーパー方式での試験は実施されないことになっており、これにてFP2級も完全にCBT方式へ移行となります。
FP3級・2級で採用されているCBT方式(ネット試験)とは?
ここからは、FP3級・2級で採用されているCBT方式について解説します。
CBTとは「Computer Based Testing」の略です。
冊子による問題用紙やマークシート方式の解答用紙はなくなり、コンピュータ上で解答します。
CBT方式の特徴は以下の4つです。
- 全国のCBTテストセンターで実施される
- 年中好きなときに受けられる
- 試験日の数日前まで受検申請ができる
- 他の資格試験でも採用されている
それぞれの特徴をくわしく見ていきましょう。
全国のCBTテストセンターで実施される
FP3級・2級の試験はCBT方式へ移行したことにより、全国のCBTテストセンターで受検できるようになりました。
全国47都道府県に300以上ある会場から、自分が受検したい会場を選択できます。
旧試験方式では、受検する地区を選ぶことは可能でしたが、会場は試験実施機関によって指定されていました。
CBT方式になったことで受検可能な会場が増えるため、受検の利便性は向上したと言えるでしょう。
年中好きなときに受けられる
CBT方式に移行したことにより、FP3級・2級の試験は1年を通して好きなタイミングで受検可能となりました。
CBTテストセンターがあいているときなら、いつでも受検できるので、自分の都合に合わせて試験日を選べます。
たとえば、仕事が忙しくない時期を選んだり、「合格できそうだ」と思ったタイミングで受検したりすることが可能です。

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試験日の数日前まで受検申請ができる
CBT方式では、試験日の属する月を含んだ4カ月前の月初より、試験日の3日前まで受検申請ができます。
試験日時や会場の変更も3日前までなら可能なため、体調不良や仕事など、急に試験を受けられなくなったときも安心です。
他の資格試験でも採用されている
CBT方式はFP3級・2級試験だけでなく、あらゆる資格試験に採用されています。
たとえば以下のような試験です。
- 日商簿記(2級・3級のみ)
- 社会保険労務士
- 秘書技能検定(2級・3級のみ)
- ITパスポート
- 基本情報技術者
CBT方式の採用によって受検の利便性が向上するだけでなく、自然災害や感染症による試験の中止・延期リスクも大幅に軽減できます。
こうした多くのメリットから、さまざまな資格試験での採用が進んでいます。
CBT方式(ネット試験)になってFP3級・2級はどう変わった?
ここからは、FP3級・2級試験がCBT方式に移行したことで、どのような変更点があったのか解説します。
- FP3級は学科試験が短縮され90分に
- 申込みはネットのみに
- 当日の持ち物が変更に
ひとつずつ確認しましょう。
FP3級は学科試験が短縮され90分に
FP3級の学科試験はCBT方式への移行により、試験時間が120分から90分に短縮されました。
もともとの試験時間は、学科試験が120分、実技試験が60分でした。
CBT方式に移行後は、学科試験が90分に短縮され、実技試験は従来どおり60分で実施されています。
問題形式は従来のまま変わらず、試験時間のみが短縮されたため、時間配分や解答スピードに注意が必要です。
なお、FP2級の学科試験において、CBT化にともなう時間短縮はありません。
申込みはネットのみに
CBT方式に移行後、FP3級・2級試験の受検申込みはネット申請のみになりました。
日本FP協会・きんざい、両機関ともに、CBTソリューションズの受験者専用サイトより、試験日とテストセンターを選択して申し込みます。
ちなみに、旧試験方式では以下の3パターンの申請方法がありました。
- ネット申請
- 申請書の郵送
- データ申請(※団体のみ)
現在は手続きが一元化され、申込みから結果の確認まで、すべてオンラインで完結できるようになっています。
当日の持ち物が変更に
CBT方式に移行したFP3級・2級試験では、受検票が廃止されました。
試験当日は、顔写真付きの本人確認書類によって受検者本人であることを確認します。
試験日当日は以下のような本人確認書類を持参しましょう。
- 運転免許証
- パスポート
- マイナンバーカード
顔写真付きの本人確認書類を忘れた場合、受検できません。
紛失などで提示できない場合でも返金はされないため、注意しましょう。
FP3級・2級がCBT方式(ネット試験)になっても変わらない点
FP3級・2級がCBT方式になっても、以下の点は変わりません。
- 出題形式や合格基準点
- 実技科目
- 受検手数料
それぞれくわしく解説します。
出題形式や合格基準点
CBT方式になっても、出題形式や合格基準などに変更はありません。
なお、FP3級・2級の合格基準点は以下のとおりです。
FP3級 | FP2級 | |||
学科試験の合格基準 | 実技試験の合格基準 | 学科試験の合格基準 | 実技試験の合格基準 | |
日本FP協会 | 60点満点中36点以上 | 100点満点中60点以上 | 60点満点中36点以上 | 100点満点中60点以上 |
きんざい | 60点満点中36点以上 | 50点満点中30点以上 | 60点満点中36点以上 | 50点満点中30点以上 |
実技科目
実技科目の内容にも変更はありません。
FP3級・2級の実技試験の内容は、試験実施機関によって以下のように異なります。
FP3級実技試験の内容 | FP2級実技試験の内容 | |
---|---|---|
日本FP協会 | 資産設計提案業務 | 資産設計提案業務 |
きんざい | 個人資産相談業務保険顧客資産相談業務 | 個人資産相談業務中小事業主資産相談業務生保顧客資産相談業務損保顧客資産相談業務 |
受検手数料
受検手数料も、CBT化による変更はありません。
FP3級の場合、学科試験と実技試験、それぞれ4,000円(非課税)で、学科試験と実技試験の両方を受検する場合は8,000円(非課税)となります。
FP2級の場合は、学科試験が5,700円(非課税)、実技試験が6,000円(非課税)で、学科試験と実技試験の両方を受検する場合は1万1,700円(非課税)となります。
なお、上記金額に加え手数料が必要です。
支払方法によって手数料が異なるので確認しておきましょう。
FP1級の試験は今までどおり?
FP1級のCBT方式移行は発表されておらず、継続してペーパー方式が採用されています。
3級や2級と比べると受検できるチャンスが少なく、学科試験はいずれの試験実施機関も年1回です。
FP3級・2級はCBT方式のため年間を通じて受検可能に!
FP3級・2級の試験日程とCBT方式について解説しました。
ポイントは以下のとおりです。
- FP3級・2級試験はCBT方式で実施されている
- FP3級・2級試験は年間を通して好きなタイミングで受検可能。ただし、休止期間もあるので注意しよう
- CBT方式の試験は全国の試験センターで受検できる
- FP3級試験はCBT方式になったことで、学科試験の時間が120分から90分に短縮されたが、FP2級の学科試験の時間に変更はない
- CBT方式になっても、出題形式や合格基準点・実技科目・受検手数料は変更なし
- 2025年4月現在、FP1級はペーパー方式で実施されている
FP3級・2級の試験はCBT方式への移行によって、自分の好きなタイミングで受検できるようになりました。
自分で決めた試験日に向けて、計画的に勉強を進めましょう。