いつからFP3級はネット試験できるの?
まずは、FP3級のネット試験はいつから開始されるのかを解説していきます。
FP試験は「一般社団法人金融財政事情研究会」(以下、きんざい)と「日本FP協会」の2つの機関で受検できるので、機関ごとの発表を確認していきましょう。
- きんざいは2023年11月1日から
- 日本FP協会は2024年4月4日から
- 会場試験は2024年1月試験まで実施
きんざいは2023年11月1日から
きんざいは、FP試験におけるネット試験を2023年11月1日から開始します。
ネット試験の申込開始は、2023年10月1日12:00からです。
2023年度は、ネット試験と並行しながら、現行の試験(解答用紙に答えを記載する形式)も以下の日程で実施されます。
- 5月28日(日)
- 9月10日(日)
- 1月28日(日)
ネット試験で受検できる回数が増えたため、チャンスが広がったといえるでしょう。
日本FP協会は2024年4月4日から
日本FP協会は、FP試験におけるネット試験を2024年4月4日から開始します。
ネット試験の申込開始は、2023年4月1日10:00からです。
会場試験は2024年1月試験まで実施
ペーパー方式である「会場試験」は、2024年1月まで実施されます。
2024年1月28日の試験を最後に会場試験はなくなり、コンピューターで試験を受ける「CBT方式」へ原則的に全面移行する予定です。
つまり、2023年度は現行のペーパー方式でFP3級試験を受けられる最後の年度となります。
FP3級で採用されるCBT方式とは?
ここからは、FP3級で採用されるCBT方式について詳しく解説していきます。
CBTとは「Computer Based Testing」の略です。
CBT方式になると冊子による問題用紙やマークシート方式の解答用紙がなくなり、コンピューターで受検します。
現行の試験方式と異なる点もあるので、対策を考えながら詳細を確認していきましょう。
- 全国のCBTテストセンターで実施される
- 年中好きなときに受けられる
- 試験日の数日前まで受検申請ができる
- 他の資格試験でも採用されている
全国のCBTテストセンターで実施される
FP3級試験がCBT方式に変更されることによって、全国47都道府県に300以上ある会場から、自分が受検したい会場を選択できるようになります。
現行の試験方式では、受検する地区を選ぶことは可能ですが、会場までは選べません。
会場は試験実施機関によって指定されます。
受検可能なテストセンターの数も増えるため、受検にとっての利便性はますます向上するでしょう。
年中好きなときに受けられる
CBT方式に変更されたFP3級試験は、一年を通して好きなタイミングで受検可能です。
現行の試験方式は、5月・9月・1月の年3回しか受験のチャンスがありません。
しかし、CBT方式に変更されればテストセンターがあいているときいつでも受検できるので、自分が都合のいいタイミングで試験を受けられます。
例えば、仕事が忙しくない時期を選んだり、「合格できそうだ」と思ったタイミングで受験したりすることが可能です。
ただし、試験の休止期間がある点に注意しましょう。
ちなみに、きんざいでは2023年度の休止期間は以下の通り設定しています。
- 2023年12月28日~2024年1月5日
- 2024年1月20日~2024年1月31日
日本FP協会では、2024年度の休止期間を以下の通り予定しています。
- 2024年5月26日~5月31日
- 2024年12月27日~2025年1月6日
- 2025年3月1日~2025年3月31日
試験日の数日前まで受検申請ができる
FP3級試験がCBT方式に変更されたことによって、試験日の3日前まで受検申請ができます。
また、3日前までなら試験日時や会場の変更が可能です。
体調不良や仕事など、急に試験を受けられなくなったときも安心です。
他の資格試験でも採用されている
CBT方式はFP3級試験だけでなく、あらゆる資格試験に採用されています。
例えば、以下のような資格試験です。
- 日商簿記(1級除く)
- 社会保険労務士
- 秘書技能検定
- ITパスポート
- 基本情報技術者
CBT方式の採用によって受検生の利便性が向上するだけでなく、自然災害や感染症による試験の中止・延期リスクも大幅に軽減できます。
CBT方式のメリットは多数あるため、多くの資格試験で採用が進んでいます。
ネット試験になるとFP3級はどう変わる?
ここからは、FP3級試験がネット試験(CBT方式)に移行すると、どのような変更点があるのか解説していきます。
- 2024年度から学科試験が90分に短縮
- 申込はネットのみに
- 当日の持ち物が変更に
2024年度から学科試験が90分に短縮
2024年4月から学科試験の時間が短縮されます。
もともとFP3級の試験は、学科試験が120分、実技試験が60分という時間で実施されていましたが、2024年4月からは90分になります。
申込はネットのみに
まず、FP3級試験がCBT方式に変更されると、受検申請の手段はウェブによるネット申請のみになります。
ちなみに、現行の受検申請方法は以下の3パターンです。
- ネット申請
- 申請書郵送
- データ申請(※団体のみ)
当日の持ち物が変更に
CBT方式に変更されたFP3級試験では、受検票が廃止されます。
受検当日は顔写真がついている公的証明書類によって本人確認を行います。
よって、受検日当日は以下のような公的書類を持参しましょう。
- 運転免許証
- パスポート
- マイナンバーカード
顔写真がついている公的証明書類を忘れてしまった場合、欠席扱いになり、受検できないので注意が必要です。
FP3級がネット試験になっても変わらない点
ここまで、FP3級試験がネット試験になったことで変更される点を解説してきました。
次に、FP3級がネット試験になっても変わらない点を紹介していきます。
- 問題の形式や合格基準点
- 実技科目
- FP1級・2級は今まで通り
問題の形式や合格基準点
「FP3級試験がCBT方式に変更されて、試験時間や出題形式、合格基準も変わったらどうしよう」と不安を感じる人もいるのではないでしょうか。
試験時間の変更は予定されているものの、出題形式や合格基準などの変更はないと発表されています。
なお、現行試験の試験時間や合格基準点は以下の通りです。
学科試験の合格基準 |
実技試験の合格基準 |
学科試験の時間 |
実技試験の時間 | |
きんざい | 60点満点中36点以上 | 50点満点中30点以上 | 120分
※2024年度からは90分 |
60分 |
日本FP協会 | 60点満点中36点以上 | 100点満点中60点以上 | 120分
※2024年度からは90分 |
60分 |
実技科目
FP3級試験がCBT方式に変更されても、実技科目の内容に変化はありません。
FP3級の実技試験は、受検機関によって試験内容が以下のように異なります。
実技試験の内容 | |
きんざい |
個人資産相談業務 保険顧客資産相談業務 |
日本FP協会 | 資産設計提案業務 |
日本FP協会に申し込んだ場合は「資産設計提案業務」になりますが、きんざいに申し込んだ場合は「個人資産相談業務」か「保険顧客資産相談業務」のうち、どちらか1つを選択することになります。
FP1級・2級は今まで通り
FP3級がCBT方式に移行しても、FP1級・2級試験は、今まで通り会場でのペーパー試験を継続します。
FP2級試験やFP1級試験は年間で実施される回数が少ないため、上位資格の取得を目指す場合は、受検申請を忘れずに行いましょう。
まとめ
FP3級のネット試験におけるポイントは次の通りです。
- FP3級試験は、2024年4月までに「CBT方式」へ完全移行する予定。
- きんざいで試験を受ける場合は、2023年11月1日からCBT方式で受検可能。
- 日本FP協会で試験を受ける場合は、2024年4月4日からCBT方式で受検可能。
- CBT方式に変更になると、一年中好きなタイミングで試験を受けられ、試験の3日前に受検申請ができるので、合格のチャンスが広がる。
試験情報が変更になる可能性があるので、最新の情報は随時チェックしましょう。
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